東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第92話!

今回は咲夜さんのお話の後編ですね!

「まあ・・・・結構あっさり(?)しているな」

「しょうがないんじゃない?この主だからさ」

なんか侮辱されているような・・・・・まあいいですけど。

それでは本編にいきましょう!

「本編どうぞ!」


第92話

noside

 

「着いたぞ」

 

咲夜がミコトに連れてこられた場所は・・・・・

 

「ここって・・・・団子屋?」

 

人里の中にある団子屋であった。

 

「ああ。ここの団子は美味しいんだ。人里の中でも評判はいいし俺もよく来る」

 

「美味しいって・・・・・あなた甘いものは食べられないでしょう?」

 

ミコトが大の甘いもの嫌いであることを知っている咲夜は首を傾げた。

 

「甘くない団子もあるんだよ。とにかくここで息抜きしよう」

 

「え、ええ」

 

咲夜はミコトと共に団子屋の暖簾をくぐる。

 

「いらっしゃいませ・・・・あ!ミコトさん!」

 

店の中に入った二人に挨拶をした団子屋の娘が、お客の一人がミコトでわかるとすぐに満面の笑みを浮かべながらミコトの下に駆け寄ってきた。

 

「今日も来てくれたんですね!」

 

「ああ。ここの団子は本当に美味しいからな」

 

「ありがとうございます!・・・・・・ところでミコトさん。そちらの女性は?」

 

娘は咲夜を見ながら探るように尋ねた。

 

「ああ、彼女は俺の友人兼仕事の先輩だよ」

 

ミコトは素直に咲夜に対して思っていることを言う。

 

「友人兼仕事の先輩・・・・・・ですか」

 

「??どうした?」

 

「えっと・・・・その・・・・・恋人ではないんですか?」

 

娘は恐る恐るといった様子でミコトに尋ねる。

 

「恋人?咲夜が俺の?まさか。そんなわけ無いだろ」

 

「・・・・・」

 

苦笑いを浮かべながら否定したミコトを咲夜は無言で睨みつける。

 

「ん?どうした咲夜?」

 

そんな咲夜の心境など知りもしないミコトは咲夜の態度が気になって尋ねた。原因は明らかにミコトにあるのだが・・・・・

 

「・・・・・別に。なんでもないわ(本当に鈍いんだから・・・・・)」

 

咲夜は内心でミコトに対して悪態をつきながらそっぽを向いた。

 

「よかった・・・・・恋人じゃないんだ(ボソッ)」

 

「え?」

 

「な、なんでもないよ!なんでも・・・・・」

 

娘は焦ったように手を振って誤魔化した。

 

(もしかして・・・・・この娘もミコトの事を?)

 

咲夜はその様子からこの娘もまた、ミコトに気があるのではないかと察する。

 

咲夜のこの考えは正しく、この団子屋の娘はミコトに惚れている。

 

しかもミコトに惚れているのはこの娘だけではない。実はこの人里にいる女性の多くはミコトに好意を抱いていたりする。

 

まあその話は今は置いておこう。

 

「そ、それじゃあ席に案内するからついて来て!」

 

「ああ。ありがとう」

 

ミコトと咲夜は娘に案内された席に座る。

 

「ご注文は?」

 

「俺はいつものよもぎ団子で咲夜は・・・・・どうする?」

 

「ミコトに任せるわ。私はあまり詳しくないから」

 

「わかった。それじゃあ咲夜には3色団子で頼む」

 

「は~い!それじゃあ待っててね!」

 

ミコトから注文を受けた娘は元気よく団子の準備をしに向かった。

 

「・・・・・ねえミコト。聞いてもいいかしら?」

 

娘が去った後、咲夜がいやに神妙な面持ちでミコトに尋ねる。

 

「なんだ?」

 

「さっきこの店にはよく来ると言っていたけれどどれくらいの頻度で来ているのかしら?」

 

「大体週一ぐらいだが・・・・・それがどうかしたのか?」

 

「・・・・まさかとは思うけれどこの店に来てるのってあの娘が目当て?」

 

「・・・・は?なんでそうなるんだ?俺がここに通いつめているのは単純にこの店の団子と茶の味が気に入っているからであの娘はなんの関係もないぞ?」

 

