さて皆さん。なんか前回の次回予告で執事ミコトさんが出る的なことを言っていましたが・・・・・まだミコトさんは執事にはなりません。
「・・・・・・次回予告詐欺」
・・・・・否定できませんね。本当に申し訳ありません。まあでも執事になるっていうことは決まっていますので。おそらく次回には執事ミコトさんが出てくるはずです。
「そこは断言しないのかよ」
・・・・・まあ正直書き終わるまでどうなるかわからないですからね。断言はできません。最近次回予告やってなかったのもそれが原因ですし。
「そして前回久しぶりに次回予告してこれか・・・・」
マジで反省しています。
「はあ、まったくお前は・・・・・ほら、まえがきはこれぐらいにして本編行くぞ」
そうですね。それでは本編どうぞ。
side ミコト
「・・・・・・相変わらずの紅さだな」
俺は今紅魔館の前に立っている。レミリア達に俺の左手が治ったことを報告するために来たのだ。
「さて、入るか」
俺は紅魔館に入るために門に近づいた。すると・・・・
「すぅ・・・・・すぅ・・・・・」
そこには門に寄りかかって立ったまま寝ている美鈴の姿があった。
「・・・・・・また寝てるのか」
以前異変を解決するために紅魔館に来た時も寝ていたな。そのことを咲夜に散々説教されていたのに懲りない奴だ。・・・・・そうだ
「ん~・・・・あー、あー」
俺はあることを思いつき声の調節をした。そして・・・・・
「何をしているのかしら、中国?」
咲夜の声色を真似して美鈴にそう言ってみた。
「ひゃあ!ごめんなさい咲夜さん!どうかナイフだけは勘弁してください!」
すると美鈴は飛び起きて土下座して謝ってきた。その動作は流れるように美しく全くの無駄がなかった。さすがは美鈴といったところだ。
「本当にすみません。もう二度と仕事中に寝ませんからどうかご慈悲を・・・・・」
美鈴が顔を上げ俺の顔を見て固まった。
「あ、あれ?ミコトさん?咲夜さんは・・・・・」
「ああ。さっきのは俺だ。そんなに似てたか?」
「・・・・・・え?」
美鈴はポカンと口を開けて唖然としている。しばらくそうしているとワナワナと体を震わせて・・・・
「なんてことをしてくれるんですかミコトさん!本当に心臓が破裂するかと思ったんですよ」
俺に怒鳴ってきた。
「いや、そもそも美鈴が寝てなければよかった話だろ?それとも本当に咲夜に見つかったほうが良かったか?なんなら咲夜に報告しておくけど」
「ごめんなさい。私が悪かったです。どうかそれだけは勘弁してください」
美鈴はすぐさま無駄のない動きでまた土下座してきた。・・・・・その反応速度にはある意味尊敬できるものがあるな。
「・・・・・というかなんで門番なのに寝てるんだよ」
「いや、だって門番の仕事ってすごく暇で・・・・どうしても睡魔に勝てなくて寝ちゃうんですよね~」
「・・・・・・そうか。ところで美鈴・・・・・すまないな」
「?なんで謝ってるんですか?」
「・・・・・・後ろ見てみろ」
「え?」
美鈴は後ろを振り返った。するとそこには・・・・・
「・・・・・(ニコニコ)」
ものすごい(黒い)笑顔をした咲夜が立っていた。
「さ、咲夜・・・・さん?」
美鈴は咲夜の姿を確認すると顔を真っ青にした。
「中国、あなたは今までそんな不真面目な態度で門番の仕事していたのかしら?」
「え、あ、あの・・・・・・」
「・・・・・・少し反省してもらわないといけないわね」
咲夜はスラリと数本のナイフを取り出した。
「ご、ごめんなさい!これからは絶対に寝ません!どうか許してください!」
美鈴はまたしても美しいフォームで土下座をする。・・・・・まさかこんなに短時間に同一人物の土下座を三回も見ることになるとはな。
「・・・・・中国」
咲夜は笑顔で美鈴に声をかけた。
「咲夜さん・・・・」
美鈴は咲夜が許してくれたのだと思い顔を綻ばせる。だが・・・・・
「覚悟しなさい♪」
「は、ははは・・・・・」
咲夜は全く許していないようだ。美鈴はもはや笑うしかないようだ。
「幻符『殺人ドール』!!」
「きゃああああああ!」
