今回はミコトさんと美鈴さんが無双します!
「いえ、そんな無双というほど大げさではないのですが・・・・・」
そんなことないと思いますが・・・・・まあ良いでしょう。
さて、本編にいきましょう。
「わかりました。それでは本編どうぞ」
noside
「どうしました?もう終わりですか?」
「「うぅ・・・・・」」
瑠璃と玻璃は美鈴の目の前でボロボロになって膝をついている。誰が見てもどちらが優勢なのか一目でわかる状況であった。
「ま、まだ・・・・!」
「終わるわけにはいかないよ~」
二人は剣で美鈴に斬りかかる。能力を用いて絶妙なコンビネーションで繰り出されるその刃を・・・・
「華符『彩光蓮華掌』」
バキン!
わずか一撃で粉砕した。
「「えぇ!?」」
「その程度では・・・・・私は討てませんよ?」
美鈴は挑発するように瑠璃と玻璃に向かって満面の笑顔を浮かべた。
清々しいほどに綺麗な笑顔であるが瑠璃と玻璃にはそれは恐怖しか感じられない。
「つ、強いとは聞いていたけど・・・・・」
「ここまでだなんて・・・・予想以上だよ~」
瑠璃と玻璃は酷く動揺していた。
美鈴が強いということは自分達の主、プライスから聞いていた。だがその強さは二人の創造を遥かに絶するものであった。
「いい加減私達を紅魔館に戻してくれませんか?あなた達も・・・・これ以上傷つきたくはないでしょう?」
美鈴は二人を威圧しながら指示する。その威圧はまさしく百戦錬磨の強者のそれだ。並大抵の者であるのなら震え上がって言うとおりにしてしまうであろう。
「瑠璃ちゃん・・・・・これってものすごくまずくな~い?」
「・・・・うん。そだね」
しかし二人は主に命じられて美鈴達をこの空間に閉じ込めているのだ。そう安々と彼女達を紅魔館に戻すわけにはいかない。
「・・・・・どうする瑠璃ちゃん~?」
「どうするも何も・・・・・ことが終わるまでは彼女達を戻すわけにはいかないでしょ?」
「だったら・・・・」
「・・・・・うん」
「「・・・・・戦略的撤退!」」
「キャッ!」
瑠璃と玻璃はどこから取り出したのか?閃光弾を炸裂させ美鈴の目を一瞬眩ませた。そしてその隙に二人は逃亡をはかる。
「あはははは!」
「捕まえてごら~ん」
まるでふざけているかのような態度であるが逃走スピードはかなり速い。
「くっ、油断してしまいました。逃がしません!」
美鈴は瑠璃と玻璃を捕まえようと駆け出した。
「紅符『スカーレットシュート』!!」
「禁忌『カゴメカゴメ』」
レミリアとフランは夥しい数の弾幕をミコトに向けて放つ。
「・・・・甘いですよお嬢様方」
ザンザンザン!
「この程度では・・・・・今の私は壊せません」
ミコトは両手に持った剣で弾幕を一つ残らず切り刻んだ。その太刀筋は先ほどまで疲弊しきっていた者と本当に同一人物なのかと疑うほどに鋭いものであった。
「くっ・・・・どういうことミコト!あなたどうしてそんなに動けるのよ!」
「さっきまで・・・・・あんなに疲れきっていたのに・・・・どうして?」
レミリアとフランはミコトに疑問の言葉を投げつける。疲弊しきっていたはずのミコトがまるで全快したかのように動いているのだからその疑問は尤もであった。
「それが先ほど私が発動したスペルカード・・・・・『
「『
「効力?」
「ええ。このスペルカードの効力は生命活性。発動と同時に私の生命力が跳ね上がり、あらゆる疲労、ダメージが瞬時に回復するようになるのです。たとえそれが命に関わるほどのダメージであっても」
「それって・・・・まさか・・・・」
レミリアはミコトの言っている事の意味を理解し、表情を驚愕に染めた。
「はい。今の私は決して何があろうとも死なない・・・・・蓬莱人以上の絶対的な不死なのですよ」
ミコトはニコリと笑みを浮かべながらそう宣言した。
あらゆる疲労、ダメージを即時に回復させ、不死となる『力』。それは酷くおぞましく、恐ろしい力である。なぜなら一度この『力』を行使すれば、生死をかけた殺し合いの戦闘において、負けることがなくなるのだから。
「「・・・・・」」
宣言されたレミリアとフラン俯きながら口を閉ざす。
だが・・・・・
「「・・・・フフフ・・・・アッハハハハハハハハ!!」」
口を閉ざしていたのはほんの僅か。周囲一体に二人の高笑いが響き渡った。。
「ミコト・・・・・やっぱりあなた最高だわ!それってつまり・・・・・何度も何度もあなたを壊せるということでしょ!」
