とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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覚醒には時間制限があるように書いています。
当然ガタバルの戦闘力が上がれば上がるほどその継続時間が伸びます。
ちなみにガタバルの怒り状態(疑似超サイヤ人)の倍率は30倍です。
この時に大猿になっていたら30x10で300倍ですが
確実に体がもたないでしょう。
ピオーネの恐ろしい特殊性能が判明。


『疲労困憊 傷まみれの戦士たち』

「もう許さないぞ、お前たち……」

 

そう言って俺は動き始める。

どうやら俺がラディッツさんの部下から貰った実と同じものを食べていたらしい。

だからニアとラコイタが苦戦していたのか。

だがそれ以上に不安なことが出てきた。

ピオーネと今戦っているベジータ王子にも渡されているとしたらあいつでも勝てないのではないだろうか?

すぐに助太刀に行かないとな。

 

「どう、許さないんだ?」

 

カエンサがそう言って無造作にニアへ気弾を放つ。

どこまでも救いようがない奴らだ。

 

「ふんっ……」

 

指二本で遥か彼方に弾き飛ばす。

そのまま前蹴りで蹴り飛ばす。

 

「がっ……」

 

地面に叩きつけられて胃液を吐き出す。

そこに血が混じっているようだが起き上がる前にすぐに仕留めてやる

 

「死ね、『アルバトロス・ブラス』……!?」

 

放とうとしたら宇宙船が腹に直撃する。

まさか逃げ切るつもりか!?

そうはさせまいと宇宙ポッドを壊そうとする。

しかしここで疑問が出てきた。

こいつらの事だ、誰かからくすねたものの可能性がある。

 

「はぁはぁ……お前のその状態にはかなわんから逃げる」

 

軽く蹴っただけで致命傷か。

這いずりながら宇宙船に近づこうとする。

宇宙船を壊すのはためらうがあんたらをこの世から消すことに躊躇う事はもうないぜ。

 

「『コンドル・レイン』!!」

 

地面へ気弾が幾度となく直撃する。

カエンサにも当たっているが何とかして耐えているようだ。

 

「くそっ……」

 

宇宙船には乗らせない。

乗る隙すらも与えはしない。

 

そう思っているとラブカが何かを投げてきた。

反応したがそれはピッコロの死体だった。

 

「ふんっ!!」

 

片手で掴んでそのままニアに渡す。

しかし今の隙で宇宙船にカエンサが乗り込んでいた。

上空にあと一つ宇宙船がある。

あれはラブカが乗るために用意したやつか。

 

そんな事を思っていると徐々に気が膨れ上がっているのが感じられる。

方向はピオーネとカカロットがいる場所だ。

ベジータ王子が何かをやったのか!?

 

そこへ悟飯やニアが向かう。

クリリンと天津飯、ラコイタ。

5人が向かうも、ナッパやヤムチャは待機。

あれだけの大きな気に太刀打ちしても返り討ちに会ってしまう。

 

「……悪運の強い奴だ」

 

それだけ言って俺は腹に蹴りを打ち込んでから飛び去っていく。

殺したかどうかは定かではないが、敵を討つ気持ちより優先するべきことができた。

ラブカとカエンサなんてどうでもいい。

ピオーネの方が心配だ。

あの女が負ける事は無いと思いたい。

 

「カカロットの気もかなりぶれていやがる……」

 

一体何をしたのかは知らないが大きくなったり小さくなったりしている。

ニアと悟飯がいたので追い越す。

あれだけ憎んでいる相手をほったらかしてまで来たことに驚いているようだな。

到着したらもうすでに居たクリリンと天津飯が構えている。

 

「はははははっ!!」

 

カカロットを尻尾で弾き飛ばしていく。

その隙にピオーネが一撃を放っている。

ピオーネの気が着陸時点の時に比べて確実に上がっている……

もしかしてピオーネに備わっている能力は……

 

「この女ぁ、俺が実を食えば同じように強くなりやがって……この大猿の俺様と同等になる気かぁ!!」

 

ベジータ王子が絶叫をしてピオーネに拳を振るう。

やはり予想した通りか。

ピオーネに備わっている能力、それは……

 

「『自分より強いものと戦うとその力と同等に成長する』能力」

 

当然、基礎の鍛錬次第で上がるがこれは俺たちサイヤ人さえもはるかに凌駕する才能。

まさかピオーネの正体は計り知れないとてつもない存在なんじゃないのか?

