月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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水の精霊の霊力

 「どうしましょうか?ウルズお嬢様のお時間かあまりありません…」

 

 そう焦る雪華にりんが

 

 「大丈夫ですよ雪華さん、こんな時の為の奥の手がありますから」

 

 そう言って見せたのは観月が愛用している化粧水の瓶で

 

 「観月様の化粧水…ですよね?」

そう雪華に聞かれて

 

 「はい、観月様に空き瓶を頂いた物に命様の霊力を過剰に含ませた霊水ですがこれは癖毛の酷いユミ様も愛用してます

これを使えば思い通りの髪型が出来るんですからね」

 

 そう言われて驚いた一同がりんを見るので瓶の蓋を開けると確かに雪華となみは命の霊力を感じたが

 

 「確かに命様の霊力を感じますけど私を導いて下さるの水草の精様ですから霊水が応えてくれるかはわかりませんよ?」

 

 寂しそうに言う雪華にりんは言った

 

 「そう草の精様が命様の中で水草の精様となられた方だから命様の霊水との相性はばっちりですし水草は普通の植物以上に水とは切っても切れない仲

 

 何より私達の思いに命様の霊気が応えてくれないわけはないじゃないですか?それに…私、言いましたよね?ユミ様も愛用してるって…」

 

 そう言われて「あっ!」と驚いた一同だけどウルズが

 

 「そのユミ様と言うのは美月のデザイナーのユミ様の事ですか?」

 

 そう聞かれたりんが

 

 「はい、そのユミ様ですが精霊の巫女でも女神の依り代でもありませんからご本人はやはり持続時間が短いとは仰ってましたね…」

 

 難しい表情で言うりんに

 

 「霊力が有るとか無いとかよりも親しいかそうでないかなんですね…

 

 わかりました、ウルズ様は私に任せりんちゃんはそろそろお風呂から上がる命様のお手伝いを頼みますね」

 

 そう今までの不安をぬぐい捨てりんに指示を与えてウルズのセットに掛かる雪華に

 

 「そろそろお嬢様達の支度を終えますと伝えておきますね」

 

 そう言って命の着替えを用意するとその場を後にするとウルズは雪華に

 

 「貴女達は皆本当に命様が好きなんですね…」

 

 そう言われて

 

 「はい、皆命様の側に居たくて侍女になりましたから」

 

 そう言い切る雪華が羨ましく

 

 (うちで働く侍女達は皆花嫁修業位にしか考えてませんからね…

 

 もっとも…だからこそ先程雪華ちゃんの言った台詞を言ってももらったところで真実味は全くないんでしょうけど…)

 

 そう考えていると雪華の

 

 「…よし、これで、お、わ、りっ♪と

あ、なみちゃん…スクルド様の支度は済んだ?」

 

 そう声を掛けると

 

 「はい、こちらも今終わりました」

そう答えたので

 

 「終わりましたぁーっ、お嬢様のエスコートお願いしまぁーすっ!」

 

 


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