とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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『神と神』の戦いに入っていきます。
今後の修行は悟空やベジータはブルーになる修行ですが
ガタバルはあの手この手で限界の壁をじりじりと突破していくといった感じになります。
老界王神のじっちゃんで無理なので、
原点回帰による超神水飲むとか月の光浴びまくるぐらいしか限界突破の術がないという。
技を砂にしたのは漫画版の超での『破壊』になっています。


『破壊神の拝謁』

悟飯の結婚式から半年。

それよりも遡る話ではあるが技の研究会の成果もあってみんなが新技を手に入れた。

ピッコロの魔空包囲弾は目くらまし、物理、爆散の三種類の気弾を用いた系統に。

また分身しての魔貫光殺法。

天津飯は四身の拳の練度を高めて、同じ戦闘力での四人を作り出せるようになった。

時間制限と疲労の蓄積はかなりのものだが、どどん波や気功砲の技をほぼ全方位から放てる。

ベジータは『ファイナルシャインアタック』といった片手で『ファイナルフラッシュ』以上の威力を放てるようになった。

ゴテンクスは『連続スーパードーナツ』による拘束から『繰気弾』で相手をビリヤードのようにバウンドさせ続ける。

時折アタックで地面に叩きつけに行くのを再度跳ね上げて何度も攻撃を繰り出すこともできる。

ナッパは腕型の気弾で締め上げて肉弾の一撃を。

色々と皆が各々に技を錬磨していた。

 

「予知した日が今日だろうな……」

 

ブルマさんの誕生日。

少し用事があるから先に行っておくように伝える。

カカロットを迎えにいくという事だ。

界王様にとってもいい迷惑だろう。

 

「しかし、少し前からだが寒気が止まらない」

 

風邪をひいたわけではない。

ただ、破壊神の眼覚めを確信しているからだ。

千里眼で名もない星や、そこそこの星が消え去っているのが見えた。

気を感じられないのは『神』というものが持つ気の種類だからだろう。

 

「老界王神様に先に会いに行くか……」

 

今の界王神よりも知識があるからな。

あの人ならばもう気づいているだろう。

サラガドゥラも同様だと思う。

額に指をあてて瞬間移動をする。

 

「お久しぶりです」

 

そう言うと怯えているのが見て取れる。

やはり目覚めているのを感じ取ったか。

 

「きっと我々サイヤ人が目的になるかと思われます」

 

とにかく何が目的で目覚めているのかを伝えておかないといけない。

何故、それがわかるのか首をかしげている。

それも含めて説明しないといけない。

 

「実は過去に未来視をしてしまう拳を受けまして……」

 

そう言うと僅かにカナッサ星人の事を呟いていた。

やはりご存じだったか。

それが理由だというのを理解したのだろう、頷いて次はサイヤ人にどういった用なのかを聞いてきた。

 

「ビルス様を楽しませる強敵がサイヤ人なんですよ、とは言っても『超サイヤ人ゴッド』といった特殊な存在ですが」

 

6人必要な超サイヤ人の変身。

基礎的な強さがそのまま強さに比例するのならば、俺かブロリーがなればいい。

しかし俺たちは4での臨界点を今より超える事を目的としている。

既に限界を極めてはいるだろうが、さらに強烈ですさまじい月の光を浴びていく。

もしくは常に超サイヤ人4で活動をする。

それで突破口を開く。

 

「『超サイヤ人ゴッド』はワシも知らんが、大丈夫なのか?」

 

流石に老界王神様でも知らないか。

俺は大丈夫だと頷いて示す。

これで無理だったらドラゴンボールの力を借りないといけない。

 

「知識だけなら最高峰のズノーの星で聞いておりますので問題はありません」

 

思い出すと怖気が走る。

それは老界王神様にも伝わったようで……

 

「あんな福助みたいな奴に貢物をするなんぞ身震いがしよるわ」

 

ズノーの事は知っていたか。

しかし封印前から知っているとは。

あいつも長寿の種族か?

それとも変わらない伝統で何代目かのズノーなのだろうか?

