とうとう本編で数えて100話に到達!
「それなのにまだ風神録なのか・・・・」
「進行遅いね~」
・・・・・まあ否定はしませんが。
それはそうと今回は早苗さんが訪れた日の翌日のお話です。
「今回は少し独自解釈が入ってくるから注意してくれ」
「それじゃあ本編に行くよ~」
本編どうぞ。
「へえ、昨日そんなことがあったのか」
早苗の来訪の翌日。もはや日課に近い頻度で博麗神社に訪れた魔理沙に、ミコトと霊夢は昨日の出来事を話した。
「あ~もう、今思い出しても腹が立つわ」
「まあまあ、少し落ち着けよ霊夢」
机に肘をつきながらムスっとした表情をする霊夢にミコトはお茶を差し出して宥める。
「まあ霊夢の気持ちはわからないでもないぜ。いきなりきて神社を廃社しろって言ってその上ミコトを連れて行こうとするんだもんな。私が霊夢の立場だったら絶対マスパ食らわせてたぜ」
「魔理沙それは流石にやりすぎじゃ・・・・」
「そんな事ないわよ。私だって夢想天生食らわせようと思ったし」
「・・・・・そいつはマジで洒落にならないからやめろ。早苗は俺にとって大切な後輩なんだから」
「わかってるわよ。だからやってないんじゃない」
「そ、そうか・・・・」
一応霊夢もミコトの心情を察してか早苗に手荒な真似をすることは躊躇ったようだ。
「でもどうするんだ?さっきの話からするとその早苗って奴はまたそのうちここにくるんだろ?そうなったら色々と面倒になると思うんだが・・・・」
「わかってるわよ。だからどうしようか魔理沙に相談してるんじゃない」
(今相談されてたのか・・・・てっきり愚痴を聞かされたたと思ったぜ)
まさか今まさに相談されていたとは思いもしなかった魔理沙はそう思った。
「それで?どうしたらいいと思う魔理沙?」
「いや、どうしたらいいと言われてもな・・・・・・とりあえず神社の事はともかくとしてミコトがここから出ていくことには反対だな・・・・・ミコトに会える頻度が下がるの嫌だし(ボソッ)」
「ん?魔理沙最後になんて言った?」
魔理沙が最後に小声で言った言葉を聞き取れなかったミコトは魔理沙に尋ねる。
「なんでもないぜ。気にするな」
「?そうか・・・・・」
「それよりも魔理沙、神社のことはともかくってどういうことよ?」
「いや、私からしたらそんなに問題じゃないから・・・・」
「何言ってるのよ!これは由々しき問題よ!」
「霊夢の言うとおりね」
「「ん?」」
突然聞こえてきたその場にいないはずの4人目の声に首を傾げる霊夢と魔理沙。
すると・・・・・
「こんにちは霊夢、魔理沙、ミコト♪」
スキマが開いて中から紫が現れた。
「ほら紫」
「ありがとう」
紫の突然の登場に全く動揺することなく、ミコトは紫にお茶を差し出し、紫はそれを受け取った。
「紫・・・・またあんたは勝手に」
「んでミコトは例によって気づいてたのかよ・・・・・」
ミコトと紫のやりとりを見て霊夢と魔理沙は呆れ顔になる。二人からしたら別段珍しい光景ではなくなっており、若干億劫になっているようだ。
「あら?二人共そんな顔してたら幸せが逃げるわよ?」
「「誰のせいだと思ってるのよ(思ってるんだぜ)・・・・・」」
「ふふっ、誰のせいかしらね~♪」
霊夢と魔理沙に対していたずらっぽい笑顔を向けて言う紫。本当にいい性格をしている。
「まあそれはともかくとして、大体の事情は把握しているわ。博麗神社が廃社になるのは私にとって・・・・というよりも幻想郷にとって由々しき事態だわ」
先程までとは一変し、紫は真剣な表情で浮かべた。
「どういうことだぜ紫?」
意味がよくわかっていない魔理沙が紫に説明を求める。
「どうもこうもないわ。この博麗神社は幻想郷と外の世界の境界に建っている。つまり幻想郷と外の世界の両方に存在しているのよ」
「幻想郷と外の世界の両方に?そんなことありえるのか霊夢?」
「ええ。博麗大結界によってその矛盾を可能にしているの。そしてその結界を管理することが博麗の巫女である私の・・・・ひいては博麗神社の役割なのよ」
「その博麗神社が廃社なんてしてみなさい。幻想郷と外の世界との境界がなくなって二つの世界が混ざり合ってしまうわ。そうなってしまったら幻想郷が消滅してしまう恐れさえある。だから博麗神社が廃社するのは由々しき問題なのよ。博麗大結界の管理は博麗の巫女以外には務まらないし」
「そうだったのか・・・・知らなかったぜ。ミコトは知ってたか?」
「ああ。前に気になって霊夢に聞いたからな。あと補足するならば幻想郷と外の世界との境界は博麗神社以外にもある。まあそっちは滅多なことがない限り行き来できないがな」
ちなみにその滅多なことで幻想郷に訪れたのが竜希だったりする。
「まあともかく博麗神社が廃社になるのがヤバイってことはよくわかったぜ。それだったらマジでなんとかしないとな・・・・」
