東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第103話!

今回で年内最後の投稿!お話の内容は天狗コンビの登場です!

「あの二人か・・・・・」

「文ちゃんはともかくとしてあの子は初登場だね~」

そうですね。

それでは本編にいきましょう。

「本編どうぞ」


第103話

「皆、ちょっとストップ」

 

山の奥へと進む途中、ミコトが皆を引き止めた。

 

「ミコちゃん、もしかして・・・・」

 

「ああ。お前の思っている通りだと思うぞ」

 

皆が何事かと首を傾げる中、竜希だけは察したようだ。

 

「どういうことだぜミコト?」

 

「ああ・・・・・ここに向かって急速に近づいてきている奴がいる。多分俺達を山から追い出すためだろうな」

 

「また?」

 

ミコトの話を聞き、霊夢は嫌そうに顔を顰めた。

 

「まあ俺達はこの山の妖怪からしたら侵入者だから仕方がないでしょ~」

 

「そうですね・・・・・ちなみにミコトさん。数は何人ですか?」

 

「二人だ。しかも・・・・・」

 

「あややややや!!見つけましたよ!!」

 

「だから早すぎますって文様~!!」

 

妖夢の問いかけに答えようとしたミコトの言葉を遮るようにして、射命丸文と文に涙目でしがみつく獣の耳と尻尾を持つ少女が登場した。

 

「・・・・・この通り一人は文だ」

 

ミコトは頭が痛いと言ってように額に手を当てる。他の者(竜希を除く)も面倒そうな表情をしている。

 

「文様・・・・・この人達に何かしたのですか?なんかすごく面倒そうにしているんですが」

 

「あやややや・・・・・心当たりはないんですがね~」

 

ジト目気味で尋ねる少女に文が苦笑いを浮かべながらそう答えた。

 

「まあそれはともかくとして!ミコトさん!早速取材を受けてもらいますよ!」

 

「いやいやいや・・・・・俺が言うのもなんだが文のやるべきことってそれじゃあないだろ?」

 

文はペンとメモを手に取りながら迫る文をミコトは窘めた。

 

「彼の言うとおりですよ文様・・・・私達の目的は彼等をここから先に通さないことです」

 

少女はミコトに同意しつつもミコト達に鋭い視線をぶつける。

 

「わかっていますよ椛さん。ちょっとした冗談ですよ」

 

「ですが彼が了承したら取材する気だったんですよね?」

 

「それはもちろん♪」

 

「・・・・・はあ。やっぱりこの人疲れる」

 

ガックリを肩を落とす少女。登場してほんのわずかであるにも関わらず彼女の疲労はマッハだ。

 

「あ~・・・・・君大丈夫~?」

 

そんな様子の少女に流石に同情したのか、竜希が優しい声色で声を掛けた。

 

「ええまあ・・・・・慣れましたので」

 

「苦労してるんだね~」

 

((((お前が言うな))))

 

竜希のこの言葉に対して、ミコト、霊夢、魔理沙、妖夢の心が一つになった。

 

「ところで君は何者なのかな~?俺としてはできれば知りたいんだけどな~」

 

「え?あ、はい。私は白狼天狗の犬走椛といいます」

 

竜希に名を尋ねられ、少女・・・・・椛は礼儀正しく自己紹介をした。

 

「そっか~、椛ちゃんっていうんだね~。素敵な耳と尻尾をしてるね~」

 

「す、素敵!?」

 

竜希がヘラっとした笑顔で言うと、椛は恥ずかしそうに顔を赤らめた。

 

「あははっ、顔を赤らめて可愛いね~」

 

「可愛いって・・・・うぅ///」

 

さらには可愛いと言われて一層顔の赤さが増していく椛。どうやら言われ慣れていないようだ。

 

ちなみに・・・・・

 

「・・・・・・」

 

そんな竜希の様子を妖夢は面白くなさそうに見ていた。まあ仕方がないことであろう。

 

「それじゃあ俺達はこれで失礼するね。行こっか皆」

 

「そうだな。それじゃあまたな椛」

 

「はいまた・・・・・って違います!」

 

すんでのところで当初の目的を思い出すことができた椛は一行の行く手を阻んだ。

 

「ありゃりゃ残念。もうちょいだったんだけどね~」

 

「惜しかったな」

 

残念そうにする竜希とミコト。どうやら本気で今ので誤魔化して先に進むつもりだったようだ。

 

「何を残念そうにしてるんですかあなた達は!まさか止めなかったら本当にこのまま先に進もうとしていたんですか!」

 

