「旅行に行っていたんだったな」
はい!旅行自体は楽しかったのですが小説を投稿できなかったのは痛かったですね。
「でも暇を見つけて書いてはいたんだろ?」
ええ。さすがに車の中では書けませんでしたがホテル内では書き進めました。
「その結果今までで一番長くなったな」
はい。急いで書いたので少々おかしいところがあるかもですが自分では納得いくものができたと思っています。
「まあお前はの文章力ないから期待していないが」
うっ!そこは言わないでくださいよミコトさん。
「さて、前置きはこれくらいにするか」
そうですね。それでは本編どうぞ!
side ミコト
太陽が沈み、月が登り始めた頃。俺、霊夢、紫、藍、橙の5人は机の上に並べられた料理を味わっていた。
「藍は料理がうまいな。こんなうまいの向こうじゃ滅多に食べられないぞ」
「そ、そうか?ありがとう。ミコトの料理も美味しいぞ。その年でよくここまで作れるな」
「まあ、料理は割と好きだしな。毎日作っていればうまくもなる」
「毎日作っていたのか?」
「ああ、俺が作らなきゃなんなかったからな」
「・・・大変だったんだな」
「別に、そうでもないさ。さっきも言ったように料理は好きだから苦にはならなかった」
藍とそんな会話をしながら、箸をすすめる。やっぱり美味しい。普段味なんてほとんど感じない自分の料理さえ美味しく感じる。みんなと食べているからか?
「・・・ミコト」
「?なんだ、霊夢?」
「今度料理教えて」
「ああ、構わないぞ」
霊夢がそう頼んできたので了承した。断る理由はないからな。
(・・・まさかここまで差があるなんて)
?気のせいだろうか。霊夢の雰囲気が少し暗い気がする。
「ミコト。私もいいか?」
そんなことを思っていると。藍が俺に訪ねてきた。
「構わないが・・・藍に教えられることはほとんどないと思うぞ?」
正直俺より料理うまいし。
「そんなことない!ミコトから教わりたいことは山ほどある!」
「そ、そうか。わかった」
やけに強気に言ってくる藍に気圧され俺はそう答えた。
(やった!またミコトと料理ができる!)
さて、今度俺の得意料理のレシピまとめないとな。俺がそんなことを考えていると。
「ところでミコト?お酒が全然進んでいないようだけど?」
唐突に紫がそんなことを言ってきた。というか紫が渡した酒、ひと口飲んでみたけど結構きついんだよな。飲み慣れていない俺にとって喉が焼けるような感覚がして結構きつい。
「あら、ミコトお酒飲めないの?」
霊夢が俺に聞いてきた。その手にはもう何杯目になるかわからない酒が注がれたグラスを持っている。
・・・・・自分より年下の霊夢がこんなに飲めるのに俺は全然飲んでいない。
(なんか情けなく感じるな)
そう思った俺はグラスを手に持ち、中に入っている酒を一気に飲み干した。やはり喉焼けるように熱い。だが、
(・・・美味しいな)
今まで飲んだことない量の酒を一気に飲み、俺は少し気分がよくなるのを感じた。これが酒の力というやつか?
「あら、なかなかいい飲みっぷりね。そんなに一気に飲んで大丈夫?」
酒を一気飲みした俺に霊夢はそう尋ねた。なので俺は
「「大丈夫だ。問題ない」」
そう返した。しかも紫までかぶせてきた。どうやら紫にはこのお約束がわかるようだ。気がついたら俺と紫は互の手をがっしり掴んでいた。・・・・俺は少し酔っているのだろうか?