ミコトは咲夜の質問にわけがわからないといったように首を傾げながら答えた。

 

それはミコトにとってい偽ざる考えなのだが・・・・・傍から見ると平然とフラグをへし折っているようにも見える。本人に悪気はないのであろうがひどい話である。

 

「・・・・そう」

 

「??おかしな奴だな・・・・と、そういえば咲夜。あの時からレミリアとフランの様子はどうだ?何か変わったことはあるか?」

 

あの時とはもちろん紅い月が登った日のことである。

 

「ええ。変わりなく過ごしているわよ。というよりあの日ある意味で一番実害を受けたのはミコトなのにお嬢様方の心配をするなんて・・・・そういうところは変わらないわねあなたは」

 

「そういうところ?」

 

「・・・・・まあ自覚していないならそれはそれで構わないわ。気にしなくてもいいわよ」

 

咲夜は悪戯ぽく・・・・だがどこか呆れた様子で笑みを浮かべながら言う。

 

「お待たせしました!お団子とお茶持ってきましたよ!」

 

先ほどの娘が注文しただんごとお茶を持って戻って来た。

 

「ありがとう」

 

「いえいえ、これが仕事ですから!それでは私は接客もありますので失礼しますね!ごゆっくりどうぞ~!」

 

娘はペコリとお辞儀をすると直ぐに別のお客のところに駆けていった。

 

「・・・・・中々騒がしい娘なのね」

 

「まあな。でもいい娘だよ。さて、それじゃあ食べよう」

 

「そうね」

 

二人は串に刺さった団子を一つ口に含んだ。

 

「・・・・美味しいわね。ちょうどいい甘さで・・・・・このお茶ともよく合うわ」

 

咲夜は口の中でよく団子を味わい、お茶に口をつけた後に満足げな表情浮かべる。

 

「だろ?帰りにレミリア達にお土産に買ってったらどうだ?」

 

「ええ、いいかもしれないわね・・・・・ところでミコト。どうして私をここに連れてきたの?」

 

「え?」

 

「だってあなた会った時に用事があって人里に来てるって言ったじゃない。それなのに・・・・どうして?用事っていうのはいいの?」

 

「用事の方は別に構わないよ。人里では見つからなかったから」

 

ミコトは団子を口にしながら言う。

 

「見つからなかった?何か探し物でもしていたの?」

 

「あ~・・・・・まあな」

 

ミコトは妙に歯切れ悪く返事を返した。

 

「それよりも咲夜をここに連れてきた理由だが・・・・・実はレミリアが咲夜に休暇を出したのは俺が原因なんだ」

 

「え?」

 

「レミリアに咲夜はいつも休みなく働いていると聞いてな。それで以前休暇を与えたらどうだって提案したんだよ。たまには息抜きが必要だと思ったからさ」

 

「そうだったの・・・・・」

 

「ただ咲夜は息抜きする手段を知らなかったみたいだからさ。それでレミリアに提案したのは俺っていうこともあってとりあえず俺が行きつけにしている団子屋に連れていけば少しは気が休まるかなと思って連れてきたんだが・・・・・もしかして迷惑だったか?」

 

ミコトは自分は余計なことをしてしまったのではないかと思い、不安げに咲夜に尋ねた。

 

「そうね・・・・・確かにいきなり休暇を与えられたことには少し戸惑ったわ。私にとってメイドとして仕事をするのは当たり前のことでそれが生きがいでもあったから」

 

咲夜は苦笑いを浮かべながら率直に感じていたことをミコトに話した。

 

「そうか・・・・・」

 

「・・・・・でも、今日お嬢様から休暇をいただけなかったらミコトと一緒にこの団子を食べることもなかったて思うと・・・・・休むのもいいかもしれないと思うわ。この服もなんだかんだで新鮮な気分になれて気に入ったし」

 

「え?」

 

「ありがとうミコト。あなたがお嬢様に提案してくれたから・・・・あなたが私に付き合ってくれたから息抜きすることができたわ。おかげで明日からまたメイドの仕事を頑張れそうだわ」

 

咲夜はミコトに対して満面の笑みを浮かべる。

 

「・・・・・それはよかった」

 

そして咲夜の笑みを見たミコトもまた、満足げに頬笑みを浮かべた。

 

