東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第125話!

今回はミコトさんと輝夜さんがメインです!

「俺もラストの方でちょい出てくるよ~」

「え~・・・・・」

「え~言わないでよ!それはさておき、どうなるかね~」

「それは読んでのお楽しみだな」

ですね。

それでは本編に参りましょう。

「本編どうぞ」





追記
この度東方の話にてクリスマス特別企画を行うことを決定いたしました。

詳しくは活動報告にてご確認をお願いします。


第125話

輝夜は自室で布団にくるまりながら俯いていた。

 

(もう・・・・・・ここには居られないんだ。明日には私は月に・・・・・)

 

今夜もまた月から使者が訪れる。昨夜はどうにか撃退することができたが、今夜はおそらくそうはいかないと輝夜は考えていた。

 

おそらく今夜は昨夜とは比べ物にならない戦力で襲激してくるに違いない。そうなれば・・・・・・抵抗しても無駄であろう。

 

いくらこちらには強大な力を持つ永琳がいたとしても・・・・・向こうにはそれ以上の力を持つ者もいるのだから。

 

(・・・・・嫌だ。月に帰りたくなんてない)

 

輝夜は月に帰ることを望まなかった。月に戻れば・・・・・正確には奴等に連れてかれてしまえば、自身は蓬莱の薬を作るたもの実験に利用される。そうならば輝夜に自由など許されない。一生縛りつけられるのは目に見えてるのだ、誰だって嫌に決まっている。

 

それに何より・・・・・・輝夜は幻想郷とそこに住まう者たちを気に入っている。

 

この地は輝夜達を住人として受け入れてくれた・・・・・いわゆる第二の故郷といってもいい。そしてこの地に住まう者達との交流を輝夜は心から楽しんでいるのだ。

 

その中でも特に・・・・・藤原妹紅と一夢命の存在は彼女にとってかけがえのないものであった。

 

藤原妹紅・・・・・かつて自身に求婚してきた男、藤原不比等の娘で蓬莱の薬を飲んだことによって輝夜と同じく不老不死となった少女。幻想郷に来てからは父親の復讐を理由に輝夜と殺し合う関係にあるが・・・・・・それは輝夜にとっては嫌ではなかった。むしろ、輝夜にとっては充実したものであった。

 

殺し合いながらも、輝夜は妹紅のことを・・・・・大切な悪友、もしくは親友だと思っているのだ。

 

そして・・・・・・一夢命。不死故に誰も愛することができなかった輝夜の心の檻を壊してくれた大恩人にして・・・・・・輝夜の想い人。心の底から慕い、愛した美しく心優しい少年。彼と過ごす時間は・・・・・長い時を生きてきた輝夜にとって、何よりも光り輝く尊い日々であった。

 

だが・・・・・・そんな二人とも、別れなければならない。月に連れ去られれば・・・・・もう二度と会うことができないのは目に見えていた。

 

「嫌・・・・・だ。もっと妹紅と・・・・ミコトと一緒に居たいよぉ」

 

あまりの悲しみから、大粒の涙を流す輝夜。ポロポロポロポロと・・・・・・とめどなく、涙は溢れてくる。

 

「助けて・・・・・誰か・・・誰でもいいから助けて」

 

思わず口から出てしまうのは助けを求める言葉。誰でもいい・・・・・誰でもいいから助けて欲しいという願い。それに・・・・・・答えるかのように現れる者が一人。

 

「輝夜、何をしているんだ?」

 

輝夜の耳に聞き覚えのある優しい声が聞こえてくる。

 

顔を上げるとそこには・・・・・・ミコトが居た。

 

「ミコト・・・・?なんでここに?」

 

「なんでって・・・・・今日来るって約束してただろ?」

 

「あ?」

 

そういえばそんな約束していたと思い出す輝夜。愛しいミコトとの約束を忘れてしまうほどに、輝夜は追い詰められてしまっているようだ。

 

「ご、ごめんなさいミコト。忘れていたわ」

 

「そっか・・・・・まあ仕方ないか。昨日本当に大変だったみたいだしな」

 

「・・・・知ってるの?」

 

「さっき永琳に聞いてな」

 

「そう・・・・・ミコト、私・・・・・いえ、なんでもないわ」

 

輝夜はミコトに助けを求めようとした。月にからの使者から自分を守ってくれと。

 

でも・・・・・そんなこと言えなかった。言えば優しいミコトのことだ、自分を守るために戦ってくれるだろう。しかし、月の使者たちは強いのだ。それこそ幻想郷の大妖怪と呼ばれる者たちに匹敵するほどに・・・・・故に、戦うことになればミコトが傷つくのは明白だ。

 

