東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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ゴオオオオオオルデンウィーーーーーークじゃーーーーー!!

「・・・ウザッ」

何とでも言えばいいさ!俺のフルテンションは止められない!

「そんなに嬉しいかよ」

嬉しいに決まってますよ!旅行、バーベキュー、飲み会。楽しみだらけです!

「・・・ちょっと待て、主」

何ですか?ミコトさん。

「お前、今飲み会っつたか?」

?ええ言いましたけど?

「・・・お前、成人していたのか」

そりゃあしてますよ!っていうか私社会人ですし。

「マジかよ」

はい!社会人って言ってもまだ研修生ですけどね。

「・・・お前を採用してしまったなんて、その会社は不運だな」

っちょっと!何ですかその言い方は!これでも会社内ではマジメ(?)キャラで通ってるんですよ!

「お前の言う真面目ってなんなんだよ」

・・・まあそれよりも私はさっき言ったとおり遊びの予定で結構忙しいです。ですのでゴールデンウィーク中の更新は難しいです。暇を見つけて書こうとは思っているので、書けしだい更新します!

「調子に乗りすぎて怪我病気すんなよ」

大丈夫ですよ!それじゃあ本編に参ります。どうぞ!


第3話

side ミコト

 

さて、お茶も一通り味わえたし、そろそろ聞くか。

 

「霊夢、紫。聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

「「何(かしら)?」」

 

・・・息ぴったりだな。

 

「ここは・・・この()()は一体何なんだ?」

 

俺が尋ねると霊夢が少し驚いた表情をした。

 

「話していないのによく気づいたわね」

 

「ああ。神社に来た時から、俺たちの世界では感じられないような何かを感じた。そして霊夢の光の玉や紫のあれを見て確信が持てた。ここは俺がいた世界とは違うってな」

 

俺は、この神社に入ってから見てきたものでそう結論づけた。

 

「なかなか賢いのね。あなたの言うとおりよ。ここはあなたの住んでいる世界じゃない。この世界は幻想郷。あなたの世界とは隔離された世界よ」

 

「そうか。なぜ幻想郷と言うんだ?」

 

「この幻想郷にはあなたたちの世界で空想の生き物とされている妖怪や妖精、神霊が人間共に暮らしているの。あなたの世界からしたら幻想のようでしょう?だから幻想郷というのよ。」

 

「よくわかったよ。ところで紫は妖怪なのか?」

 

「ええ。周りからはスキマ妖怪と呼ばれているわ」

 

「スキマ妖怪?聞いたことないな」

 

「まあ当然ね。私の知る限り私以外にスキマ妖怪はいないから」

 

なるほど、どおりで知らないわけだ。

 

「そのスキマっていうのはさっきお前が出てきたあれのことか?」

 

「そうよ。私には境界操る程度の能力というものがあるの。スキマはその能力を使ってだしたものよ」

 

境界を操る程度の能力か。なんで程度が付いているのかわからないが、使い方次第では恐ろしい能力だと容易に想像できるな。

 

「霊夢には何かそういった能力はあるのか?」

 

「あるわよ。私の能力は空を飛ぶ程度の能力。文字通りの力よ」

 

「空飛べるのか?」

 

「ええ。でもまあ珍しくは無いわよ。空を飛べる奴なんてざらにいるし」

 

(いや、普通人は飛べないから)

 

俺は思わずツッコミたくなったが妖怪や妖精が住んでいる世界だ。それがここの常識なのだと割り切ることにした。

 

「まあ、霊夢の場合は少し特殊だけどね」

 

「特殊?」

 

「霊夢の能力の本質は空を飛ぶことじゃないの。霊夢の能力の本質はあらゆるものから宙に浮くことよ」

 

「宙に浮く?概念的な意味でってことか?」

 

「ほんとに賢いのね。そのとおりよ。宙に浮くということは概念的な意味を持つわ。わかりやすく言うとなにものにも縛られず、左右されないことを意味するわ」

 

(これまたとんでもないな)

 

人は皆自分、または誰かの概念に縛られている。それに縛られずに生きるというのは難しい。俺自身縛られて生きている自覚を強く持っているので誰よりもそのことをわかっているつもりだ。

 

「ところで、霊夢が妖怪かどうかは聞かないのかしら?」

 

「聞く必要はない。霊夢が人間だということは会った時からわかっていた」

 

「そうなの?」

 

「ああ。俺はいきものの気配に敏感でなんだ。それで生き物ごとに感じられる気配は違うんだよ。だから霊夢の気配で人間だとわかった」

 

(まあほかの人間と少し違う感じがしたけど。幻想郷の人間だからだろうか?)

