翔の体を中心にして空気が対流を始め、ちょうど翔の足下に居るウルズは熱を奪われ涼しく感んじる風を浴び驚いて妹達を呼ぶと妹達も驚いたけど喜びやがて部屋全体が涼しくなり
「お母ちゃんこん位でエーか?」
と、翔の問い掛けにユウが
「あまり冷やし過ぎは身体によく有りませんからね」
そう答えると
「凄い…完成したばかりと言う事は陛下は勿論伯爵殿もご存じない?」
その驚きを隠さない侯爵の問い掛けにユウが
「私もこのような魔法の使い方は今、初めて知りましたから…それと翔ちゃんは完成と表現しましたが微妙な熱操作が可能になったと言う事でしょう
先程の氷水もそうですが、加減を誤ればただの氷になってしまいますし室温も涼しいを通り越して寒くなってしまいますからね」
そう言われて驚くと共に心配そうに
「ですが…これだけの術を使った翔ちゃん自身は疲れ無いのでしょうか?」
そう心配して聞くウルズに
「私達がフレア様から教えて頂いている翔ちゃんの術の基本は吸魔吸熱魔法と呼ぶもので、冷気を操るのではなく熱を奪う魔法
更に翔ちゃんの特性は、その奪った熱を自分の魔力に変換して自分の魔力に変えて別の術に使うから魔力を蓄えた今は逆に元気一杯なんですよ?」
そう説明されて照れ臭そうにえへへと笑う翔の頭を優しく撫でると嬉しそうに笑う翔が可愛くて
(この笑顔…だからこの子だけが翔ちゃんなんでしょうね、他の従者の少女達は部下だから呼び捨てなのに…)
そう思いながら見るユウの顔は、可愛い娘の自慢をしている若い母親の様に見えてきた
そんな中で一人元気のないミサに
「どうかなさいましたかお嬢様?」
そう聞かれて困った顔をしながら
「そのお嬢様と言う呼ばれ方に慣れないのと、命様のお食事中仕事をしないで食事することに罪悪感を感じてどうにもいごこちが…」
と、そう元気の無い声で答えるミサに
「そのどちらも命様の供をしていく以上、慣れるしかない事なのだと思いますよ?
ユウ様とて最初から美月のスタッフだった訳ではなく見習いとして勉強してその努力の甲斐があっての今があるのでしょうからね?
もちろん、生まれついての才能も有りましょうがそれを引き出す努力をなさったからで貴女がここにいらっしゃるのもその才能があると認められたから
だから不安でしたらまずは努力すれば良いのではありませんか?
少なくともこの場に居る者にはその努力を嘲笑う者は居ませんからね?」
その答えに溜め息を吐いて
「やはり慣れるしかないのてすかどうにも居心地が悪くて仕方がないのです…」
そう自信なさげに呟くミサを
(木念人と言われている私だがそんな私でさえ守って上げたくなる人だな…)
そう思いながらミサをそっと見守る小姓だった
そして食事も終わりに近付き
「媛と留美菜に美輝はいつもので翔もお願いしても良い?」
と、命に言われた四人が頷くとりんも行動を起こし何が始まるのかと見守る中料理長がデザート用の器を持って現れた四人
媛と留美菜の前に器を置きりんは蛍は特製のシロップを持って来ると媛と留美菜に美輝の三人が器に雪を降らせ始めた