月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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お仕置きの時間~口は災いの元

 遅れてきた騎士達の分も十分に有る魚を再び焼き始めた翔の焼き魚に魔導と縁遠い騎士や兵達が警戒して…

 

 と、言うか翔自体を警戒してるのだから無理もないのだが…

 

 そんな騎士達の耳に聞こえてきたのが

 

 「ダメよ、翔ちゃんっ!ユウママと歩くお稽古もちゃんとするお約束でしょ?」 

 

 と、藍に抱っこされたまま歩こうとしない翔に注意しているが翔自身が甘えさせてくれる藍にベッタリで月花の言う事に耳を貸そうとしない

 

 そんな様子にさすがに呆れた鬼百合が

 

 「翔、程々にしとかんとアタイの方からユウに注意するよう伝えざるを得んぞ?」

 

 そう鬼百合に注意された翔が

 

 「そないな事してくれよったらボクの方も『 お父ちゃんがメイドのお姉さんに色目つこてたてゆーといたるわっ♪「随分愉しそうなお話をお父ちゃんとしてるのね…翔ちゃん? 』」」

 

 そう言われて顔を青くした二人が振り向くとひきつる笑顔のユウから禍々しい闘気が身体から吹き出し…

 

 その気迫に気後れした藍が翔を素直に差し出すと…

 

 その身柄を受け取ったユウは翔の小さな身体を膝に乗せ小さなお尻をぺしっ、ぺしっと翔には十分痛い力加減で叩き始めた

 

 「堪忍したってーな…お母ちゃんっ!」

 

 さすがの翔もそう言って泣きながら謝るから

 

 「まぁまぁ、ユウよ…翔も十分に反省して…」

 

 そう話す鬼百合が言葉を止め溜め息を吐き黙り込むのを見た騎士が小声で

 

 「月花様…今の寸劇は一体?」

 

 と、困惑気味に聞くと

 

 「少なくとも三者には冗談を言い合ってる気は微塵も有りません

 

 翔ちゃんにとりユウ様はそう…逆らえない母親の様な存在で敵なら容赦しないでしょう鬼百合様にとりユウ様は怒らせると面倒臭い存在

 

 ユウ様は仮想の家族を描ける鬼百合様、翔ちゃんが大好きだから自分の思うように振る舞ってほしい…そんな関係の三者です…」

 

 そう言われてやはり余り理解出来無いと言った表情の騎士に

 

 「せめて鬼百合様の気持ちは理解しなさい

 

 ユウ様は鬼百合様にとり大切な命様の協力者であり一目置く存在なのだから邪険にも扱えない…

 

 少なくともそこまで嫌ってない微妙な存在…それが私がお三方から感じる印象です」

 

 そう言われて何と無くわかるようなわからぬような得心のいかぬ様子の騎士に向かい

 

 「だから貴方達は朴念仁と言われているのですよ、全く…」              

 

 呆れてそう言う月花だったが暫くして胡座をかいて座る鬼百合の脚の上に座りツマミの豆菓子を摘まむ翔とその様子を見ながら幸せそうに微笑むユウ達三人の姿を見て

 

 その様子が家族の団らんの様にも見え騎士も漠然とながら理解出来た気がした


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