それは・・・・・輝夜にとっては望むことではない。だから輝夜はミコトに助けを求めることができなかった。

 

だが・・・・・そんな輝夜の心境は、ミコトにはお見通しだ。

 

「・・・・・輝夜」

 

ミコトは輝夜を覆っていた布団を剥がし、輝夜を優しく抱きしめた。

 

「ミ、ミコト?」

 

「輝夜・・・・・俺が守るよ」

 

「え?」

 

「俺が・・・・・輝夜を守る。月になんて連れて行かせやしないさ」

 

ミコトは優しい声色で、輝夜に言い聞かせる。

 

「だ、駄目よ!あいつらは強いの!私を守ろうとすればミコトが・・・・・!」

 

「たとえ傷つこうとも守る。守ってみせる」

 

「私は嫌!ミコトに傷ついて欲しくない!私のこと守らなくていいから!助けてくれなくていいから!だから・・・・・だから!」

 

必死にミコトに訴え掛ける輝夜。本当は嬉しかったのであろう。ミコトが守ると言ってくれて・・・・・・ただ、それ以上にミコトが傷ついてしまうのは輝夜にとっては嫌なのだ。

 

「・・・・・俺のこと心配してくれてるんだな。ありがとう。でもな・・・・・俺も嫌なんだ」

 

「嫌?何が?」

 

「輝夜を守れずに・・・・・輝夜が月に連れ去られてしまうことがだ。輝夜は俺にとって大切な存在なんだ。だから行って欲しくない。輝夜のために・・・・・なにより俺のために。俺は輝夜を守りたい」

 

「ッ!!で・・・・も。それでも私・・・は・・・・」

 

「輝夜・・・・・お前は本当はどうして欲しいんだ?お前は俺に・・・・本当はどうして欲しい?」

 

「どうして・・・・欲しい?私は・・・・・私は・・・・・」

 

ミコトにどうして欲しいか・・・・・そんなの決まっている。

 

傷ついて欲しくはないけれど・・・・それでも輝夜はミコトに・・・・・

 

「・・・・・いいの?私・・・・・言ってもいいの?」

 

「いいんだよ。それは・・・・・俺の願いでもあるんだから」

 

「ミコト・・・・・・守って。私を守ってミコト!月に行きたくない!実験に利用されたくなんてない!私は・・・・・私はここに居たい!永遠亭に・・・・皆のいる幻想郷に居たいの!だから・・・・・だから私を守って!」

 

輝夜は願いを言葉にする。真っ直ぐにミコトを見据え、自身の願いをぶつける。

 

「・・・・・ああ、守るよ。俺は輝夜を守る・・・・絶対に守ってみせる。約束するよ」

 

ミコトは輝夜の手を取りながら約束した。

 

敢えて自身が嫌う『絶対』という言葉を使ってまで・・・・・守ってみせると約束した。

 

「ミコト・・・・・ありがとう。ありが・・・・とう」

 

輝夜はミコトの胸に顔を埋めて涙を流す。先程流した絶望の涙とは違う・・・・・ミコトへの感謝と喜びの涙を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「み、みっともないところを見せてしまってごめんなさい」

 

しばらくして泣き止んだ輝夜は、顔を赤らめてもじもじとしながらミコトに謝る。

 

「みっともないだなんて思わないさ。だから謝る必要はない」

 

「ミコト・・・・・ありがとう」

 

「礼を言う必要もないんだが・・・・・まあいいか。それよりも、お客さんだぞ」

 

「え?お客って・・・・」

 

「輝夜ー!!出てこーい!!」

 

屋敷の外から、輝夜を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「この声・・・・・妹紅ね」

 

「ああ。今日もお前を殺しに来たんだろう」

 

「でしょうね。こっちは大変だっていうのに・・・・・でもまあいいわ。気分転換にちょっと行ってくる」

 

「行ってらっしゃい」

 

輝夜は妹紅と殺し合いをしに、部屋を出て行った。

 

「・・・・・・居るんだろ?出てこいよ」

 

「あははっ!やっぱバレてたか。さっすがミコちゃん」

 

輝夜が出て行った方とは反対の麩から、竜希が出てきた。

 

「人の話を盗み聞きとは感心しないな」

 

「そう言うなって。聞いてたて言っても最後の方ちろっとだけなんだからさ~」

 

「全くお前は・・・・・・」

 

竜希の態度に、ミコトは思わず頭を抱えたくなってしまう。

 

「まあまあ。あ、そうそう。ミコちゃん今夜の事なんだけど・・・・・俺も守ることにしたから」

 

「お前も?」

 

「そ。まあ俺が守るのは永琳さんの方だけどね~。なんか相当強いのが向こうにいるみたいだからね~。だから守るって約束しました~」

 

