月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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美味しさの秘密

 

 

 串焼き屋がグリエから放たれる熱で焼かれた串焼きを鬼百合に渡し味見してもらうと見ている者が思わず食いたくなる食いっぷりであっという間に食い尽くし串焼き肉はどんどん売れ

 

 串に刺した分みるみるうちにが減ってきたので串に刺し始めたのを見た翔が串焼き屋の店主に命印?の特製アットレーを差し出して

 

 「おっちゃん、これに刺したらグリエん中で焼いたるで?」

 

 そう言われて

 

 「焼き加減がわかるのか?」

 

 と、聞かれた翔が

 

 「あはは、そんなんボクがわかるわけ無いやろ?

 

 ボクのこの術は火の精霊の巫女様の霊力の加護でフレア様がボクに教えてくれんねん、丁度えータイミングをね

 

 焼き加減はおっちゃんのやっとたのでわかっとるよ、フレア様の霊力が」

 

 そう翔が言うと

 

 「成る程、フレア様の聖なる炎だからこそこんなにも旨くなるんだな…」

 

 そう言って頷くと

 

 「そのフレア様の祝福の恩恵を俺も肖りたいっ!」

 

 そう言って翔に手伝って貰いたい者が食材を持って集まる様子を見て笑みを浮かべ頷いていた

 

 

 

 熱々の料理を提供する一方で吸熱魔法で作った氷を使った氷水で冷やした飲み物も喜んで買ってくれたから嬉しくてたまらない翔とその売れ行きに笑いが止まらない酒屋の親父

 

 あらかじめ焼いておいたクッキーに焼いた玉蜀黍と甘薯と蒸した玉蜀黍等と共に売れていき…

 

 翔に用意された素材は既に尽きていたけど周りの店の店主達が食材を持って集まったから未々ケベックはフル稼働中

 

 飲食店コーナーは既に例年に無い賑わいを見せていた

 

 そして伯爵領名物の角力大会もいよいよ決勝になり月夜にとり最悪の事態に向かいつつあった

 

 優勝者には大抵の事なら願い事が叶えられる特典があり決勝に残った二人が望むのは月夜を嫁に欲しい、伯爵家に名を連ねたい…

 

 だったので叶えられない願いでは無いけど二人を好まない月夜は叶えて欲しくない願い事

 

 そんな月夜に優勝した男が最強の俺様の嫁になれと言ったから

 

 「今年の出場者の中では…でしょ?貴方などあの方達の足元にも及びません」

 

 そう言われて見た相手(大樹達)はそれなりに鍛えてはありそうだけど力士体型のその男から見たらチビ共でしかなく

 

 「あんなチビ共まとめて相手してやるわ、あいつらを平らげたらいい加減観念するんだな」

 

 その会話を聞いた媛歌が忍に教えそのついでに

 

 ーどうやら月夜はたけに気があるみたいだね?ー

 

 そう告げておいたから男の目から見た最強の男(大樹)に勝負を挑むと

 

 「たけ、貴方が彼の相手をしてあげなさい」

 

 そう言われてたけが土俵に上がるといきなりぶちかましを仕掛けたけど軽くいなすと勝手に土俵から転げ落ち

 

 その拍子に頭でも打ち付けたのか意識を失い月夜だけでなく街の者達からも好まれてないその男を気にする者はなくそのまま打ち捨てられていた

 

 大会参加者ではないからと優勝の褒美を辞退するたけの頬に月夜が口付けする顔を真っ赤にするたけを見て観客達からも祝福された

 

 


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