(旧)マギカクロニクル   作:サキナデッタ

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ほむ「さて……第四話更新から十日間、一体何をしていたのかしら?」

saki「えっと、それは……」

ほむ「皆まで言わなくてもいいわ。ケ○姫で今開催されているまどマギコラボにうつつを抜かしていたのでしょう?」

saki「おっしゃる通りでございます……」

ほむ「でも私が貴方を呼んだのは、そのことを攻める為じゃない」

saki「……といいますと?」

ほむ「10月3日、これが何の日か覚えてる?」

saki「あ’’……」

ほむ「貴方は本来はこの日に投稿して、あることしなければならなかった。けど愚かにもそれを忘れていた」

saki「はい……」

ほむ「だから貴方にペネルティを与えるわ」

saki「そ、それって一体……(汗)」


※後書きに続きます。ちなみに10月3日はまどかの誕生日ですね。遅れてごめん、ハッピーバースデー 


第5話 放課後のC ~ 傍にいたいその理由

 

 第5話 放課後のC(chat) ~ 傍にいたいその理由

 

 

 

 暁美 ほむらが転校してから五日ばかりが過ぎた。

 彼女の今いる時間軸にはいくつものイレギュラーが事態が起こっていて、初めはこのことに不安を抱いていたが振り返ってみるとこれまでの中で五本の指に入るほど充実した日々を送っていた。

 最高の未来を掴むためには、乗り越えるべき壁がまだまだあるが、ほむらの心の中に微かな希望が芽生え始めていた。これはそんな日の放課後のこと__

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 帰りのHRが終わり、クラスの皆が帰りの支度をし始める。ほむらも同じように鞄に荷物を入れ、放課後のパトロールにまどか達を誘うべく二人のいる元へと向かおうとしていた。

 すると彼女達のいる方からさやかの残念そうな声が聞こえてくる。

 

「えー、今日も無理なの?」

 

「ごめんね……さやかちゃん」

 

「二人ともどうかしたの?」

 

「あ、転校生。実はさ、まどかのやつ今日も一緒に帰れないんだってさ」

 

「そう。何か用事でもあるの?」

 

 不思議そうに尋ねるほむらにまどかは、申し訳なさそうな表情をする。

 

「うん……明日には済むはずだから。それで、ほむらちゃん魔法少女のパトロールなんだけど……」

 

「心配する必要はない。昨日と同じように私一人でやるから」

 

「ありがとう、ほむらちゃん」

 

「ところでさ、その用事って一体何なの? 昨日聞きそびれちゃったから聞いてみようと思ったんだけど」

 

「それは……まだ内緒。明日になったら二人にも教えるから……」

 

「分かったわ……じゃあ、まどか。また明日」

 

「それじゃあね二人とも!!」

 

 そう言ってまどかは、ちょっぴり恥ずかしそうな顔をしながら教室を出ていった。

 残った二人はいつもとは違うまどかの様子に互いに首を傾げる。

 

「どうしたんだろうね、まどか?」

 

「さあね、でも明日になればきっと分かるはずだから気長に待ちましょう」

 

「おう、洗いざらい全て吐かせてやろうじゃありませんか~」ワキワキ

 

「……その手の動き止めなさい」

 

「あはは、冗談だってば。そうだ転校生、この後何か用事とかある?」

 

「別に軽くそこらを見廻りして帰るつもりだけど……どうかした?」

 

「パトロール一緒に付いていくついでにさ、ちょっと付き合ってくれない?」

 

 

 

 

 それから二人は帰宅路付近の見廻りをし終えて、CDショップの前にいた。

 

「ここなの?」

 

「うん、昨日いい曲を見つけちゃってね。今日の帰りに買ってあげようと思ってたんだ」

 

「美樹さん、音楽なんて聞くのね」

 

「アンタあたしを何だと思ってるのよ」

 

「冗談よ。それでそのCDは一体誰にあげるものなのかしら?」

 

「えっ……!!」

 

 さやかの事情を全て知っているほむらはニヤニヤしながら意地悪そうに聞く。その言葉にさやかは慌てふためいて顔を赤くする。

 

「ど、どうしてそんな……誰かの為とか分かるのよ……」

 

「だって『買ってあげる』って言ってたから、てっきり誰かへのプレゼントかと思ってたけど……違ったかしら?」

 

「そ、そ、それは……」

 

「分かりやすい性格ね。とりあえずずっと店の前に立っていたら邪魔だから早く入るわよ」

 

 どうにかして言い訳をしようとするその様子にほむらはくすくすと笑う。そして悶えるさやかをCDショップの中へと引っ張っていった。

 

 

 

「どう? 落ち着いた?」

 

「うん……あんなにも取り乱した自分が恥ずかしいよ」

 

「さっきまでの様子を見るに、好きな人への贈り物とかかしら」

 

「アンタってさ……デリカシー無いとかって言われたことない?」

 

「あらあなたがそれを言うの?」

 

「ぐぬぬ……」

 

 まっことの正論で文字通りぐぅの音も出やしない。さやかは諦めた感じで溜め息をつく。

 

「はぁ……もう全部話しちゃうけどさ、アタシ好きな人がいるの」

 

