(格式は高いのだろうが酔仙亭の二階、三階だってひけはは取らないが一見を断るような了見の狭いことはしんぞ)
そう思いながらお任せランチを六人前頼み
「アリス、こいつは翔と言ってみこが妹みたいに扱ってる者だが不器用でまとも飯も一人でよう食わんから手伝いを頼む」
そう言って、翔用の食器と食事用のエプロンを渡すとそれを受け取ったアリスが翔にエプロンを掛けて料理を待っていると
じとっ…と、見る翔の視線に気付いて
「どうかしたの?翔ちゃん…」
そう聞いても
「べっつに…なぁんも無い」
そう言って視線を逸らすがアリスが首を傾げ視線を他に移し、又暫くすると、翔がアリスをじとっ…と見ているのに気付いて
「翔、アリスがどうかしたのか?」
そう、鬼百合に言われて
「ふんっ、あほで可愛無いボクに飽きてその可愛い子に乗り換えるんやろ?ボクはもう要らん子なんやろ?なら放っておいてんか…」
そう言って頬を膨らませる翔に
「お前、何言ってるんだ?」
呆れ顔で聞く鬼百合に
「お父ちゃんがこの子をボクの席に座らせたからやないの…ボク楽しみにしとったんやで?」
そうボソボソ言う翔を不思議そうに見ながら
「鬼百合様は翔ちゃんのお父さんなの?」
アリスが不思議そうな顔で翔に聞いてみると
「お母ちゃんがゆーたんや…
『今日から私がママで、水鬼百合様がパパだからちゃんと言う事を聞くのですよ…良いですね?』
て、そないゆーたんやで?」
半ベソかきながら言う翔の頭を撫でながらアリスは
「大丈夫、翔ちゃんの大好きなパパを取ったりしないからね?そんな事したら翔ちゃんとお友達になれないでしょ?」
アリスのその言葉を聞いて
「ボクの友達…ホンマか?ホンマやったらメッサ嬉しいんやけど…ボク友達居れへんからね」
そう言って苦笑いすると
「翔ちゃん、私達はお友達じゃないの?」
淋しそうに聞くスクルドに
「あんな…どんだけウルズ様やヴェルサンディ様、スクルド様がボクを可愛ごーてくれてもボクはみこおねーちゃんの従者の一人に過ぎひんのやから身分が違うやろ?」
そう言われて肩を落とすスクルドに
「友達とか、そない失礼なことはよー言わへんけどスクルド様が大好きなんはホンマの事やけど迷惑や無い?」
そう言われて翔の身体を抱き締めるスクルド
「さぁ、飯が来たようだからみんなで食うことにしようか?」
そう鬼百合に言われて食事を始めた一同だった
付きだしのハチの子の甘露煮はヴェルサンディとスクルド、アリスが嫌がっだ
けど、逆に翔か喜んで食べるため問題なし
勿論鬼百合も好物だし大樹も苦にしないが、余り食事に関心を持たない翔が初めて要求するのを見せたので翔に食べさせる事した方が良いと判断したのだ