彼も着実に力をつけていった数年間と出世をご覧ください。
しかし強引な理由で時間を過ぎさせているけどそこは反省しております。
次回あたりは悟空の子育てや生活と、このラディッツの話の続きを話を分けてお送りする予定です
「ラディッツ、フリーザ様から呼び出しだ」
ドドリアさんが俺に声をかけてくる。
今や前線で誰かを下につけての活動もしている。
あのころに比べたら雲泥の差だぜ。
「わかりました、ドドリアさん」
あれからさらに月日は過ぎ去って俺の戦闘力も上がった。
今や3800で前線で戦う一員だし、部下も付いた。
一時期伸び悩みはしたが、かつてのナッパに迫る勢いだ。
そのナッパはあまり上げる事が出来ずに5000だ。
タフすぎて致命傷を負う事は無い。
その為、肉体の鍛錬でしか今のナッパに強くなる術はないのだ。
もしベジータが力加減を誤れば死んでしまうから仕方のない判断ではある。
「フリーザ様、ラディッツです」
フリーザ様の部屋の前でノックをする。
すると自動で開きこちらに振り向いて早々と本題に入り始めた。
「随分と前の話になってしまうのですが……惑星カナッサというものがありましてね」
カナッサ星人がいたところだな。
かつて親父が攻め込んだとは聞いたことがあるが、まさか生き残ってたのか?
「その星を開拓しようとしたのですが、誰かが人や家を壊滅させていたんですよ、それも真っ新にねぇ」
どうやら部下から送られてきた映像は侵略予定前に壊滅状態だったらしい。
しかし自然やそういったものへの害はなく動物はいた。
その代わり星の住人や住居の部分だけが全く存在のない状態だったのが確認できたようだ。
「その手口があなた方サイヤ人が滅亡させて来いと言ってやった時と酷似しているのです、心当たりはありませんか?」
サイヤ人の手口……。
最近俺たちがそこに行ったという渡航歴はない。
カカロットも可能性はあるが一番高いのは……。
「一人だけ……ここにはいませんが」
ターレスとも思うがあいつの後は自然が死んで赤茶色のような星に変わってしまう。
そうではなく自然が生き残るのであればあいつだ。
「誰です?」
ここにいないとなると別動隊か?
もしくは見逃してしまっていたのかというような不思議な顔をする。
確かにあいつの存在は誰も言ってなかったからな。
カエンサやラブカは一言も口に出さない。
俺たちサイヤ人、もしくはギニュー特戦隊が知っている。
「ガタバルといい、カエンサの弟です」
カエンサ達は黙っているが、きっとルビコラだったらあっという間に教えてもらえただろう。
少なくても自分の腹を痛めて産んだ子供だ。
心では裏腹にどれだけガタバルに愛を注ぎたかっただろう。
だがそれを許さぬラブカを恐れてしまったのだろう。
当時の戦闘力差は倍ほどもあったらしい。
夫婦喧嘩など生易しいものではなく一方的に暴力を振るわれかねない。
それでは愛を注ぐより己の命を優先したくもなるものだ。
「カエンサさんは黙っていましたがなぜでしょうか?」
確かになぜ今まで、サイヤ人の戦力について黙っていたのか。
その疑問が生まれる。
しかし、あいつらには明確なその存在を認識したくない理由がある。
「ガタバルは生まれながらに低い戦闘力であったが故、そして成長が見受けられないとのことで見下しております、それに存在を抹消したいのでしょう」
エリートの血筋にふさわしくない。
そう言った理由だけで低い戦闘力を持つ子供であったあいつは蔑まれた。
それこそ下級戦士の俺以上に。
外での理由は『エリートなのに』ではなく基本的にラブカとカエンサの振る舞いがあったから。
奴らは滅亡前から『自分たちはお前らより上』という雰囲気を滲ませていた。
それゆえに比較的弱かったガタバルはいじめられる。
そいつらを倒せないから家ではさらに蔑まれて迫害をされる。
本来は守ってやるべき存在さえも一緒になって奴を傷つけていたのだ。
カエンサが守ってやったことなんて一度もない。
むしろ無視をして目の前を通りすぎていったぐらいだ。
俺も一度遭遇してやめろと言ったが一緒になってやられた。
「まったく、嘆かわしい……ちなみに戦闘力はいくらでしょうか?」
ため息をつく。
今は戦力が多ければそれだけでいい。
あいつにもいい環境を与えてやれる。
もし、フリーザ軍に居たらターレスやドドリアさんが教育をして頭角を現しただろう。
「この惨劇を見るに11000は確実にあるかと……、もしくは感情の昂ぶりでそれ以上を一時的に引き出したのではないかと」
穏やかな奴が怒った時、一時的に戦闘力が上がっていたのを見たことがある。
あの時は故障かと思ったが、これを見るに故障ではなく本当のようだ。
その時の戦闘力が何倍に膨れ上がるかで危険度も変わる。
そして一つの疑問はその状態で大猿になればさらに10倍になるかどうかだ。
「あれ……カエンサさんの戦闘力って確か」
フリーザ様が首をかしげる。
気づいてしまったようだ。
今のガタバルの戦闘力の方がすでに……
「9200ですので、逆転しております」