「・・・何やってんのよあんたたち」
「いや・・・まあ気にするな」
「そ、そう、それよりもう一杯飲む?」
「ああ、いただこう」
俺は霊夢に酒を注いでもらった。
「ほら、霊夢も」
「ありがと」
霊夢にグラスが空になっていたので(何杯目だ?)酒を注いだ。
「ミコト。私もいいか?」
「ああ」
藍のグラスも空になっていたので酒を注ぐ。
「珍しいですね。藍様いつもあまり飲まないのに」
「そうなのか?」
「ま、まあな。今日くらいいいだろう」
「ふうん。今日くらいね~」
「な、なんですか?紫様」
「ふふ♪別になんでもないわ、ミコト、私にもお願い」
「わかった。橙はどうする?」
「私もいただきます」
「わかった」
そう言って結局俺は全員分注いだ。まあ嫌ではなかったから全然構わない。全員の分注ぎ終えたらまた酒を飲んだ。一度一気に飲み干したからだろうか?あるいは既にアルコールが回っているからだろうか?先ほどよりも楽に飲めた。
「お酒の味は気に入ったかしら?」
「ああ。悪くない」
「そう♪はい、どうぞ」
「まだ入ってるぞ」
「あら?こんな美人のお酌を断るわるのかしら?」
「自分で言うな」
(まあ否定はしないがな)
俺は酒を一気に飲み干し、グラスを紫に差し出した。
「ふふ。律儀ね」
そう言って紫は酒を注ぐ。そして再び酒を飲もうと口をつける。
(ん?)
俺は酒に違和感を覚えた。さっきまでのものと違う。先ほどの酒は恐らく強いものだった。しかしこの酒は・・・・・・もっと強い。
「紫。この酒はなんだ?」
「あら、気づいてしまったようね。このお酒は酒豪の鬼さえ酔わせることができる強いお酒よ」
なんつうもん出してんだこいつ。
「紫、お前なに「み~こ~と~♪」
紫を問いただそうとしたら突然霊夢が抱きついてきた。
「えへへ~♪みことあったゃか~い♪」
霊夢は顔を赤くし、目がトロンとしており、呂律が回っていない。
(・・・間違いなく酔っているな)
誰がどう見ても霊夢は酔っているとわかる。俺は思わず頭を抑えたくなった。そんな俺にお構いなしに霊夢はすり寄ってきた。
「みことょ~♪」
「霊夢。とりあえず離れてくれ」
俺だって年頃の男だ。可愛い女の子にこんな風にすり寄られて来られたら理性が持たない。
「にゃんで?みことはわたゃしのことょきらい?」
霊夢が瞳を潤ませて上目使い気味に俺に対して言う。だから霊夢さん。今は勘弁してください。
「違う。霊夢、落ち着いて聞いてくれ。お前は「霊夢なにやっている!」
俺が霊夢を説得しようとするとが声を荒げて霊夢を注意した。話を遮られたのはあれだが、藍も説得に加わってくれればなんとか・・・・
「わたしもみことにだきつく~」
・・・ならないな。藍も酔っている。恐らく原因は先ほど紫が俺に勧めてきた酒を飲んだからだろう。俺は元凶に事態を収拾してもらおうと睨みつける。
クスクス♪
どうやら無駄なようだ。クスクス笑って楽しんでますアピールをしている。
「みことょ~。だっこ~♪」
「わたしぃも~♪」
駄目だ。ふたり共理性が完全に崩壊している。まだあって間もないがこんなこと普段なら絶対に言わないと断言できる。こうなったら
(橙に助けを)
そうおもい橙の方を見る。しかし、
「スゥ~・・・」
橙は酔いつぶれて眠ってしまったようだ。最後の希望が・・・。いや、逆に考えよう。橙まで霊夢と藍のようにならなくよかったと。それに今は、
「「みことょ~♪」」
このふたりをなんとかするのが先決だ。
「つ、疲れた・・・」
本当に大変だった。あの後、ふたりは頭を撫でてくれやら、だっこしてやら、ほっぺにキスしようとするやら、断ると泣き出すやら、熱いと言って服を脱ごうとするやら本当に大変だった。その渦中のふたりは今眠っている。ダメもとで子守歌を歌ってみたら眠ってくれた。
(やってみるものだな)
俺がそんなことを思っていると
「お疲れ様。ミコト」
元凶がいけしゃあしゃあといってきた。
「全くだ。どこかの誰かのせいで散々だ」
「あら、ひどい人もいたものね」
本当に喰えない奴だ。
「本当にな。これは詫びとして俺の質問に答えてもらいたいな」
