「おや?昨日の騎士様ではありませんか…二日続けてのお越し、一体何事なのですか?」
副座長のその問い掛けには鬼百合が
「どうやら衣装の話が上手く纏まりそうだから首都に来て欲しいんだとよ」
そう話すと団員達も
「成る程、座長らしい話だ…早速支度して明日の朝出発しましょう」
そう話すのを聞いて鬼百合も
「わかった、明日の朝又迎えに来る」
そう告げると
「その様な事をしていただいては申し訳有りません」
そう答えるのをスクルドが
「私達がこちらに来る途中古関の村で山賊騒ぎがありましたが幸いこちらの騎士、大樹様の活躍で事無きを得ましたが…
貴方達も無事と言う保証はありませんから遠慮せずに感謝して良い舞台にするため稽古に励みなさい
何より劇を知らない命様が今回の件で興味を持たれ一度見てみたいと仰ってくださりましたから無事に来てもらわねば困ります」
そう言われて驚く団員に
「アタイも縁有ってお前達の舞台を何度も観たこと有るが骨太の芝居をするお前達の劇はみこに是非とも見せたい物だ
最も…アタイが観に来たのはかなり前だから団員も大分入れ替わったようだがな」
そう言って昔を懐かしむように目を細める鬼百合に
「もしかしたら宇和月婦人に付き添って観に来て居られた騎士の方ですか?」
そう言われて苦い顔で
「あぁ…身辺警護で受けた話だったんだがな…」
そう言って苦笑いし
「まぁそうゆうこったから半年の間にかなり来たからさすがにちっとはわかるつもりだぜ?」
そう言って笑う鬼百合を見て
「明日はどうかよろしくお願いいたします」
頭を下げると
「あぁ、その分久し振りにアンタ等の劇を楽しませてもらうからこっちこそ期待してるぜっ♪」
そう笑って言われて気が楽になった劇団員逹だった
その後はスクルドの独壇場で大樹の活躍を熱く語ると照れ臭そうに
「俺逹がなりたかったのは物語や伝説に出てくる格好良い騎士
小さい頃になりたいと夢見た騎士なんだから騎士になったからもう終り…じゃないんです
騎士はその夢の入り口だしそうなれるように振る舞い修行を積んでるんです」
そう大樹も自分の思いを語ると
「その夢を今の小さい子達に見せてあげて下さい、格好良い騎士を…
情けない現状を知る私達は英雄譚を演じるのは悲しすぎますからね…」
そう言って目を伏せると
「安心しな、みこを慕って集まった少年逹が大樹逹に続けとばかりにと力を着けてきてるが何より大樹とたけと言う者は地の精霊の巫女…
この国の王女になった者の騎士だからこの国の常駐になるだろう」