東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第22話!

「今回は永遠亭に向かうところだな」

はい。そうですね。と、そうだ。本編に入る前にこの章についての注意事項を言っておきます。

まずこの章ですが以前の紅魔郷編に比べ話が事前に思いついていない状態で作成していますので、もしかしたら文がおかしかったり違和感を感じることがあるかもしれません。

また、今回の章では戦闘シーンは基本入れないつもりです。

そして、前章以上に独自な解釈、考えが多くなっているかもしれません。

最後にこの章は思いついていないところが多いゆえに更新が遅れて別の小説を連続更新する可能性もあります。

以上4点が注意点としてあります。その点をどうかご了承ください。

「それでもできる限りペースを落とさずに更新するつもりではあるらしい。どうか応援してやってくれ。また、どうか温かい目で見てやって欲しい」

それではそろそろ本編に行きましょう。

「では本編どうぞ」


第22話

side ミコト

 

俺は今霊夢と共に竹林を奥へと進んでいた。

 

「この竹林の奥にその永遠亭があるのか?」

 

「ええ。そうよ」

 

そう。俺たちは今、永遠亭に向かっている。俺の失った左手を治すために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~回想~

 

「永遠亭?」

 

「そうよ。そこに行けば治るかもしれないわ」

 

「なるほどな。たしかにあそこなら可能性があるぜ」

 

霊夢の言葉に魔理沙が同意した。

 

「どういうこと?なんでそこならミコトの手が治るのかしら?」

 

レミリアが霊夢に聞いた。俺も気になる。

 

「永遠亭は迷いの竹林ってところの奥にある屋敷の事なんだけどそこには薬師がいるのよ。その薬師ならミコトの左手を治す薬が作れるかもしれないわ」

 

「・・・・霊夢。いくらなんでも薬でこの手が治るとは到底思えないのだが」

 

どんな良薬でもなくなった左手を再生させるなんて不可能だ。いくらここが常識にとらわれない幻想郷と言っても限度があると思う。

 

「たしかに。ただの薬師が作った薬なら治らないでしょうね。でもその薬師は普通じゃあないわ。その薬師は・・・・・・・蓬莱人なのよ」

 

「!蓬莱人・・・・だと」

 

・・・・まさか幻想郷にはそんなやつまでいたとはな。

 

「お兄様、ほうらいびとって何?」

 

フランは疑問に思ったのか首をかしげて聞いてきた。

 

「蓬莱人っていうのは不老不死・・・・つまり何があっても死なない人間のことだ」

 

「へぇ~そうなんだ」

 

「その薬師はもうかなり長い間生きているわ。そんな奴ならあんたのなくなった左手をもとに戻す薬を作れるかもしれない。行ってみる価値はあると思うわ」

 

「・・・・・そうね。それなら試してみる価値はあるかもしれないわ」

 

レミリアも霊夢に同意してきた。

 

「お兄様の手治るの?」

 

「あくまでかもしれないだがな。確定ではない」

 

「でも治るかもしれないんだよね?」

 

「ああ」

 

「だったらその永遠亭に行ってお兄様!私、お兄様に苦しい思いして欲しくない!」

 

フランが目に涙を貯めて言ってきた。そんな目で言われたら断れない。

 

「・・・・・咲夜」

 

「え?何かしら?」

 

急に話しかけられ咲夜は驚いた顔をした。

 

「・・・・俺の手が治ったら料理を教えてくれ。それが賭けの報酬だ」

 

「!ふふ。ええ、わかったわ」

 

「お兄様!」

 

「霊夢。その永遠亭に案内してもらっていいか?」

 

「ええ。もちろんよ」

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

 

 

そんなことがあり俺と霊夢は永遠亭に向かっている。ちなみに魔理沙はここにはいない。一緒に来たいみたいだったがパチュリーから借りた本を一週間後には返すため早く帰って本を読まなければならないようだ。パチュリーはちゃんと一週間で返さなければもう貸さないと言っていたので一日でも惜しいのだろう。

 

あとレミリアが治ったら紅魔館に来いと言ってきた。そのときの顔が何か企んでいるような気がしたがどちらにせよ手が治ったら咲夜に料理を教わりいくので同意しておいた。その時フランがすごく嬉しそうな顔をしていたのが印象深かった。

 

「着いたわ。ここが永遠亭よ」

 

どうやら着いたらしい。俺の目の前に建物があった。純和風の建物で紅魔館ほどではないがそれなりに大きい屋敷だ。

 

「・・・・・・・・・」

 

俺は能力を使って周辺の命を探った。感じた命は4つ。そのうち2つは妖怪のものだ。そしてもう2つは人間の命だが・・・・・・

 

(なるほど。これが蓬莱人の命か)

 

