[2]魔法科高校の世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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ノゲノラ止まりそう・・・2,3話はなんとか出せるんですけど、[ ]とのゲームが難しすぎる。


明かされる秘密

「あの時のことも言うのでございますか?」

 

家について開口一番、ジブリールはそう聞いた。

 

心配事があるとかそういうのではなく、ただの興味だ。

 

「まぁ、言ってもいいかなーって感じかな。ジブリールのことはそんなに言うつもりないけど。」

 

そう言いながら家に入っていく佑馬、ジブリールも後に続いて、それぞれの部屋に入る。

 

二人とも私服に着替え、そのまま家を出る。

 

今回も転移をしようとするジブリールだが、

 

「キャビネットの方が不自然じゃない。」

 

という理由で却下、駅へと転移し、そこから高校最寄りの駅までキャビネットで移動した。

 

駅から降りると、司波兄妹が入り口で待っていた。

 

「よ、待たせたな。」

 

「いや、ついさっき解散したとこだから、そこまで待ってないよ。あ、妹の深雪だ。」

 

「1-A組、司波深雪と申します。先程は助けていただき、ありがとうございます。」

 

達也に促され、挨拶をする深雪。

 

「俺は中田佑馬だ、そしてこっちがジブリール。よろしくな。」

 

「よろしくお願い致します。」

 

初対面、ではないが、初めて話すのでしっかりと挨拶は返す佑馬とジブリール。

 

「じゃあ、俺達の家に行くけど、いいか?」

 

分かりきってるとはいえ、確認を取る達也に、

 

「わざわざ律儀だな。勿論。」

 

口を吊り上げながら返事をする佑馬。

 

そこから達也達の家まで走って向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、司波家についた。

 

中に入るよう促され、そこからリビングへと案内される。

 

着替えてくる、と二人はリビングを出ていったので、とりあえずソファーに座って部屋の中を見回して暇を潰すことにした。

 

しばらくして達也と深雪が戻ってきて、深雪は紅茶を出して、対面のソファーに座った。

 

少し沈黙が訪れて、最初に声を発したのは、

 

「さて、何のつもりだ?」

 

達也だった。

 

その声には少し怒気みたいなものが含まれていたが、

 

「何のつもりって?」

 

それを軽く流し、首を傾げてわざとらしく惚けた。

 

「昨日師匠に言ったことだ。」

 

「ああー、何て言ったっけ。」

 

またわざとらしく首を傾げる佑馬。

 

「俺達が四葉の人間だって何故知っている。」

 

だんだんと表情が険しくなってくるが、

 

「ネットにあった。」

 

「・・・ッ!?」

 

その言葉に急いでパソコンを起動しようとし、

 

「冗談だよ。」

 

笑って答えると、あたりがだんだんと冷えてくる。

 

「・・・いい加減に真面目に話して頂けませんか?」

 

深雪だ。

 

怒りにより、魔法が暴走しだしたのだが、

 

パチン!

 

と佑馬が指を鳴らした瞬間に

 

「「ッ!?」」

 

司波家を包むように佑馬から膨大な量のサイオンが発せられた。

 

それこそ、達也がCADを抜くレベルまでには。

 

「わかったよ、ちゃんと話すから落ち着け。達也も。」

 

コクン、と頷く深雪と無言でCADを下げる達也を見て、サイオンを収める。

 

所謂、領域干渉魔法を展開したのだ。

 

「よし、今度こそ真面目にやろう、まず聞きたいことはなんだ?」

 

今度こそ真面目な雰囲気を作って言う佑馬。

 

「・・・何故俺達が四葉の人間だと知っている。」

 

「俺たちも沖縄にいたから。」

 

「・・・それで?」

 

少しだけピクッと深雪が動いたが、達也は動じずに質問を重ねる。

 

「"桜"シリーズの桜井穂波、司波深夜と言えばいいか?」

 

「ッ!?」

 

その言葉に大きく驚く深雪と少し眉を潜める達也。

 

「・・・何処でその情報を手に入れたのかわからんが、一応保留だ。」

 

また後で質問する、と間接的に言って、次の質問へと移る。

 

「じゃあ次だ。お前達は一体何者だ?」

 

「神の使者。」

 

その質問に即答で答える佑馬だが、

 

「・・・まさか・・・そんな。」

 

深雪はその答えを聞いて口を手で覆い、

 

「・・・なるほどな。」

 

達也は少し考えてから、何かを理解したかのように少し頷く。

 

「それなら技術者としても聞きたいことがあるのだが、それはまた今度にさせてもらう。」

 

恐らく、『ブラックホール』と『空間転移』のことだろう、と結論付けたところで、

 

「次だ。お前達は俺たちの敵か?」

 

そう質問する。

 

その答えに、佑馬は口を吊り上げながら、

 

「そうだな、達也達が敵対するような行動をすれば最悪の敵になるし、達也達が今まで通りにするなら最高の友としている。つまりは、君たち次第だ。」

 

その答えに、

 

「わかった。なら今まで通りよろしく頼みたいのだが、もしも敵対するようなことがあれば、俺は全力でお前達を消す。」

 

達也も、そう返した。

 

それを微笑みながら見て、

 

パン!

