異世界召喚されたと思ったら意外とチートだった   作:日々はじめ

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主人公の名前決めたさい何故か引っ掛かっていたんですよ。どこかに似た名前のキャラがいるなぁって。

 あれだ、アカギだ。


第2話 そうだ!都市にいこう!

 光が洞窟を歩いていた二人の影を照らす。

 

 「おっ!もうすぐで出口だなヘファちゃん!!」

 「その呼び名が定着したのか、嬉しいのか悲しいのか...」

 

 sssランクである最強の龍ヘファイスを連れた男神木重。

 やっと出口か、少ししかこの洞窟内に居なかったけどなんか寂しいな…。はっ!けど俺にはヘファちゃんいるからどうでもいいのか!!

 

 「さぁ、始めようかヘファちゃん!俺の、俺達の旅を!!」

 

 俺は寂れた街が広がっている砂漠を眺めていた。

 

 「ヘファちゃんや」

 「なんだ重」

 

 俺は目の前の光景に納得がいかない!こんな寂しいところから旅が始まるなんて考えたくもない!!

 

 「ここって…」

 

 ヘファイスはここがどこだが説明した。

 ここは、魔族が統治している地域の中で最も疎外されているところらしい。

 

 「なるほど、説明ありがとう」

 

 そういって頭を撫でてやるとヘファイスは気持ち良さそうにしている。いやぁ、眼福眼福。

 洞窟内を歩いているときに気づいたのだがヘファイスは頭が撫でられるという経験がなく説明のご褒美として始めてやったときなんて「ひゃ!?」という可愛らしい声をあげていた。

 

 「ここから一番近い町はどこにあるんだ?」

 「ふむ、確か東に30km行ったところにあるな」

 

 30kmもあるのか…。インドア派の俺にきつい距離だ、まったくヤレヤレだぜ。

 

 「こういうときこそ同調(トレース)すればよいのではないか?」

 「いやぁ、一瞬その案が浮かんだけどヘファちゃんいってたよね?狙われてるって、だから安全面を考えたらこういうところではやめとこうかなって」

 

 俺の大事な子だぞ、狙ってるやつがいたらこの世界の裏側まででも追いかけ絞める。

 

 「…そういってもらえると嬉しいな」

 

 ヘファイスは頬を赤らめているのがすぐにわかった。

 赤い髪に対し百合の花のような白さを兼ね備えている美しい肌、それに加え頬を赤らめるというオプション付き。

 

 「…ヘファちゃん可愛いよぉぉぉ!!」

 

 そういって頭を撫でててやる、ヘファイスは嫌がりながら「なっ!?やめろ重」と反抗しているが力がないので拘束から逃れることはできていない。

 

 「っ!?」

 

 だが、すぐに撫でるのを中止した。

 俺は周りから獣臭が近づいているのがわかった。

 

 「どうした?…っ!」

 

 ヘファイスもすぐに気づいたのか既に戦闘体制だ。

 

 「まったく、知能の欠片もない白狼(ホワイトウルフ)めが!」

 

 なるほど、その言葉通りで考えてみるとランクが高ければ高いほど知能が高いってわけか。

 つまり、この白狼(ホワイトウルフ)といわれた目の前に20匹程度いる犬どもは俺の可愛い可愛いヘファちゃんに手を出してくるというわけか、なるほどなるほど。

 

 「武器同調(ウェポン・トレース)

 

 ヘファイスは洞窟を歩いているときに教えてくれた。

 「武器同調(ウェポン・トレース)は自分がイメージした武器が出てきてそれに属性が追加される、ちなみに我は火属性だ!」

こいつらを一掃できる、武器は。

 某狩りゲーに出てるあの剣を思い出す。

 

 俺の手元に深紅に燃え上がる太刀がいつの間にか出現していることに気づいた。

 

 【ほぅ、これは面白い武器だ】

 「まぁ、故郷に伝わる剣だよ!いくよ、ヘファちゃん!!」

 

 俺は駆け出す。

 敵も俺に対し向かってきた。陣形とかバラバラで隙だらけだ、そんなんじゃ今の俺には勝てない。

 そう断言できるのも無理はない、何故なら。

 「武器同調(ウェポン・トレース)した場合重の身体能力は我の身体能力に依存するからな!」チート先生ことヘファちゃんからのお達しがあったからだ。

 

 「ふっ!」

 

 狼に一太刀加える。

 けど、すぐさま襲いかかってきた。

 

 「くっ、浅かったか!?」

 

 動物を殺したことがない重にとってこれは初めての経験だ。命を狙われていようが生粋の日本人は殺しを嫌うが故それがまた弱点となっていた。

 

 【我の能力を忘れたか?】

 

 ヘファイスの声が頭に響いてそこで思い出す。ヘファイスの能力『炎の呪い』それは自分以外のものに追わせた傷から炎を浴びせることができるものだ、威力は使用者または契約者の魔力に依存する。

 

 契約者である神木重の魔力は測定不能。

 

 傷を追わせた白狼(ホワイトウルフ)は塵と化した。

 その光景はあまりにも悲惨だった。

 わずか、1mm弱の傷で塵とかすチート能力だ。

 

 「けどまっ!それは今は助かるけどね!」

 

 時間にしてどれぐらい戦っていただろうか1時間、2時間、いやもっと長いかもしれない。

 けど、それは体感時間であって本来はわずか10分で敵の殲滅を成し遂げていた。

 

 「はぁはぁ…」

 

 俺は息を切らし激しい呼吸を幾度となく続ける。

 ヘファイスはいつもの可愛らしい姿に戻っていた。

 

 「…ふむ、大丈夫ではなさそうだな」

 

 そういって、俺の胸に手を当てるヘファイスは静かに呟く。

 

 「汝に休息とその権利を与えたまえ<キュアー>」

 

 おぉ!!体が軽い!なんだこれ!?

