東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第113話!

今回から本格的にルミナスさんのところのキャラが登場します!

「ここから本格的にコラボするってことだね~」

「そのようだな」

それでは本編にいきましょう。

「本編どうぞ」


第113話

「・・・・・え?」

 

「早苗・・・・・お前今なんて?」

 

守矢神社に訪れた霊夢と魔理沙は、早苗の口から告げられたそれに呆然としていた。

 

「お望みならば何度でも言いますよ。私は・・・・・・ミコト先輩に告白しました。愛していると」

 

早苗はニコリと頬笑みを浮かべながら、再度あの日の夜にあったことを話す。

 

「・・・・・」

 

おもむろに早苗の前に立つ霊夢。そして右手を振り上げ、早苗の顔をめがけてふり下ろそうとした瞬間・・・・

 

「ちょい待ち霊夢ちゃん」

 

突然現れた竜希に右手を掴まれ阻まれてしまった。

 

「・・・・竜希。なんであんたがここに居るのよ?」

 

「それは後で話すとして・・・・・気持ちはわかるけどダメだよ霊夢ちゃん。さなちゃんにビンタなんて、そんなことする権利は君にはないでしょうよ?」

 

「でも・・・・・」

 

「でもじゃない。いくらなんでもそれは理不尽すぎる。そもそもさなちゃんのしたことは非難されることじゃあないしね」

 

「・・・・・わかったわよ。ごめん早苗」

 

口調は変わらずとも真剣な表情の竜希に諭され、霊夢は早苗に謝罪しながら腕を下ろした。

 

「いえ、気にしないでください。私も霊夢さんの立場だったら同じことをしようとしたかもしれませんし」

 

「ふ、二人共ヴァイオレンスだなおい・・・・・」

 

霊夢と早苗の言動に思わず冷や汗を流す魔理沙。

 

「ところで竜希先輩はどうして守矢神社に?」

 

「俺はまあ霊夢ちゃん達と同じでミコちゃんの様子がおかしかった理由をさなちゃんに聞こうと思ったんだけど・・・・」

 

「だけどなんだぜ?」

 

「・・・・・ついさっき紫さんに会ってね~。そのへんの事情は全部教えてもらった。まさかさなちゃんがミコちゃんのことを好きだったなんて全然気が付かなかったよ~」

 

竜希は苦笑いを浮かべながら言う。察しはいい方なので気づけなかったのは彼なりに動揺しているようだ。

 

「まあ隠していましたので・・・・・神楽先輩は気がついていましたが」

 

「あ~・・・・なるほど。それでか」

 

竜希は意味ありげに呟いた。

 

「え?それでかって・・・・・どういうことですか?」

 

「いや、こっちの話だから気にしないで。それはそうとして本題に入らないとね~」

 

「本題?」

 

「そ。俺がここに来た理由は紫さんから霊夢ちゃんに伝言を頼まれたからなんだよね~」

 

「紫から伝言?」

 

「うん。全く紫さんは・・・・・絶対に霊夢ちゃんにどやされたくなかったから俺に任せたんだろうな~」

 

頭を掻きながらうんざりした様子で竜希はぼやく。

 

「霊夢にどやされるって・・・・その伝言ってそれほどの内容なのか?」

 

「そりゃあもうね」

 

「どやすどやさないは聞いてから決めるとして、紫からの伝言ってなんなのよ?」

 

「・・・・・ミコちゃん、しばらく留守にするってさ」

 

竜希はひどく言いにくそうに紫からの伝言を話した。

 

「は?ミコトがしばらく留守にするって・・・・・どういうことよ竜希!」

 

(うわ~・・・・・やっぱりどやされたよ~)

 

竜希を激しく怒鳴り散らす霊夢。予想通りのことに竜希は内心で凹んでいた。

 

「ミコトはどこにいるの!答えなさい竜希!」

 

ミコトを連れ戻そうと考えているのであろう。霊夢は竜希に居場所を問いただす。

 

「迎に行こうとか思ってるなら無駄だよ霊夢ちゃん。ミコちゃんは今・・・・()()幻想郷には居ないから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミコトさん、どうして・・・・!?」

 

どうしてここに居るのかとミコトに尋ねようとした葵であったが、その言葉は途中で途切れた。

 

なぜなら・・・・・聞く必要がなくなったからだ。

 