 

「へえ、いうなれば生き物の気配を感じる程度の能力っていったところかしら?」

 

「どうだろうな?間違ってはいないだろうがなんかしっくりこない」

 

「そうね。詳しくはわからないけどあなたの力はそれとは少し違う気がするわ」

 

「まあ、今気にすることでもないと思うけどな。ところで紫、さっきお前は幻想郷は俺たちの世界とは隔離されていると言っていたな」

 

「ええ、そうよ」

 

「ならどうして俺は幻想郷に来てるんだ?」

 

隔離されているということは簡単に干渉できないはずだ。それなのに俺は今幻想郷にいる。

 

「幻想郷とあなたたちの世界は私が作った博麗大結界という結界で隔たれてるのだけれど、この結界は時々強い思いの影響を受けて弱まることがあるの。その時幻想郷とあなたたちの世界を隔てていた境界が曖昧になって人や物が行き来することが可能になるの。」

 

(強い思いか)

 

俺の思いが結界に影響を与えたのか?それとも・・・

 

「結界に直接干渉できる奴はいないのか?」

 

「いるわよ。この結界を作った私とその結界を管理する博麗の巫女、つまり霊夢なら結界に干渉できるわ」

 

なるほど。博麗の巫女が管理するから博麗大結界なのか?

 

「あんたが結界をいじったからミコトが幻想郷に来たんじゃないの?」

 

「確かに今まで何度か結界をいじったことはあるけど今回は私じゃないわ。そういう霊夢はどうなの?」

 

「そんなことして私に何の得があるのよ」

 

「実際お賽銭は入ったけどね」

 

「そんなの結果論でしょ?実際お賽銭を入れてくる補償がないのにわざわざそんな面倒なことしないわ」

 

「まあ、霊夢がそんな面倒なことするわけないわね」

 

霊夢と紫がそんな会話をしているとき、俺は例の猫のことを考えていた。

 

「なあ紫。俺が幻想郷に来たとき白い猫と黒い猫が近くにいなかったか?」

 

「猫?知らないわ」

 

「そうか。霊夢は?」

 

「私も見てないわよ。その猫がどうかしたの?」

 

「ああ、実は・・・」

 

~少年説明中~

 

「ふうん。その猫を追ってたら幻想郷についたの」

 

「ああ。ふたりなら何か知っているかと思ったが」

 

「残念だけど、私は知らないわ」

 

「私も心当たり無いわね」

 

「そうか・・・」

 

あの猫は俺が幻想郷にきたことと関係ないのだろうか?俺は強く疑問に感じた。今更だがあの猫たちにはおかしなところがあった。さっきも言ったが俺は生き物の気配に敏感だ。それなのに、あの猫からは気配を感じられなかった。こんなことは今までになかった。

 

(あの猫は一体?)

 

俺は気になって仕方がなかった。

 

「ところでミコト、これからどうするの?」

 

俺が猫のことについて気にしていると霊夢が話しかけてきた。

 

「これから?」

 

「ええ、あなたの世界へ帰してあげてもいいけど、今日はもう遅いから家に泊まってったら?」

 

・・・元も世界に・・・か。

 

「・・・霊夢、紫。俺はあの世界に帰らないとダメか?」

 

「?どういうこと?」

 

「これから、この世界で暮らそうと思う」

 

「・・・!どうして!?」

 

「・・・あの世界には、俺の居場所はない。だから俺は帰りたくない、いや帰らない」

 

「・・・ミコト」

 

「本当にいいのかしら?あなたにも家族や知人はいるでしょう?心配するのではなくて?」

 

「・・・心配する奴なんていないさ」

 

「えっ?」

 

「衣食住は自分で何とかする。お前たちには迷惑をかけない。だから頼む。この世界にいさせてくれ」

 

「本当にいいのね?さっきも言ったけれどこの世界には人間以外にも妖怪や霊がいる。身の安全は保証できないわよ」

 

紫が俺に念を押す。しかし俺の決意は揺るがない。もうあそこに帰るつもりはない。それに、この世界にいれば昔の自分に戻れる。そんな気がした。だから

 

「それでもいい。俺はここにいたい」

 

「・・・わかったわ」

 

「紫!」

 

「霊夢。私たちが何を言っても無駄よ。あなたもわかっているでしょう?彼の決意はもう誰にも変えられない。」

 

「・・・そうね。わかったわ。なら家に住みなさい」

 

霊夢は少しの間考えたのち、そう答えた。

 

「・・・いいのか?」

 

「ええ。あなたは恩人だから。それくらいのことはするわ。ただし!ただで住まわせるつもりはないわ!いろいろ手伝ってもらうから。そのつもりでいなさい。」

 

