30人を切ろうとしている中の激戦です。
オラも戦っているけれど全然落とせねぇ。
人数が減ってきているからだ。
第2宇宙の奴を1人。
第3宇宙の奴を2人。
「じっちゃんとピッコロは落ちちまっているけんど……」
そんな事を言っていると欠伸をしているフリーザがいた。
なんだか物足りないといった感じだ。
「どうしたんだ、おめえ?」
こっちに気づいたフリーザはもう一度欠伸をする。
やる気のないこいつを見るのは初めてだぞ。
「どうしたんだも、何も……相手のレベルが見合っていないから退屈なんですよ」
親指で倒れてしまっている奴らを示す。
第9宇宙と第10宇宙の奴が2人ずつ。
そしてそれを場外に投げる。
「実力者が揃っているはずなのに、不完全燃焼もいい所です」
残りはおよそ30名。
その中でも自分と拮抗できるほどの実力者は少ない。
「貴方もゆっくりと探しておいた方がいいのでは?」
そう言って去っていくフリーザ。
そんな中、遠くで爆音が聞こえる。
この音の出所は分かる。
ブロリーだ。
あいつも戦っているみてぇだし言う通り探しに行ってみっか。
.
.
「どうした、こんなものか!」
全力で3人を同時に相手をしていた。
第10宇宙の戦士の3人。
なかなかの力ではあるが全然こっちからすればまだまだといった所。
羽があろうとも……
「ハアッ!!」
跳躍一つで追い越して地面に向かって殴ってやる。
相手は地面に叩きつけられる前に飛翔しようとするが甘い。
「滞空時間が長い跳躍というのもあるのだ」
そう言って腹部を蹴りぬこうとした瞬間……
相手の綺麗な声が聞こえる。
「喰らえ『ローズ・ニードル』!!」
きざな男ではあるが正確無比。
目を狙ってバラを模した気弾を放つ。
しかし……
「ふん!!」
歯で受け止めて砕く。
厄介な奴だな。
よし、俺は決めたぞ。
「美男子、まずは貴様から落としてやる!!」
着地と同時に『ブラスター・オメガ』を放つ。
それを軽やかに避けている。
しかしそんな回避ではまだまだ追撃できる。
「『ギガンティックコメット』!!」
気弾の雨を降らす。
その一撃一撃を回避しているが徐々に狭まっている。
「くっ!!」
冷や汗を垂らしてそのまま大仰に避けてしまう。
ここが攻撃を加える機会だ。
一気に駆けだして首筋に狙いを定める。
「『ギガンティックハンマー』!!」
ラリアットを放つ。
相手は木の葉のように舞い上がって地面に叩きつけられる。
そしてここで攻撃を終わらせはしない。
「『ギガンティックミーティア』!!」
美男子の顔が床にめり込んでいく。
顔は問題はないが気絶していた。
放り投げて場外へ。
「まず一人!!」
そう言って次の相手を見る。
相手の眼には怯えがあった。
しかしそんな事で攻撃の手を緩める俺ではない。
「抵抗しないと無様に落ちるだけだぞ?」
手をひらひらと降って相手へ向かって行く。
こちらが相手に対して一歩踏み出して近づいていくごとに青ざめていく。
「うぉおお!!」
恐怖心を振り払って攻撃を仕掛けてくる。
限界を超えてしまっているのか。
こちらの想像を超える速度、威力の攻撃を放っている。
その証拠に風を切り裂く拳が耐えられずに皮膚が切れている。
「ちっ!!」
顔面に一発入る。
腕を交差してズシンズシンと音を立てるように進んでいく。
相手は延々と打つが俺の骨の太さと頑丈さのせいでダメージが通らない。
「止めてやらないとな」
俺をその拳に腕を絡みつかせる。そして足払い。
相手を転ばせてそのまま顔に一撃。
そしてもう一発。
気絶させる程度にしておいた。
「二人目……」
放り投げて場外へ。
相手は女性だが……
「落としてやる」
ここまで来ては見逃さない。
相手が怯えて逃げようとするが……
「遅いぞ」
あっという間に追いつく。
あとは跳躍をして叩き落す。
「はっ!!」
高さは十分。
跳躍をして追い越した相手に頭突き。
自分の体の大きさを活かす。
相手が受け止めても押し込めるという算段だ。
「うわぁ!?」
華奢な体では受け止める事も不可能。
ましてや飛ぼうにもその瞬間、力を入れる。
