新しい世界で俺は忍者になる!   作:ルーニー

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俺に足りないもの!それは!情熱試行威厳(中略)そして何よりもぉ!修行が足りない!!

やれやれ。なんとか助け出すことが出来た。怪我もなく人質にも目立った傷もない。善きかな善きかな。

しかし驚いたわ。修行場所にピッタリじゃん!と思って行った工場が誘拐犯の根城になっていたとは。しかも人質付きで。これは忍者として見逃せないよね!

 

けど、さすがに攻撃忍術もない上に武器もなにもない状態であれだけの量の大人を相手にするのは無理ゲーだわさ。

だからまずは師範代たちに連絡をとることにした。あの人らならとりあえずこれだけの量でも容易く撃破できるよなぁと師範代たちの人外っぷりへの信頼とややあきれを込めて事情を話したら、なんかすごいやる気に満ちた声でもって返事された。自分から巻き込んでおいてなんだけど、ホントこの人ら人間やめてるよな。

 

話を戻して。んで、誘拐犯討伐隊が来るまでにとっちめるのをやり易くするために人質解放を目論んだわけなんだが。最初に影分身の術で大体の人を集めておいて、1人でもさばける量になったらその場のノリで2人を助けようそうしようというなんともノープランな行動をとることにした。

今考えるとよくこれで助けだせれたな。まぁ成功したんだし、怪我も何もなかったんだから良しとしよう。これも修行とチャクラのお陰だな。ますます修行へのモチベーションが上がってくる。

 

さて。2人も助けれたし、誘拐犯たちも師範代たちにしょっぴかれてるだろうし、これでお役ごめんといこう。チャクラで身体能力強化したとはいえ子供2人程度でフラフラしていたからな。まだまだ修行が足りん。早く体を鍛えるために修行しなくては……。

 

「ちょっと!待ちなさいって!」

 

早速と思って行動しようとすると、助けた少女Aが待ったをかける。まったく。今から修行しようと思ってたのに。

 

「…………」

 

「なんで黙りなのよ!というか、壁に立ったり人間離れした運動ができたり!あんた何者なのよ!?」

 

あー。あー。あー。なるほどなるほど。確かにそれは気になるわな。客観的に見たら怪しさ満点の大人だもんなぁ。

さて。さてさてさて。人前に出る気はなかったけど、人助けとかしてたらいつかこんな質問がくるんだろうなぁと思っていたりはしていたんだよ。けど、それっぽい答えとかまだ思い付いてないし、まだ先のことだろうとほっとんど考えてなかったこの質問、なんて答えようかねぇ……。

別にスルーして修行に向かってもいいんだけど、なんかここで無視したら後々めんどくさそうなことになりそうだし、かといって何て言うか全然考えてなかったし……。

 

「…………」

 

「な、何か言いなさいよ!」

 

むむむ……。何かかっこいい登場の仕方をするイケメンはいたかなぁ……。心の師匠だと……。うん。あれがいいな。

 

「……ワシが誰か、じゃと?」

 

そうと決まれば早速行動だ!できうる限り最速で変化の術の印を結び俺の心の師匠の姿を真似る。術が成功して大きく煙が上がり、まだ姿が影しか見えない状態で歌舞伎のように大きくポーズをとる。そして煙が晴れて2人の顔が見えたときに思い出せる台詞を大きく声にする。

 

「その小さな耳を傾けてよぉく聞くがよい!木の葉隠れの忍が1人!妙木山の蝦蟇仙人!自来也様たぁワシのことよ!」

 

き、決まった……!口上とかその場しのぎというか思い付きで言っただけだけどこれはカッコよく決まった……!エロ仙人ありがとう……!

 

「……何よそれ。ダサい」

 

「な、なんじゃとー!?」

 

この小娘、自来也師匠のことをなんつった!?

 

「えぇい小娘!自来也がダサいじゃと!?この渋いイケメンがダサいじゃと!?」

 

「ただのおじいさんじゃない!」

 

「カーッ!おじいさんと言ったかこの小娘!」

 

この娘、自来也師匠のカッコよさを理解できていないな!?確かに普段はドジでドスケベで女運がないけど、物凄く面倒見がいいし1度決めたらやり遂げるカッコよさと渋さがあるんだぞ!それをただのおじいさん呼ばわりとは、嘆かわしい!こいつは小娘でいいな!普通に美少女だけど小娘でいいな!