「ねえミコト・・・・・もしもまたお嬢様から休暇を頂いたその時は・・・・・またあなたと一緒に過ごしたいのだけれどいいかしら?」

 

「もちろん。俺でよければ喜んで」

 

「ありがとう・・・・それじゃあ予約しておくわね」

 

ミコトと共に過ごせるのならば休みもいいものだ。

 

咲夜はそんな気持ちを胸に抱いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミコトと別れ、お土産の団子を持って屋敷に戻るとそこには・・・・・

 

「はあ・・・・・やっぱりこうなっていたわね」

 

妖精メイドたちが慌ただしく右往左往している光景が咲夜の目に映った。

 

咲夜はこの光景にある程度予想がついていたらしく額に手を当てながらため息を吐く。

 

「咲夜さん!お帰りになられたんですね!」

 

「お願いします咲夜さん!お仕事手伝ってください!私たちじゃあ何をどうすればいいのか・・・・・」

 

妖精メイド達は咲夜の姿を確認すると一斉に助けを求めに来た。

 

どうやら咲夜がいない間、メイドの仕事は滞りまくっているらしい。

 

「仕方がないわね・・・・・わかったわ。ただ先にお嬢様に帰ったことを報告しに行くからそれまで待ってなさい」

 

「「「はい!」」」

 

妖精メイド達は希望に満ちた目で返事をした。よほど困り果てていたようだ。

 

(本当にこの子達は・・・・・しっかりとこの子達がメイドの仕事をマスターしてからじゃないと休むに休めそうにないわね)

 

咲夜は心の中で妖精メイド達への不満を述べながら、レミリアの居る部屋へと歩を進めた。




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回のゲストはもちろん人気投票第3位の咲夜さんです!

「よろしく」

はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう!

「今回と前回はレミリアちゃんに休暇を与えられたっていう話だったけど・・・・・咲夜ちゃん戸惑いまくってたね~」

「仕方がないでしょう。今までお休みなんてもらったことなかったんだから」

感想でもありましたがそれって労働基準法に違反しまくってるんですよね・・・・・まあ紅魔館は完全なる治外法権ですが。

「それに私自身も好きでメイドの仕事に従事していたもの。別に不満はなかったわ」

「流石というかなんというか・・・・・でも今後はちょくちょく休みが取れるようになるんじゃないか?俺が提案したときレミリア結構マジで考えてくれていたし」

「まあミコトと一緒に過ごせるっていうならそれも悪くはないけれど・・・・・その前に妖精メイドを仕事がしっかりとできるようにしないと」

彼女たちは基本的に自分のことしかしないですからね~。

「ミコト並とは言わないけれど私がいなくてもある程度こなせるようになってもらわないと・・・・・安心して休めないわ」

「・・・・俺もこれからは紅魔館で執事の仕事をするときはあの子達にも可能な限り教えるようにする」

「お願い」

「さて、それじゃあ次のお話だけど・・・・・ミコちゃんがまたフラグを建てたね~」

正確には建てていたというのが正しいんですけどね。

「あの娘意外にもたくさんの女の子をほの字にしちゃってるんでしょ~?流石はミコちゃんだね~」

「・・・・お前に言われるとスゲエ腹立つな」

ですが竜希さんも人のこと言えないんですよね~。

「・・・・へ?どゆこと?」

「大方竜希もミコトと同じくらいモテるのでしょう?」

その通りですよ咲夜さん。竜希さんもミコトさんと同じくらい人里の女の子を落としています。

「・・・・・マジ?」

マジです。

「まあ竜希は人あたりいいし容姿も結構いいほうだからな。惚れられても仕方がないじゃないか?」

竜希さん普通にカッコよくて面白い人ですからね。

「・・・・・なんか複雑」

「いつもはミコトをからかっているくせに・・・・自分のこととなるとこれなのね」

「まあそれが竜希だからな」

さて、今回の座談会はここ前にして次回のお話について少し説明しましょう。

「ああ。次回は人気投票第2位のフランの話だな」

「まあ絡むのはミコちゃんじゃなくて俺なんだけどね~」

「時間帯は私が人里に居る間の時ね」

どういうお話になるかはお楽しみにということで。

それでは・・・・・








「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きなさい)(きてください)!!」」」」


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