兄であるカエンサを大幅に超えているのだ。
ベジータの報告以降、頑張っていたが1200しか上がっていない。
いままで生半可にしかやらずに見下していた付けだろう。
あとはベジータ達のように手加減知らずが多いから組手もできない。
親子そろって残念な奴だぜ。
「しかし、なぜあの隕石の衝突から逃れたのでしょうね?」
惑星ベジータの隕石の衝突ではガタバルの逃れ方は気になるのだろう。
カエンサ達はフリーザ様に忠誠を誓い、ベジータ王を裏切ることで生き永らえた。
俺はベジータといてその時に命令無視で生き延びる事が出来た。
「ラブカが除籍という形とのたれ死ねばいいという考えで『飛ばし子』を行ったからです」
あいつに聞いたらこう言っていた。
まさか生き延びると思わなかったようだが。
しかもそのせいで痛い目にあわされるとは情けないぜ。
「なるほど……」
もうなんだかフリーザ様からラブカとカエンサに対する評価がガンガン下がっている気がする。
しかしあいつらが言ってたことだからな。
報告の際にいいように言える内容なんて微塵もない。
あいつらの態度が違っていたら『生かそうとした苦肉の策なんです』とも言えたんだが。
「もし、今後会う事が出来たなら私が直々に勧誘していたとお伝えください」
あいつが素直に来てくれるとは限らないがな。
それにラブカたちが絶対にいびるだろう。
それは間違いではない。
「はい」
しかしそんな事を真っ向から言う必要もない。
会えたなら伝えておこう。
「それでは、話がしたかっただけなので……」
そう言われて俺は下がる。
あいつと会おうとしてばれたらカエンサやラブカに目をつけられるからなぁ
それに偶然という形で何とかするしかない。
最近行った事のある惑星を洗いざらい見ていくしかあるまい。
「何年かかるんだろうなぁ……」
反応を遡ろうにももともと登録されたものではない。
あいつの行きそうな場所……
「ピタルぐらいしかないな……」
初めて会ったあの惑星から情報を集めて、そこから巡っていくしかない。
俺は久しぶりにピタルの座標を打ち込んで、ガタバルの捜索にいそしむのだった。
.
.
数か月後、俺はピタルに到着した。
前回、出発した惑星フリーザよりは遠いからな。
ちなみに惑星フリーザは何個もあるからその後に番号が振られている。
「何年ぶりかな、ラディッツ君」
医者がこっちに振り向く。
前回はメディカルポットがほしかったり技術の観察だったが、今回は全くの別だ。
「ガタバルは来ていないか?」
あいつなら絶対にここに一度きりしか来ないという事は無いだろう。
つまりこいつらならば重要な情報を持っている可能性は非常に高い。
「彼ならば、男性のサイボーグを連れてきていたよ」
あいつはまたなんでそんな奇妙な奴とつながりがあるんだ、
機械で発達している惑星にでも行ったのか?
「生身に治しただけだがね、どこの惑星出身か聞き忘れたな、しかし見た目は君たちサイヤ人と同じだったよ」
生身の部分がわざわざ隠されていなかったのか。
復活した時の見た目から考えて、つまりはそう特殊な生命があまり住んでいない惑星だ。
絞り込めそうではあるんだが……
「しかし確実な情報が欲しいな」
できれば100に近い可能性を割り出して見つけたい。
あいつの渡航の内容としてはスイッツにもいっているようだし聞いてみるか
「一度きりですね、よくこられるギニューさん達といたんですけど……」
スイッツに着いたら甘い匂いで咽そうになった。
その後手掛かりがないのでいろいろな店に行って聞き込みをしたが外れ。
聞き込みのため、甘いものを摂取しすぎたので少し口が甘ったるかった。
「彼なら来たが……服を重くしてくれって言いに来てから来とらんよ、元気にやっとるじゃろうな」
ヤードラットもだめか。
あいつの活動が止まっているところが分かればそこに定住か、最悪死んでいることもわかるんだが……
あいつの居場所を知っているやつがこの広い宇宙のどこかにいるはずだ。
フリーザ様から呼ばれて戦ってすぐに再捜索。
そのせいでかれこれたかだか3つの惑星の行き来だけで2年が過ぎた。
中継できる惑星フリーザがなかったりする惑星もあるし本当に遠いところではかなりの時間を使うからだ。
戦闘力も上がらないから余計に苛立ちも募る。
「まだまだナメック星とかティビグラとティメって多いな……」
しかも中継する惑星フリーザはこの3つの近くにはない。
つまりこれ1つ1つ探って行くのに半年か1年はかかるのだ。
「ナッパかベジータに手伝ってもらった方がよかったんじゃないのか?」
まだ2つずつ探れるから3ついってそれで無理なら、どこかに全知の奴がいるらしいからそいつを頼ろうという事も出来た。
しかし今となってはもうそれもできない。
部下に頼んでもカエンサやラブカに言ってしまえばそいつらの首が飛ぶ。
比喩ではなく物理的にだ。
だから俺が単独調査の体で動くしかなかった。
俺はため息をつきながら招集された星へと向かっていった。
.