 

と、手を叩き、

 

「さて、今までの話の対価として、こちらからも少し聞きたいことがあるんだが、いいか?」

 

そう質問する佑馬。

 

「・・・可能な限りならな。」

 

答えられないとのは答えないと言った達也だが、

 

「はは、君たち二人のことはよく知ってるし、答えられないものではないよ。」

 

そこで、少しだけ背筋を伸ばして、

 

「達也、お前の『分解』を見せてくれ。」

 

「・・・なんだと?」

 

その質問に、怪訝な表情を浮かべる達也。

 

何故知っているかというのではなく、何故見せろと言ってくるのかに。

 

「消すものはここにあるチョコで頼む。」

 

そう言いながら出すのは、家から持ってきた板チョコ。

 

「・・・一回だけだ。」

 

少し間をあけ、そう言いながら手のひらをチョコに向ける達也。

 

そして、魔法式が展開され、チョコはきれいに消えた。

 

否、分子レベルまでに分解されていた。

 

「ありがと、まぁ、これでわかったよ。」

 

そう口を吊り上げながら感謝する佑馬に、

 

「何がだ?」

 

と、質問する達也だが、答えは返ってこなかった。

 

「そろそろ帰るわ。まぁ、そちらが敵対しなければこちらも今まで通り普通に接するから、明日からもよろしくな。司波さんも。」

 

と、言って出ようとすると、

 

「ああ、最後に二つだけ。」

 

そう呼び止められて、

 

「ジブリールさんの、その背中の翼みたいなのは何だ?」

 

と、質問してきた。

 

その言葉にジブリールは驚くが、

 

「ただの魔法とでも思っておいてくれ。」

 

あくまで教えるつもりはない、と言外につけながらいう佑馬。

 

「そして最後に、あの時は助かった、ありがとう。」

 

最後は意外にも感謝の言葉で、深雪も

 

「ありがとうございました。」

 

と、頭を下げている。

 

それを横目に、

 

「そういう気分だったんだよ。」

 

と、言って、手を振りながら司波家を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャビネットに乗り込み、さっきの『分解』について考える。

 

魔法式は頭にあるからもう使えるが、問題は喰らったときだ。

 

それを考えてると、ジブリールから声がかかる。

 

「何故達也さんは私の翼に気づいたのでございましょう。」

 

帰り際にきた質問、何故ジブリールは翼をつけているのか。

 

これは完璧に隠していたつもりのジブリールも、予想外のことだったらしい。

 

「あいつも少し特殊な眼をしてるからだよ。」

 

その答えにジブリールは驚くが、すぐに納得した。

 

理由は目の前にいる佑馬だ。

 

しばらくして、駅についたのでキャビネットから降りて、家へと転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佑馬が最後に『分解』を使うように頼んだのには、二つわけがある。

 

一つは佑馬が使えるようにするため。

 

魔法式は頭に入っているため、いつでも使える。

 

そしてもう一つは、万が一敵対したときの『分解』の対処法。

 

だが、それも心配いらなかった。

 

(反射膜に当たれば、相殺しあい、反射膜の張り直しの方が早い。俺の反射膜は危険が近づいたら自動的に作動するから、不意打ちもきかない。体術も俺の方が上。問題なしか。)

 

とりあえず、深雪の紅茶が美味しかったので何処の茶葉なのか質問することを決め、ジブリールと風呂に入りにいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佑馬とジブリールが帰ったあと、達也と深雪はコーヒーを飲みながら、まだリビングにいた。

 

「なんとなくわかってはいたんだが、まさか本当に佑馬とジブリールさんが『神の使者』とは・・・」

 

達也はさっきのことを思い出しながら、苦渋の顔を浮かべる。

 

「あの領域干渉の強さ、私ですら魔法を発動出来ませんでした・・・なんで二科生にいるのでしょうか。」

 

「少なくとも、考えはあってのことだろう。それに、俺はあいつらの魔法も気になる。」

 

達也が気にしているのは、佑馬が思っていた通り、『ブラックホール』と『空間転移』のことだ。

 

「飛行魔法はもうすぐ出来そうなのだが、あいつらは三年前からもう飛行魔法を完成させていて、しかも佑馬に限っては『瞬間移動』も『ブラックホール』も出来る。もしかしたらジブリールさんも出来るかもしれない。」

 

「公表すれば、世界が180°変わるほどの魔法ばかりですね・・・。」

 

全くだ、と頷きながらも、達也は別の事を考えていた。

 

(今日、帰り際にヘアバンドをつけていた。教室にいたときは無かったことから、CADだと思うんだが、あれが何なのか、是非とも知りたいな。)

 

「あの・・・お兄様?」

 

考え込んでいたところで、深雪に声をかけられる。

 

ああ、考え込みすぎたな、と思いながら、

 

「悪い、考えてた。」

 

と、言ってコーヒーをまた一口飲んだ。

 

「まぁ、なんにせよ、あの二人は根は優しい奴等みたいだし、いろいろ気になることもあるから、これからも仲良くしていこう・・・俺たちのためにも。」

 

「そうですね・・・。」

 

そこで、司波家には沈黙が訪れた。




こんな感じでどうでしょうか。
感想お待ちしております。

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