 

「ふん!!」

 

ピオーネが成長段階のうちに叩いていこうという魂胆のようだ。

そして当然のごとく……

 

「うあっ!?」

 

重い一撃を受けきれずに吹っ飛びそうになるのを俺が服を掴んで止める。

流石のピオーネでもすぐにそこまで強くなるのは無理なようだ。

 

「ガタバル……」

「俺も協力するぜ」

 

そう言って服を離す。

カカロットの奴が俺たちを見ながら言ってくる。

 

「すまねぇ、ちょっとすげえ技使いてぇんだけど集中してぇんだ、時間作ってくれ!!」

 

こいつは……

こんな場面で時間を作るなんて難しいに決まっているだろうが!!

 

「仕方ないね」

 

ピオーネが構えて突っ込んでいく。

この……

 

「二人の方が確実だろ!!」

 

無茶をしてほしくないんだよ。

ただでさえ友が死に、母が死に、兄貴分が死んだのだ、ショックが大きい。

そのうえお前まで失ってしまったら……。

もちろんそんな事を言いはしない、恥ずかしいから。

 

「オラァ!!」

「はっ!!」

 

お互いが両サイドから頬に蹴りと拳を叩き込む。

後退した瞬間に追撃の一撃を放つ。

 

「『エレクトリック・パレード』!!」

「『アルバトロス・ブラスター』!!」

 

俺たちの大技を叩き込む。

これで少しでもダメージを与えられればいいんだが。

 

「『ギャリック砲』!!」

 

片手ずつの一撃で押し負けてでもダメージを減らす。

大猿の状態のせいで皮膚が固いのか大したダメージにもなっていない。

 

「喰らえ!!」

 

大きく振りかぶって拳を突き出してくる。

俺とピオーネが受け止めようとする。

そして手を前に出した次の瞬間……

 

「ぐあっ!?」

 

体にいきなり激痛が走り反応が遅れる。

そのまま一撃を食らってしまい、地面に叩きつけられる。

力が萎んでいく。

どうやらあの状態の時間が切れたようだ。

 

「ガタバル!?」

 

ピオーネが俺を心配して声をかける。

その隙を逃すまいとベジータ王子の一撃が当たり、岩盤近くまで殴り飛ばされる。

それにカカロットが当たり一時的に中断される。

すぐにピオーネは逆襲を始めるが最悪の場面だ。

体が軋んで動けない。

 

「大丈夫ですか!?」

 

悟飯が駆けよる。

ニアは尻尾を千切ればいいと知って動き始めている。

 

「問題ないが……体は動かない」

 

そう言うと三等分したような豆をさらに半分に割って俺に渡す。

これを食えという事か?

 

「これで少しでも体が動けばまだ可能性はありますから!!」

 

そう言われて口に含んで咀嚼を行う。

少しだけ体の軋みは収まって戦える状態にはなった。

しかも戦闘力も上がっている。

 

「なんとか……できそうだが」

 

そう言っているとまばゆい閃光が走る。

天津飯の奴が太陽拳を使ったらしい。

その時間を使ってカカロットの技の再充電が始まる。

ピオーネもどうやら起き上がった。

 

「喰らいやがれ!!」

 

ベジータ王子が口から光線を出す。

カカロットに当たるかと思った次の瞬間…

 

「『気功砲』!!」

 

天津飯がカカロットに当たらないようにするが、ベジータ王子の神経を逆なでしてしまう。

ベジータ王子は一度カカロットではなく直線状という事もあって天津飯への攻撃を開始した。

 

「ふん!」

 

片足を掴んで握りつぶす。

バキバキという音が聞こえてきた、

そして片足が不安定な所にベジータ王子は容赦なく一撃を見舞う。

 

「吹っ飛べ!!」

 

腹部に一撃を食らいそのまま岩を何度も砕き、そのままピクピクとしている状態だった。

幸いにも気が小さくはなっていないが、速くしないと命が危ない。

 

「『気円斬』!!」

 