「うん、知ってる。名前は上條 恭介、凄腕のヴァイオリニストだったけどとある事故で腕を怪我してしまい、今は病院で入院中。そんな彼を励ます為にほぼ毎日お見舞いに行ってるのよね。彼の気に入りそうなCDを一緒に持っていって」

 

「ちょっと待てェ!!! な、何でアンタが恭介のことを知ってるの?!」

 

「まどかが教えてくれたわ」

 

「まどかァ!!!」

 

 店の中なのに関わらず叫ぶさやかに周りからの冷ややかな視線が刺さる。そしてワナワナと怒りで身体を震わせているさやかの肩にそっと手が置かれた。

 

「お客様、ちょっとよろしいですか」

 

「「あ……」」

 

 

 

 

「何か言うことは?」

 

「うん……ホントごめん」

 

 場所は変わって近所の公園。

 先程のさやかのシャウトのせいで私達二人は、店の人にこっぴどく叱られて目的のCDを買うやいなや逃げるように店を出ることになった。

 

「全く……なんで私もあんな目に遭わなきゃいけないのかしら?」

 

「悪かったってば~、今度お詫びに何か奢るからさ」

 

 断るのは申し訳ないと思って、一緒に帰ることにしたけど……確実に失敗したわね。まあ責任は私にもあるけど……

 

「そう、それならとびっきり良いものをご馳走してもらうことにするわ」

 

「ははっ……お手柔らかに……」

 

 それにしても今日の私と美樹 さやかを見ると本当に仲の良い友達に見えたわね。これまであまり彼女とは関わることが無かったせいか、まどか達と比べると新鮮なものだったわ。

 さっきみたいに冗談を言い合ったり、上條 恭介についてイジってみたり、一緒に怒られたりと…………結構疲れたけど、それ以上にとても楽しかった。

 

 いつかの時間軸でまどかが言っていたけど、本当は良い子だっていうのは間違ってはいなかったのね。バカみたいに明るくて、笑わせて、そして親しみやすくて…………

 

「転校生? どうしたそんな思い詰めた顔して?」

 

「えっ?」

 

 不意に横から声をかけられて思わず、身を引いてしまう。

 

「いいえ、何でもないわ」

 

「…………」

 

「…………」

 

 ついさっきまで楽しく話していた空間に謎の沈黙が生まれる。急にどうしたのかしら?

 そう思っていると、美樹 さやかはゆっくりと口を開いた。

 

「転校生ってさ……まどかのことどう思ってる?」

 

「まどか……? 何故そんなことを?」

 

 何の脈絡もない話題を振られ、いよいよ彼女が私に何を話そうとしているのかが分からなくなる。彼女の質問にどう答えようかと考えていると美樹さやかは独りでに喋り始めた。

 

「あたしはさ、ドジでちょっとドンくさいところがあるけれど、それでもいっつも誰かの為に一生懸命に頑張っていてとっても良い奴だと思ってる」

 

「そうね」

 

「昔っから、ずっとバカやってる私なんかと一緒にいてくれて本当に感謝している。だからさ、あたしはあの子と友達でいたいし、それと一緒に傍で守ってやりたいって思っている」

 

「美樹さん……?」

 

「転校生はどうしてまどかと友達になろうと思った? どうして一週間前の初めて出会ったとき、魔法少女に関係することを話したの?」

 

「…………」

 

「正直言ってさ、アンタから魔法少女のことを教えてもらったとき、あたしはアンタがまどかを利用して何か企んでるって思ってた」

 

「…………」

 

「でもアンタ達と一緒に魔女探しを手伝っているとさ、段々とあたしの考えていたことがバカな妄想のように思えてきてるんだ」

 

「…………」

 

「あたしってバカだからさ、何でもかんでも物事をハッキリとさせなくちゃ仕方がない性格だから今ここで聞かせて欲しいの。アンタが何を思って、まどかと一緒に戦っているのか」

 

「それは……」

 

「あの時に考えていたことをあたしのバカな妄想で終わらせたいって思っている。だから今ここでハッキリと答えて」

 

「…………」

 

 もし私の話すことを美樹 さやかがしっかりと聞き入れてくれるのなら、きっとそれは今後の事態の展開を更に向上させることが出来るだろう。

 

『私達に妙な事吹き込んで仲間割れでもさせたいの?』

 

 そう確かに頭の中では思っているはずなのに、どうしても口が開いてくれない。今彼女は私のことを必死に信じようとするために答えを求めている。なのに……

 

『どっちにしろ私この子とチーム組むの反対だわ』

 

 なのに、どうして何も話せないの……どうして信じてもらえなかったときのことばかり、考えてしまうの……

 

 

 両手をグッ……と握りしめる。私は憎い……

 ギリッ……と歯を強く噛み締める。信じてくれないことに怯えている自分が悔しい……

 身体を大きく震わせる。別の時間軸での美樹 さやかの印象にずっと囚われたままでいる自分が情けない……

 

 でも勇気を出さなくちゃいけない。今度こそ、私にとっての最高の未来を掴む為に!!

