とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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久々の更新です。
実はナメック星編のラスボスにクウラ出そうとしていましたが、
少し今後の為に路線変更を行います。
それに伴って味方サイドが増えていきます。


『集結のサイヤ人』

あれから半日の飛行で集落を狙おうとした作戦の結果。

もれなく二人がメディカルポッドに直行させられた。

ピオーネが瞬間移動で俺たちの邪魔をしてきた。

芝居のはずがあいつは真剣に倒しに来た。

結局ターレスとナッパと引き連れて戻る羽目になった。

 

ターレスの肋骨数本を蹴り一発でへし折って、あのナッパさんの腹を貫くという離れ業。

やりすぎだとは思うが、迫真だからこそ意味があった。

結果としてフリーザからはお咎めなしで治療を受けさせることができた。

いきなり出てきたという事で神出鬼没であること。

全員が束になってようやく勝てるかどうか。

もしドラゴンボールの争奪にあの相手が加わるのならば計画が

相手を迂回していくルートになるため時間がかかるという事まで伝えた。

 

「あの100%の遂行者と言われたピオーネがまさかこのナメック星に来ていたとは……何を願うつもりでしょうか?」

 

フリーザでさえ考え込む。

一筋縄ではいかないというのをわかっているのだろう。

しかしここで計画を緩めるといつピオーネに主導権を奪われるか。

それだけが懸念材料だ。

 

「仕方ありません、二手に分かれての散策をいたしましょう」

「少しでも獲得できる可能性を上げるんですね」

 

俺たちが交戦している間に手に入れる。

もしくは本隊が交戦している間に手に入れる。

確率は上がるが欠点もあるだろう。

俺は土地勘で行けるが他はしらみつぶしの探索になるからだ。

 

「その通りです

まぁ、もぬけの殻なり、渡して殺さないでほしいという態度であればいいんですがね」

 

ピオーネに太刀打ちできる相手はカエンサとラブカぐらいだ。

本気のフリーザなら話は別だが。

 

「とにかくお互いが収穫なしで犠牲があろうとも今回は不問にいたしましょう

ピオーネの噂を考えるとどうあがいても今の戦力では順風満帆に行くことはありません」

 

雑兵たち、幹部を問わず多大な犠牲を払う危険な探索へと状況は一変。

それならば確率論を考える。

 

「我々でも食い止めて時間稼ぎがせいいっぱいですからね……」

 

ターレスとナッパが無理だし俺もそんなに優勢にはならない。

という事を装う。

30倍で殴り合えば倒すことはできる。

だがバレてはいけない。

それに長引いてしまうとピオーネが強くなってしまい余計な厄介ごとを増やす。

最後の切り札と言ってもいいだろう。

 

「一度の遭遇で1つ取得、迂回ルートを使用……

当初の予定を大幅に下方修正しましょうか」

 

もっと早い段階で多くのボールを手に入れるという事。

しらみつぶしでも5個は確保できていたであろう。

それがピオーネの出現で現在3個から停滞があり得る。

 

「相手が神出鬼没なので気を付けて……」

 

フリーザはそう言って左右に分かれて飛んでいく。

しかしここでフリーザはミスをしている事に気が付いたのか急いで戻っている。

焦りが生んだ一瞬のミス。

 

神出鬼没の相手に対して手薄の本拠地。

それは奪ってくださいと言って家を空けるのと同義。

 

「くっ……これではどう頑張っても即座に7つ揃えるのは難しいでしょうね」

 

苦々しい顔をして虚空を睨むフリーザ。

それを見てにやける。

このまま時間が過ぎていけばいい。

 

「あいつらも予定より早く着くかもな」

 

空を見上げると宇宙空間から2つの丸形宇宙船の接近を感じる。

あいつらは先に最長老様から引き出してもらっておいた方がいい。

 

「速くいこうぜ」

 

ターレスとナッパさんが声をかけてくる。

とにかく、今の状況から厄介な場面を想定すると……

 

「妨害からの第3戦だな」

 

あいつらとの戦いで邪魔をされたら面倒だ。

フリーザの方もピオーネに精神さくからあの二人を常に監視できることはない。

 

「分かった、そっちに向かう」

 

上昇して3人で目的地へ向かう。

そして、その勢いのままナメック星の集落に向かう。

しかし、後ろから来た気配に振り向く。

 

「お前らか、アボとカドでいいのか?」

 

赤色と青色のとげ人間がいた。

こいつらがピオーネにやられてしまったやつらか

 

「その通りだ、お前らについていく」

 

これは監視のつもりか?

いずれにせよこいつらからの追跡からは逃げ切れるいい。

 

「悪いが裏切りを勘ぐっているなら早計だぜ」

 

いずれは行うだろう。

だが今ではない。

 

「速くいかないと意味がないんでな」

 

そう言って一気に振り切るようにアボとカドを置いてきぼりにする。

必死に追いかけようとするがその道をふさぐように影が出てくる。

 

「ようやく見つけたぞ、お前ら!!」

 

ターブルが割って入る。

残念だがお前らを援助するような話はないんでな。

俺たちはドラゴンボールを集めないと。

 

 

.

