東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第66話!

さあ!今回は空さんを捜索する話です!

「だから今回はまだ空ちゃんは出てこないんだよね~」

「・・・・というよりも捜索がメインという割には創作とは関係ないところで目立ってるキャラが出てくるし」

まあいいじゃないですか!それでは本編にいきましょう!

「りょうか~い!それでは本編どうぞ!」


第66話

side ミコト

 

俺、竜希、妖夢は今、紅魔館近くの森で空を探しいる。それにしても・・・・

 

「・・・・・竜希」

 

「ん?何ミコちゃん」

 

「なんというか・・・・・お前人間離れしすぎてるだろ。というかお前本当に人間か?」

 

「ちょ!それどう言う意味よ~」

 

「・・・・・なんで飛んで移動してる俺達に普通に追いついてるんだよ」

 

そう。竜希は飛んで移動している俺と妖夢に併走しているのだ。

 

「え?なんでって・・・・俺飛べないから走ってるんだけど」

 

「そう言う意味じゃねえよ」

 

「あの竜希さん、ミコトさんが言いたいのは普通は飛んだ方が走るのよりも断然に早いはずなのにどうして平然と追いつけるのかって聞きたいんだと思います」

 

妖夢の言うとおりだ。しかも竜希は全然息を切らしていない。もう2時間近く走っているというのに。

 

「ああ、そのことね~。まああれぐらいならなんとかなるよ~。気を足に集中させればね~」

 

気を足に集中って・・・・・本当に人間ばなれしすぎているとしか言えんな。こいつそういうのとは無縁な外の世界で育ったくせに。

 

「そうか・・・・・というより足に気を集中させるなんて器用な真似できるなら飛べよ」

 

「アッハハ!それは無理だよミコちゃん!だって俺・・・・・・空を自由に飛びたいって思ってるからね~」

 

「「!!」」

 

竜希のその言葉を聞いて、俺と妖夢は竜希が何故飛ばないのかがわかった。

 

竜希は飛ばないのではない・・・・・飛べないのだ。

 

飛ぶことは竜希にとって・・・・・心から望む願い。

 

故に竜希には・・・・・飛ぶための才が一切存在しないのだろう。

 

「そんなことよりどおミコちゃん?見つかった?」

 

竜希はなんでもないといったふうに聞いてきた。・・・・・・おそらくもう竜希にとっては一々気にするのも臆劫になっているのだろう。

 

「・・・・・いや、それらしい命は感じられない。この辺りには居ないようだ」

 

「そっか・・・・・博麗神社から出てもう2時間も経つのにまだ見つからないのか~」

 

「無理もありません幻想郷は結構広いですからね。簡単には見つかりません」

 

「そうだな。かなり広範囲を調べてるんだが・・・・・・」

 

ちなみに今は大体半径10km圏内で探査している。そのおかげで人間やら妖怪やら妖精やらの命を感じすぎてしまって落ち着かない・・・・というよりも少し気持ち悪い。だが・・・・

 

「・・・・・仕方がない。もう少し探査範囲を広げてみるか」

 

「広げるって・・・・・どれくらい?」

 

「半径20km圏内だ。今の俺が探査できるギリギリの範囲だ」

 

「20kmって・・・・・・ミコちゃんも十分に人間離れしてるでしょ。俺のこと言えないよ~?」

 

「大丈夫だ。俺は自覚しているからな」

 

「自覚って・・・・・」

 

「それよりも大丈夫なんですか?先程命を感じすぎて気持ちが悪いと言ってましたが・・・・・範囲を広げたら余計に気分が悪くなるのでは?」

 

妖夢が心配そうに聞いてきた。

 

「確かにそうだがそうも言ってられないだろ?俺が手伝えるのは今日だけなんだ。だったら今日中に見つけたほうがいいだろ?」

 

「そ、それはそうですけど・・・・・」

 

「まあ気分が悪くはなるが耐えられん程ではない。問題はないさ」

 

「そっか・・・・・ありがとねミコちゃん」

 

竜希は笑顔で礼を言った。ヘラヘラした笑みではないのでちゃんと感謝しているようだ。

 