美鈴は咲夜が放った夥しい量のナイフを受け、そして・・・・・・
「きゅう~・・・・・・」
ものの見事に気絶した。
「・・・・・・なあ咲夜。流石にやりすぎじゃあないか?」
「大丈夫よ。中国は体が丈夫だから」
「いや、ボロボロになってるんだが。全く大丈夫そうに見えないぞ」
「そんな事よりよく来たわねミコト。お嬢様も妹様も待ってたわよ」
そんな事よりって・・・・・・流石に美鈴が哀れに思えてきた。
「左手はもうすっかり元通りみたいね」
咲夜は俺の左手を見ながら言った。
「ああ。この通りな」
「お嬢様達もきっと喜ぶわ。それじゃあ屋敷に入りましょう」
「と、ちょっと待ってくれ」
俺は屋敷に入るように促した咲夜に少し待つように言って美鈴に近いた。そして美鈴の傷を能力を使って直した。まあ流石に意識までは戻せないけどな。
「わざわざそんな事する必要ないわよ?」
「いや、流石に目の前でボロボロになってるのを放っては置けないからな」
それに美鈴がこうなったのって俺にも責任があるから何だよな。俺が聞かなければ美鈴は咲夜にやられずにすんだかもしれないし。
「相変わらずのお人好しね。まあ、あなたらしいけど」
相変わらずって・・・・・・まだ会って間もない咲夜にそこまで言われる程俺はお人好しなのか?しかもでは全くそんなことないと思うんだが・・・・・・
「さて、いい加減そろそろ行きましょう」
「そうだな」
俺は咲夜と共に門をくぐって屋敷の中に入って行った。
「・・・・・・ようやく着いたか」
15分程歩いて、ようやくレミリア達のいる大広間の前に着いた。
「前も思ったが広くしすぎじゃないか?ここまで広いと不便だろ」
俺は屋敷の中の広くしている張本人である咲夜に聞いた。
「私もそう思ったのだけれど、お嬢様が屋敷の広さは主の心の広さを表すからとにかく広くしろと言っていたので・・・・・・」
・・・・・・今胸を張って堂々と言い張るレミリアの姿が思い浮かんだ。なんというか・・・・・・見た目相応に子供っぽいような気がする。
コンコン
「お嬢さま。咲夜です。ミコトを連れて参りました」
俺がレミリアの子供っぽさについて考えていると咲夜は扉をノックして俺が来たことをレミリアに知らせた。すると・・・・・・
「ミコトが!?ちょっと待ってて!」
レミリアは少し待つように言ってきた。一体何をしているんだ?
「なあ咲夜、レミリアは何をしているんだ?」
「さあ?私にもわからないわ」
「・・・・・・もういいわよ」
しばらくしてようやくレミリアからの許可が下りた。俺と咲夜は扉を開けて部屋に入る。部屋の奥には大き目の椅子に座っているレミリアがいた。
「ようやく来た「お兄様~!!」
レミリアの言葉を遮って、フランが物凄い勢いで俺の方に飛び込んで来た。
「お兄様!ようやく来てくれた!私待ちくたびれちゃったよ!」
フランは明るい笑顔を向けて俺に言った。
「そうか。待たせてごめんな、フラン」
俺は左手でフランの頭を撫でながら言った。
「お兄様左手!!」
「ああ、この通り元通りに治ったよ」
「よかった~」
フランは左手が治ったのがわかると。更に笑顔になって抱きつく力を強くした。・・・・・・正直強すぎて肋骨が折れそうだ。
「・・・・・・・・」
ふとレミリアの方を見てみると・・・・・レミリアは目に涙を溜めている。おそらく話そうとしていたのにフランに遮られたからだろう。
「フラン、ちょっと離れてくれるか?」
「うん」
俺は抱きついているフランを離してレミリアに近づいた。そして・・・
「待たせて悪かったな。レミリア」
目線をレミリアに合わせて頭を撫でながらそういった。
「ミコト・・・・・って何やってるのよ!?」
レミリアははじめは嬉しそうに目を細めていたが、急に顔を赤くして怒り出した。
「何って・・・・・レミリアの頭撫でてるだけだけど?」
「子供扱いしないでよ!」
「悪い悪い。でも今にも泣き出しそうなレミリア見るとつい子供っぽく見えてな」
「な、泣いてなんてないわよ!」
「本当にか?」
「う、う~・・・・・・」
・・・・・・ほんと、初めて会った時のカリスマはどこに行ってしまったんだろうな?
