ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

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016ありんすちゃんイタズラする

 ありんすちゃんが転移したのは小さな小屋の中でした。

 

 中に小さな机と二つの椅子が置かれています。

 

「……誰かいるでありんちゅか?」

 

 ありんすちゃんは礼儀正しく声をかけました。

 

 本当は家人の許可がないと家に入ってはいけないという迷信があるんですけれどね。

 

「あ……あれ? ……ど、どなたですか?」

 

 見るとマーレがびっくりしてこちらを見ています。どうやら仮面をしているのでありんすちゃんだと気がつかないみたいですね。

 

 ありんすちゃんはいたずらを思い付きました。

 

「マーレ、お姉ちゃんのアウアウでありんちゅよ。わからないでありんちゅか?」

 

 ありんすちゃんはマーレをからかってみました。

 

「なんだ。お、お姉ちゃんだったんだ……仮面をつけてたから、あの、わからなかったです」

 

 マーレはなんて素直なんでしょう。

 

 ありんすちゃんの言うことを信じて姉のアウラ──ありんすちゃんはアウアウと言ってしまいましたが──だと信じています。

 

 本当に仮面って凄いですね。よく仮面をつけただけで正体がわからないなんて事が設定上おきますが、あれは嘘じゃなかったのですね。さて、どうしよう……

 

 ありんすちゃんは完全に信じきった様子でこちらを見るマーレに質問しました。

 

「マーレはここで何をしているんでありんちゅか? お姉ちゃんに言うでありんちゅ」

 

「えっと、あの、アインズ様とデ、デミウルゴス様が、あの、ここで……」

 

 その時入り口の扉が壊れて二人の人物が入ってきました。

 

「まず、この部屋は安全なのだな?」

 

「大丈夫でございます……ん?」

 

「「!」」

 

 アインズとデミウルゴスはありんすちゃんに気づいて身構えました。

 

「……これは!?」

 

「……蒼薔薇の?」

 

(──たしかイビルアイとか言ったな。なんであの子供がここにいるんだ? しかも一人? ……)

 

 アインズ様もデミウルゴスも混乱していますね。二人共完全にイビルアイだと思い込んでいて、正体がありんすちゃんだとは思いもしないみたいですね。

 

 やりました。

 

 ありんすちゃんのいたずらは大成功です。

 

 おやおや? 大変です。

 

 どうやらいたずらの度が過ぎてしまったのかもしれません。

 

 二人共怖い顔をしてありんすちゃんを睨んでいます。ただならぬ殺気を感じてありんすちゃんは泣きそうになりました。

 

(……そうでありんちゅ! 仮面をはずちゃないと……)

 

 あわててありんすちゃんは仮面を外しました。

 

「アインジュちゃまぁ! うわーん!」

 

「──シャルティア?」

 

「……? ……」

 

「えーーお、お姉ちゃんが、シャ、シャルティアさんに? え、えっと、えっと……ええー!」

 

「──マーレ? ……ちょっまっ──」

 

 動揺したマーレはうっかり魔法を発動してしまいました。

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

 王都に合図の地震が起きました。

 

「地震ダァ。マーレ様ガヤッタミタイ」

 

「これは何かのサインなの?」

 

「そうっすよ、ナーちゃん。悪いんすけど、ちょっと怪我してもらうっすよ」

 

 かくして王都をゆるがすゲヘナは終盤へと移行していくのでした。

 

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

 その夜、お風呂でありんすちゃんはパンツを洗っていました。あまりにも怖かったのでそそうをしてしまったからです。

 

 仕方ないですよね。だってありんすちゃんは5歳児位のまだ小さな女の子なのですから。

 

 

 

※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました

【挿絵表示】

 


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