ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

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054ありんすちゃんサンタクロースになる

 ありんすちゃんがお昼寝をしているとアウラとマーレがやって来ました。

 

「やほー。ありんすちゃん、クリスマスって知ってる?」

 

「くるします? でありんちゅか?」

 

 ありんすちゃんは誰かの首を絞めるのかな? と首を傾げます。

 

「ち、ちがうよ……クリ、クリスマスだよ」

 

 マーレが持っていた絵本──クリスマスのまえのよる──を広げて綺麗な挿絵をありんすちゃんに見せました。

 

 赤い服のふとっちょなお爺さんがトナカイのそりに乗ってプレゼントを配っています。雪が降っている街中は綺麗に飾り付けられていました。

 

「綺麗……」

 

 ありんすちゃんは飾り付けられたモミの木の挿絵に見とれます。この絵本を眺めているとなんだかワクワクしてくるのでした。

 

 エヘン、と咳払いをしてアウラが口を開きます。

 

「この太った老人はサンタクロースっていってクリスマスイブの夜に子供達にプレゼントを配るんだってさ」

 

 ありんすちゃんは瞳をキラキラさせました。

 

「じゃあ、サンチャクロスをやっつけてプレゼント奪うんでありんちゅね?」

 

 ありんすちゃんは手をグルグル回してやる気満々です。

 

「ち、ちがうよ……ありんすちゃん」

 

 マーレが慌ててありんすちゃんを止めます。不思議そうなありんすちゃんにアウラが言葉を続けました。

 

「うーん……それも面白そうだけど、今回はあたし達がサンタクロースになろうかってね」

 

 アウラはそう言うと赤いサンタクロースの衣装を取り出しました。ありんすちゃんは大喜びです。

 

 ありんすちゃんとマーレは可愛らしいミニスカサンタさん、アウラはトナカイです。みんなとても似合っていますよ。

 

 アウラは既にプレゼントも用意していました。アインズ様に相談したら大喜びでいろいろ用意してくれたそうです。

 

 絵本ではトナカイのそりに乗って煙突から家の中に入るみたいでしたが、ありんすちゃんたちはゲートの魔法で室内に入って、アウラのスキルで眠らせてしまいますから完璧です。みんなきっと、朝に覚めてプレゼントを見つけて大喜びする事でしょう。

 

 小さなサンタクロース達は始めにカルネ村に行きました。ゲートでカルネ村に姿を現したありんすちゃん達は、気配を消したアウラのスキルによって村人達をすべて眠らせてしまいます。

 

 それから担いできた袋からプレゼントを取り出しました。エンリには安産のお守り──中には二十丸に線が書かれた紙が入っていただけでした──、ンフィーにはユンケルという名前のポーション、ネムには木彫りの熊さんです。

 

「……あれ? ハダカだねー」

 

「……は、裸で、な、何をしているのかな? ……ぼ、僕わからな……」

 

「子供を作ってるんでありんちゅね」

 

 エヘン、とありんすちゃんは胸を張ります。

 

「ありゃー……このゴブリン達は覗き見しているみたいだねー」

 

「ぴーぴんでありんちゅよ」

 

 エンリ、ンフィー、そして別の家で寝ていたネムにプレゼントを配り終えると他の村人とゴブリンの為に大きな七面鳥とケーキを集会場に置いていきました。

 

 これでカルネ村での任務は完了です。

 

 次は帝国の皇帝です。ありんすちゃんはあらかじめ第五階層の氷づけの死体の中から見つけてきたカツラと、アインズ様から渡された頭皮マッサージブラシを持って行きます。小さなサンタクロース達はゲートで直接帝国の王城内に転移していきました。

 

 ここでもアウラがスキルを使ってみんなを眠らせます。

 

「皇帝だねー」

 

「落書きしたいでありんちゅね」

 

「だ、ダメだよ……ぼ、僕はやめた方が……」

 

「──眼がみっちゅになったでありんちゅね」

 

 目が覚めたらジルクニフ皇帝は大喜びする事でしょう。ありんすちゃん、良い事をしましたね。

 

 メリークリスマス!

 

 

 

※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました

【挿絵表示】

 

 


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