 

「次やることがあったら消しとばすか暴力で聞き出したいくらいですよ……」

 

そう言うと仕方あるまいという顔だった。

あんなことをしてまで聞き出す内容など大したものではない。

ドラゴンボールと超サイヤ人については全て聞き終えている。

 

「きっと界王様の所に来ますので行かないと……」

 

カカロットがいるんです。

そう言うと額に手を当てて困っていた。

迎えに行くというと速く行けとジェスチャーをする。

 

「そう言えば皆さんもいかがですか、ブルマさんの誕生パーティーですけど」

 

普段は質素に過ごされているでしょうし。

神の業務で息抜きもないでしょ。

そう言ったニュアンスで言うとその提案は良いなと頷く。

 

「行こうかのう」

 

そう言ってキビト界王神と一緒に地球に一足先へ向かう。

サラガドゥラは俺に同行するようだ。

万が一のことがあってはならないからな。

 

「初めましてですね」

 

界王星に行って頭を下げる。

カカロットの奴は修行をしていやがる。

 

「おうおう、お前さんはナメック星や前回のブウの時に頑張っていた奴じゃな、覚えておるぞ」

 

なんだか虫のような印象だな。

好々爺な感じもあることはあるが。

 

「おっ、ガタバルにサラガドゥラじゃねえか」

 

呑気にこっちに挨拶をしてくるカカロット。

おまえは速く地球に戻れ。

どうなっても知らんぞ。

 

「界王様、お気づきでしょうか?」

 

サラガドゥラが改めて聞く。

すると苦虫を噛み潰したような、いやな顔をしている。

やっぱりわかっているようだ。

 

「ビルス様の事じゃろ?」

 

そう言うとサラガドゥラは頷く。

こいつ自身も嫌な思い出があるから冷や汗を流している。

 

「ここに来る可能性があります」

 

そう言った瞬間、なぜという顔をする。

老界王神様にも伝えたように同じ内容を伝える。

ただ、ビルス様から『超サイヤ人ゴッド』について聞かれた場合は俺の名前を出すように言っておく。

知ったかぶりで『破壊』されたくはないでしょう?

 

そんな事を考えていると界王様の後ろから威圧感を感じる。

『気』は感じなくても分かる。

風貌が、威厳がその身から漂っている。

気づけば背筋を伸ばしていた。

戦いの姿勢を構えることは不敬である。

本能がそう告げていた。

 

「やあ、北の界王にサラガドゥラ、久しぶりだね」

 

頬をポリポリとかきながら言ってくる。

そして一瞬で目の前にやってきた。

 

「そして君はサイヤ人か、どこかで見た覚えが……君はわかるかい?」

 

こくりと頷く。

喋ろうにも喉が張り付いたような感覚だ。

これが神の世界。

離れてようやく言葉を紡げる。

 

「かつて予言魚さんが顔を見たらいい事があると言われ、顔に触れていただいたサイヤ人です」

 

そう言うと、付き人の方に振り向く。

そんな事あったかどうかを聞き返していた。

39年前の事だからな。

忘れていても無理はない。

 

「ああ、そう言えばそのような事がありましたね、ビルス様、『あの事』を聞いてみては?」

 

そう言うとまたもや接近をする。

そして口を開いた。

 

「君は僕に良い事をくれるようだけど……『超サイヤ人ゴッド』を知っているかい?」

 

その言葉に頷く。

するとニヤリと笑う。

だが機嫌を損ねかねない事なのだ。

しかし正直に言わないと。

 

「6人のサイヤ人が必要ですので今すぐに目の前に連れてくることはできません」

 

そう言うと夢で見たのは一人だったんだけどと聞いてくる。

それについてもお話いたします。

そう言って矛を収めてもらう。

 

「正しい心を持った5人のサイヤ人が1人のサイヤ人に力を注ぎこむ事で変身するのです」

 

なるほどといった顔で納得をする。

しかしここでカカロットが余計な茶々を入れる。

なんと勝負してくれといったのだ。

皆が必死にビルス様をなだめようとする。

カカロットを界王様が叱る。

しかしご厚意で戦ってあげようと言って勝負が始まった。

 

「超サイヤ人3なんて2発ありゃあお終いだ」

 

そう、サラガドゥラが言う。

結果としてはその通りとなった。

デコピン。

そして首筋への手刀。

あっさりとその戦いは終わる。

しかしそれでビルス様は終わらなかった。

 

「君も『寝起きの運動』に付き合ってもらおうかな」

 

目線で界王様とサラガドゥラにどうするか聞く。

二人とも、仕方ないといったように送り出していた。

手を合わせて、お願いしますといった。

 

「全力で来なさい」

 

指をちょいちょいとやり腰に手を当てる。

その言葉に甘えるように超フルパワーサイヤ人4になる。

暴力的な気の嵐を浴びてニヤリと笑っていた。

 

「これは『寝起きの運動』なんて甘いこと言っている場合じゃないな……」

 

破壊神が余裕の状態から構える。

これはどういうことだ?

