月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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若き英雄の物語

②英雄譚

 

 夜明け前アクエリアスの結界に入り歌と踊りの稽古と媛に花の舞を指導し

 

 翔はできるだけ魔力を使わずに歩き回った

 

 踊りの稽古を始めさせる命は忍、留美菜、りんの豊作祈願の踊りを媛に見てもらい

 

 自分はなみと美輝に航海の安全祈願を指導した

 

 その後結界の外に出て謡華と歌の稽古に向かい翔、留美菜、美輝は厨房手伝いに雪華はウルズ、ヴェルサンディにはなみ、スクルドにりんが各々に朝の支度を手伝いに別れ

 

 首都からはにユウからの手紙が朝一番に届き開けてみると

 

 ー大樹に侯爵領に赴き予定が早まったが首都に来るよう劇団に連絡して欲しい

 

 観月様にはこちらから責任をもって連絡しますからー

 

 と、書かれていてその事を話しあっていたら支度を終えて降りてきたヴェルサンディが同行したいと言いスクルドも

 

 「私だって大樹様と町を歩きたいっ!」

 

 そう主張したので

 

 

  「ならアタイもついて行ってやるから往復交代でアタイと大樹のどっちの一角獸に乗るのか話し合いな」

 

 そう告げられ朝食に臨む事になった二人の女の闘いは朝から始まっている

 

 行きは大樹の一角獸にはスクルドが乗り鬼百合の一角獸はヴェルサンディが同乗する事になり食事の時に

 

 「お嬢様方のお供で出掛けるから翔も来い」

 

 そう鬼百合に言われだけどユウに叱られるのを心配して躊躇うって翔に

 

 「大丈夫、貴女が勝手に何処かに行くわけではなく鬼百合パパが一緒に来いと言ってるんですからね?」

 

 忍にそう言われて、命を見ると頷いてくれ最後に侯爵を見ると笑顔で頷いてくれたから

 

 「うん、連れてったってえなお父ちゃん…」

 

 そう答える翔の頭をがしがし撫でる鬼百合の二人を微笑ましく思いながら見守る一同だった

 

 まぁそんなやりとりがあっての翔の同行のだが五人を見送った後の事

 

 「何故鬼百合殿の事をお父ちゃんと呼ぶのだろうか?」

 

 そう不思議そう言う侯爵になみが

 

 「多分深い意味は無いと思います

 

 鬼百合様が好きなユウ様が、以前身体が動かなかった翔ちゃんの面倒を見てた時にそう躾たんだと思います

 

 命様達をお姉ちゃんと呼ばせるのも」

 

 そう言って溜め息を吐くと忍も

 

 「ユウがこちらに来るまではみこと呼び捨てにしてましたからね、命様の事を…」

 

 そう聞いてう~ん…と考え込む侯爵家の者だった

 

 嬉しそうな笑顔を浮かべ、大樹に話し掛ける妹を悔し涙を滲ませ睨むヴェルサンディに

 

 「よく我慢したな、妹にゃ可哀想だがあのにぶちんの大樹の気を引くにゃ片道だけじゃ短すぎる

 

 昼飯を一緒に食い少しだけ買い物もするからその後の帰り道を大樹と過ごす方がアタイとしちゃお勧めだ


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