(旧)マギカクロニクル   作:サキナデッタ

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※三日目ぇ!! 文章構成を考えるのが壊滅的に下手だから、一話に三時間も費やしてしまう……文才が欲しい。

※改めて見返したけど、なんかとてつもないキャラ崩壊が起きてますな……自分なりに修正を加えましたが、それでもアレだったらごめんなさい。



第7話 Tの危機 ~ 捻れる関係

 

第7話 T(trust)の危機 ~ 捻れる関係

 

 

 

 数十分前……

 

 

「それって……どういう意味ですか?」

 

 マミの言った言葉にまどかが食い入るように問いかける。

 

「簡単に説明すると、鹿目さん。あなたは暁美さんに利用されている可能性がかなり高いってことよ」

 

「ッ……」

 

「マミさん、その理由詳しく聞かせてください」

 

 動揺を隠せないまどかとは対照的にさやかは落ち着いた様子で説明を求める。

 

「これはあくまで私とキュウベぇの推測でしかないのだけど……さっきの話を聞く限り、暁美さんの言っていることには矛盾している点があるの」

 

「矛盾……?」

 

 先程、説明をしていたまどかだったが一体どの部分が矛盾していたのか頭を悩ませる。考えるまどかをマミ一瞥して話を続ける。

 

「ええ、暁美さんは鹿目さんが魔法少女になるのを止めた時に言った言葉。命がけで危険、って言ってたわよね」

 

「はい……そんな危険な戦いにあなたを巻き込みたくない、ほむらちゃんはそう言ってくれました」

 

 そういい終えた後、やっぱりね……とマミが言う。

 

「危険な戦いに巻き込みたくないのなら、どうして暁美さんはあなたと一緒に変身して戦うことは許してくれたのかしら……?」

 

「「…………!!」」

 

 二人の目が見開かれる。さやかは疑惑が確信に変わって一層表情が険しくなるが、まどかは懸命に首を振りながらマミの言ったことを否定しようとした。

 

「そ、それは……わたしがほむらちゃんに無理矢理お願いしたから……」

 

「でも二人で魔法少女に変身したときベースとなるのは鹿目さんの身体でしょう? それだったら魔法少女として契約した時と同じく鹿目さん自身が危険にさらされるのは変わらないと思うけれど……そこは暁美さんに何も言われなかったの?」

 

「た、確かに……キュウベぇと契約するときほど強く迫ることは無かったけど……」

 

「それにね。鹿目さんと暁美さんが二人一緒に変身すること……数百年、魔法少女になることを勧誘していたキュウベぇの話でも前例は一度もなかった。

 そこで私達が考えたのは二人一組で魔法少女に変身するシステムは、既存のものではなく暁美さん自身が新たに作り出したものではないかと考えたの……」

 

「それって……」

 

「さやかちゃん……何か分かったの?」

 

「ううん……でも転校生が企んでいることは何となく想像はついた気がしただけ……マミさん続けてください」

 

「分かったわ。ところで二人は魔法少女になるときに願ったことが、その人の能力の元と繋がっているってことは知っているかしら?」

 

「は、はい……」

 

「それも転校生から聞きました」

 

「それでキュウベぇは、鹿目さんが契約をせずに魔法少女として変身出来るのは、暁美さんの叶えた願いのせいなのかもしてないって言っているのよ」

 

 さやかの眉がつり上がる。どうやらマミの言っていたキュウベぇの言い方に違和感を感じたようだった。

 

「ちょっと待ってください。転校生もマミさんと同じようにキュウベぇと契約して魔法少女になったんですよね? それなのにどうしてそのキュウベぇって奴はアイツの願いについて知らないんですか?」

 

「そ、そうですよ! それに……わたし達はそのキュウベぇって子にまだ一度も会っていないんですよ!! そんな会ったこともない人の言葉一つでほむらちゃんを疑えませんよ!!」

 

「鹿目さん……あなた……」

 

 ほむらが自分を騙していることをまどかは頑なに否定し続ける。

 その様子を見るマミの顔はとても悲しげだった。だが彼女は心を鬼にしてまどかに強く言い放った。

 

「キュウベぇが言うからには、暁美さんはこれまでの記憶の中で一度も契約をした覚えがないって言っているわ。

 それに鹿目さんの話を聞くに彼女も長い間、魔法少女をやっているのよね?」

 

「それが……どうしたんですか」

 

「私とキュウベぇの見る限り、暁美さんには魔女どころか使い魔すらも倒せるほどの魔力を持ち合わせていないと思うの。なのにどうして彼女は長い間、魔女との戦いを生き延びていたんでしょうね?