「アハハハハ!お兄様を何度も壊すことができるなんて・・・・・私すっごく嬉しいわ!」
どうやら今のレミリアとフランにとってはミコトが不死になったことは喜ぶべきことのようだ。
愛おしい人物を一度のみならず何度も壊すことができるようになったと、二人は表情を狂喜に染める。
・・・・・・もっともその眼からは依然と真実の彼女達が流す涙が溢れ続けているが。
「いくよお兄様!禁忌『フォーオブアカインド』!!そしてさらに禁忌『恋の迷路』!!」
スペルカードによって4人になったフランがこれまでとは比較にならないほどに夥しい密度の弾幕を展開する。
「私もいくわよ!『紅色の幻想郷』!!」
そしてレミリアからも、フランのものと劣らない規模の弾幕が放たれる。
もはや弾幕ごっこのルールなどあったものではない、回避する隙が一部もないほどの弾幕がミコトに襲い掛かる。
「・・・・・どうやらお嬢様方は勘違いなさっているようですね。『
ミコトがスペルカードを発動し、紅の外套をその身に纏う。
そして外套を振りかざすと・・・・・・・・弾幕は全て、後かともなく消し飛んだ。
「・・・・ミコト、その素敵な外套は何かしら?」
うっとりと外套を見つめながらレミリアは尋ねる。
「これは私の全魔力を練り上げて作った外套ですよ。外套に秘められた魔力が装備者を守護し、弾幕を弾く効果があるんです。お嬢様方への忠誠の証として『紅』にしたのですがお気に召していただけたようでよかったです」
「・・・・・全魔力を使ったのに平然としているのはそれも『
「ええ。。『
「そうなんだ・・・・やっぱりお兄様は凄いわね!」
「お褒めのお言葉ありがとうございます。ところで・・・・・この外套は先ほど言いましたように私の全魔力を用いて作ったものです。そう簡単には壊すことはできませんよ?」
「確かに。その外套があったんじゃ弾幕でミコトを壊すのは難しそうだわ。でも・・・・・だったら直接ミコトを壊しにいけばいいだけよ!神槍『スピア・ザ・グングニル』!」
「禁忌『レーヴァテイン』!」
レミリアは槍を、フランは大剣を携え、自らの手で直接壊そうとミコトに襲い掛かかる。
「何度も言いますが・・・・・お嬢様方に私を壊させません。霊槍「ランス・ザ・ロンギヌス」。妖剣『アロンダイト』」
ミコトは右手に霊力でできた槍を、左手に妖力でできた大剣を出現させる。
「「アハハハハハハ!!」」
ガキンガキンガキン!!
レミリアとフランによって繰り出される剣戟を、ミコトは全力で受け止める。周囲に金属がぶつかり合う音が鳴り響いた。
二人の攻撃を一切手を抜くことなく全力で受け止めるミコト。常のミコトならばあっという間に疲弊し、その身を引き裂かれていたであろう。
だが今ミコトは命は活性している。
消耗された体力はその瞬間に回復しているので、今のミコトは疲弊することがなく、常に全力であれるのだ。
現在ミコトはまさに誓いの通りに、レミリアとフランを止め、二人壊されぬように全力を尽くしているのだ。
(もう少し・・・・・もう少しで・・・・夜が明ける)
紅の月が沈むまであと1時間。
狂乱の夜が終わりるその時が・・・・・誓いが果たされるその時が・・・・・
刻一刻と近づいていた。
今回は諸事象により座談会をお休みします。
その代わりにミコトさんが本編で使用したスペルカードの説明をします。
不朽不滅「
ミコトの生命力を跳ね上げるスペルカード。どんなに疲労していようが重傷だろうが一瞬で回復する。蓬莱人のようにどんな攻撃を受けて体を欠損しても元に戻り、回復速度は蓬莱人をも遥かに凌ぐ。疲れ知らずになれるため、常に全力で戦うことができるというメリットも持っている。
しかし強力故に重大なデメリットがある。
紅衣「スカーレット・シュラウド」
魔力でできた紅の外套を身に纏うスペルカード。外套は弾幕を弾く力を有しており、消費した魔力に応じて力は強くなる。紅なのはミコトのレミリア、フランに対する忠誠の表れである。
霊槍「ランス・ザ・ロンギヌス」
霊力でできた黒い槍。レミリアのスピア・ザ・グングニルを基にして製作したスペルカード。キリストを刺したとされる槍の名を冠する。
妖剣「アロンダイト」
妖力でできた白い大剣。フランのレーヴァテインを基にして製作したスペルカード。アーサー王物語にて裏切りの騎士、ランスロットが持っていた剣の名を冠する。
とまあ以上です。
さて、紅月狂の話もクライマックスに差し掛かってきました!
どのような結末を迎えるのか乞うご期待!
次回もまたきてくださいね!!