クリリンが尻尾を切るための技を使う。

ずっとニアはしがみつくような形で引きちぎろうとしていたが一向にうまくいかない。

激しく動き回っているからとも考えられるが。

 

「ちっ!!」

 

飛んで避けられる。

だがその飛んだ先には悟飯がいた。

 

「『魔閃光』!!」

 

顔面に一撃を決める。

そこでよろめいた瞬間にニアが尻尾ごとベジータ王子を持ち上げてぐるぐると回す。

ゴリラの腕力ってすごい。

 

「だあぁあああ!!」

 

雄たけびのままぶんなげる。

そのままベジータ王子は背中を打ち付ける。

 

「よくやったぜ、ニア!!」

「この場所なら……」

 

尻尾が完全に見えている。

引きちぎらなくてもこの方法でも大猿状態は終わる。

 

「「尻尾をそのまま撃ち抜けばいい!!」」

 

二人とも構えて気を高める。

最大の技で照準を合わせる。

 

「『ソウル・オブ・サイヤン』!!」

「『クライ・エクスキューション』!!」

 

俺は深紅色の気弾を。

ピオーネは渦を巻いた槍のような青白い気弾を。

ベジータ王子の尻尾に向かって同時に放っていく。

 

気弾が直撃して煙が晴れていく。

俺もピオーネも仙豆の欠片の力はかなり失われている。

再び体が軋み始めている。

 

「よくも俺の尻尾を……」

 

そう言って徐々に体が縮んでいく。

もうすでにピオーネも戦闘力を使い切っている。

俺もだ。

あとはカカロットの大技。

ニア、クリリン、悟飯。

……俺の大猿が残っているな。

 

「ピオーネ、離れておけよ」

 

そう言ってベジータ王子の前に立つ。

さて……始めようか。

 

「俺様に勝てるとでも?」

「流石に今のあんたとならいい勝負はできるだろう」

 

一本拳の構えをして気を高める。

正直いい勝負ができるなんて微塵も思っていない。

 

「舐めるなよ!!」

 

そう言ってラッシュを放つ。

さっきまで疲労困憊だったり尻尾が斬られていた奴の動きではない。

 

「せいっ!!」

 

リーチを活かしてカウンターを取る。

拳を軽々と受け止めているあたり反応がいい。

 

「ふんっ!!」

 

蹴りを放ってくるが腕で受け止める。

その蹴りを引き戻さずに僅かに前に出すことで足をかけて飛び上がる。

追撃の二発目の蹴りを放っていた。

 

「ちっ!!」

 

頭を下げて回避をしたらアッパー。

そのアッパーを紙一重で避けて肘打ち。

均衡は保てているが、カカロットは技を放たない。

痺れを切らしたニアが攻撃を仕掛ける。

流石に速く勝負を決めておきたいからな。

 

「邪魔をするなぁ!!」

 

そう言ってギャリック砲を放つ。

大猿の時に体力を消耗していたニアは回避せざるを得なかった。

だがその回避先にベジータ王子が回り込む。

 

「寝ていろぉ!!」

 

後ろ回し蹴りで蹴り飛ばす。

殆ど完璧なタイミングでの奇襲だったニアをあしらうあたり、やはり余力がおかしい。

今のニアではピークを過ぎ去って7000弱。

クリリンと悟飯はいまだに無傷。

天津飯は重症。

カカロットも同じく。

俺も12000ほどだ。

しかし多分ベジータ王子は20000ほどの余力。

実質この状況を切り開くのは悟飯とクリリンぐらいだ。

 

ピオーネも俺と同じで体に痛みがあるのかところどころしかめ面になっている。

戦闘にしてみれば低下しているとはいえ唯一の六桁台。

俺の大猿で120000だがおそらく今のピオーネは低下していてそれくらいだ。

本気なら多分2.5倍ほど……30万はあるんじゃないのか?

