東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第30話!

さあ!とうとう永遠亭編もクライマックス!残すところ今回と次回のあと二話になりました!

「とうとうそこまできたか」

ええ!長さ的には前回の紅魔館編と同じぐらいでしょうか?

「まあそんなものだな。今回の章はバトルパートが全くと言っていいほどなかったがな」

まあそういう話ではありませんでしたからね。さて、それでは本編に入る・・・・・前にお知らせがあります。

「なんだ?」

皆さんにある条件でオリキャラを考えてもらいたいんですよね。

「ある条件?どんな条件だ?」

それはこちらです。

性別は女性

職業は羅宇屋(簡単に言うと煙管の調整等を行う仕事)

ミコトのハーレムの一員

以上の条件で読者の皆さんにキャラを考えて欲しいんですよね。なお応募する際は以下のことを明記してください。

容姿

性格

種族

元となるキャラがいる場合はそのキャラ

能力

このキャラは今回の章が終わり新しい章で出てくる予定です。どうかご応募ください。お待ちしております。

「これで知らせは終わりか?」

ええ。それでは本編にいきます。

「では本編どうぞ」


第30話

side ミコト

 

薬を飲んでからどれくらい経っただろうか?体には相変わらず激痛が走る。しかし痛みに慣れてきたのか薬を飲んだときよりは幾分楽になった。

 

「・・・・・まさか薬を飲んでたったの2時間でそこまで再生するとは思わなかったわ」

 

俺の左手は手のひらの先まで再生している。

 

「それもあなたの能力が関係しているのかしら?」

 

「おそらくな。俺もこの能力については全てを把握しているわけじゃあないから詳しくは分からないがな」

 

「そう。まあこのペースなら夕飯前までには再生しきるわね」

 

「そうか」

 

俺としてはありがたいな。正直この痛みと長時間付き合いたくない。それに・・・・・・

 

(輝夜と早く話が出来そうだな)

 

輝夜とは話をしなければならない。・・・・・・・何としても輝夜を救いたいから。

 

「はい」

 

輝夜のことを考えていたら目の前に水の入ったコップが出てきた。

 

「ありがとうえいり・・・・・」

 

俺は永琳が渡しくれたのだと思い礼を言おうとした。しかし俺に水を渡してきたのは永琳ではなかった。俺に水を渡したのは・・・・・・

 

「いらないの?ミコト」

 

輝夜だった。

 

「・・・・・いや、もらおう」

 

俺は輝夜から水を受け取り飲み干した。

 

「永琳、ミコトと話があるから少し外してくれないかしら?」

 

「わかったわ。何かあったらすぐに呼びなさいね」

 

「ええ」

 

永琳は部屋から出ていった。

 

「・・・・・・・輝夜、昨日は「ごめんねミコト」え?」

 

輝夜は俺の言葉を遮った。

 

「昨日のこと、本当にごめんなさい」

 

輝夜は俺に頭を下げて謝った。

 

「輝夜が謝ることじゃない。輝夜の気持ちをちゃんと考えずにあんなことを言った俺が悪かった。だから謝るのは俺の方だ。本当にすまない」

 

俺は輝夜に頭を下げた。

 

「・・・・・いえ、やっぱり悪いのは私よ。ミコトの言ってることは事実だった。私はそれを突きつけられてムキになってしまった。ミコトは私のことを思ってあんなことを言ったんだって分かっていたのに、それなのに私は・・・・・」

 

「いや、そんなこと「ミコト」

 

輝夜はまた俺の言葉を遮る。

 

「今回の件は私が悪かった。だからあなたが謝る必要はない。わかった?」

 

「・・・・・ああ。わかったよ」

 

ここまで言われてまだ謝ろうとするのは輝夜に失礼だと思い俺は納得することにした。

 

「それでいいわ」

 

輝夜は微笑みながら俺に言った。

 

「・・・・ミコト、少しだけ私の話聞いてくれる?」

 

「・・・・・ああ」

 

「・・・・・・私はね、ミコトの言うとおり怖かったの。愛する人が先に逝ってしまうことが。その悲しみと苦しみを背負うのが。どうしようもなく怖かった。・・・・・・でもそれだけじゃないの。ミコトの言うことでひとつだけ間違っていることがあった」