それを逃すわけがない。
そうしたら腕を伸ばして気弾を撃ち込む。
間合いがまるでない密着でやられてしまうと死ぬかもしれない。
そんなもの、決断することはできないのだ。
「落としてやる!!」
そのまま頭突きの状態でめり込む。
頭を抜いて相手を掴み場外へと投げていく。
白目をむいていては飛ぶことは不可能。
少し物足りなさを感じてしまう。
こちらが勝利を感じて首をコキリと鳴らす。
すると、目の前からさらなる激戦を予感させるように、立ち昇る大きな気を持った女が現れた。
「次は私が相手です!」
そう言って近づいてくるのは第6宇宙のケール。
しかし見た目が超サイヤ人4に変わっていた。
何故かと思い、空を見上げると煌々と輝く気弾。
あれは『パワーボール』。
この短時間で尻尾を生やし、月の代替品の用意。
さらには大博打をする度胸。
とてつもない秘策を第6宇宙も用意したものだぜ。
「まさか、同じ形態の相手と相まみえるとはな……」
3人を落として温まった体。
そんな中間違いなく、己の全力を注いでも問題ない相手が目の前にいた。
相手に向かって全力で駆けだす。
「ハアアッ!!」
お互いがロックアップで相手の実力を測りあう。
俺が感じている相手の腕力……そして潜在能力。
いずれをとっても厄介だ。
このまま野放しにすると第6宇宙が優勝する。
それほどの可能性が彼女には秘められている。
「簡単に負けてはやらないぞ!!」
全力を尽くせる喜びを感じると同時に力を振り絞ってねじ伏せにいった。
相手も抵抗をする。
ブリッジの体勢でこらえて腹部へ蹴りを繰り出してきた。
「うおっ!?」
俺はその衝撃によろめいて相手との組み合いを解く。
じゃあ、仕切り直しだ。
そう思って構えなおした瞬間、遠い所の気配を感じる。
背中につららを突っ込まれたような恐ろしい感覚が走り抜けていった。
.
.
ジレンと俺との間合いがじりじりと詰まっている。
間合いと言うには語弊がある距離だ。
目視は出来ているが蹴りや拳を出しても到底届かない。
しかし自分とあの男が向かい合っている今、どの瞬間に攻撃を放つか。
それを決めてしまえば距離感は消失する。
そんな確信にも似た予感がある。
「……来た!!」
空気が爆ぜるように迫りくる。
その拳を逸らすと既に普通に腕を出せば届く場所にいた。
「流石だな」
ジレンがそう言って拳を突き出してくる。
俺はそれを最小の動きで避けて中段回し蹴りを繰り出す。
「むっ……」
ジレンは腕で受けるが、俺は一撃で終わらせない。
ダブルで上段へ蹴りを繰り出してこめかみを狙う。
そのままよろめいてくれれば御の字だが……
「甘い」
ジレンが蹴り足を掴みに来ると察知した瞬間、俺は足を止める。
更に姿勢をかがめて地面に手をついて掴んできた手を避ける。
地面についていた手を離し、カポエイラのように勢いをつけて脇腹に蹴りを放つ。
「ふんっ!!」
ジレンはそれに気づいて挟んで蹴り足を殺しに来る。
俺はそれも止めて距離をとる。
すると相手が攻めてきた。
「はっ!!」
ジレンはジャブを左右に二発繰り出してくる。
ジャブとは言えど練度が段違いだ。
そのまま急所に当てられたら相手を倒す事が出来る威力を見せてくる。
俺はひょいひょいとそれを避ける。
「ふっ!!」
ジレンは俺の回避先を読んで強烈な前蹴りを放ってくる。
俺は後ろに下がりながら勢いを殺してその足を掴む。
「しっ!!」
俺が足を掴んだ瞬間にジレンが肘打ちを放つ。
こっちは足を掴んだままそれに合わせて動く。
「はっ!!」
肘打ちをかわしながらも倒れ込むように掴んだ足を回転させてテイクダウンをしていく。
アンクルホールドが極まるかと思ったがそうは問屋が卸さない。
「ふんっ!!」
ジレンが足の筋肉をバンプアップさせる事で足を掴んでいた俺の腕を弾き飛ばす。
そのまま距離を取って互いに睨み合う。
「やるな」
その眼には初めに見た時の無機質さがなかった。
燃え滾る炎が宿っている。
ただそれを表情に上手くできていない。
きっと悔しげな顔を浮かべていただろう。
「お前も俺もまだ全力で今の動きはしていない」