「そう、ちなみに聞くけど質問ってなにかしら?」
「なんで霊夢に殺気を向けた?」
そう聞くと紫は表情を変えた。
「・・・気配に敏感だとそういうことにも敏感なのかしら?」
「質問に質問を返すな。いいから答えろ」
「・・・強いていうならあなたが原因よ」
「俺がだと?」
「ええ。私はあなたを・・・あなたが愛されていないことを知っているわ」
「・・・・・・」
「だから霊夢に言ったわ。いざというときはあなたを滅するように。でも、霊夢は断ったわ。それどころかあなたを守ると、救うと言った。だから私は霊夢に言ったのよ。いざというときは霊夢もろともあなたを滅すると」
「・・・そうか」
「驚かないのね」
「紫の言っていることは理解しているからな。俺がどれだけお前たちにとって危険なのかはわかっている」
「そうなの・・・」
「ああ。だが・・・だからこそ断言できる。俺は・・・お前の考えるような驚異にはならない。なぜなら俺は・・・」
『私はお前を・・・お前だけを愛してやる!この私の愛を独占できることを光栄に思え!』
「唯(・)一(・)無(・)二(・)の愛を知っているから。愛されることを知っているから。だから俺はもう・・・愛されなくてもいい・・・」
「・・・どういうことかしら?」
「俺は・・・あいつの愛を独占していた。あいつの唯一無二の愛を。だから俺はもう愛されなくてもいい。俺はもう・・・十分すぎるほどの愛をもらった」
「それを私が信じるとでも?人は強欲よ。一度しれば覚えてしまい忘れられず何度も求める。例えあなたでも・・・いえあなただからこそ例外じゃないわ」
「確かにな普通ならそうだろう。だがさっきも言ったが俺がもらったのは唯一無二の愛だ。あの愛は俺にとって・・・いや、すべてのものにとって特別なもの。あれを得ることができた。俺はそれで満たされた。」
「・・・・・・」
「信じられないといった顔だな。なら俺を・・・・・・
今ここで殺せばいい。今なら何の抵抗もしない」
俺がそう言った後、俺たちの間に沈黙が流れた。
「・・・やめておくわ。確かにあなたは幻想郷にとって驚異になるかもしれない存在よ。でも今はまだ違う。私もできるだけあなたを滅することはしたくないから」
「そうか。・・・優しいんだな」
「勘違いしないでちょうだい。私はただ霊夢の悲しむ顔が見たくないだけよ」
(それを優しいというのだがな)
「私はもう帰るわ。藍と橙は連れて帰るからあなたは霊夢をお願い」
「ああ。わかった。・・・紫」
「なにかしら?」
「・・・生かしてくれてありがとう」
「・・・・・・」
俺がそう言うと紫は藍と橙を連れて黙ってスキマを開いて行ってしまった。
「・・・片づけるか」
そう言って俺は机の上に残った食べ物と皿、グラスを片付けた。食べ物は明日もまた食べられるようにしておいた。それにしても
(『もう愛されなくてもいい』、か)
先ほどの紫との会話で言った言葉。この言葉には少し語弊がある。
正確には『もうあいつ以外に愛されなくてもいい』だ。
あいつの愛以外いらない。あいつ以外に愛されなくてもいい。あいつの愛がもう一度手に入るなら・・・もう別(・)の(・)な(・)に(・)か(・)た(・)ち(・)を愛することができるようになるという願いは叶わなくていい。もしあいつがあもう一度愛してくれたその時は、あいつだけを愛する。・・・たとえそれがあいつの願い望んだ俺でなくても。
「今の俺を見たら・・・お前はどう思うんだろうな・・・
『神楽』」
俺は月を見ながらそう呟いた。
side 紫
ミコトとの話を終え、私は藍、橙を連れ、自分たちの住居に帰ってきた。
『あいつの愛を独占していた。あいつの唯一無二の愛を』
『俺はもう・・・十分すぎるほどの愛をもらった』
『俺はそれで満たされた』
あの時・・・彼が言っていたことが頭の中で反芻する。彼が幻想郷の脅威にならないというのは今もまだ信用できない。でも・・・・
『なあ、紫は・・・紫だけは・・・僕を愛してくれるか?』
「・・・もし、あの時、あなたを愛しきることができたら・・・・・あなたを救えたのかしら?
