月の明かりに照らされて   作:春の雪舞い散る

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翔の魔石 

 

① 伯爵領再び

 

 運河を渡り月影の国に入り陸路の旅が始まり伯爵家を再び訪ねると前回とうってかわり歓迎された命達

 

 夏の慰霊祭で歌や踊りを披露されることを望まれたので暫しの逗留になった

 

 アクエリアスの結界内での修行で日に日に力を着ける少年達

 

 豊作祈願に続き豊作の喜びに感謝を捧げる踊りを習い始めた巫女達にようやく自在に跳ね回れる…と、言っても宙を滑る様にと表現する方が相応しいのだけど…

 

 あちこちで人と接触事故を起こしている翔

 

 それと翔がグリエと名付けた魔法は一尺位の魚なら熱がすっぽり包み込み全方位から焼ける様になり時間差で二尾なっていた

 

 翔の魔石はバリエーションが豊富で命の勾玉がグリエの余熱を吸った通称熾火の勾玉

 

 これが精製される様になって以来命の指示でチサ達同様に黒い勾玉の、ネックレスを着けている

 

 火怒雷の魔石は准騎士候補のカンが受け入れた赤と黄色のマーブル模様

 

 飛び火蜥蜴の魔石に飛雷蜥蜴の魔石、蓄熱の魔石は赤い磨りガラスの様な勾玉で吸熱の勾玉は青い磨りガラスの様な勾玉

 

 そしてレア物のブルークリスタルと見間違える竜頭氷連山の魔力が封じられた勾玉

 

 最後に朱い霊玉を受け入れた後から現れ始めた朱鷺色の勾玉の八種類有る

 

 が、特筆すべきは錬成の早さで命や真琴のように勾玉化しないけど勾玉を産み出せない分特に熾火に関しては命の黒い勾玉をベースにするためグリエを使えば直ぐに産み出せるのだから

 

 今朝もグリエを七回使って魚を焼いたから既に七個の熾火の勾玉を精製して命に渡している

 

 伯爵家逗留二日目…翔は朝早くから伯爵の孫達に追い掛け回されていた…

 

 「いややーっ!」

 

 そう叫ぶ翔の拒否権は認められず11人の孫達に追い掛け回される鬼ごっこだから翔が逃げ切れるわけもなく滞在中何度も手荒に捕獲されては服を着せ替えられている

 

 皮肉な事に独特な人形文化を持つ伯爵の領内は孫達に人形を贈る風習があり伯爵が孫達に贈った人形が丁度媛歌や翔のサイズ

 

 孫娘達は幼い頃からメイドに人形の衣装を作らせては着せ替え人形にして遊んでいたので自分達が持つ人形の衣装を着せようと追い掛け回していたのだ

 

 おまけにユウには

 

 「翔ちゃんを捕まえた方の衣装を着せる権利が与えられる鬼ごっこ」

 

 と、言われて追い掛け回され始めたのだ

 

 「翔ちゃんつーかまえたっ♪」

 

 そう言って最初に捕まえたのは上から三番目の娘、月花で着せられたのは古代亡国の女王が着ていたとされるもので露出度の高いそれは歌の国では余り好まれず美月の得意分野でもない

 

 

  


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