その命は俺が今まで感じたものの中で最も生命力の強い命だった。吸血鬼であるレミリア、フランの生命力も相当なものだったがこれはその比じゃないほどの命だ。

 

「あの、何かご用ですか?」

 

俺が考えにふけっていると話かけてくるものがいた。まあ能力でわかっていたが。その子は学生服のような服を着て、長い薄紫の髪、赤い瞳、そして長い兎の耳をつけた少女だった。

 

「こんにちは。確か鈴仙だったかしら?」

 

「はい。そうです。霊夢さん、そちらの方は?」

 

「はじめまして。俺は一夢命だ。できたらミコトと呼んでくれ。君は?」

 

「私は鈴仙。鈴仙・優曇華院・因幡です」

 

またすごい名前だな。覚えにくそうだ。

 

「それで、ご用は何ですか?」

 

「今日は永琳に用があって来たのよ。今いるかしら?」

 

「はい。師匠ならいます。案内しますね」

 

「ありがとう鈴仙。助かるよ」

 

「では着いてきてください」

 

俺と霊夢は鈴仙に付いて永遠亭に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、ミコトさん」

 

屋敷の中を歩いていると鈴仙が話かけてきた。

 

「何だ鈴仙?」

 

「一つだけ言っておきます。私の眼は見ないでくださいね」

 

人によっては言ってることの意味が分からないだろうな。まあ俺は能力のおかげでわかっているがな。本当に俺の能力は便利すぎるな。

 

「着きました。ここです」

 

そうこうしているうちにどうやら永琳という薬師がいるところに着いたらしい。

 

「師匠、鈴仙です。入りますね」

 

鈴仙が部屋の戸を開けた。そこには1人の女性がいた。長い銀髪を三つ編みにしており、赤と紺のツートンカラーの服をきた女性だ。そして何より・・・・・・非常に強い命を感じる。間違いなく蓬莱人だろう。

 

「珍しいわね。霊夢がここに来るなんて。それに初めて見る人もいるようね」

 

「はじめまして。俺は一夢命というものだ。ミコトと呼んでほしい」

 

「わかったわ。私は八意永琳よ。それで?今日は何の用かしら?」

 

「ええ。私達は・・・・・・」

 

俺と霊夢は2人で永遠亭にきた理由を話した。

 

 

 

 

 

~少年、少女説明中~

 

 

 

 

 

「・・・・・・というわけだ」

 

「そう。左手の再生・・・」

 

永琳は顎に手をあてて考えこんだ。

 

「・・・・・・無理ね」

 

永琳から返ってきた答えはある意味予想通りのものだった。

 

「そうか。やはり左手の再生は無理か」

 

「いえ違うわ。左手を再生させること自体はできるわ。問題は他にあるの」

 

「他の問題?それってなによ?」

 

「左手・・・というより人体を再生させる薬はあるわ。でもその薬を服用すると膨大な生命力を消耗するの。並の人間じゃあ到底持ち得ない生命力を。例え左手が再生しても生命力が枯渇して間違いなく死ぬわ」

 

・・・・・・生命力か。

 

「だから諦めなさい。左手を再生させる為とはいえ死んだら元も子もないでしょう?」

 

膨大な生命力・・・・・・俺ならあるいは・・・・・・

 

「・・・・・・永琳。具体的にはどれくらいの生命力を消耗するんだ?」

 

「そんなこと聞いてどうするのかしら?」

 

「いいから答えてくれ」

 

「そうね・・・・・・大体常人の5倍の生命力が必要よ」

 

5倍か・・・・・・なら問題ないな。

 

「永琳、その薬を譲ってくれないか?」

 

「・・・・・・あなた、話をちゃんと聞いていたの?死ぬ気?」

 

俺が薬を譲ってほしいと言ったら永琳は呆れた表情をして返した。まあ普通はそう反応するだろうな。

 

「その点なら心配ない。俺の生命力は常人よりも遥かに強い。だから生命力が枯渇することはないだろう」

 

「・・・・・・なんで自分の生命力が強いなんてわかるのかしら?」

 

「それが俺の能力だからだ。俺の能力は『命を理解する程度の能力』。文字通りあらゆる命を理解することが出来る。だから自分の生命力がどれくらいなのかわかる」

 

「・・・霊夢、彼の言っていることは本当かしら?」

 

永琳は霊夢に確認をとった。まあ初対面の俺の言うことが信じられなくても無理はないな。

 

「本当よ。まあ私が確認する手段なんてないけど。でもミコトはそんなつまらない嘘をつくような人じゃないわ」

 

「そう・・・・・・ちなみに聞くけどあなたの生命力はどれくらい強いのかしら?」

 

「少なく見積もっても平均的な人間より10倍以上はあるな」

 

「10倍ですって!それなら・・・・・・・・・わかったわ。あなたに薬を譲ってあげるわ」

 

