[2]魔法科高校の世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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今日ノーゲーム・ノーライフもだします。

入学編入ります。


入学編
二科生


沖縄に戦争を仕掛けた国、大亜連合は今回の戦争で甚大な被害が出た。

 

その中でも、戦略魔法師を失ったことが大きいだろう。

 

そして、新たな戦略魔法師が三人も出現したこと。

 

特に、その三人のうち、二人は『加重系魔法の技術的三大難問』である『常駐型重力制御による飛行魔法』と『超加重型重力制御によるブラックホール生成』の二つを使えるという事実は、世界に衝撃を与えた。

 

名前はどれも明かされていないが、その中の二人がフード姿で突如として現れ、敵を殲滅する姿から、『神の使者』と名付けられた。

 

「というわけだが、なんか安直だよな、名前が。」

 

「そうでございますね。」

 

その『神の使者』である二人、佑馬とジブリールは現在、都内の図書館にいる。

 

「これからどうするのでございますか?」

 

ジブリールは、この後の予定を聞いてない。

 

当然と言えば当然の質問だ。

 

「んー、三年後に魔法科高校入りたいから、勉強しよう。」

 

「魔法科高校・・・でございますか?」

 

「そ、高校。ディスボードでいう、アカデミーに魔法を教える機能がついたようなとこ。」

 

「なるほど・・・しかし、何故そのようなところへ?」

 

まず、入る必要もないのはジブリールも承知の上。

 

しかし、その質問に笑う佑馬。

 

「ははは、確かに俺らには必要ないけど、入った方が絶対に面白いからだよ。」

 

口を吊り上げ、これから起こることを見据える佑馬に、

 

「ならば、私もその面白いことに参加させて頂きましょう。」

 

ふふ、と笑ってこれから起こることを予想するジブリール。

 

傍らから見れば、本を見てる途中にいきなり向かい合って笑い合うというバカップルのような画なのだが、そんなことを気にするような二人ではない。

 

「あ、2科生に入りたいから、筆記テストは全力でやって、魔法テストは全力で手を抜いてくれ。」

 

「難しいですね・・・頑張ります。」

 

「まぁ、そのためにも、とりあえず本を読みまくるか。」

 

「はい!」

 

案外、佑馬も本が好きな方なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一校試験当日、家にあった中学のであろう制服を着て、一校に向かう佑馬とジブリール。

 

ちなみに、ジブリールは翼を制服の中に隠し、天輪は『生命』という分類上、消すことが可能らしい。

 

というよりも、翼以外は人間と同じに出来るとのことらしい。

 

「うーん、なんか、いいね。」

 

制服姿のジブリールを見て、一言、そう呟く佑馬。

 

「そう・・・でございますか?しかし、ちょっと苦しいですね・・・特に胸の部分が。」

 

「うん、かなり強調されていていい感じだね。」

 

少し前の佑馬なら眼を逸らすなどのアクションをするだろうが、今の佑馬はそんなことで動じるほど若くもなかった。

 

「でも、高校のはもう少し大きめのやつにしよっか。」

 

「そうして貰いましょう。」

 

「じゃあ、最後に確認。今回は筆記テストは全力でやって、魔法テストは全力で手加減する。オーケー?」

 

「了解でございます。」

 

最後に確認し、試験会場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入学式の日、二人分の弁当を作る佑馬。

 

「うん、いい感じだ。」

 

ちなみに、ジブリールは例の部屋で魔法を使って暴れている。

 

三年が経ち、これも習慣化している。

 

「おーいジブリール。そろそろ行くぞー。」

 

「すぐ向かいます!」

 

部屋に入ると、とてつもない量のサイオンが視えた。

 

「ふむ、かなりサイオン量増えてるね。」

 

「そうでございますか?」

 

「うん、俺よりも多いんじゃね?」

 

「それはないと思いますが。」

 

なんだかんだで佑馬も三年前よりもサイオン量は増えている。

 

現日本の領域を軽く覆えるくらいの量にまでは。

 

「それじゃあ、入学式に向かいますか。」

 

「はい。」

 

そこで肩に何も書いてない制服、二科生の制服に着替えて一校へと向かった。

 

転移で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転移で一校についた佑馬とジブリール。

 

その姿を見られないよう、校内体育館の裏に飛んだ。

 

「うん、入学式1時間前、中庭に行きたいからいいかな?」

 

「勿論です。」

 

「さて、二度目の高校生活を楽しみますか。」

 

中庭に向かうと、三人掛けのベンチに一人の男子学生、司波達也がいた。

 

「お、いたいた。」

 

「あの方は・・・不思議な感じでございますね。」

 

目当ての人物を見つけた佑馬と、達也から何かを感じ取ったジブリール。

 

気配を消しながら歩いていき、

 

「隣、いいか?」

 

いきなり声を掛けた。

 

「ッ!?ああ、構わない。」

 

バッ!とこっちを見て、警戒しながらも了承する達也。

 

「ああ、悪い悪い。驚かすつもりはあったし悪気もあったけど悪いとは思ってるから、たぶん。」

 

「たぶんなのか。」

 

冗談を言ったら呆れられたが、警戒を少しだけ解いた達也。

 

まだかなり警戒をしているが。

 

「あ、俺は中田佑馬。同じ二科生だ。で、こっちが」

 

「中田ジブリールです。」

 

一応中田家の養子となっている二人は、中田の姓を名乗っている。

 

「俺は司波達也だ。」

 

「よろしくな、達也。」

 

「ああ、よろしく。」

 

そこで達也はスクリーン型の携帯で読書を始め、ジブリールと佑馬は高校について話をしていた。

 

と、そこに一人の少女がこちらに近づいてきた。

 

「新入生ですね?開場の時間ですよ。」

 

「分かりました。いくぞジブリール。」

 

「はい。」

 

「ありがとうございます。すぐに行きます。」

 

その少女の言葉に入学式に向かう佑馬とジブリール。

 

達也はその少女の制服やCADを見ていた。

 

「あっ、申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています、七草真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくね。」

 

七草、十師族の一つの家だ。

 

「俺は中田佑馬です。」

 

「中田ジブリールと申します。」

 

「俺・・・いえ、自分は司波達也です。」

 

「そう、貴方達があの司波君と中田君、中田さんね。」

 

目を丸くした後、意味ありげに頷く真由美。

 

「最後言いにくかったよね。名前でいいよ。」

 

「・・・そうさせてもらうわ。それより、先生方の間では、貴方達の噂で持ちきりよ。」

 

そこで、達也は何故かこっちを見てくる。

 

「司波君は入学試験、7教科平均96点で、魔法理論と魔法工学は100点。佑馬君とジブリールさんは全教科100点どちらも前代未聞の高得点だって。」

 

佑馬とジブリールはあれから図書館の本を全部制覇するという偉業にして異業なことを成し遂げたため、世界でも有数の博識というレベルにまでなっていた。

 

真由美の言葉に達也はこっちを見て驚いている。

 

「ただの筆記だからね。んじゃあ、俺らはこの辺で。」

 

軽くあしらって入学式に向かう佑馬とジブリール。

 

達也が恨めしそうな眼を向けてきていたが、あえて無視した。




中田ジブリールってすごい違和感だね。

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