 

「私は……まどかを……!!!」

 

 意を決して、彼女へまどかへのことを伝えようと顔をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時、草むらに二つの赤い瞳がこちらを見ていることに気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は立ち上がり、視線の先にいるものを捉えた。そして目が合った瞬間、ソイツは草むらの中へと逃げ出した。

 

「アイツは……!!!」

 

「ちょっとアンタ!! まだ話は終わってな__」

 

 私は無意識に走り出していた。美樹さやかの声など今の私にとってどうでもいいものになっていた。

 

 押し寄せる不安で、私の身体が急速に冷たくなっていく。

 

 強い恐れを胸に抱きながら、私は逃げるソイツの後を追いかけ続けた。

 

 

 

 

 

 

「転校生の奴……急にどうしたんだろう?」

 

 置き去りにされたさやかは訳が分からないといった具合だった。

 

「何か用事が出来たのかな? それとも__」

 

 一泊置いて、自分の言おうとした言葉について考える。それはほむらを信じようとしていたことを否定するものだからだ。

 

「__はぐらかされちゃったのかな……?」

 

 さやかは、心の中でほむらに対する不審、疑念が沸き上がってくるのを感じる。

 

「まだ確信は持てないけれど、アイツには何かあたしやまどかに言えないことを隠している……暁美 ほむら、やっぱりアンタは信用ならない……」

 

「あれ、さやかちゃん?」

 

 ほむらの走っていった先を鋭く睨んでいると、後ろから誰かに声をかけられた。まどかだった。

 

「まどか、用事があるって帰ったんじゃないの?」

 

 そう口で言ったところでまどかの姿を見てある程度の察しがつく。彼女の格好はまだ制服のままで、手には色々なものが詰まった買い物用の袋があった。

 

「実はね、帰る途中でおつかいを頼まれちゃって。さやかちゃんこそ、こんなところで何してたの? ほむらちゃんと一緒じゃないの?」

 

「さあ、さっきまで居たけど何か急に顔色変えてどっか行っちゃったよ」

 

「何かあったの?」

 

「ちょっとね……」

 

 さやかの声があからさまに不機嫌になる。その様子に不審を抱いてまどかは聞いた。

 それに対して暗い表情で答えたが、さやかはすぐに表情を切り替えてまどかの持っていた買い物袋をひったくった。

 

「ちょっとさやかちゃん?!」

 

「おおぅ……意外と重っ! 気にしないで別に喧嘩とかしたわけじゃないし、それよりも~こんな重たいものもって歩いてて疲れてるでしょ? だからこのあたしが代わりに持ってしんぜよう!」

 

「ええ……へ、平気だよ。このくらいわたしにだって……」

 

「そう言ってるけど、さっきも立ってるだけでちょっと危なかったぞ~」

 

「もう、さやかちゃんったら……。…………ッ?!」

 

「まどか……? どうしたの?」

 

 頬を膨らませて不機嫌になっていたまどかだったが、突然表情が険しくなる。不思議そうに尋ねるさやかに声のトーンを落としてこう答えた。

 

「魔女の結界」

 

「えっ……?!!」

 

 その言葉でさやかは初めて気づいた。いつの間にか自分達は……魔女の結界の中に取り込まれていたことに。

 そして目の前に髭の生えた綿の怪物達がまどか達を取り囲んでいることに……

 

「どうしよう、さやかちゃん……」

 

「ヤバイね……このままじゃ__」

 

 迫り来る使い魔達に二人は身を寄せ合って怯えていた。まどかはほむらに連絡を送ろうとしたが、どう考えても間に合うはずがない。

 

 

 

無限の(パロットラ・マギカ・)魔弾(エドゥ・インフィニータ)!!!」

 

 

 

 二人が諦めかけていたその時、何処からか声が聞こえてきて、まどか達に取り巻いていた使い魔達が一斉に消滅した。

 

 魔女の結界が無くなっていく。一体何が起こっているのかさっぱり分かっていない二人の元に静かに近寄る者がいた。

 

「危なかったわね。もう少しで魔女に取り込まれるところだったから……無事でよかったわ」

 

「えっ……?! その姿……」

 

「もしかして……」

 

 金髪ロールでベレー帽をかぶった女性が姿を現す。戸惑うさやかの横でまどかは彼女の頭に付いている髪飾りに気づいて言った。

 

「魔法少女?」

 

「ええ、そうよ」

 

 どこか大人びた雰囲気を醸し出している女性はにこやかに答える。そして胸に手を当てて自分のことをこう名乗った。

 

 

 

「私の名前は巴 マミ、あなた達と同じ見滝原に通う三年生よ」

 

 

 

☆ to be continued…… ★





※前書きの続き

ほむ「貴方に課せるペネルティは今日から三日間、毎日投稿し続けることよ」

saki「マジっすか?!!」

ほむ「ちなみに拒否権はないわ」

saki「oh……」

ほむ「まっ、せいぜいこの三連休。充実した日々を送れることを祈ってるわ」

saki「が、頑張ります……」


というわけで今日を含めて三話分、毎日投稿するつもりで頑張ります。


☆次回予告★


第6話 放課後のC ~ 見滝原の魔法少女

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