 

「ていっ!!」

 

悟飯がベジータ王子の顔面を蹴り飛ばす。

まるでカエンサにやった時と同じだ。

 

「お前をやっつける……!!」

 

ついに本気になった悟飯が牙をむく。

構えてベジータ王子に向かう。

今の悟飯は潜在能力のおかげで無様な戦いにはならないだろう。

 

「俺を忘れるなよ!!」

 

ベジータ王子が悟飯を倒そうと拳を突き出したのを受け止めて投げる。

そしてその投げた先では起き上がっていたニアが両腕を振り上げていた。

 

「『ワイルド・ハンマー』!!」

 

肩に攻撃が当たって地面に叩きつけられる。

今のが全力だったのかニアが倒れ込む。

その間に俺は浮かんでいた球を見る。

 

「オォォォ…」

 

体が膨れ上がっていく。

バリバリと音を立てて服が破けていく。

理性はある。

さて……

 

「流石のあんたもお手上げだな……ベジータ王子ぃ」

 

ズシンズシンと音を立てて向かっていく。

流石にこれは想定外だったか?

 

「ふん、パワーボールを壊してしまえば済む話だ!!」

 

そう言ってパワーボールに攻撃を放つ。

しかしそれを追ってきた気弾に相殺される。

 

「この女ぁ、どこまでも俺の邪魔を!!」

 

ピオーネが相殺していた。

これで尻尾を斬る以外方法はないぜ。

 

「ふんっ!!」

 

俺は岩を砕くようにベジータ王子へ一撃を見舞う。

それを避けるが風圧で体勢が崩れたのを見逃さない。

尻尾で叩き落とそうとする。

しかしそれを見てベジータ王子が笑う。

一体どうしたんだ?

 

「そんな尻尾を振り回したらせっかくの意味がないぜ!!」

 

そう言ってクリリンの気円斬を真似るが甘い。

その本人が近くまで迫っているのに気づけないとはあんたらしくもないぜ。

 

「くっ、投げる暇が……」

 

クリリンを殴り飛ばすが、注意力散漫だったからか十分な威力にもならず

すぐに起き上がられている。

 

「やあっ!!」

 

悟飯に一撃を食らって体勢を崩す。

そして俺の一撃が掠る形で当たって地面に叩きつけられる。

 

「これで終わったか……?」

 

反応はない。

流石にこれだけボロボロならば死んだかもしれない。

そう思った瞬間……

 

「はぁ!!」

 

気弾でパワーボールとかいうものが壊された。

まさか死んだふりだなんて……

いや、異常なまでに頑丈なんだ。

今のは僅かに意識が飛んでいただけ。

すぐに覚醒したんだ。

縮んでいく間にそれを理解した。

 

「このベジータ様をここまで追い詰めるとはな……」

 

そう言った瞬間、カカロットの凄い技がベジータ王子に直撃する。

凄まじい力と光で勝負が決まったとみんなが安堵する。

しかしさすがはベジータ王子、あれだけの一撃を受けても舞空術で降りてきた。

 

「貴様ら、どこまで隠し玉を持っていやがるんだ……!!」

 

そう言って体中の気を爆発させて俺たちに攻撃をする。

すぐにクリリンを捕まえて殴り飛ばす。

天津飯ほどではないがかなりのダメージでピクピクしている。

カカロットの方に次は向かっていく。

 

「くそっ!!」

 

止めようとするが、仙豆の効果が完全に切れる。

再び体が地面に叩きつけられてしまう。

先ほどとは比べ物にならない激痛だ。

歯を食いしばって立ち上がるがたぶん一撃を放てるかどうかだ。

 

「止まりやがれ、『アルバトロス・ブラスター』!!」

 

大技を放つ。

真っすぐにベジータ王子に向かっていくが……

 

「『アホウドリ』の名を冠するには今のお前の力じゃ貧弱だ」

 

そう言って握りつぶされる。

俺は膝をつき力を使い果たして倒れてしまう。

カカロットも力を使い果たしたからか瞬く間に殴り飛ばされて地面に叩きつけられてしまう。

 

「次はお前だ、カカロットのガキ」

 

そう言って悟飯に向かう。

まずい、ピオーネの奴が最後の砦だ。

しかしここで助けなければ悟飯を殺しかねない。

動かしてやる。

這いずってでも。

全裸状態で石が筋肉に食い込もうが知らない。

皮膚が擦り切れようが構わない。

止めて命を救うまで。

 

「はぁ……はあ……」

 

息も絶え絶えに向かっていく。

徐々に悟飯へ近づくが悟飯の目は覚悟している。

戦うこと。

そして倒すこと。

余計な心配だが、殺されたくはない。

俺は歯を食いしばり、この戦いで死んだ奴ら今も倒れているやつらの事を思い浮かべる。

 