「・・・・・気にすんな。それじゃあ探査範囲を・・・・・うわぁ」

 

探査範囲を広げようとしたら、こちらに向かってくる命を感じ取ってしまった。

 

「ん?どったのミコちゃん?頭抑えて」

 

「・・・・・・いや、少しめんどくさいことになりそうでな」

 

「めんどくさいこと?」

 

「ああ・・・・・・やはりか」

 

その命は真っ直ぐ俺たちのいるところに向かってくる・・・・・・ものすごいスピードで。そして・・・・・

 

「ミッコトさ~ん!」

 

彼女・・・・・射命丸文がやってきた。

 

「どうもミコトさん!会いたかったですよ!」

 

「・・・・・何かようか文?」

 

「ええ!ミコトさんに『春雪異変』について色々と教えていただこうと思いまして!ミコトさんのことですから絶対に関わっていると思いましたので!」

 

「『春雪異変』?」

 

「はい!この間まで春なのに雪が降っていたじゃあないですか!だからこの異変を『春雪異変』と名づけたのです!」

 

なるほどな。それは納得だ。

 

「・・・・・」

 

・・・・・なんか妖夢が若干凹んでるように見えるな。責任感じてるのか?

 

「・・・・・」

 

ポン、ナデナデ・・・・

 

あ、竜希が妖夢の頭撫でてる。どうやら慰めてるようだ。妖夢は恥ずかしそうに顔を俯かせている。

 

「・・・・・というか迷わずにここに直行したみたいだけどなんでここに居るってわかったんだよ?」

 

「ふふふ・・・・私は烏天狗ですよ?烏にあなたがここにいると聞いたんです!」

 

「・・・・・さいですか」

 

あ~クソ。本当に面倒な奴に見つかった。文に捕まると2,3時間は取材させられるからなぁ。

 

「あ~・・・・・ミコちゃん?その子誰?」

 

竜希が少し呆気にとられた様子で聞いてきた。竜希でさえ文の勢いには少し気圧されるのか・・・・

 

「あやや?見ない顔ですね?いいでしょう自己紹介してあげます!私は射命丸文!文々。新聞を発行する清く正しい烏天狗の記者です!」

 

文は元気よく挨拶した。・・・・・というか前から思ってたけど文は清く正しいっていう感じがあんまりしない気がするんだが。

 

「そ、そうなんだ。じゃあ俺も自己紹介するね?俺は紫黑竜希。ミコちゃんの親友です」

 

「私は魂魄妖夢と申します」

 

「竜希さんと妖夢さんですね!どうぞよろしくお願いします!それではミコトさん!取材させていただきます!」

 

「それではって・・・・・脈絡なさすぎるだろ。というか取材なら俺じゃなくて竜希にしろ。あいつも俺と同じで外の世界から来た奴だし異変の解決にも一役買ってるんだぞ」

 

妖夢に至っては首謀者の一人だし。まあ言わないけど。

 

「あや?そうなんですか?・・・・・・でもまあやはりミコトさんから話を聞きましょう」

 

「いやなんでだよ?新参者の竜希を取材したほうがネタ的にいいんじゃないか?」

 

「まあそれはそうなんですけど・・・・・・なんとなくですが竜希さんからは真面目に話を聞けるような気がしませんので」

 

・・・・・・それについては否定しないな。あいつのことだからふざけてあることないことを大げさに語るおそれがある。結構深刻な話もある分面白おかしくしてシリアスさを消して真実もみ消しそうだし。

 

「それにミコトさんのことを記事にして欲しいという声が非常に多いのですよ!だから取材する対象はミコトさん以外ありえません!ミコトさんは私専属の取材対象でもありますから!」

 

「ちょっと待て!俺がいつから文専属の取材対象になった!」

 

「?初めて取材した時にですよ?」

 

「そんなの聞いていない!というか『なんでそんな当たり前な事きくんだろう?』みたいな顔するな!」

 

本当にもう・・・・・文の相手をするとガチで疲れる。

 

(ミコちゃん超疲弊してるなぁ~・・・・・ちょっと同情する)

 

(ミコトさん・・・・・すごく疲れた顔してますね。大丈夫でしょうか?)