 恐らくだけど、彼女は以前にも別の子と一緒に戦って…………いや、利用していたんじゃないかしら」

 

「そんな……」

 

 まどかの脳内に初めてほむらと変身したときに血まみれで路地裏に倒れていたほむらの姿が映し出されていた。

 

 使い魔との戦いであれだけボロボロになっているのに、それよりも遥かに格上の魔女をどうやって倒して魔力を回復させるグリーフシードを得ているのだろう……

 あれだけ否定していたほむらのこともその考えに至った瞬間、まどかの中でほむらへの疑いの気持ちが芽生えた。

 

 顔を真っ青にしてうち震えるまどかの肩をそっと撫でながらマミは再び話し始める。

 

「暁美さんの能力の詳細は分からないけれど、素質のある少女の潜在能力を利用する…キュゥべえはそう予想していたけど、たぶん間違いないでしょうね。

 彼女が鹿目さんを契約させたくないことや、元々魔法少女だった私に声をかけなかったところを考えると、もしかしたら彼女の能力は既に契約している人には効果がないのかもしれない」

 

「じゃあ、転校生ががまどかに契約して欲しくない理由って……まどかを危険にさらしたくないってものじゃなくて__」

 

「ええ、彼女にとって貴重な戦力となり駒を失いたくないからなんでしょうね」

 

「そんな……嘘、だよね……」

 

 その場に崩れ落ち、涙を流しながら、さやかとマミに否定して欲しいように訴えかける。けれども、さやかは黙って首を横に振った。

 

「いや……それだったらさっき、転校生がどうしてまどかと一緒に戦っているのかっていう質問に答えなかったのかも理由付くよ。何も後ろめたい理由がなかったら突然何処かへ走り出したりしないもん……」

 

「そんな……」

 

「鹿目さん……」

 

 泣き続けるまどかの頭をマミは優しく撫でながら優しく言った。

 

「信じたくないって気持ちはあるけれど、私よりも数多くの魔法少女を見てきたキュウベぇが言っていることよ。それに私はあの子が一度も嘘を言っているのを聞いたことがない

 お願い。暁美さんについては私がこれから調べるから……だから彼女のことがハッキリ分かるまで下手に接触するのは避けてもらえないかしら?」

 

「…………」

 

「任せてくださいよ、マミさん!!」

 

 俯いたまま何も答えないまどかの代わりにさやかがドンと胸を叩く。

 

「まどかのことは何があってもあたしが守ってみせます。だからマミさん……一刻も早くあの転校生の化けの皮を剥いでやってください。きっとそうした方がまどかの気持ちも楽になると思うんです」

 

「美樹さん……お願いするわね。さて、随分長く話し込んじゃったけど今日はこの辺にしてここを出ましょうか」

 

「そうですね。まどか、もし良かったら家まで送っていくけどどうする?」

 

 さやかが心配そうな目で見つめるが、まどかは「いいよ、別に……」と言って買い物袋を持って立ち上がった。

 

「マミさん……今日はありがとうございました……」

 

「いいのよ。こっちも時間を取らせちゃったし……それにあなたにとって辛い話をしてしまって本当にごめんなさい」

 

「いいんですよ……マミさんはわたしやさやかちゃんのこと考えて心配してくれて、ここまでしてくれたんですし……気にしないでください。それじゃ、わたしはもう帰ります……」

 

 ふらふらと危なっかしい足取りでまどかは喫茶店を後にする。その後ろ姿を見ながらマミは小さく呟いた。

 

「鹿目さん……あなたは私が守ってみせるわ」

 

 

 

 

 

 

 翌朝、私は重たい足取りで通学路を歩いていた。正直に言うと今日は学校には行きたくなかった。

 その理由は昨晩、巴マミとインキュベータに出会って言われたことがまだ鮮明に残っているからだ。

 

 

『悪いけれど、鹿目さんと美樹さんにもう関わらないでくれるかしら?』

 

『あなたの企みはほとんど見抜いているわ……今日は忠告だけしに来たけれど、もしそれを破れば次からは容赦しない……』

 

『二人には既にあなたのことは話してあるわ。だからあなたに接してくるのもないと思うから……それじゃ私はこれで』

 

 

「はぁ……」

 

 訳が分からないってのはまさにこの事なのね。私いつの間に彼女から因縁を買ったのかしら?

