思いついたことを書いてみた   作:SINSOU

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こんな日本では、絶対に話が進まないだろうなぁ・・・。
注意:パロディ塗れです。


HSDDよ、これが人間界だ!(魔窟日本)

「ねぇ、イッセーくん。私のお願いを聞いてもらってもいいかな?」

 

夕麻ちゃんの言葉に、俺は胸の鼓動が激しく打った。

 

ま、ままままさか!?これはえっと・・・そうアレだ!アレだよ!

やばい!心臓の鼓動が激しくなってきてる。身体から汗が噴き出してきた。

俺は自分の姿を誤魔化す様に、至って冷静に答えた。

 

「な、何かな、夕麻ちゃん、お、お願いって・・・?」

 

冷静じゃなーい!?しかもよりにもよって、最後の言葉が上ずったじゃねぇか!

恥ずかしさで顔を真っ赤にする俺だが、夕麻ちゃんは微笑んでくれている。

そして微笑んだ顔でこう言った。

 

「ねぇ、死んでくれる?」

 

「・・・・・・え?」

 

俺は夕麻ちゃんの言葉に耳を疑った。

だって、それは俺が想像していた言葉じゃなかったからだ。むしろ、その真逆。

 

「ごめん夕那ちゃん、もう一回言ってくれないかな?

 俺の耳、急に変になってた」

 

俺は夕麻ちゃんに一度聞き返した。

だって、それは冗談にしてもあまりにも笑えなかったから。

 

「死んでくれないかな?」

 

でも、俺の想いを裏切るかのように夕麻ちゃんは言った、笑顔で。

そして、夕那ちゃんの姿が変わった。

背中から羽が生えたんだ。まるで魔法か手品のように、急にバサリと音を立てて。

そして空に浮かぶ夕麻ちゃんの姿に、俺は呆けていた。

あまりにも突拍子もない出来事だっから。

 

そして、かわいらしい笑顔だった夕那ちゃんは、俺を冷めた目で見下していた。

 

「楽しかったわよ、あなたとの恋人ごっこ。子供のママゴトとしては及第点かしらね」

 

冷めた目で、冷たい言葉で、俺にそう言った。

ブゥオンよ音がした。すると夕麻ちゃんの手が、光る槍を握っていた。

 

え?槍?なんで?なんで槍が出てきたんだ?

 

そして、夕麻ちゃんは持っていた槍を振り挙げそのまま・・・

 

 

「そこまでにしとけ」

 

突然、公園内に声が響いた。俺は声のする方へ振り向いた。

そこにいたのは、後光に照らされた誰かだった。

後光のせいで顔が見えないが、声からして男の人だろう。

 

「なによ、お前」

 

「唯の通りすがりだ」

 

「そう、ただの通りすがりね。でも残念ね、私の邪魔をした奴は死ぬことになってるの」

 

そう言って、夕麻ちゃんは持っていた槍を男の方へと投げた。

それはまるで風のような速さで、男の方へと飛ぶ。

一誠は、その場を動けず、その光景を見ているしかなかった。

槍が突き刺さる瞬間、男は手から何かを取り出す。

そして声が聞こえた。

 

「変身」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くよブランシュ!」

 

「任せてノワール!」

 

フリルの付いたドレスを纏った少女たちが、化け物へ走って行く

 

「二人とも、私が援護します!」

 

何やら猫耳を着けた少女が、手元からカードを取り出し、太陽を象った杖を掲げた。

すると、カードが光り輝き、屋内だというのに風が吹き荒れた。

 

「な、何だこの風は!?」

 

怪物は、突然吹き荒れた風に動揺した。

しかもその風は、まるで怪物を縛り付けるかのように、怪物の手足を押さえる。

 

「ありがとうセリシエール!」

 

黒いドレスを纏った少女は、猫耳少女にお礼を言いながら、怪物の顔を殴りつけた。

まるでトラックがぶつかったのかのように、怪物が吹っ飛ぶ。

 

怪物が吹っ飛ぶ方向には、白いドレスを着た少女が待ち構えていた。

 

「ナイスよノワール!」

 

そう言って、白い少女は飛んできた怪物を蹴り上げる。

怪物はそのまま廃墟の天井を突き破り、空へと舞いあがる。

そしてそこには、装甲を纏った人らしき姿があった。

装甲に覆われた姿からは男性か女性かは判らず、ただ人の姿だから人であると思えるだけだ。

そして装甲の人は、右手を掲げる。

すると、全身と同じように装甲に覆われた右手が、鈍い音を立てて動き出す。

まるで歯車が軋み合うような音を立てて装甲が展開し、巨大な光の渦を纏う。

そして、

 