 

 「そう驚くな、ただの回復魔法だ」

 「へぇー、やっぱりそれも無詠唱とかできないの?」

 

 やっぱりと言ってるが重はヘファイスから魔法について教えてもらっていたからそう言っているのだ。魔法には火・水・風・土の四種類があり詠唱をしてから発動することができるのだが無詠唱は不可能だという。

 

 「そうだ…いたっ!?」

 

 突然ヘファイスは手を見る。その手はいつの間にか切れていて血が滲んでいた。

 

 これもさっきのキュアーってやつがあればすぐに治るのかな。

 

 そう思っていると手の傷はすぐに癒えてしまった。ヘファイスは信じられないような目でこちらを見ていた。

 

 「なんだ!ヘファちゃん無詠唱できるじゃん、嘘つき!!」

 

 笑いながら肘で脇腹を攻撃しながら目の前で起こった出来事に対して言葉を漏らす。

 

 「…違う、これは我がやったのではない!重がやったのだ!!」

 

 ナニヲイッテイルンダロウカ。

 

 「なにいってるんだよヘファちゃん!俺には魔法が使えないんだよ!証拠にほらステータス!!」

 

 そういって俺のステイタス画面をヘファイスに見せてあげる。

 

 「なんだこれは…」

 

 あれ?どしたのヘファちゃん、そんな驚いた顔して。

 そう思い俺もステイタス画面に目を写す。

 そこには驚くべきことが書かれていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 Name カミキシゲル

 

 年齢 15

 

 種族 人間

 

 魔法 キュアー

 

 魔力 E

 

 所有カード 『炎龍』sss

 

 スキル 模倣の魔眼 見たものまた自分に受けたありとあらゆることを模倣し発現できる。魔法の場合無詠唱となる。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 模倣の魔眼とその能力がいつの間にか記されていた。

 最初見たときは何もなかったのに…。

 そう、最初重がステータスを確認した際ただの魔眼としか書かれていなかったのだ。  

 考えてみるが答えが導き出せそうにないので一旦思考をやめる。

 

 「…我が知るスキルとはとてもかけ離れている能力だな。本当にこれをスキルという枠に納めていいのだろうか…。」

 

 ヘファイスは一人でぶつぶつ呟いてる。

 

 「まぁ、考えても今はわからないから、先に進もっか!」

 

 そういって、離してた手を再度つなぎ出す。

 はぁ、ヘファちゃんの手やわらかすぎだよ!なにこれケーキのスポンジを直接手でつついてるみたい!!

 

 ふにふに。

 

 そのような擬音が似合うほど手を揉んでいるとヘファイスは重に向かって少し引いた目で見てきたのであっ、このままだと嫌われるなと察し砂漠から歩を進める。

 

 「そういえば、今から向かうところってどんな感じなの?」

 「ふむ、そうだな強いて言うならば一番栄えているところと言った方がいいか。ギルドなる所を中心に貴族層、貧民層、奴隷層の三つにわかれており治安もよく魔族たちには気に入られているらしい。」

 

 聞き逃せない単語がいくつか飛び交う。

 ギルド・奴隷層この二つはどうも気になる。

 

 「ギルドと奴隷層って?」

 

 歩きながら訪ねる。

 

 「ギルドとは<魔神族><人間族><妖精族><獣人族>の主要都市に置かれている建物でそこでパーティなるものを結成し有害な魔物たちの駆除などを行い報酬を得たりしているらしい。奴隷層、これはそのままだな。」

 

 そのままってどういうことだ?

 

 「おや?言っておらんかったか?太古に人間族と魔神族とが共闘し獣人族と妖精族との戦争を勝った際獣人族と妖精族が奴隷におとされたのだ」

 

 おっふ。

 なんだよそれ!思った以上に惨いことしてんじゃねぇか魔神族と人間族!!

 

 「あれ?けど獣人族と妖精族って何か特化した能力があるんじゃなかったっけ?それ発動されたら逃げれるんじゃ…」

 「それがな王族の人間に相手の行動を極端に制御するというスキルの持ち主がいるらしいのだ」

 

 何それチートすぎない?あっ、俺も人のこと言えないか。

 

 「へぇー、そんなスキルも存在するんだ、俺らも警戒しとかなければいけないね」

 

 そうヘファイスに問いかけてみるとえっ、何言ってるんだお前みたいな顔された。

 

 「いや!そんなやつに目をつけられたらやばくないか!?」

 

 だって、行動制限されるんだよ!!動けなくされて尚且つ目の前でヘファちゃんがひどい目に会わされたら…。

 そう考えるだけでわなわなと煮え切らない怒りが出てくる。

 

 「…あぁー、言っておらんかったな」

 

 え?言ってない?どういうことだ?

 俺は首をかしげる。

 

 「我にはスキルが効かないスキルを持っているのだ」

 

 アッチートデスネワカリマス。

 てか、スキルが効かないスキルってやべぇなおい!!

 

 「いっておくがそれは重にも適用されておるからな?」

 「契約者ってこんなにいい特典があるのか」

 

 まさか契約者になるだけでこんな強さを得れるんだったら皆して手に入れたがるな。

 

 「そうでもないぞ、契約者になった瞬間魔力を永遠と吸われるのだから重みたいな無限大な魔力を秘めてない限り契約者はまともに魔法とか使えんのだ。」

 

 それからというもののヘファイスからありがたーい情報をたくさん得ながら魔神族の都市に向かう。新たな出会いが重たちを待ち受けることは誰一人として知らない。

 

 

 

 

 

 




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