『紅(くれない)』」
私は、かつて救えなかった・・・私が滅してしまった男の名を呟いた。
あとがき座談会のコーナー!IN東方!
今回はミコトさんとゲストの橙ちゃんことチェェェェェェェェェェンちゃんとの座談会です。
「よろしくお願いします!」
「おい主、本名と通称が逆だぞ」
まあまあいいじゃないですか。橙ちゃんも文句ないみたいですし。
「はい!別に構いませんよ。ミコトさん」
「ならいいが」
さて、座談会に呼ぶのが遅くなってごめんね橙ちゃん。
「いえ、事情があったなら仕方ないです」
ありがとう橙ちゃん。今日はお兄さんになんでも聞いていいですよ。
「おじさんの間違いだろう」
シャーラップ!冗談ではなく私はまだ若いんです!おじさん呼ばわりしないでください!
「最近油ものがきついって言ってたの誰だよ」
うぐっ!そ、それより橙ちゃん。聞きたいことは?
(ごまかしたな)
「(ごまかしました)そうですね、あの猫ちゃんたちのことはまだ答えれないんですよね?」
「あ~はいあの子達のことはまだちょっと・・・」
「なら別のことにします!ミコトさんはにぶすぎませんか?普通あそこまでされたら気がつくと思うんですけど?」
「うっ・・・」
ははは、言われちゃいましたね、ミコトさん。
「・・・あとがきだから言えることだが、たしかにあれはひどいな。某テストと召喚獣のバカと、女しか動かせない兵器を動かす男並みにひどい」
まあ理由はあるんですけどね。ミコトさんはあまりそういった感情を向けられていなかったのでわからないんですよ。自分から他人に関わろうとする人ではないので人の自分に対するそういった感情に鈍いんです。
「え?でも愛してくれた人はいたんですよね?」
彼女はちょっと特殊ですからね。何より自分の感情はストレートにぶつけるのでわかりやすいんですよ。
「そういえば、例の彼女の名前が明らかになったな」
ええ。そろそろ気になっている人もいるかな~と思いましてね。名前を載せました。当然ですが東方のキャラではありません。
「そういえば、紫様とワケ有りそうな方の名前も出てきましたね」
はい。彼については実ははじめは出す予定のない・・・というか思いついてもいないキャラでした。でも唐突に頭に思いつきまして、自分の中でいいアイデアだ!と思ったので彼を登場させることにしました。
「大丈夫なのか?今後の展開に影響与えそうだが」
影響は与えます。ですがいい影響です。彼のおかげで思い悩んでいた部分が一つ解決しましたから。まあ詳しいことは言いませんが。
「今言ったらとんでもないネタバレになってしまいますものね」
そういうことです。さて、そろそろ次回予告で締めますか!あっと、その前にひとつ、神楽さんと紅さんのことを設定に追加しておきます。ついでにヒロインズのミコトに対する感情も載せておきますのでよろしければ確認してください。
ミコトの幻想郷での生活がついにスタート!
ミコトは何を感じ生きていくのか?
そして早速新たな出会いが?
次回 東方~儚き命の理解者~ 第7話
「「「次回もまた来てね(くださいね)!」」」