「霊夢・・・ありがとう。俺にできることならするよ」

 

「ええ。これから宜しく」

 

こうして、幻想郷で暮らすことが決まった。

 

 

 

 

 

side 霊夢

 

 

 

 

「それにしても珍らしいわね。霊夢があんなこと言うなんて」

 

「なによ、何か悪い?」

 

「いいえ、別に♪」

 

・・・なんかムカつくわね。まあ紫の言うこともわかるけど。普段の私なら絶対にあんなこと言わない。でも彼は恩人だ。放っておくことはできない。それに・・・

 

『・・・心配する奴なんていないさ』

 

あの時、彼はそう言った。まだ出会ったばかりだからはっきりとはわからないが、彼は悪い人間には思えない。むしろいい人のように思える。それなのに心配する人がいないってどういうこと?どうして家族も友人も心配しないなんて言えるの?それに何より、それに何よりあの目、悲しそうな、苦しそうな、辛そうな、そして・・・何かに飢えたような目をしている。私の知る限り、あんな目をした人はほかに知らない。一体何があったらあんな目になるの?

 

「霊夢?どうした?」

 

「なんでもないわ」

 

放っておけない。ミコトのことを。

 

知りたい。ミコトのことを。

 

救いたい。ミコトのことを。

 

どうして恩人であるとは言え会ったばかりの彼のことがにここまで気になるのかわからない。それでも私は気になるのだ。どうしようもなく。

 

(どうしちゃったのかしら?私)

 

私は私の知らない私に少し戸惑っていた。けど

 

(まあ気にしすぎても仕方ないか)

 

私はそう結論づけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、彼と暮らすのが少し楽しみというのは内緒にしておこう。




あとがき座談会のコーナー!

今回は私とミコトさんの2人で進行します!

「ゲストは呼ばないんだな」

はい。今回は新キャラは登場してませんからね。初めの方は新キャラが登場したらゲストを呼ぼうと思ってます。

「だったら無理に座談会を開かなくてもいいんじゃないか?結構書くの大変だろ?」

いえいえ。そういうわけにはいきませんよ。あとがき座談会はこの小説の目玉(のつもり)のひとつなんですから。それにこのコーナーは本編が短い!と思われる方のためにボリュームを持たせるためのものでもありますしね。のっぴきならない理由がない限り座談会は開きます。

「そうか。まあネタ切れにならないよう精々頑張れ」

はい!頑張ります!

さて、それではミコトさんはこれから幻想郷で暮らすことになりましたがどうですか?楽しみです?

「どうだろうな。妖怪が暮らすような世界だし、結構危険は多そうだ。鍛えないとすぐにやられそうだ」

まあそこは大変ですね。でもまあミコトさんはそれなりに戦闘能力がありますからきっと大丈夫ですよ。

「そういやあったなそんな設定。とある理由でってあったけどその理由ってなんだ」

それはまだ話すときでないんでまたの機会で。ところでミコトさん。今回で霊夢さんとのフラグがバリバリ立ちましたね!

「本編の俺は分かっていないけどな」

まあそうですね。さて一体ミコトさんは何人の人を落とすんでしょうね~?

「混符「アンビバレンス」!!」

ぎゃああああああああああ!!!!!!

ピチューン!










いきなり何するんですか!ミコトさん(包帯ぐるぐる巻)

「ムカついたからやった。後悔はしていないし反省もしていない」

いやいやいや!百歩譲って私をピチゅらせたのはいいですよ!

「いや、いいのかよ」

でもそのスペカはまだ使えないはずなんですよ!この前のもそうですし!本編と矛盾するじゃないですか!

「仕方ないだろう。本当にムカつくんだから」

ムカついたからってやめてくださいよ!これからは気をつけてくださいよ!

「わかった。これからは直でボコる。スペカは本編が追いついたら使う」

分かりました。ならいいです。

「ボコるのはいいのかよ」

それで、今回は聞きたいことないんですか?

「あの2匹の猫ってなんなんだよ?」

ああ、あの子達ですね。これもあまり詳しくは言えないんですけど、ミコトさんと縁のあるものですよ。まあただの猫ではないことは間違いありません。

「そうか。今はまだ謎のままってことか」

そうですね。ここでネタバレするわけにはいきませんし。さて、それじゃあそろそろ締めましょう。

「そうだな」

それじゃあ簡単な次回予告をして締めます!






幻想郷で暮らすことになったミコト。紫はそのミコトのためにお祝いをすることにした。

準備のために連れてこられた紫の従者八雲藍と藍の式橙。

準備のため料理を作るミコトと藍。

そこでフラグが建設される!?

次回もまたきてくださいね!

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