「いっけえぇぇぇえぇぇぇ!」

 

ちょうど飛んできた怪物に、光り輝く右腕を叩き込んだ。

まるで雷が落ちたかのような光と音を立て、怪物は一直線に、元いた地面に叩き付けられた。

巨大なクレータの中心には、白目をむいてピクピクとけいれんする怪物。

あれだけのことなのに、怪物は死んでいなかった。

 

「ちょっとやり過ぎよ!私たちまで吹っ飛ばす気ー?」

 

「ご、ごめんなさいぃぃぃ・・・」

 

空から降りてきた装甲の人は、黒いドレスの少女に謝る。

見た目は装甲に覆われているせいで高圧な印象なので、

ぺこぺこと頭を下げるその姿は酷く違和感がある。

 

「まぁまぁノワール。彼女も悪気があったわけじゃないんだから」

 

白いドレスの少女が、黒いドレスの少女をなんとか宥める。

 

「そうですよ。それに、この人も大丈夫そうですし」

 

杖を持った猫耳少女が、クレーターで痙攣している怪物を見る。

なお、その顔は若干引き攣っているが。

 

「お小言は後にするとして、セリシエール、見える?」

 

「はい。この人の中にとても邪悪な何かが見えます。この人も多分・・・」

 

そう言うと、猫耳少女は杖を掲げ、カードをかざす。

 

すると、怪物の中から何かが出てきた。それは黒い色をしたチェスの駒だ。

その駒からは黒い靄が溢れていて、いかにも禍々しい印象を与えた。

 

「やっぱりこれもか。まったく、いい加減にしてほしいわね」

 

ノワールと呼ばれていた、黒いドレスの少女は、その駒を見て頭を掻いた。

 

「ミョルニル、お願い」

 

「はい!」

 

ミョルニルと呼ばれた装甲の人は、その駒を握りしめそして、砕いた。

その瞬間、怪物から真っ黒な煙が溢れ空に舞い上がっていく。

そして怪物のいたところには、一人の女性が横たわっていた。

ブランシュと呼ばれていた白い少女が、その女性を確認する。

 

「間違いないわ。この人、1年前から行方不明になっていた人ね。

 取りあえず保護しないと」

 

倒れている女性を抱きかかえるブランシュ。

 

「それじゃ皆さん、一端本部に戻りますね」

 

セリシエールがカードを掲げると、空間に人が入れるほどの穴が開く。

その穴の先は、廃墟とは全く異なる空間だった。

なにせ、ソファやテーブルやら、それこそ灯りが燈っていたからだ。

 

「いつもありがとね、セリシエール。

 今度私も、魔法が使えるか試してみようかなぁ」

 

「それは、流石に聞いてみないと・・・」

 

「はいはい、ここで喋らないの二人とも!早くしないと誰かが来ちゃうわ」

 

「やっぱりブランシュさんは纏め上手ですね。私、ブランシュさんに憧れます!」

 

四人はそんなことを喋りながら穴を通り、全員が通り過ぎると、穴は消えた。

まるで始めから無かったかのように。

 

そこには、屋根に穴が開き、地面に大きなクレーターがあるだけだった。

 

 

 

 

「ソーナ」

 

「なんですかリアス」

 

眼鏡をかけた少女ソーナ・シトリーは、赤い髪の少女リアス・グレモリーに顔を向けた。

二人がいるのは、駒王学園の旧校舎にあるオカルト研究部の部室だ。

二人は、互いにテーブルを挟んで顔を突き合わせている。

 

「私、疲れているのかしらね。だって、人がビルに飛ぶんだもの、跳躍で」

 

「奇遇ですねリアス。私も疲れているようです。

 ええ、人が素手で地面に穴を開けるなんて、そんなはずがないんです」

 

そう話す二人の目は死んでいた。

少なくとも、彼女たちが人間界に来るまでは、その目には輝きがあった。

素性を言えば、彼女たちは人間ではない、悪魔だ。

二人はさる貴族の娘であり、社会経験ということで、秘密裏に人間界にやって来たのだ。

駒王学園は、実は彼女たち悪魔が運営しており、駒王町も彼女たちの領土である、建前は。

 