 でも、もしあの二人が巴マミやインキュベータに妙なことを吹き込まれたら、かなりマズイことになるでしょうね。まどかはともかく美樹さやかは私のことを色々と警戒しているみたいだし……

 

 巴マミには、ああ言われていたけれどせめて昨日のことは美樹さやかに伝えなければならないわ。

 

 

「でさー、昨日の先輩がねー」

 

「まどかさんとさやかさん、いつの間にお知り合いになれたのですか?」

 

「色々とあってね」

 

「!!」

 

 噂をすればなんとやらね……よし、いつも通りに……いつも通りに!!

 心の中で言い聞かせながら並んで歩く三人の方に向かって早足で近づく。

 

「おはよう、まどか、美樹さん、志筑さん」

 

「あら暁美さん、おはようございます」

 

「あっ、ほむ…………」

 

「…………」

 

 いつものように挨拶をしたけれども、しっかりと返してくれたのは志筑仁美だけだった。まどかは途中で何か言いかけていたけれど、目を逸らされてしまった。

 

「まどかさん、さやかさん、どうかされました?」

 

「行こっ……まどか、仁美」

 

「う、うん……」

 

「えっ……ちょっと待ってください! 暁美さんは?」

 

「いいから、行くよ!!」

 

 志筑 仁美は何がなんだか分からないまま手を引かれて、美樹 さやかに連れていかれてしまった。そしてその連れていく際、私は彼女に強く睨まれたような気がした。

 

「……家に帰ろうかしら」

 

 そう思うが、正直言うと巴 マミ達に何を吹き込まれたのかが凄く気になっている。家に帰るのはそれを聞いてからでもいいのかもしれない。

 

 私は大きなため息をついて、それからとぼとぼと一人学校へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 今日一日のほむらちゃんの様子は見ていられないほど、辛いものだった。

 

 休み時間の度にわたし達に話しかけようとするけれど、その度にさやかちゃんに睨まれて哀しげな顔をして席に戻っていく。

 

 お昼御飯のときもさやかちゃんとマミさんの三人で食べているのを物陰からこっそりと眺めていた。その時に一瞬わたしと目が合ったんだけど、ほむらちゃんは走って何処かへ行ってしまった。

 

 そして帰りには遂にわたし達のことを見向きもせずに一人そのまま帰ってしまった。

 

 わたしは本当は今日学校でほむらちゃんに昨日のことについて聞こうと思っていた。けれど、さやかちゃんがそれを許してくれなかった。

 

 さやかちゃんのせいにしているけれど、悪いのはわたしだ。事情も何も聞かずにほむらちゃんに素っ気ない態度を取って傷つけた。本当ならあの時に全部聞いていれば、ほむらちゃんは哀しい思いをしなくて済んだのに……

 

 そんな風に考え込んでいると、さやかちゃんがわたしの手を引っ張って顔を近くに寄せて小声で喋った。

 

「まどか、この後マミさんが魔女退治のパトロールに行くらしいんだけど、どうする?」

 

 普段のわたしなら喜んで付いていくのだろう。けれども今はそれよりもやることがある。だからわたしはさやかちゃんの誘いを断った。

 

「ごめん……昨日、遅くなっちゃったからパパの手伝いが終わらなくて……また明日でいいかな?」

 

「そっか……ごめんね? 昨日、あたし達が引き留めちゃったせいで」

 

 嘘を付くのはいつぶりだろう? さやかちゃんが申し訳なさそうにするのに、罪悪感が胸に刺さる。

 

「気にしないで、じゃあわたし先に帰ってるね!!」

 

「おう、まどかまた明日な~」

 

 さやかちゃんと別れて、わたしは急いでほむらちゃんの後を追う。本当のことを確かめるために、これ以上関係を悪化させない為に……

 

 

 

 

 ほむらが教室を出ていった後、まどかの他にもう一人彼女のことを見ている人物がいた。

 

「暁美さん……まどかさん達と一体何があったのでしょう?」

 

 

 

☆ to be continued…… ★

 





※この作品に悪者は一人もいません。ただし、一匹とは言ってない(←ネタバレ)

※後、マミQの推測がちょっと無理矢理だったかな? と思ってしまっている、変に思えたら指摘をくれたら嬉しいな|д゚)チラッ


☆次回予告★


第8話 Tの危機 ~ 君が教えてくれたもの

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