「あの永琳が言うほど・・・・・・まさか今のお前より強いのか?」

 

「みたいだよ~」

 

「・・・・・大丈夫なのか?」

 

敵方に竜希よりも強い者がいると知り、ミコトは神妙な面持ちで竜希に尋ねた。

 

「大丈夫大丈夫。だってそいつ俺が名前を覚えられないんだよ~?たとえ俺より強くても小物であることは確定的。心配することないよ~」

 

「・・・・・だからだよ」

 

「へ?」

 

「お前より強くのに小物・・・・・・お前が負けることはないだろう。だが、だからこそお前は・・・・・」

 

ミコトは竜希を心配していた。ただ・・・・・・その心配というのは竜希の身を案じてのことではない。

 

戦ってしまえば・・・・・・竜希にとって望まぬ結果になってしまう。それ故の心配だったのだ。

 

「・・・・・ミコちゃん、俺はこの幻想郷を気に入ってるんだよ」

 

「ん?」

 

「気に入ってるからこそ・・・・・・・だからこそ可能な限り誰一人欠けて欲しくないと思ってる。その思いを前にすれば・・・・・まあ、嫌ではあるけど耐えてやるさ」

 

「・・・・・そうか」

 

(あの竜希が・・・・・か)

 

ミコトは少なからず驚いていた。

 

以前の竜希であるならば、自分以上の強者と戦うことなど確実に拒絶していたであろう。戦ってしまえば竜希の特性が災いしてしまうからだ。

 

にも関わらず今回は戦う決意をした・・・・・・それは竜希の心境が外の世界にいたときに比べ変化していることを意味していた。

 

「そのせいでよ~むちゃんの負担が大きくなるってのはアレなんだけどね~。というかミコちゃんこそ大丈夫なの~?俺は多分さっき言ってた奴の相手に手一杯になるんだけどさぁ・・・・・・そうなると他は全部ミコちゃんが相手することになるんだよ~?」

 

「まあそうなるな。でもこっちも大丈夫だよ。何があっても輝夜のことは守るさ」

 

(たとえ・・・・・どんな手を使おうともな)

 

(ミコト・・・・・?)

 

一瞬表情を曇らせるミコト・・・・・竜希はそれを見逃さなかった。

 

「とにかく俺の方も大丈夫だからお前は気にするな」

 

「りょうか~い。んじゃ、今夜はお互い頑張りましょうか」

 

「そうだな」

 

ミコトと竜希は互いに拳を突き合わせ、互いの健闘を祈った。

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!!

今回のゲストはもちろん輝夜さんです!

「よろしく」

はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう!

「今回はミコちゃんが輝夜ちゃんを励ましてたね~。んでもって守るって約束したわけだ」

「本当に嬉しかったわ・・・・でもやっぱり心配だわ。ミコトが傷つくんじゃないかって思うと・・・・」

「それに関しては大丈夫だよある程度の怪我なら能力ですぐに治るしな」

「だけど・・・・・・悪くしたら死んじゃうかもしれないし」

「それも大丈夫だ。俺はもう・・・・・なっちゃってるからな」

「え?なっちゃってるって・・・・・何に?」

あ、それはまだ言っちゃダメですよ。まだ秘密にしておきたいので。

「・・・・・わかったよ」

「ミコト・・・・・そういえば私他にも気になることがあるんだけど」

「なにかな~?」

「最後の方でミコトの様子が少しおかしかったのが・・・・・特にどんな手を使ってでもって」

「あれは・・・・・まあな。いざとなったら禁忌にしてるスペルカードを使うことになるってことだ」

「禁忌?それって幽々子さんに使った黄泉の伊邪那美?」

「いや・・・・・それの方がまだマシさ」

「黄泉の伊佐波って命を奪うスペルカードよね?それのほうがマシって・・・・・」

まあミコトさんが禁忌にするほどですからね・・・・・・相当おぞましいですよ。

「そう・・・・・それを使ってでもミコトは私を・・・・・」

「謝るのはなしだぞ?」

「わかってるわ。謝ったりなんてしない・・・・・だから全部が終わったら改めてお礼を言うわ」

「ん、そうか」

「・・・・・あの~輝夜ちゃん。俺のことに関してはスルーなのかな?ほら、俺の望まない結果になるっていうあれ・・・・」

「ごめん、そこまで竜希に興味ないから」

「あ・・・・そですか」

でもまあ、それに関しても結構やばいんですけどね・・・・・竜希さんの特性。

「そうだな」

「そうなのね」

「・・・・・やっぱりあんまり興味なさそうなんだね。まあいいけど」

さて、今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・・・



「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きなさい)(きてください)!!」」」」








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