栄えある人間界へとやって来た二人は、憧れの人間界について学ぶことを夢見ていた。

もちろん、事前に人間界については勉強をした。

礼儀作法も取りあえずはバッチリで、常識についても一応、修得済み。

そして、いざ人間界の日本にやって来た二人は、現実に打ちのめされたのだった。

 

なにせ日本では、ベルトを付けた人たちが、

パンチやキック、時に剣などで危険な堕天使やはぐれ悪魔、同じような魔物を打ち倒す。

フリルのドレスやレオタードを着た少女たちが、

時に月の力や妖精の力を借りて、時に謳いながらはぐれ悪魔を浄化して人間に戻す。

子供たちは、時にカードを掲げて魔法を使い、時に魔物を召喚し、

時に杖から魔力を放出させるなど、あまりにも異常だったからだ。

その上あまりにも強すぎるせいで、自分達のがプライドも木端微塵に砕けたのだ。

少女たちが4人の力を合わせた瞬間、巨大な女性が出た時などは理解が追いつかなかった。

ましてや、その巨大な女性がメリケンサックで敵を殴り潰すと、誰が想像出来ようか。

今では、ただの人間が巨大な剣を素手で打ち破ったり、水上を走る姿などはいつものこと。

彼らが言うにはOTONAだから出来るらしい。OTONAとは一体・・・。

 

頑張って自分たちの領土を守ろうと、領主の務めを果たそうとしていたリアスは、

人間界にやってきて1年で、その輝かしい目から光が消えた。

なにせ自分の領土内で、そこらじゅうで大事件が起きているのだから。

その結果、立場上領主である彼女は、兄である魔王への報告書に忙殺されていた。

もちろん魔王だけではなく、その他方面への報告書も含めて、

その量は紙の山と言っても差し支えないほどだ。

 

ソーナはリアスほどではなかったが、毎回起こる事件に、少しずつ心を削られていった。

それも、下手すればこの町が簡単に消し飛んでしまうような事件も含めてだ。

その度に、自分たちが出る間もなく、誰かが現れては簡単に解決されてしまう。

そしてその中には、正体を隠す者もいれば、隠さずに戦っている人もいる。

自分の学園の生徒がこっそり変身する姿を見た時など、ソーナは頭を抱えた。

それも一人だけではなかったのだから、もはや考えることを止めた。

 

自分たちはと言えば、悪魔であることを隠すために、黙っていることしか出来ない。

はっきり言って、今の自分たちは一体何なんだろうか?

そもそもここは、本当に自分たちの知る人間界なのだろうか?

何処か別の世界に行ってしまったのではないだろうか?

 

「ねえソーナ、ここは人間界よね?私たちがいるのは人間界よね?本当に人間界よね?」

 

「何を言っているのですかリアス。ええ間違いありませんよ、リアス。

 ここは人間界の日本で、駒王町ですよ?ええ、人間界のはずですよ?」

 

互いに死んだ目で、現実を確認し合う二人。そして紅茶で喉を潤し、互いに笑う。

外では、校庭で暴れているサッカーゴールの怪物と少女たちが戦っている。

 

「行くにゃメロディホワイト!」

 

「はい!リリックブラック!」

 

空では堕天使と、同じく黒い翼を生やした少女が飛び交っている。

 

「おのれ、裏切り者の堕天使の娘!なぜ人間の味方をする!」

 

「私は堕天使であり、人間です!私は、大切な人を守る為に戦います!

 くらいなさい!ホーリーライトニング」

 

そして商店街では、剣を携えた騎士たちが戦っている。

 

「てめぇはこのセルゼン様が相手をしてやるぜぇ!俺を喰らえ、ホーリーナイトォォォォ!」

 

「もう、僕のような存在を生み出す訳には行かない!変身!ダークナイトファング!」

 

「負けないでイザイヤー!」

 

遥か遠い国では、夜の国を統べる王がいた。そしてその傍らに、必ず従者がいたとも。

 

「着いてこい、半端者。私が直々に、お前に本当の吸血鬼と言うものを見せてやる」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃ!?やめてください、僕をひっぱらないでくださぁぁぁぁぁい!」

 

 

そして、

 

「俺はモテるために戦う!戦えばモテる!絶対にな!

 行くぞドライグ!煩悩解放!チチリューテー!」

 

『ゴハァ!?」

 

赤い鎧をまとった少年は、モテるために戦い続けるのであった。

行け、少年!大切な人を守るのだ!モテるために!赤き龍を吐血させながら!




思いつきでやりました。反省はしています。

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