 

・・・・・竜希と妖夢もすげえ同情の目を向けてくてるし。まあともかく今は取材を受けている暇はない。文には悪いが断らさせてもらおう。

 

「すまないが文、今は少し忙しいんだ。取材ならまた今度にしてくれ」

 

「忙しい?ミコトさんは今何をしているのです?」

 

「人探しだ。俺の能力を使って探しているのだが中々見つからないんだ?」

 

「そうなんですか?それなら仕方がありませんねぇ・・・・・ちなみに誰を探しているのですか?」

 

「雲上空という子だ」

 

「・・・・・すみません。もう一度言ってください。誰を探しているのですか?」

 

文は目の色を変えてもう一度聞いてきた。

 

「・・・・・・雲上空という子だ」

 

「・・・・・そうですか。なるほど・・・・・ふふふ」

 

文は突然笑い出した。

 

「どうした文?」

 

「いえ・・・・・どうやら天は私を味方しているようです」

 

「?どういうことだ?」

 

「私は彼女の居場所を知っています」

 

なっ!

 

「本当か!?」

 

「はい!誓って本当です!何せ今日会っていますしどこに行くのかを聞いていますからね!」

 

「マジかよ・・・・・」

 

「さてミコトさん。空さんの居場所を教えてあげてもいいですけど・・・・・・条件があります」

 

・・・・・条件か

 

「・・・・わかった。その条件呑もう」

 

「あや?まだ条件の内容行ってませんよ?」

 

「聞かなくてもわかる・・・・・・どうせ取材させろって言うんだろ?」

 

「はい!」

 

文は眩しい程の笑顔で返事した。

 

「ただし、明日からは少し用があるから取材はその子のいるところに移動しながらでいいか?」

 

「はい!もちろんです!」

 

「それじゃあ案内頼む。それと低く飛んでくれ。竜希は飛べないからな。あとスピードはちゃんと落としてくれ。本気のお前に追いつくとか無理だから」

 

「わかりました!きちんとスピード落としてゆっくり行きますよ!その方が取材もしやすいですしね!それではこちらです!付いてきてください!」

 

俺達は文について空のいるところに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 竜希

 

「彼女・・・・・すごいですね」

 

取材をしながら俺達の前を飛ぶ文ちゃんを見ながらよ~むちゃんが呟いた。

 

「ん~?何が~?」

 

「いえ、あのミコトさんをあそこまで疲弊させているので」

 

「アハハ!それぐらいなら俺でもできるよ~」

 

「竜希さんはある意味当然です」

 

よ~むちゃんは俺の言葉に即答した。

 

「・・・・・ねぇよ~むちゃん?なんか俺に厳しくない?まだ会ってそんなに経ってないよね?」

 

「そんなことはありません。これが普通です」

 

・・・・・いや、それはよ~むちゃんの普通とは違うと思うよ?なに?この短期間で俺の扱い方心得たりしちゃいました?

 

「・・・・・まあいいや。でもまあミコちゃんがあそこまで疲弊するのは仕方がないかな?文ちゃんはミコちゃんの苦手なタイプだし」

 

「そうなんですか?」

 

「うん。ああいうイケイケ系は苦手なんだよね~ミコちゃんは」

 

「そうですか・・・・・ならミコトさんには悪いことをしてしまいましたね」

 

「へ?どして?」

 

「だって空さんのところに案内してもらうために今取材を受けているんですよね?苦手な人から取材されるのは嫌だと思いますから・・・・・・」

 

よ~むちゃんは申し訳なさそうに言った。

 

「あ~なるほど。そうとったか。大丈夫だよよ~むちゃん。その心配はない」

 

「え?」

 

「ミコちゃんは文ちゃんのことが苦手だけど別に嫌っているわけじゃあない。そして・・・・接するのが嫌っていうわけでもないよ。というかありえない」

 

「ありえない?どうしてですか?」

 

「だってミコちゃんが文ちゃんのことを苦手にしている理由は・・・・・」

 

「混符「アンビバレンス・ストリーム」!!」

 

「ってうわっ!いきなり何すんのさミコちゃん!」

 