「そこまでよミコト。いくらあなたでもこれ以上お嬢様に無礼を働くのは見過ごせないわよ?」
咲夜が俺に注意してきた。ただ・・・・・レミリアを見る咲夜の顔が若干緩んでいるような気がする。
「わかったよ」
俺はレミリアの頭から手を離した。
「あっ・・・・・」
「ん?どうしたレミリア?」
「な、なんでもないわ!(もっとして欲しかったな)」
レミリアは顔を赤くして言った。やっぱ恥ずかしかったのか?
「それよりもようやく来たわねミコト、待ちくたびれたわよ」
「すまないな。これでも早目に来たほうなんだぞ?まだ治ってから三日しか経ってないからな」
「治ってから三日も経ってるの?どうして治ってすぐに来なかったのよ」
「いや、そう言われても・・・・・」
まずは霊夢のとこに帰らないといけなかったからな。あそこは今の俺の家だし。
「まあいいわ。早めに来ようと思ったその心意気に免じて許してあげるわ」
いや許すって・・・・・治ったその日に来なかったのってそんなに悪いことなのか?
「と、そういえばミコト、あなた咲夜と賭けをしたそうね」
「ああ。したぞ」
霊夢とレミリアが戦ってたときのだな。
「それでミコトは賭けに勝ったから咲夜に料理を教わるつもりなんでしょう?」
「ああ。今日はその為に来たっていうのもあるからな」
「・・・・・はっきり言うわ。ダメよ」
・・・・・は?
「何がダメなんだ?」
「咲夜に料理を教わることがよ。咲夜は私の従者よ。主の断りもなく決めたことを認めるわけにはいかないわ」
・・・・・まあ言ってることもわからなくはないが。
「・・・・ただし、私が出す条件を受けるというなら認めてあげないこともないわ」
「条件?なんだそれは?」
「ミコト・・・・・・・・
紅魔館の執事になりなさい」
・・・・・・・はい?
あとがき座談会のコーナー!IN東方!
本日のゲストは紅美鈴(べにみすず)さん「だから私はホンメイリンですって!」うわっ!びっくりした!
「主の言葉を遮るほど嫌なのか」
「当然ですよ!っていうか主さん絶対にわざと間違えてますよね!?」
何を言ってるんですか!私がそんなことするに決まってるじゃないですか!
「堂々と言わないでください!一瞬そんなことないんだって思ったじゃないですか!」
「まあとりあえず落ち着け美鈴」
「うう・・・・久しぶりの登場なのになんで私はこんな扱いなんですか・・・・・・土下座を三回もさせられるしまた気絶させられるしミコトさん以外に名前をちゃんと呼んでもらえないし・・・・・っていうかさっきミコトさんが私を呼んだ時も絶対に『みすず』ってタイプしてたでしょうし」
「美鈴・・・・・・それはメタいぞ」
「いいんですよ・・・・・こうなったら私もハッチャケまくってやります」
あ~とうとう美鈴さんも壊れちゃいましたか。
「十中八九主のせいだけどな」
「そうです。元はといえば主さんの・・・・・」
え?美鈴さん?なぜスペカを構えておられるんですか?
「・・・・・・問答無用です」
っちょっと待ってください!私前回ミコトさんと霊夢さんにやられたばかりなんですよ!その時の怪我だってまだ癒えてないんですから勘弁・・・・
「華符『彩光蓮華掌』!!」
ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁ!
ピチューン!
「おい主、大丈夫か」
ピクピク・・・・
「・・・・・返事がない。ただの屍のようだ」
「ふう・・・・少しだけですがすっきりしました!」
「いくらなんでもやりすぎじゃあないか?」
「いいんです!これくらいしないと私の腹の虫は収まりません!私だって今回気絶させられてんですから!」
「いや、美鈴。それが間違いだ」
「?どういうことです?」
「いや・・・・・気絶したら苦痛を感じられないだろ?本当に懲らしめたいなら気絶する一歩手前に押さえておくべきだ」
「は、はい・・・・・そうですね」
(ミコトさん・・・・・どれだけ主さんに恨みを持ってるんだろ?)
「さて、主も当分起きそうにないし、そろそろ締めるか」
「そうですね。それでは・・・・・」
「「次回もまたきてくれ(きてください)」」
うう・・・・次回にミコトさんの執事服のお披露目・・・・・・かも(ガクッ)
「「一瞬だけ復活した・・・・・」」