「本当か?」

 

「ええ。あなたなら大丈夫そうだから」

 

「なら早速くれないかしら」

 

「それは無理ね。薬はこれから作らないといけないから。他にもやらないといけないことがあるから1週間は待ってちょうだい」

 

まあ今ないのなら仕方がないな。

 

「そう。わかったわ。それじゃあ1週間後にまた来るわ。行きましょうミコト」

 

「ああ」

 

俺は霊夢と共に帰ろうとした。が

 

「待ちなさい」

 

帰ろうとする俺達を永琳は止めた。

 

「何だ?」

 

「ミコト、あなたには薬ができるまでの1週間、ここに居てもらうわ」

 

永琳が言ってきたのは予想外のことだった。

 

「どうしてよ?」

 

「薬を作るにはミコトの細胞が必要なのよ。それにいろいろ検査も毎日必要なの。毎日神社から通うのは手間でしょう?だったら薬ができるまでの間ここに居た方がいいわ」

 

永琳が言うことはもっともだな。

 

「霊夢。永琳はああ言っているがどうする?」

 

「どうするって、何で私に聞くのよ?」

 

「1週間も霊夢のところを離れてもいいのかと思ってな」

 

「なっ!ど、どういう意味よ!」

 

霊夢がなぜか顔を赤くして聞いてきた。

 

「いや、神社のこととか霊夢1人で大丈夫なのかと思ってな」

 

「!な、何だ、そのことね・・・・・・」

 

一体何だと思ったのだろうか?

 

「大丈夫よ。ミコトが来る前までは私1人でやってたんだから、問題ないわ。それに薬を作る為なんだからそんなこと気にしなくてもいいわよ」

 

「そうか。わかった。ならこれから1週間世話になる。よろしくな永琳」

 

「ええ。よろしく」

 

こうして薬ができるまでの1週間。俺は永遠亭で世話になることになった。

 

「それじゃあ私は神社に帰るわね。一日神社を空けっ放しにしちゃったし」

 

「わかった。手が治ったら帰るから。またな、霊夢」

 

「ええ」

 

霊夢は部屋から出ようとした。その時・・・・・・

 

「永琳。少しいいかしら?」

 

部屋に1人の少女が入ってきた。

 

「!!」

 

俺は部屋に入ってきた少女に、かつて俺が愛し、俺を愛してくれたたったひとりの少女・・・・・・神楽の面影を見た。

 

「か・・・ぐら?」

 

俺は無意識にそうつぶやいていた。

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回も前回と同じくミコトさんとふたりで進めていきます!

「なんでだ?今回は永琳と鈴仙が出ただろう?」

彼女たちは後でまた出番がありますからね。今回は正直顔出し程度でしたので座談会にはまだ出ません。

「そうか」

はい。なので彼女達の登場を期待していた方には申し訳ないです。いづれ座談会に呼びますんでそれまでお待ちください。それでは今回の本題に入りましょう。今回話すことはミコトさんの能力についてです。

「俺の能力について?」

はい。今回いろいろ設定が加わったので説明しておきましょう。

「わかった」

まず話すことはミコトさんの命の気配を感じる能力です。この能力は以前は近くにいる命の気配を勝手に感じていましてが今はON、OFFの切り替えができるようになり、普段はOFFにしています。

「OFFにしているのは能力が戻ったことによって感じられる範囲が広くなったからだ。広範囲で命を感じているから普段落ち着かなくてな。それでOFFにしている」

今回の話では永遠亭に着くまではこの能力はOFFにしていました。着いた時に蓬莱人の命を感じるために使いました。

次にミコトさんが命から知ることができる情報です。

「俺は命を感じる時にその者の生命力と能力を知ることができる。生命力は命にそのまま直結しているから容易に知ることができる。能力については命に刻み込まれた情報として知ることができるんだ」

つまりミコトさんは命を知ることによってそのもののおおよそ力量がわかるといってもいいですね。

「まあそれでもわからないこともある。生命力以外の霊力やら魔力を正確に理解することはできないし能力だって大まかな今年かわからないから細かくどんな能力でどう使えるのかまではわからないしな」

それでも十分チートな能力ですけどね。正直やりすぎた感があります。

「だがもうこの能力前提で話を考えてるんだろ?だったらこれで進めるしかないだろう」

まあそうですね。チートな能力ですがそこまで露骨に乱用させて話自体をつまらなくしないように気をつけていますし。それにこの能力があっても戦闘で無敵というわけではありませんし。

「まあその辺は主のさじ加減だな」

ですね。さて、今回はここで締めましょう。後、申し訳ありませんが今回も次回予告はなしです。話が全然まとまっていないので。それでは!

「「次回もまたきてください(きてくれ)!」」

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