『この世全ての悪』を背負いし少年も異世界から来るそうですよ?   作:クロック

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顔のない王

『シャドウサーヴァント』について説明しよう。

シャドウサーヴァントはサーヴァントの残留霊基。英霊の霊基を模した偽物。サーヴァントのなり損ない。召喚者の実力不足、召喚陣の不備などで発生する。その姿は全て黒いシルエット。

その出現方法は様々で、聖杯の不備で漏れでる、英霊を短時間で召喚するなど様々。

意思疎通できるかは個体ごとによって異なる。

 

シャドウサーヴァントは英霊のなり損ないであるため宝具を使えない。それは黒化の影響だ。

 

だが今暗流の目の前にいるシャドウサーヴァントは不完全ながらも宝具を使っていた。

 

暗流が相手をしているのは『ノーフェイス・キング』又の名を『ロビンフッド』。

 

最初に姿が見えなかったのは彼の宝具の『顔のない王』という本来は姿と気配を隠蔽する宝具だ。

だが消すことが出来ていたのは姿だけ。気配は少ししか消せなかった。

 

使えるとしてもどこかしら劣化がある。

これは暗流にとっては嬉しいことだった。

 

暗流は壊れていながらも聖杯を所有している。

彼の聖杯は未だに機能を停止していない。

 

だが英霊召喚は出来ず、可能なのは英霊や神話の知識を与える、令呪の自分への付与、そして泥を使った身体強化。

 

肝心の英霊召喚や万物の願いを叶える機能はない。

 

前者だけでも十分なのだがステータスを上げるだけでも限界がある。

 

敏捷は元々が早いのでA+まで伸ばせたが耐久と筋力はB+が限界。運に関してはBで止まった。

宝具は『この世すべての悪』と暗流が融合したのでA+になるほど改変された。

 

スキルは外せたものと外せなかったものがあった。

ちなみに付与することが出来たスキルはギルガメッシュのスキルがほとんどだった。

 

死滅願望のスキルは残してある。というか取れなかった。

これは暗流、『この世すべての悪』を表すものに近いため外すことが出来なかった。

 

諸々の理由はあるが暗流はロビンフッドを押していた。

 

暗流は英霊の中でも今は高スペックであり、十年間も手加減していたがアーチャーであり最高クラスの英霊のギルガメッシュと、下手な英霊なら生身で倒せる言峰綺礼を相手に訓練していたのだ。

 

ロビンフッドが放つ高速の矢もギルガメッシュの宝具よりは遅い。

既に双剣はしまっている。

今は手にした黒鍵で相手をしている。

後ろには毒で動けないグリフォンと十六夜がいるので後ろまで行かせてないが確実に暗流が有利だ。

 

「どうした?お得意の弓は使わないのか?」

 

飛んできた矢を指に挟んだ黒鍵で破壊して問う。

ロビンフッドは答えない。

 

「本来ならお前は弓を当てた時点でアイツらを殺せたろうに、それともお前の宝具《祈りの弓》は飾りか?」

 

矢が一気に四本飛んでくる。

その矢を黒鍵の剣の部分を巨大化させて相殺する。

 

黒鍵の剣の部分の巨大化は十年前に綺礼が使っていた戦法だ。これは自分に付与されている令呪を黒鍵に使用する事で強度などを上げている。

しかしこの戦法の弱点は黒鍵と令呪の数に限りがある点だ。

黒鍵は作ることが可能だが令呪は本来は英霊を無理やり従わせるためのもの。黒鍵一本の強化に令呪を一つ使用するためとてつもなく燃費が悪い。

 

だが暗流はこの戦法を取り続ける。

暗流の所有している壊れた聖杯は暗流自身に令呪を供給する機能がある。

なぜこんな機能があるのかは知らないが壊れている、もしくは呪われているから、ということで考えないようにしてる。

 

暗流は矢を拳で破壊しすぐさま黒鍵を取り出し投げつける。

ロビンフッドは避けるが暗流が右手の拳を構え突撃してくる。

ロビンフッドは無理な体勢になりながらも必死で避ける。

ロビンフッドは体勢を崩すが暗流はそれを見逃さずに左手に黒鍵を取り出し投げつける。

ロビンフッドは避けることが出来ないと悟ったのか、左腕を犠牲にして直撃を防ぐ。

 

「刺したままは危険だぞ」

 

暗流がそういうと突然ロビンフッドに刺さっていた黒鍵が燃えだした。

ロビンフッドは急いで飛び退き黒鍵を抜くが、足にさらに黒鍵が刺さる。

 

今度は刺さったところが石化してきた。

 

「全く、黒鍵を八十本も使い、最後には火葬式典と土葬式典まで使ってやったんだ」

 

周りには黒鍵の破片は一つもない。

黒鍵を使用するものは自らの魔力から精製する者がいる。

暗流は刃から柄まで生成してしまうので柄も破片も残らず魔力に帰る。

これも魔力量がEXだからだろう。

 

「終わりだ」

 

一瞬の踏み込みでロビンフッドとの距離を詰める暗流。

暗流は握った右の拳を八極拳の要領でロビンフッドの心臓に叩き込む。

この技は綺礼から教わったものだ。

 

心臓が破裂した感覚が拳に残る。

ロビンフッドは衝撃で吹き飛ばされていく。

 

50mほどで勢いを止めて倒れ込む。

その黒い体は徐々に消滅していってる。

 

最後に何かをいいたそうだがもう聞こえない。

最後まで消えていく様を見届ける。

 

消えたことを確認したら自分の刺青が消えていくのがわかる。

残ったのは体への負担とシャドウサーヴァントが現れた謎、それだけだった。




戦闘描写が難しいね。
特にシャドウサーヴァントなんか何もしゃべんないから暗流も喋れなくなるよ。
今度設定作らないとやばいな

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