.

 

ようやく見つけた宿敵。

ここで逃すわけにはいかない。

ガタバルさん達は見捨てるような形で向こうへ飛んでいった。

 

「くそっ、このタイミングってことはやはりお前とあいつらは……」

 

そう言った瞬間、気弾で攻撃をする。

わざわざ勘ぐっているが、そんな事も許さない。

 

「喋っている暇があるのか?」

「こいつ、甘さがなくなっていやがる……」

 

構えているがそんな口を開いているような、悠長な気持ちだったらこっちが勝つぞ?

こいつらの合体の暇も与えない。

ピオーネさんのおかげで見抜いた重要な部分。

それを活かしてこいつらを倒す。

 

「『サジタリウス・ペイン』!!」

 

両手で一本ずつ、貫通力を持った気弾を放つ。

アボが避けるがカドには掠る。

そのままカドの後ろを取って頭を掴み、地面へ急降下。

アボが助けようとした瞬間に、カドを投げてアボにぶつける。

そのまま二人まとめて、一気に仕留めにかかる。

 

「『タウルス・スタンプ』!!」

 

カドの足を持ったまま地面へ落ちていく。

受け身を取ることもできずにそのまま落下をしていく。

最後に頭に足を当てて、落下の衝撃を与える。

ターレスさんから貰ったあの果実で一気に戦闘力が上昇しただけでなく、技のインスピレーションも働いている。

 

「カド、大丈夫か!?」

 

アボが聞くが返答がない。

ピクリとも動いていない。

気絶かもしくは死んだか

 

「お前も同じようになる」

 

そう言ってアボを気弾で攻撃をする。

カドがピクリと動いたが気にしない。

次はお前の番だという様に。

睨みつけながらじりじりと近づく。

 

「ヒィイイイ!!」

 

叫んで逃げるが、その瞬間目の前で吹き飛ばされる。

気弾でやった相手がいるという事だ。

 

「敵前逃亡は許されない、愚か者め」

 

カエンサが目の前にいた。

逃げ回らないといけない。

この相手は今の自分を大幅に凌駕している。

 

「気にするな、お前を相手にするつもりはない」

 

狙っているのはあの3人か。

そう言うとこっちには目もくれず去っていく。

ラブカという男がいないところを見ると単独行動のようだ。

きっとピオーネさんの動きを気にしたフリーザの隙をついたな?

 

「こっちも他の集落の見張りをしておかないと……」

 

そう言って僕はその場所から遠ざかっていった。

 

.

.

 

「ここから降りて向かってくれ、ターレス」

 

俺は集落の近くで降りるようにターレスに言う。

気配が近づいてくる。

この気は一つしかない。

 

「また……あいつか?」

 

ターレスがカエンサかと聞いてくる。

俺もそう思いたいがこれは別人だ。

 

「いや……なんであいつがコントロールする方法を手に入れていたのかは知らないが別物だ」

 

どうやって手に入れたのか。

これ以上の助っ人はないだろうが、諸刃の剣も甚だしい。

 

「まさか俺がこの星に来て初めて寒気を感じたことと関係があるのか?」

 

ターレスの奴との関係は特にない。

だが一つ、ある点を踏まえればそれとこの気は……

 

「大有りだ」

 

俺は苦笑いとともに接近を待つ。

この間に一つ回収してくれればそれだけで万々歳だ。

 

「……ロットォ」

 

遠くから声が聞こえてくる。

風を割くようにしてこっちに来ている。

 

「来るならきやがれ……」

 

構えて気を高める。

折角の秘密兵器もこいつ相手には使わざるを得ない。

 

「カカロットォ!!」

 

大きな影がターレスの方に向かおうとするがその道をふさいで俺は立ちはだかる。

お前が行くと作戦のすべてが瓦解する。

 

「何のつもりだぁ……、ガタバルゥ……」

 

白目をこっちに向けて、悪魔のような笑みを浮かべながら莫大な気による圧迫感を俺一人に押し付けてくる。

伝説の超サイヤ人ブロリーが俺の目の前にいた。

 

「お前の知っているカカロットではないぜ、人違いだ」

 

そう言うが目の前に大きな拳が迫りくる。

こいつ遊んでいるがあれからさらにパワーアップをしていやがる。

パラガスさんはどうしたんだ?

 

「やめろ、ブロリー!!」

 

パラガスさんがブロリーに呼び掛ける。

腕を光らせている。

よく見ると頭に輪っかがあるが抑制装置か?

