月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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 新しい術を獲得した翔はその術を活かすべくあるモノをおねだりをするのだけど…


翔のおねだり

 

 今朝の修行によりグリエの上位魔法ケベックを習得し有効範囲の拡大と火力アップし発動時間もグリエが四半時に対しケベックは半時

 

 さらにケベックは時間差でグリエと発動出来るし勿論ケベック同士を時間差で発動も出来る

 

 で、習得した後ユウと命に

 

 「あんな、お母ちゃん…ボクな、今朝の修行で新しい技ケベックゆーグリエの上位魔法習得したんよ

 

 せやからその…厨房に有るやん?石窯オーブン用スコップが欲しいんやけどこーたってーな…

 

 それあったらグリエとケベックがもっと便利なるんちゃうかな?て思うんよ…

 

 そしたらボクかて色々お手伝い出来るやろ?ボクもーややねん玩具扱いも足手まといも…

 

 なぁ、こーたってーなー…それともやっぱボクがそない我儘ゆーたらアカンのやろか?

 

 せやったらそーないゆーてくれたらちゃんと諦める覚悟は準備しとるからはっきりゆーてくれてええんよ?」

 

 俯いて中々返事の貰えない翔が諦めかけると

 

 「伯爵様にご相談しましょう、当然の事ながら私はこの辺りの店の事は知りませんからね?良い店を紹介していただきましょう」

 

 それで伯爵に朝食の時に相談したら料理長が呼ばれ

 

 「予備のオーブン用スコップは有るか?」

 

 と聞かれた料理長は

 

 「勿論未使用品をストックしておりますが?」

 

 そう答えると

「ならば、それとオーブンで焼く料理を持ってきなさい

 

 翔ちゃんが新しい技、ケベックを習得したからオーブン用スコップが有った色々お手伝い出来るじゃないかと言ってるそうだ」

 

 そう言われた料理長が

 

 「ほう、成る程…焼きプリン今朝のデザートですから丁度良かったですな」

 

 そう言って笑いながら厨房に向かうとその後ろ姿に向かって鬼百合が

 

 「料理って訳じゃねぇが有ったら甘藷や玉蜀黍が有るんなら持ってきてくれねぇか?」

 

 そう声を掛けると

 

 「承知しました」

 

 そう返事を聞いて嬉しそうに笑う鬼百合を見ながらイマイチ状況の見えない翔が目をぱちくりさせてると月花が翔に

 

 「また新しい術を覚えたんですね…」

 

 そう言われたは照れ臭さから

 

 「今まで努力しなすぎただけやから自慢出来る事ちゃうよ…」

 

 苦笑いして言う翔に

 

 「その時が訪れたのが今…なのでしょ?命様…」

 

 そう問われた命が頷くと

 

 「少し前に全魔力を失ったみたい魔法が全く使え無くなると言う経験を経てようやく魔力が回復の兆しの見えてきた翔にとりまさに今こそ修行に取り組むべき時なのです」

 

 そう言って翔を見詰め優しく微笑み掛ける命と思わず視線をそらす翔の二人の姿がほほえましかった

 


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