「だからそれをどうするのかを話し合ってるんじゃない」
「といってもこれといっていい案は思いつかないんだけどな」
「あら?別にわざわざ話し合う必要なんてないじゃないかしら?」
「どういうこと紫?」
霊夢は首を傾げながら紫に聞く。ミコトと魔理沙も気になるらしく紫の方を見ている。
「何のために"弾幕ごっこ"っていうものがあると思ってるの?」
「「「・・・・・あ」」」
3人はそろって間の抜けた声を上げる。どうやら弾幕ごっこの存在はすっかりと頭から抜けていたようだ。
「そっか・・・・そういえば弾幕ごっこってそういう問題ごとを解決するためにあったんだった」
「完全に忘れてたぜ」
「霊夢、魔理沙・・・・・・・あなた達どうやったらそういう肝心な事を忘れられるの?というよりミコトならすぐに思いついたと思うのだけれど?」
「いや、俺にとって弾幕ごっこは危険なものっていう認識が強かったから・・・・」
まあミコトがそう思うのも無理もないかもしれない。なにせミコトが今まで行ってきた弾幕ごっこのほとんどは命懸け、あるいは多大な被害を被るものであったのだから。
「でも早苗は最近こっちに来たばかりだぞ?それなのに弾幕ごっこで決着をつけるって不公平じゃ・・・」
「何を言ってるのよミコト。『郷に入れば郷に従え』って言うでしょ?向こうは望んで幻想郷に来たのだから幻想郷のルールに従うのは当然よ」
「言っている事は尤もだが・・・・向こうが弾幕ごっこを受けなかったら?」
「それこそその時は潔く諦めてもらえばいいのよ。それが幻想郷のルールだって言ってね」
「・・・・・まあ確かにそうだな」
ミコトの疑問に淡々と答える紫の言うことは一切破綻はなく、ミコトは納得した。
「思い立ったが吉日。結論が決まったのならさっさと乗り込みなさい。あまり長引かせると面倒なことになりかねないわよ?」
「それもそうね。ミコト」
「ああ」
紫に促されて出発しようとミコトと霊夢が立ち上がる。
だが・・・・
「ちょっと待った」
魔理沙が二人に待ったをかけた。
「なによ魔理沙?もしかしてついて来る気?」
「まあそれもあるんだが・・・・それよりも大事なことだ」
「大事なこと?」
「・・・・・二人共相手がどこにいるのかわかってるのか?」
魔理沙はミコトと霊夢に相手の居所を尋ねる。
確か早苗がいる守矢神社のある場所は早苗の口からは語られてはいなかった。
だがまあ・・・・・
「わからないわ。でも問題ないわよ。勘で探すし」
「ある程度近づけば俺の能力で見つけられるしな」
この二人からすれば全くと言っていいほどに問題にはならない。霊夢の超常的な勘とミコトの異常なまでの探査の能力があればこの幻想郷で見つけられないものなどほぼないと言っても過言でないであろう。
「そ、そうか。ならいいんだけどな」
「それじゃあ今度こそ行くわよミコト、魔理沙」
「ああ」
「わかったぜ」
霊夢を先頭に、二人は守矢神社に乗り込むため博麗神社を後にする。
「行ったわね・・・・それじゃあ私も彼を呼びに行こうかしら」
一人博麗神社に残された紫はスキマを開き、その中へと入っていった。
あとがき座談会のコーナー!IN東方!
今回のゲストは霊夢さんです!
「よろしく」
はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう。
「とりあえず気になったんだけど・・・・・なんで今回は冒頭にみこちゃんとさなちゃんの過去話なかったの?」
「まさかもうネタ切れしたのかしら?」
そういうわけじゃないですよ。あれは早苗さんが出るときにやるって決めていたから出さなかったんです。
「そうなのか」
ええ。なので当分はあれはないですね。次の早苗さんの出番は結構先ですから。
「そう。まあ私からしたらどうでもいいけど」
「いやいやいや・・・・・一応あれ楽しみにしてた読者もいるかもしれないんだからそれはないんじゃないの霊夢ちゃん?」
「うるさいわね。黙りなさい」
「うわ~・・・・辛辣だな~」
「だがいくらなんでも言いすぎだと思うぞ霊夢?」
「・・・・・そうね。ごめんなさいミコト」
「いや、俺に謝られても・・・・まあ反省しているならいいが」
「・・・・・なんだろう?この扱いの差は?」
それがデフォでしょう?
「まあそうだけど~」
それはともかくとして次回からは妖怪の山へ突入する話となります。原作とは違うところが随所で出てきますので読者の皆様、どうか楽しみにしてください。
「実際原作では出ないキャラも出るしね~」
「誰なのかはある程度予想はつくとは思うが」
「そうね。話の流れで察せれる人はいるでしょうね」
さて、ちょっと早いですが今回はここまでにしましょう。
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きなさい)(きてください)!!」」」」