.
「まさか大怪我になるなんてな」
招集された星で部下を庇った結果、肩口から切り裂かれてしまった。
メディカルポットに入って休養をする。
戦闘力は4100とあまり伸びない。
首をコキコキと鳴らしていると部下が困ったような顔でこっちに向かってきた。
「すみません、まさかこんなことになるなんて」
仕方あるまい。
ただ言えるのは相手の状態を確認せずに浮かれてはいけないぞ。
これでなりふり構わないやつなら自爆をしてくるからな。
「あの、こんな噂聞いたことありますか?」
別の部下が椅子に座ると同時に話しかけてくる。
噂話はよく聞くんだが……
「最近宇宙のバウンティハンターで100%捕縛の凄腕の女がいるんですよ」
100%捕縛といっても絶対、ぼこぼこにしているだろう。
後、高難易度な捕縛対象でないと100%は守れるぞ。
「10000ぐらいの奴なら平然と倒しているらしいです、遠目から計測したら17700ほどらしくて……」
おいおい、ベジータより強いんじゃないのか?
あいつでも今17500ぐらいだったんじゃ……
「そいつ、しかもセッコ・オロでの最強の女らしいんですが、キュイさんが2回目見に行った時ガタバルとかいう奴と戦っていたみたいです」
おい、お前今いいこと言った。
すごい良いこと言ったぞ。
キュイに聞きに行けばいい、いやスカウターの通信機能を使おう。
部下にはその女のエネルギー反応を調査してもらう。
「キュイ、俺だ、ラディッツだ」
「あん、ラディッツなんかが俺に何の用だ?」
キュイは俺を下に見ている部分がある。
戦闘力の差でえらいと思っているのだろうが、強いだけでは部下は慕ってこない。
現にあいつの部下0人だからな。
俺にはいらねぇとか言っていたが、居たら大怪我を追うような囲まれ方もしないだろうに。
「すまんな、一つ質問したいことがあって」
「なんだよ?」
簡潔に用事を済ませないと、不機嫌になっていくからな。
結構こらえ性がないし聞き上手ではない。
この点はドドリアさんやザーボンさんの方がうまい。
流石は幹部といった所だ。
「セッコ・オロに昔見に行った時、男の方はガタバルという名前で試合に出ていたのは確実か?」
「あぁ、このキュイ様の記憶力は確かだ、間違いない、女の方はピオーネっていう名前だったぜ」
これで確定だ。
このピオーネという女を追えば必然的にガタバルの足跡がわかる。
あとは部下の情報次第だ。
すぐに行ける準備をしておかないと。
「ありがとうな、フリーザ様にはお前の報告で大きく進展したと伝えておく」
「そんな重要なことだったのか……ちゃんと良いように伝えといてくれよ!!」
キュイが真剣に言ったときは吹き出しそうになったが通信を切る。
どうやったらこの有力な情報をくれた事実を悪いように報告できるのか……
すると部下がピオーネの渡航歴を洗い出して現在の惑星を確認してくれていた。
次の目的地のパターンを割り出すことにも成功したようだ。
「ウェアキラか……」
火山だらけの惑星で有名で多くの凶悪な犯罪者がいると聞いたこともある。
ここからは遠いがあいつの情報のためにはいかないとな。
「高速の宇宙船を用意してもらうように頼んできてくれ!!」
俺は気合を入れなおして犯罪者まみれの惑星へ向かうのだった。
ラディッツさん、地球に行こうとならずに片っ端からやってしまい、時間を浪費するの図。
ラディッツはフリーザ軍の地位でいえば強さよりは
人望のある中堅どころといったポジションです
指摘などありましたらお願いします。