 

「間違っていること?」

 

「ええ・・・・・ミコト、あなたは愛する人に拒絶されたことがある?」

 

・・・・・愛する人に拒絶か。

 

「・・・・ああ。あるよ」

 

「そう・・・・・私はね、それも怖かったの。愛する人に拒絶されるのが・・・・永琳に拒絶されるのが。だから私は・・・・・・永琳さえも愛せなかった」

 

「・・・・・・」

 

「だから私は誰も愛せなかった。誰も愛したくなかった。でも・・・・・あなたと話をして・・・・いえ、あなたと出会って私は気がついてしまった。私は・・・・本当は愛したいのに愛することを拒んでいたんだって」

 

愛することを望みながら愛することを拒む・・・・・本当に神楽と同じだな。

 

「気づいてしまった後は苦しかったし、辛かった。私はどうすればいいのかわからなくなってしまったの」

 

・・・・・俺はそこまで輝夜を思いつめさせてしまったのか。

 

「そんな時に妹紅がいつもと同じように私を殺しに来たの。私はいつもどおり妹紅と殺し合おうとした・・・・・・・でも妹紅は応じなかった。私が思い悩んでいることに気がついて、そんな私を殺す気にはなれないと言って妹紅は帰ろうとしたわ」

 

妹紅がそんなことを・・・・・きっと長い間殺し合っていた妹紅だからこそ気がついたんだろうな。

 

「私は帰ろうとした妹紅を引き止めて聞いたわ。妹紅は誰かを愛したことがあるかどうか。妹紅は誰かを愛したことはないといった。でも妹紅はこうも言ったわ。いつか愛する人ができたらいいって。私は妹紅にどうしてそう思えるのか聞いたわ。私たちよりも確実に先に死ぬのにどうして愛せるのかって」

 

自分よりも先に死ぬ・・・・・輝夜と妹紅にとっては避けられない現実。

 

「そしたらね?妹紅に馬鹿だろって言われたわ。そんな先のことを考えてどうするんだって、苦しむために愛するんじゃなくて愛するために愛するんだって、今を後悔しないように生きる方が大切だって。それを聞いて私は・・・・・・自分が思い悩んでいたことが馬鹿らしいことのように思えたわ」

 

・・・・・・・苦しむために愛するんじゃなくて愛するために愛する。

 

・・・・・・今を後悔しないように生きる。

 

『そんな風に苦しむために愛してどうするって言うんだ。無理をするな』

 

『後で絶対に後悔する生き方なんてするな。今この時はこの瞬間しかないのだからな』

 

俺もかつて神楽に言われたな。あの時の言葉は本当に心に突き刺さった。

 

「私ね、それでようやく吹っ切ることができたの。今なら・・・・・愛する人を愛することができる」

 

「!!」

 

『私はもう迷わない。私は・・・・・お前を愛する』

 

この時、俺はまた輝夜に神楽の面影を見た。

 

「ミコト、私が誰かを愛そうと思えるようになったのはあなたのおかげよ」

 

「・・・・・・俺は何もしていない。お前を救ったのは妹紅だ」

 

「確かに。私は妹紅の言葉に救われたわ。でも私を救うきっかけを作ったのは他の誰でもないミコトなの。だからミコトのおかげでもあるの。本当にありがとう」

 

輝夜は笑顔を浮かべて俺に言った。その笑顔は絶世の美女と呼ばれるのにふさわしいと思わせるものであった。

 

「・・・・・・・・輝夜、愛するものを亡くすのは本当に辛いことだ」

 

「え?」

 

「昨日話しただろ?俺には愛する人がいたって。彼女は・・・・・もう死んでこの世にいない」

 

「!!」

 

「だから俺にはわかる。愛する人を失う悲しみが。その辛さが。輝夜はそれでも誰かを愛せるか?」

 

俺はわざと輝夜を追い詰めるようなことを聞いた。輝夜の覚悟を知るために。輝夜に知ってもらうために。

 

「・・・・・私はもう決めたの。先のことばかり考えないって。今を後悔しないようにするって。だから私は・・・・・・愛することをやめない」

 