葵の持つ『未来と過去を見る程度の能力』・・・・・その力が発動し、ミコトの過去からを見てなぜ神無月神社に訪れたのかを知ったのだ。

 

「葵、お前は・・・・」

 

「とりあえず神社の中に入りましょう。お茶を出しますので」

 

「・・・・・わかった」

 

ミコトが何かを言おうとするのを遮るように、葵は頬笑みを浮かべてミコトに告げる。

 

ミコトは葵に促されるままに神社の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葵に連れられ、神社の居間に赴いたミコト。そこには二人の人物がいた。

 

「お前は・・・・ミコト?」

 

二人のうちの一人・・・・・金髪紅眼の少女、ルカがミコトの姿を見て不思議そうな表情を浮かべる。

 

「葵、なぜミコトがここに?」

 

今度は陰陽師の服を着て九の尻尾と狐耳を持つ女性、この神社の神である鬼灯が葵に尋ねる。

 

「ミコトさんはついさっき神社の境内で会ったの。それでお茶を出そうと思って」

 

「・・・・・そうか」

 

鬼灯に説明する葵であるが、その内容には肝心なミコトが神無月神社に訪れた理由がない。

 

忘れていたのではなく、これはわざとであり、そのことに気がついている鬼灯は深くは追求しなかった。

 

「それじゃあミコトさん、お茶を淹れてきますので待っていてくださいね」

 

「ああ。ありがとう」

 

お茶を淹れに行く葵を見送った後、ミコトは居間に入って腰を下ろした。

 

「・・・・・・」

 

「どうしたルカ?俺の顔になにか付いているか?」

 

ミコトはじっと自分を見つめてくるルカに尋ねた。

 

「・・・・・別に。なんでもない」

 

「そうか」

 

(・・・・・やはり警戒されてるか)

 

なんでもないと答えるルカであるが、ミコトはルカの考えに気がついていた。

 

ルカは基本的に疑り深い。初対面でないにしろ、彼女にとってミコトは他人。それこそ神無月神社に訪れた理由もわからないので警戒するのは無理もないことであった。

 

もっとも、ミコトの纏う雰囲気が葵のそれに近いこともあり、普段よりもその警戒心は薄いのであるが。

 

「とりあえず葵が来るまで時間を潰そう。ミコト、お前は碁か将棋は打てるか?」

 

「どっちもできるよ」

 

「では将棋にするか。相手をしてくれるか?」

 

「ああ。俺でよければ」

 

ミコトの承諾を受け、鬼灯は将棋の準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました・・・・・あ、ミコトさん鬼灯と将棋打ってるんだ」

 

お茶を持って居間に戻ってきた葵の目に、将棋を打つミコトと鬼灯姿が映る。

 

ただ・・・・・その光景は少々異様であった。

 

「・・・・・ねえルカ、将棋ってあんなに早く打つものだったけ?」

 

ミコトと鬼灯の駒を打つスピードはあまりにも早い。相手が打ったらすかさず自分も打つといった感じで考える時間など殆どなかった。

 

「まあそう思うのも無理ないか。普通にやるのもアレだからって一手一秒ルールで打ってるらしい」

 

「一手一秒って・・・・・それで将棋って成り立つの?」

 

「普通は無理だな。あそこまでいくと凄いを通り越して軽く呆れる」

 

とんでもルールであるにもかかわらず平然と将棋を打つ二人を見て、葵とルカは思わず苦笑いを浮かべていた。

 

そうこうしているうちに・・・・・二人の対局は終わりを迎えた。

 

「・・・・・参りました」

 

鬼灯に頭を下げ、自らの負けを宣言するミコト。

 

「ふむ。楽しい対局だったぞミコト。ただ・・・・・・」

 

「ただなんだ鬼灯?」

 

「・・・・・・随分と雑念が目立っていたな。なにか別のことで頭が一杯になっているように思えたぞ?」

 

「・・・・・・」

 

鬼灯が言うと、ミコトは神妙な面持ちで口を閉ざす。それは図星である何よりの証明であった。

 

「ミコト、お前は・・・・・」

 

「そ、それよりもお茶にしよ鬼灯!」

 

「・・・・そうだな。せっかくのお茶が冷めてしまう」

 

半ば強引に話を中断させて鬼灯にお茶を差し出す葵。その挙動は明らかに不自然であったが、鬼灯は話をやめてお茶を受け取った。

 