俺は突然スペカを発動したミコちゃんに向かって叫んだ。

 

「竜希・・・・・お前妖夢に何余計なこと言おうとしてんだよ」

 

・・・・・あら~。聞こえてたんだ。

 

「余計なことは言うな。わかったな?」

 

ミコちゃんはすっげえ怖い顔で俺を睨みつけて言う。

 

「はいは~い。言いませんよ~」

 

「全く・・・・・」

 

「あ~・・・ミコトさん?続きいいですか?」

 

「ああ。中断して悪かったな」

 

「いえいえ。それでは次は・・・・・」

 

ミコちゃんと文ちゃんは取材を再開した。

 

「ということでごめんね?ミコちゃん怒るから話せないや」

 

「いえ。私は構いません」

 

「なら良かった」

 

それにしてもミコちゃん、そんなに隠したいことなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文ちゃんがミコちゃんの初恋の人に似てるのを。

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回のゲストはもちろんこの方!清く正しい射命丸文さんです!

「あやややや!よろしくお願いします!」

はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう!

「今回は空ちゃんの探索がメインのはずなんだけど~・・・・・どう考えてもラストのあれの方がインパクト強いよね~」

「本当ですよ!まさか私がミコトさんの初恋の人に似ているだなんて・・・・・衝撃の事実ですね!その件について是非ともミコトさんにお話を伺いたいのですが」

「・・・・・・勘弁してくれ」

「まあまあそう言わずに!根掘り葉掘り聞かせていただきますよ~!何せ私はミコトさんの初恋の人に似ているのですから!知る権利があります!」

「・・・・・だから知られたくなかったんだよ」

「まあまあミコちゃん。本編ではまだ知られていないんだからいいじゃん」

「・・・・・ここで知られる方がある意味致命的なんだが。なにせここは無法地帯のあとがきなんだからな」

「それは~・・・・・どんまい」

「・・・・・そのガチの同情の目はやめてくれ。お前にそんな目で見られると凹む」

「さあ話してくださいミコトさん!その初恋の人のことを包み隠さず全て!」

「・・・・・主、何とかしてくれ」

アハハ、仕方がないですね。文さん、今は勘弁しいてあげてください。座談会が進みませんので。終わったらいくらでも聞いて構いませんので。

「・・・・・は?」

「む~・・・・・わかりました。仕方がないですね。話は座談会の後にしましょう!」

ありがとうございます。よかったですねミコトさん。なんとかなりましたよ。

「・・・・・ああ。一時的にだけどな」

「あ、アハハ~・・・・まあそれはともかくとして座談会進めようよ。とりあえず読者のみんなもミコちゃんの初恋の人のことは気になってると思うからその辺は少し話すべきじゃない?」

ですね。とりあえず最低限話すべきことは話しましょう。

まずわかっているとは思いますがこの初恋の人というのは神楽さんではありません。全く別の人です。ちなみに東方キャラでもありません。

第2にこの方のことは竜希さんと神楽さんも会ったことがあるので知っています。

そしてこの方は外の世界でミコトさんを否定しなかった数少ない人のひとりでもあります。

「つまりはミコトさんにとって数少ない味方ということですね」

あ~・・・・それがそうとも言い切れないんですよね~。

「?どう言う意味ですか?」

その方はその方で事情があるといいますか・・・・・ミコトさんのことは嫌っていませんしむしろ好意的ではありましたが・・・・・全面的に味方はできなかったんです。

「よくわからないのですが?」

「まあそのあたりのこともいずれ明かされるんでしょ?いつになるかはわからないけどあの人が出てくる予定でもあるんでしょ?」

まあそうですね。その話は確実にやることになっていますので詳しくはその時にということで。さて、今回はそろそろ締めにしましょう。

「・・・・・結局空のことはノータッチか」

「まあ次回には出てくる予定だしその時にってことじゃない?」

まあそうですね。それでは今回はここまで




「「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きてね~)!!」」」」









「さあミコトさん!話を利かせてもらいますよ!」

「・・・・・本気で勘弁してくれ」





その後、話をしたのかどうかは皆さんのご想像にお任せします


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