輝夜の目には不安が宿っているように見えた。しかし同時に強い覚悟が宿っているようにも見えた。

 

「・・・・・・後悔はしなかった」

 

「え?」

 

「彼女を亡くして、俺は苦しかった。でも彼女を愛したことを後悔した事はない。彼女を愛した事実は、記憶は、思いは消えないから」

 

「ミコト・・・・・」

 

「意地悪なことを聞いて悪かったな。でも輝夜の覚悟を聞いてわかった。輝夜なら・・・・・きっと大丈夫だって」

 

「ミコト・・・・当然よ。私が覚悟したんだもの」

 

「・・・・・そうだな」

 

俺と輝夜は互いに笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

side 輝夜

 

「心配してくれてありがとう、ミコト」

 

私は私のことを心配してくれたミコトに改めてお礼を言った。

 

「気にするな。俺はただ俺の思うようにしただけだ」

 

「それでもありがとう。・・・・・ミコト」

 

「なんだ?」

 

「ミコトは・・・・・愛するものを失った今も、誰かを愛せる?」

 

私はミコトに聞いた。本当は聞くべきではなかったのかもしれないが、どうしても聞きたかったから。

 

「・・・・・正直幻想郷に来るまでは無理だった。でもまだ二週間だけど幻想郷で過ごして・・・・大切だと思える人達に出会えた今なら・・・・・以前のように誰かを愛せると思う。いや、愛せる」

 

・・・・・そっか、今なら愛せるのか

 

「・・・・そう、ならミコトは・・・・・ごめんなさい。なんでもないわ」

 

「?そうか」

 

私はミコトにその大切だと思える人たちの中に私は含まれているのか、そして・・・・・・私のことを愛してくれるかどうか聞こうと思ったがやめた。流石にそこまで聞くのは失礼すぎる。でも・・・・

 

(いつか必ず、あなたに愛されてみせるわ)

 

私はミコトに・・・・・愛するミコトにいつか必ず愛されようと決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回はゲストなしでミコトさんとふたりでお送りします!

「今回は完全に輝夜回だったな」

そうですね。登場人物もはじめの方に少し永琳さんが出てきただけで、そこ以外はミコトさんと輝夜さんの会話だけでしたものね。

「そうだな」

さて!今回でとうとう輝夜さんが愛することについて吹っ切れてミコトさんルートに突入しました!

「その言い方はどうなんだ?」

事実ですから!それ以外言いようがありません!

「・・・・・・まあ別にいいが、というより今回で随分と輝夜との距離が縮んでないか?それこそ霊夢以上に。この小説のメインヒロインって本当に霊夢だよな?」

それは間違いありませんよ!霊夢さんはまごうことなきこの小説のメインヒロインです!ですが今ミコトさんがいるのは永遠亭でこの章に限っては輝夜さんが主役ですから仕方ありません。それにこの章はミコトさんにとっても重要なものですからね。

「俺にとっても重要?」

ええ。この章でミコトさんの愛することに対する思いが以前の愛情深かったミコトさんのものに戻るきっかけが与えられたんですよ。それにミコトさんをただひとり愛した神楽さんがどういった人だったのかその一端を教えるためにも大切な章なんです。

「なるほどな」

そういった意味ではこの章は私としては結構慎重に進めていました。まあ皆さんがどう受け止めたのかはわかりませんが。

「結構頭使っているんだな・・・・・・大丈夫か?」

・・・・・それがそう言った意味の心配なのかわからないですけど大丈夫と答えておきます。さて、永遠亭編もとうとう次でラストとなります!この章が終われば霊夢さんとのイチャイチャ率が上がる!・・・・・・はずです。

「そこは断言しないのか」

まあこの後の話の予定ではそう言った場面はいくつも入れるつもりなんですがこの小説はミコトさんのハーレム小説でもありますからね。他の方の見せ場も作らなければいけないので。

「・・・・・まあ言ってることはわかるが」

ですが敢えてここは言わせてもらいましょう・・・・・・何度も言いますがこの小説のメインヒロインは霊夢さんです!異論は一切認めません!以上!では締めますよ、ミコトさん!

「わかった」

それでは・・・・・



「「次回もまたきてください(きてくれ)!!」」

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