「うがぁあああ!!」

 

殺されてしまうという心が激痛を凌駕した。

守らなければいけないという思いが再び立たせた。

 

「このベジータ様に勝てるわけがない!!」

 

そう言って悟飯にラッシュで勝つ。

いくらあの人でも俺達との戦いやダメージで無傷じゃあない。

 

「シャ!!」

 

攻撃を放つが受け止められる。

しかしそこで怯むわけがない。

 

「ラァイ!!」

 

後ろ回し蹴りで一撃を加える。

体勢が崩れたのを見てそこにすかさず悟飯が気弾を放つ。

それを素早い動きで上空に逃げて回避。

俺がそれを追いかける。

追いついた瞬間、にらみ合うように俺とのラッシュ合戦が始まった。

その間にもピオーネの気がだんだん上がっていっている。

一体何を狙っているんだ?

 

「ふっ!!」

 

フックで俺の顔を打つが脇腹に俺も蹴りを食らわせる。

徐々に戦闘力の差が縮まっている。

しかし体に鞭を打っている状態だ。

心で動いている今がどこまで持つか。

それだけが恐ろしい。

 

「こうなれば……『ビッグバン・アタック』!!」

 

そう言われたとてつもない気弾が迫りくる。

避ける事もかなわない一撃をもろに喰らって地面に叩きつけられた。

 

「この俺様も火事場の馬鹿力で新しいとてつもない技が生まれたぜ」

 

そう言うが声は聞こえていない。

意識は朦朧としている。

普段なら服が多少のダメージを雀の涙程度だが軽減してくれるのに今回はそれがない。

全裸で強烈な一撃を食らったのだ。

 

「こっちもとてつもない技が生まれたわ」

 

ピオーネが構えている。

俺の様に何かを象った気弾のようだが……

 

「『グラトニー・オブ・ザ・ホエール』!!」

 

とてつもないでかさに見合うクジラ型の気弾だった。

これにはさすがのベジータ王子も驚愕を隠せない。

 

「この……最後の最後までぇええ!!」

 

直撃して俺以上の勢いでそのまま地面に叩きつけられて何度も地面をバウンドする。

流石のピオーネもあれで全部の気を使い果たしてしまい、肩で息をしている。

悟飯もかなり疲れた表情だった。

ここにいる全員が疲労困憊だった。

だが最後までベジータ王子は気絶することはなく宇宙船を呼んでひきかえしていくのだった。

クリリンがあきれて『あいつ不死身かよ』と言っていたが本当にそう思えるほどだった。

俺たちの大技を合計しても確実に5発以上は受けている。

しかも大猿解除後も含めてしまうとさらに多くなるだろう。

 

死者は

桃白白

ピッコロ

ラディッツ

ルビコラの4名

ケガをした人は

骨とか折れているという意味合いでは

カカロットと天津飯とクリリン

俺とピオーネとニア

カエンサとラブカで8名

軽傷者は

悟飯とナッパと餃子

ヤムチャとラコイタ

スパーニとラディッツの3人の部下

で9名

 

死者と重傷者を合わせた数と同じぐらいけがをした人間もいる。

誰一人としてこの戦いで無傷な状態だった奴などいない。

肉体的にも精神的にも傷を負ったやつらがいる。

ただひとまずは束の間の平和に安堵の息を吐こう。

あいにく俺にはピッコロをよみがえらせる手段はある。

だから桃白白もラディッツさんもよみがえらせることができる。

そして母であるルビコラも。

全員のケガが治ったりひと段落したら話さねばいけない、そう考えながら俺はもう一度気合を入れて仁王立ちをしていた。




文面だけ見たらピオーネの特殊性能の恐ろしさが分かります。
サイヤ人以上の成長速度を持っている異質な存在。
なぜこんな特殊な性能を持っているのかは次回にちらりと書いていこうと思います。

ついにインフレ真っただ中のナメック星編に突入します。
ナメック星でも今回逃げ切ったカエンサとラブカは暗躍します。
逃がしてしまったのは単純に憎しみを晴らす以上に
ピオーネを失う事が嫌だったからという形です。
指摘などありましたらお願いします。

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