「「そのつもりだった」」

 

(こういう時は息ぴったりなのねこの二人・・・・・)

 

(やっぱりとも変わった奴だぜ)

 

(こういうところを見ると二人は親友だと納得させられます)

 

真顔で椛に返事を返す竜希とミコトを見た霊夢、魔理沙、妖夢はそんなことを思っていた。

 

「あははは・・・・・まあ茶番はこの辺にするとして、あなた達がなん目的をもってこの山に入ったのかは存じませんが私達は天狗の長、天魔様の指示であなた達を山から追い出さなければならないんです」

 

先ほどまでとは打って変わって普段からは考えられないような真剣な面持ちで文が語り始めた。

 

天狗社会は上下関係がかなり厳しい。故に普段ははっちゃけた性格である文であっても、自身の考えがどうであれ天狗の長からの指示には従わざるを得ないのだ。

 

・・・・・まあ先程はミコトの取材を優先しようとしていたが。

 

「文様の言うとおりです。大人しく帰るというならこのまま見逃しますが、もしも帰らないというなら・・・・・強硬手段を取らせてもらいます」

 

自身の持つ刀に手を掛けながら椛は脅しをかける。それに伴って文も扇子を手にとった。

 

「・・・・・悪いな文、椛。俺達には俺達の事情がある。ここで退くわけにはいかないんだ」

 

「強硬手段に出るっていうなら・・・・・相手になるわ」

 

ミコトと霊夢が応戦しようと前にでる。しかし・・・・

 

「二人共ちょっと待った!」

 

二人の前に竜希が立ちはだかり、待ったを掛けた。

 

「なによ竜希?」

 

「悪いけどこの勝負・・・・・よ~むちゃんに任せてもらえないかな?」

 

「・・・・え?」

 

突然の竜希のこの申し出に一番驚いたのは妖夢であった。

 

「そ。そろそろよ~むちゃんには修行の成果を知ってもらわないとね~。というわけで・・・・行けるねよ~むちゃん」

 

竜希は妖夢を正面から見据えながら言う。表情はいつも通り気の抜けた笑顔であるが、その目からは真剣さが感じられる。

 

「竜希さん・・・・・わかりました」

 

先程までは急なことに戸惑っていた妖夢であったが、小さく頷きながら返事を返した。その目からは竜希に応えるかの如く決意が秘められている。

 

「それでは行ってきますね」

 

「うん。しっかり見てるから存分に戦ってきな」

 

竜希に見送られながら、妖夢は文と椛に歩み寄っていった。

 

「なあ竜希ちょっといいか?」

 

「な~に魔理沙ちゃん?」

 

「妖夢を行かせることには特に異論はないんだが・・・・・一人で大丈夫なのか?あの椛って奴のことは知らないがはっきり言って文は強いぜ」

 

「そうね・・・・・私でも結構苦戦するレベルよ」

 

魔理沙と霊夢の言うとおりだ。

 

普段は明るく、はっちゃけたキャラをしている文であるが実はその実力はかなり高い。それこそ幻想郷の中でもトップクラスといってもいいだろう。

 

「それくらい文ちゃんと初めて会った時からわかってたよ。ついでに言うと椛ちゃんも決して弱くはないから二人同時に相手をするのは大変だろうね~」

 

「だったら・・・「でも大丈夫だよ」・・・・え?」

 

「今のよ~むちゃんなら大丈夫だ。なにせ俺が鍛えてあげたんだからさ~」

 

竜希はニヤリと笑みを浮かべながら言う。

 

「・・・・そうだろうな。でなけりゃお前が送り出すはずがない」

 

「さっすがミコちゃんわかってる~」

 

「まあ俺も昔お前に鍛えられていたからな」

 

ミコトもかつては竜希に修行を付けてもらったことがある。だから問題ないと判断しているようだ。

 

「まあ心配せずに霊夢ちゃんと魔理沙ちゃんは黙って見てればいいよ~。多分そう長くはかからないだろうしさ~」

 

「・・・・わかったわ」

 

「そうさせてもらうぜ」

 

霊夢と魔理沙はひとまずは竜希の言うことに納得することにして、妖夢に視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あやや?妖夢さん一人ですか?」

 

「はい。私一人で相手をさせてもらいます」

 

「・・・・・そうですか」

 

椛はわかりやすく不機嫌さを顕にする。

 

「一応言っておきますが私はあなた達二人を侮っているわけではありません。私が一人で戦うのは・・・・・自分の今の強さを知るため。竜希さんに鍛えられ、今の私がどれだけの強さを手にしているのかを知るためです」

 

「・・・・・わかりました。でしたら手加減は致しません。全力でやらせてもらいますよ」

 

「一人で戦いに趣いたこと・・・・・後悔してください!」

 

ガキン!

