月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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マジッククッキングショー

 そして、今始まる翔が主役のマジッククッキングショー

 

 もちろん詳しい内容を知るのはごく一部の者だけなので皆固唾を飲んで翔の様子を見守っている

 

 そして、その翔の目の前に並べられている30尾の魚が串に刺された状態で焼かれるのを今が遅しと待っている

 

 左手で串を持ち鬼百合が二本持って右手をかざし

 

 ーグリエっ!ー

 

 そうスペルを唱え魚は宙に浮いたままになり残る串も順に焼き始め次に焼くのはローストビーフだけど何も知らされてない人達は翔が何をしているのかさっぱりわからなかった

 

 勿論、それは伯爵にとっては予想通り反応でしかなく

 

 「だからこそ人々が真実を知った時の驚きが大きいだろう?」

 

 が、伯爵の考えで最初に焼き上がった鬼百合が焼酎を煽りながら頭から丸かじりして二本目は阿が受け取ると美味しそうに食べると二人の焼き魚から立ち上る香りにつられて魚を注文する者が現れ始めた

 

 ローストビーフは黒蓮に石窯スコップに乗せて貰い

ーケベックっ!ー

 

 と、スペルを唱え石窯スコップは抜いて貰い新たに魚を焼き始める事にして次の準備はローストチキン

 

 串焼きの魚が三本売れ焼酎もひょうたん三本売れたが酒の販売は免許制で翔達は扱え無い為伯爵邸の出入りの酒屋に

 

 「面白い事をするからお前さんも店の酒を売りに参加しなさい」

 

 と、だけ言われて呼ばれたのだけど確かに面白い事をしていると気付き今度はローストチキンか…と感心している

 

 ケベックでローストチキンを焼きケベックで魚の串焼きを十本のローストポーク焼き魚が四本売れ焼酎もひょうたん四本売れた

 

 次にケベックで玉蜀黍、次のケベックで甘薯、次いで焼き魚を10尾焼き始める頃にはローストビーフが焼けたので黒蓮に出して貰い後はユウが料理して取り敢えず鬼百合が食べるとローストビーフも売れていった

 

 ローストビーフを食い終えた鬼百合がねじり鉢巻も威勢良くグリエやケベックの前に立ち用意された串焼き用のイカの串を掴むとそれらの上に乗せ焼き始めると醤油の焦げる匂いが立ち込め人々が集まり色々な料理が売れ

 

 酒もどんどん売れるのを見た隣の串焼き店の店主が鬼百合に

 

 「なぁ姉さんよ、俺もその天板とでも言うのか?それを借りてうちの串焼き肉を焼かせてもらっても良いかな?」

 

 そう言われてその言葉を待っていた鬼百合は

 

 「あぁ良いぜ、アタイもそろそろ本格的に飲みたくなってきてたからなっ♪」

 

 そう言って最後の一本が焼き上がるとそれは自分の肴にしてかぶりついて焼酎を煽った


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