月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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魔女っ子翔ちゃん?

 

 何より魔導は理解出来ずとも程よく焼けた魚は旨いし翔自身が

 

 「ボクは元々火の魔法は得意やなく火の精霊の巫女のチサ様の霊玉呑み込んでもーたからチサ様が力貸してくれてるだけなんよ?

 

 せやからボク自身が理解出来てへんから説明出来ひんのよ」

 

 と、笑って言ったら

 

 「それを笑って言ってどうするのですか…理解しようとは思わないのですか?」

 

 そうユウに言われて

 

 「あはは、そらムリな相談やわぁ~っ…そないな事考えたら速攻で寝てまうんやから考えるだけムダムダ」

 

 そう言われて溜め息を吐くユウに思わず同情する騎士だった

 

 そんなわけで得体の知れない魔導師と言うレッテルは剥がれ精霊の巫女の従者でお調子者の魔女の弟子?

 

 とでも言うべき翔に対する警戒心は薄れ焼き魚は料理長が誉める通りに旨く

 

 (伯爵様がお気に召すわけだ…)

 

 そうやっと納得できたし

 

 「あの外見なら幼い娘達に人気が高いのでは?」

 

 そう聞かれたユウは

 

 「生きたお人形の翔ちゃんは不器用で色々とお世話のしがいのある娘で特におままごとが好きな子達は母親を真似た口調で話しかけてますからね

 

 宮廷のパーティーでも翔ちゃんが掴まり立ちしてよろけながら歩くとその一角は社交パーティー会場である事を忘れさせますね」

 

 そう笑って嬉しそうに話すユウが娘自慢の母親の様にも見えてきた男も苦笑いを浮かべるしかなかった

 

 そんなわけだったのだが…男達はある事にやっと気付いた

 

 「何だ?この異常な釣果は…」

 

 大物狙いの鬼百合とたけだけではなく他の四人も

 

 「今日は良く釣れる日だなっ♪」   

 

 そう言って喜ぶレベルだ

 

 おまけに料理長が捌いてる早瀬ウナギの旨そうな事…彼らにとり今日は騎士達にとって驚きの連続だった

 

 夜になり翔を取り合う孫娘達とその輪に入っていけずいじける少年達

 

 そんな少年達を他所に月花、月夜、月美達の両親だけが訪れ月美にプレゼントを渡すと

 

 「月美、お誕生日おめでとう…」

 

 そう父親が告げるとミサがネックレスにミチも仕上がったばかりの翔の人形を渡しユウは

 

 「翔ちゃんが着ていた物と同じデザインのドレス、ピンキーエンジェルです」

 

 そう言って渡しスーは

 

 「翔ちゃんが焼いたケーキを私達がデコレートしました…」

 

 そう言われて涙を浮かべて喜ぶ月美に

 

 「みこと先生はお歌を歌うねっ♪」

 

 そう言って月美のために歌い月美を喜ばせ伯爵も喜んだ

 

 そして最後に月美が

 

 「ユウさんにお願いが有ります…今夜だけで良いから翔ちゃんと一緒に寝たいから私の部屋に来てほしいの…」

 

 そう言われてユウが頷きこっそり溜め息をついて

 

 「ボクならえーで?」

 


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