「ミコトさんもどうぞ」

 

「ああ。急でなければお茶菓子の一つでも作ったんだが・・・・・」

 

「大丈夫ですよミコトさん。お気持ちだけで嬉しいですから」

 

申し訳なさそうに言うミコトに対して、葵は笑顔で言う。

 

「急でなければか・・・・・元々ここに来る予定はなかったんだな?」

 

ルカが訝しげな表情でミコトに尋ねた。

 

「ああ。紫のスキマで突然な」

 

「そっちの紫がか・・・・・まあそんなことするのはあいつぐらいか。どの世界でも厄介な奴だな」

 

「それに関しては激しく同意する」

 

紫に対して愚痴を言うルカにミコトも同感のようだ。

 

「だがミコト、そうなったらどうやって向こうに帰る?」

 

「まあ紫からの迎えを待つしかないんだが・・・・・」

 

鬼灯に返事を返すが、明らかに言いよどんでいる。

 

当然であろう。なにせ・・・・・その迎えというのがいつ来るのかはミコトにはわからないのだから。

 

「もし今日中に迎えが来なかったらどうするんだ?」

 

「その時はまあ野宿するつもりだが・・・・・」

 

「野宿なんてダメですよミコトさん!いくらミコトさんが強くても幻想郷で野宿なんて危ないです!」

 

葵は少々声色を強めてミコトに言い放つ。

 

「まあ妖怪が彷徨いてる中で野宿は確かにな」

 

「ミコトなら大丈夫だろうが、襲ってくる妖怪は大量にでてくるだろう」

 

ルカと鬼灯もまた、葵と同じ気持ちのようだ。

 

「と言われても・・・・・・それ以外思いつかないし」

 

「でしたらミコトさんさえよければうちに泊まりませんか?」

 

「え?俺としては助かるが・・・・・いいのか?」

 

「はい。もちろんです」

 

ニッコリと眩しいほどの笑顔を浮かべながら葵はミコトに言う。

 

「そうか・・・・・ならそうさせてもらうよ。ありがとうな葵」

 

「いえ。お気になさらず」

 

こうして、ミコトは紫からの迎えが来るまで神無月神社に泊まることになった。

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!!

今回のゲストはもちろんルミナスさん作の『東方~もう一人の巫女~』の神無月葵さんです!

「よろしくお願いします」

「よろしくな葵」

「はい、ミコトさん」

「思ったんだけど・・・・二人って結構仲いいよね~」

まあ結構似ているところがありますからね。

それはそうとして・・・・・・キャラを上手く再現できてるか不安で仕方がないです(汗)

「だ、大丈夫ですよExさん。そんなに落ち込まないでください」

「葵、こいつなら大丈夫だ。これでもハーメルン1のサンドバッグになれる素質を持ったやつだから」

人をマゾみたいに言わないでください!

「あの・・・・『まぞ』ってなんですか?」

「あ~・・・・・うん。別に知らなくてもいいことだから気にしないで」

「主・・・・葵に変なこと吹き込むな」

理不尽すぎません!?というか銃構えるのやめてマジで!

「なんか葵ちゃんがいるおかげでミコちゃん若干暴走してる気がする・・・・というか葵ちゃん主のことExって呼ぶんだ」

「はい。おかしいでしょうか?」

いえいえそんなことありませんよ。呼ばれなれてますし。

「そういや感想とかじゃそう呼ばれることが多いなお前・・・・・昔はXって呼ばれてたことも多かったし」

「俺達は主って呼ぶから慣れないけどね~。というかなんかExって感じしない顔してるし~。かといってshinって感じでもないし」

「もういっそお前で統一するとか?」

人の呼称を勝手に統一しないでください!

「えっと・・・・お二人共Exさんのことを弄りすぎでは?」

「大丈夫だ。これがうちの平常運転だから」

「それにそっちのレティシアさんよりはまだ軽いほうだよ~」

あの・・・・・レティシア様とはそもそも比較にもならないかと。

「で、でもあの人はその・・・・・悪意は決してありませんから」

そこがいいんですよね本当に。

「・・・・・・レティシアさんがここに来たら大変なことになる気がする」

「竜希・・・・・それフラグだからな?」

「あ?やっぱり?」

さて、今回はここで締めにしましょうか。

それでは・・・・・



「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きてください)!!」」」」

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