だが、どうこう考えず戦うのみ。

 

「はあっ!!」

 

拳の一撃を体をしならせて飄々と避ける。

だがそれと同時に尻尾で足を絡めとる。

そのまま横方向に投げて体勢が崩れたところに蹴りを叩き込みにいく。

 

「くっ!!」

 

気弾で弾いて着地をしようとする。

だがその時点でこちらは技を放つ構えをとっていた。

 

「『プライド・オブ・ラクタパクシャ』!!」

 

灼熱の気弾がビルス様を包み込もうとする。

ギロリと気弾を睨み手をかざす。

 

「『破壊』」

 

そう呟いた瞬間、灼熱の気弾は砂へと変わる。

消え去っていくのではないのか。

 

「まさか、僕の半分ほどの力を持っていたとはね」

 

もしかすると超サイヤ人ゴッドがこれよりも上ならもっと楽しめそうだ。

そう言うと首をコキコキと鳴らして、『良い運動だった』と一言言って界王星を後にしようとする。

地球に向かっていくようだ。

 

「待ってください」

 

そう言うと振り向いてくる。

まだ何かあるのか?

そう言いたげな顔だ。

 

「付き人の方の速さで行くより瞬間移動ですぐに行けますよ」

 

それを速く言ってくれよ。

そう言って肩に掴まる。

サラガドゥラがカカロットを連れてあとから行くと言っていた。

額に指をあててピオーネの気を探り当てる。

シュンという音を立てて界王星を後にした。

 

「あれ、この人たちって知りあい?」

 

そう言うピオーネ。

おいしそうに食べているところを見るとパーティーは始まっているようだな。

 

「ああ、この人たちをもてなそうと思ってな」

 

そう言ってベジータの方へと向かう。

どうやら今日は修行を休みにしてブルマさんやトランクスと一緒に居るようだ。

 

「界王から話は聞かせてもらっている」

 

瞬間移動の間に伝えていたのか。

そして頭を下げる。

 

「今日は楽しんでいただきたい」

 

そう言うと色々なものを食べようとする。

指示を受けて給仕のような真似事をする。

プリンや甘いものも欠かさずに取る。

うまいうまいと言いながらすべての種類を平らげようとする。

様々な余興もあったが気を張っていた。

不機嫌になる事は無く、進んでいた。

 

「そろそろ、『超サイヤ人ゴッド』と戦おうか」

 

そう言ってきたのでベジータになって貰おうと思い、一歩踏み出す。

ちょこちょこ話していたから了承は取っている。

破壊神を楽しませる強さに興味を持ったようだ。

 

「綺麗な色をした飲み物だねぇ」

 

そう言ってグラスを掲げる。

そしてグイっと一気に飲み干す。

一息ついた次の瞬間、凄まじい圧力がカプセルコーポレーション中を取り囲んだ。

 

「ハァー!!」

 

なんて事だ。

頬の紅潮具合からして酔ってしまっている。

気を一気に噴き出して暴れようとしている。

うっかり好奇心で飲んだグレープジュースをシェフが取り違えたようだ。

 

「ご機嫌状態で酔っている分、本気に近いだろ……」

 

再度、超フルパワー超サイヤ人4で目の前に立つ。

口元を満面の笑みの形にゆがめる。

ブロリーも同じく戦うつもりだ。

 

「ハハハハ!!」

 

一瞬の間に蹴り飛ばされる俺とブロリー。

楽しそうに笑っている。

今までで一番くだらない理由かつ一番地球が危険な戦いが始まってしまった。

きっとあのシェフは首だろう。

俺は戦いに飛び込む前、一瞬その予感を感じ取っていた。




破壊神の半分以上となると『力の大会』で狙われること請け合いですね。
今のガタバルはブルー悟空を下回ってはいます。
それなりに何とか強化させれたらと思います。

以上、指摘などありましたらお願いします。

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