 

椛は刀を振りかざし、妖夢に先制攻撃を仕掛けた。妖夢はそれを右手で抜刀した楼観剣で受け止める。

 

「私もいきますよ!」

 

ビュン!

 

文が扇子を翻すと、妖夢に向かって突風が放たれる。突風は妖夢の体を襲うが、妖夢は下手に逆らうことはせずにむしろ体を預けることによって風による負荷を無くし、風に乗って上手く椛から距離をとった。

 

「あやや・・・・・今のに怯まずに逆に利用するとは中々やりますね」

 

文は自身の風を巧みに利用した妖夢を素直に賞賛する。

 

「感心している場合ではないですよ文様・・・・・」

 

「わかっていますよ椛さん。今度は・・・・・利用なんてさせませんから」

 

不敵な笑みを浮かべながら椛にそう返す文。

 

「そういう椛さんこそ・・・・しっかりお願いしますよ」

 

「わかっています!」

 

文に返事を返した後、椛は再び妖夢に斬りかかっていった。

 

(大丈夫・・・・・私はあの『最強』の竜希さんに鍛えられたんだから)

 

妖夢もまた、左手で白楼剣を抜刀しながら椛に斬りかかりに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢の戦いはまだまだ始まったばかり。

 

はたして妖夢はどれほどの強さを手にしているのだろうか・・・・




あとがき座談会のコーナー!IN東方!!

ゲストは今回初登場した犬走椛さんです!

「よろしくお願いします」

はいよろしくお願いします。それでは進めていきましょう。

「とりあえず椛ちゃん。早速一つお願いがあるんだけど」

「なんですか竜希さん?」

「尻尾もふもふさせて!」

「えぇっ!?」

あ、ずるいですよ竜希さん!私だってもふもふしたいんですから!

「ええぇぇぇぇぇ!?」

「お前らな・・・・・やめてやれよ。椛が戸惑ってるだろ」

「だってさミコちゃん~。こんな素敵な尻尾もふもふしたくなるに決まってるじゃん」

全くもって同感ですね。

「あ~・・・・・そういや竜希は無類の犬好きで主は獣尻尾好きだったな」

「だからってそんな・・・・・私にも心の準備がいります」

「心の準備が出来てたらいいのかよ・・・・・」

「と、とりあえず本編で少し慰めてくれた竜希さんなら少しならいいですよ」

「やった!」

あの~・・・・・私は?

「・・・・・ごめんなさい」

そんな~(泣)

「まあ主の場合は絵的にやばいからね~。というわけで椛ちゃん、もふもふさせてもらうね~」

「は、はい。どうぞ」

「あ~・・・・・すっげえ気持ちいい~。手触り最高だね~。ずっとこうしてたいな~」

「ありがとうございます」

「・・・・・なあ主。本編見て思ったんだけどさ」

なんですか?

「もしかしなくても・・・・・椛って竜希のハーレムか?」

「そのあたりのことは私も詳しく知りたいですね」

うおっ!?妖夢さんどうしてここに?

「竜希さんのハーレムに関わることなのでどうしても気になって・・・・・それでどうなんですか?」

それはまあ・・・・・その通りですね。椛さんは竜希さんのハーレムの一員です。

「やっぱりですか・・・・・」

「そんなに落ち込むな妖夢。メインヒロインがお前であることには変わりないんだから」

「そうですけど・・・・・その割には本編では竜希さんとそういう雰囲気になることが少ないんですよね」

それは・・・・はい。申し訳ありません。いつかちゃんと書きますのでそれまでお待ちを。

「ならいいですけど」

ご理解ありがとうございます。

さて、今回はここで締めにしましょう。

「本編の話殆どしてないな・・・・」

それは言わんといてください・・・・・

「竜希さん、椛さん。もう締めに入るみたいですよ」

「了解~・・・・って、よ~むちゃん?どうしてここに居るの?」

「まあ色々あるんですよ」

「・・・・・私ゲストで呼ばれたのに結局殆ど話してないんですけど」

「あ~・・・・・なんていうかドンマイ」

「まあいいですけど・・・・・」

さ、さあ締めに入りますよ。

それでは・・・・・・












「「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きてください)!!」」」」」

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