 

「うるさい、親父ぃ!!」

 

そう叫んでさらに気を高める。

今のこの状態なら……

 

「があああああ!!!」

 

疑似超サイヤ人で相対する。

フリーザが気を感知できたら終わりだが……

 

「くっ……伝説の超サイヤ人状態が収まっているが超サイヤ人は止められんか…」

 

心配しないでくれ。

この状態から考えて普段の10分の1以下の状態だ。

ここからあの状態になっても4倍。

 

「今のお前の戦闘力はおよそ5000万と見た!!」

 

顔面を蹴り飛ばす。

くるりと体を空中で止めて突撃をするが回避。

 

「フンッ!!」

 

しかしその回避された瞬間に気弾を放ちその勢いで後ろに立つ。

こいつの戦闘センスの高さには舌を巻くぜ。

 

「ハアッ!!」

 

裏拳を受け止める。

その勢いで飛んでいく。

 

「しゃあ!!」

 

突撃してきたブロリーの腹部に拳を打ち込む。

腹部の衝撃を腹筋で消し飛ばしたようだがまだ追撃は行う。

 

「どりゃあ!!」

 

腕を掴んで投げ飛ばす。

地面に叩きつけたがむくりと起き上がる。

相変わらずタフな奴だぜ。

 

そんな事を気にしていたら後ろから気配がやってきた。

ブロリーも一瞬気を取られたのか、その方向を見る。

 

「よしっ、静まれ!!」

 

そう言ってブロリーの抑制装置を起動する。

髪の毛の色も普通になって気の大きさも減っていく。

とりあえずはこれで問題はなくなったな。

 

そう思った瞬間、腹部を貫かれていた。

くっ、相手の速度を気に留めていなかった油断か……

 

「おい、ガタバルっ!!」

 

パラガスさんが受け止める。

この人、反応速いな。

ブロリーがわなわなと震えているが大丈夫なのか?

 

「許さん……」

 

そう言うと抑制装置に罅が入っていく。

あいつ、まさか破壊よりも重要なことでも見つけたのか?

 

「あの人はこの俺に安眠をくれた恩人でもある、その人を後ろからとは……」

 

罅が入っていた抑制装置を握りつぶす。

パラガスさんもおしまいだという顔で俺を運んでいた。

 

「許さんぞぉおお!!!」

 

伝説の超サイヤ人の一撃は絶望を叩きつける。

その一撃は防御すら許さない。

交差をして受け止めるがその腕ごと粉砕して殴り飛ばす。

岩山を2つ3つ壊していった。

 

「ふんっ、死んだか」

 

そう言って普通の状態に戻るが本当の強さはこれか。

おおよそ戦闘力に換算したら最高の状態はきっと10億を超えているんじゃあないのか?

俺はパラガスさん達の宇宙船のメディカルポッドで回復をした。

30分で回復したのですぐに復帰。

事情を話しておき、二人には隠れておいてもらう。

これで大きな切り札を手に入れたことになる。

 

「さて……二人はどうなったんだ?」

 

フリーザの宇宙船に戻ると二人とも頭を下げていた。

どうやら一つは取れたが宇宙船の中から二つなくなってしまっていたようだ。

差し引きなしの状態になってなおかつ俺がいない状況。

それで怒られていたみたいだ。

 

「しかし、ピオーネを封じない限りはこの展開が続くぜ」

 

ターレスがため息をつく。

こっちが3つで向こうは2つ。

残り2つの争奪戦は激化するだろう。

しかもあと少しであの二人の到着。

膠着状態になってしまう。

他のメンツが来るまでの時間、きっとこの均衡が崩れる事は無いだろう。

半ば確信めいた予感がある。

 

未来視ができていないわけではない。

自分がそのまま動いた場合の未来であり、他者の干渉を含めた複雑な未来の変化を補足しているわけではない。

それまで見えていれば始めからブロリーを見つけてフリーザを倒すのに協力してもらえば終わっていたからだ。

 

「あと、カエンサの奴が見つかったみたいでアバラがほとんど全部が粉砕骨折だったってよ」

 

ナッパさんが言ってくる。

あの人タフだな。

あんな一撃を食らったら死んでいてもおかしくないだろうに。

それともブロリーが抑制装置解除後の上昇前に殴り飛ばしたのか?

 

「アバラだけじゃなくて腕も折れてたな、ありゃ酷いもんだ」

 

受けても折れる剛力。

まず、あいつが俺がやられたから伝説の超サイヤ人になるなんて想像できなかった。

当時、俺は安息のためにカカロットや赤子をあやさせてもらっていた。

その結果としてブロリーが安眠できただけで、はじめからそのような見返りを求めていたわけじゃあない。

 

「これであいつらの邪魔を受けることなく集められるな」

 

そのターレスさんの言葉に俺は頷く。

味方に後ろからやられるといった状況がなくなった。

その影響は大きいだろう。

フリーザに表向きの忠誠を見せてこれからより一層精進することを伝えて今日は三人、眠りにつくのだった。

 

.

.

 

そしてその三人が眠りから覚めた時、予定より速い航行になっていたのか。

スパーニとニアがナメック星に降り立ったのだった。




まさかのあいつが味方サイドに。
切り札にはなりますがあいつはきっとセル編あたりは小休止の予定です。
日常編に使っていこうかと。

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