 

「あ、あの……」

 

小娘と顔を近づけて睨みあっていると、小娘の隣にいる少女Bが恐る恐ると声をかけてくる。

 

「む?どうしたのかの?」

 

「その、申し訳ないんですけど縛ってる縄をほどいてくれませんか?」

 

「おぉ!そうじゃそうじゃ!うっかりしておったわい」

 

そーだ。そういや縄まだほどいてなかったじゃん。うっかりうっかり。完全に安全という訳じゃないのにずっと縛られっぱなしってのも気分的に嫌だしな。

 

「まったく。こんなかわいらしい子供を縛り上げるなど、男の風上にもおけんのぅ」

 

縄をほどいていくと、よほどキツく縛っていたらしく手には痛々しい縛られた痕が残っていた。

普通に生活する分には何も問題はないし、この痕もたいした時間も経たずに治るとは思う。が、それまでの間は痛むだろうなぁと何となく思う。

 

「……すまんのぅ。医療忍術が使えれば治せるんじゃが、ワシは使えんくてのぅ」

 

むむむ。やっぱり医療忍術使えるようになった方がいいんだろうか。医療忍術を取得していれば修行のときに怪我してもすぐに治せるメリットがあるけど、習得するのにどれだけの時間と労力が必要になってくるのか想像もつかない。ただでさえまだ修行中のものがあるのになぁ。なんとも世知辛い。

 

「い、いえ。助けてくれただけでもありがたいです」

 

おぉ。小娘とは違ってちゃんと申し訳なさそうにお礼をしてる。この子ええこやなぁ。小娘とは違ってな!

 

「ふむ。まぁたいした怪我がないようでよかったわい」

 

「その、ありがとうございます」

 

「なーに。礼には及ばん。ま、どうしてもお礼がしたいと言うのならば知ってる人にきれいなお姉ちゃんがいたら紹介してくれんかの?」

 

やや鼻の下を伸ばすように言うと少女は困ったような表情を浮かべ、小娘は変態!と言わんばかりに俺を威嚇する。まぁ普通はこういう反応するわなぁ。だが俺は諦めない!自来也師匠のかっこよさはおこちゃまには分かるはずがないからな!

 

「何をやってるんだお前は」

 

「おぐぅ!?」

 

突然の知った声が聞こえたと思うと頭に強い衝撃と痛みが襲ってきた。しかも突然のことと許容出来る範囲を越えたダメージが来たせいで変化が解けてしまった。

 

「な、何するんスか先生!せっかく心の師匠その1を踏襲したお礼を求めていたのに変化が解けて台無しになったじゃないスか!」

 

殴られた部分を抑えて後ろを向くと、やっぱりそこには師範代の息子先生が呆れたような、若干怒っているような表情すらも浮かべているような気がした。

 

「まだ9歳のくせに何を言ってるんだ。だいたいこの子の姉は俺と同じぐらいの歳だ。お前とは釣り合わん」

 

「あれ。なんで家庭事情知ってるんスか?あ、もしかしてそのイケメンフェイスとイケメンボイスで既に粉かけてぇっ!」

 

「こら!小学生がそんなこといっちゃダメでしょう!」

 

俺の言葉の何が気に入らないのか、師範代の娘先生が涙目になって俺を殴った。しかも結構痛い感じに。

ぐぬぬ……!この妹先生、結構マジで殴ってきやがった!あんたら身体能力高いんだからいくらチャクラで身体能力上げれると言ってもマジに殴られると痛んだぞ!?

 

「あ!あああああああ!あんた、同じクラスの!」

 

と、人外先生方と心温まる(皮肉)じゃれ合いをしていると、突然小娘が俺を指さして叫び出す。少女の方も目を丸くして俺を見えていたが、はて。

 

「……え?誰?」

 

俺の知り合いにこんなかわいい小娘いなかったよな。誰だ。会った覚えもない、と、思うんだけどな?

 

 


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