互いの探り合い。
それの軍配がこちらに上がった。
ジレンが足の筋肉を膨れ上がらせるのが一瞬でも遅ければ、今頃俺に破壊されていたかあるいは足の機能が著しく落ちていただろう。
「ここからはもう手の探り合いもない」
そう言ってこっちが気を放出する。
ジレンもそれに呼応するように気を放出する。
するとジレンの気が『無の界』一帯を包み込もうとする。
そのまま包み込むような気の一点を俺の気の柱で破る。
「うおおおお!!」
接近して拳を突き出す。
それを腕を交差して止めるジレン。
地面に手をつき足払いをする。
「ふっ!!」
バックステップで回避をするかと思ったが跳躍で回避。
そして手を空にかざして……
「はっ!!」
気弾の推進力で接近して殴りに来る。
その一撃を避けられずに喰らう。
「ぐおっ……」
重い一撃だ。
しかし踏みとどまって腹部に一撃を繰り出す。
「ぬうっ……」
防御が間に合わずに俺の攻撃を受ける。
鉄のような腹筋を突き破って深々と刺さる。
「うおっ!!」
効いたそぶりは見せない。
前蹴りで距離を突き放される。
しかし次の瞬間には攻撃で射程に捉える。
飛び後ろ回し蹴り。
「ぬんっ!!」
足を掴まれるが延髄切りに切り替える。
離して回避するが着地をしてそのまま突撃。
「かあっ!!」
それに対応するように互いが頭突きとなる。
ごつんなどという生易しい音というよりは耳をふさぐような轟音が鳴り響く。
「固い頭だな」
「……お互い様だ」
俺が言うとジレンもぶっきらぼうに答える。
二人とも相手を見る。
しかし次の瞬間、目の前からジレンが消える。
「こいつ……」
こっちから動いていた方が多いから、こいつ自体は動きを見せてなかった。
跳躍など縦の動きは見ても前後左右の移動やそれに基づく速度は見えていなかった。
「そこだ!!」
攻撃をわずかに避けるが掠ってしまう。
そしてそのまま目の前から消えていく。
「……!!」
次の一撃が見える。
しかし……
「ぐう……」
またもや掠る。
さっきよりも打撃面積が広がっている。
「だが!!」
三回目の消失。
面積が広がっていようとも……
「……!!」
ジレンの攻撃が放たれる。
その瞬間に力だけを抜く。
「うぐっ!!」
腹部に一撃を当てられる。
そしてその瞬間に腕を浮かんでしまえばいい。
「無駄だ」
掴んでいた腕を一気に引き剥がしに来た。
肉をここまで切らせたのだ。
骨を断たないとな。
「どりゃあ!!」
膝蹴りがジレンの顎に掠る。
後ろに下がる形で避けられていたのだ。
折角喰らってでも相手の動きを止めたのに。
あまりにも割に合わないダメージだな。
「だが……」
手応えが全くないわけではない。
しかし、あの状態で戦わないとまずい相手だ。
俺の全力はあの状態になっている事を含めてだ。
そうでない状態ならば、今のこの有様も納得である。
どこまで神の領域に踏み込んだ相手なのか知りたかったが確信した。
こいつは破壊神を超えている。
とは言えど最強の破壊神はビルス様だ。
11宇宙の破壊神を超えているとはいえ隔絶されてはいないはず。
「『この身に勝手に委ねる』」
そしてジレンと向かい合う。
さらなる激戦を予感させる第2ラウンドが始まった。
ようやくジレンとの激突です。
第7宇宙も人数を減らしていく時期になりました。
速く第4宇宙の2人が明らかになってほしいです。
現在までの脱落者:
()内は落とした人間
第2宇宙:8名脱落
リブリアン(ガタバル),カクンサ(ガタバル),ラパンラ(ガタバル)
ビカル(ピオーネ),ロージィ(ピオーネ)
ハーミラ(ベリー),ザーブト(悟空),プラン(ベジータ)
第3宇宙:7名脱落
コイツカイ(悟空),ニグリッシ(悟空)
ボラレータ(バーダック),ナリラーマ(ヒット),ザ・プリーチョ(ガタバル)
ビアラ(ベルガモ),マジ・カーヨ(ジレン)
第4宇宙:5名脱落
ガノス(バーダック),マジョラ(バーダック)
ダーコリ(亀仙人),キャウェイ(亀仙人)
モンナ(キャベ)
第6宇宙:6名脱落
フロスト(ジレン),ドクターロタ(ジレン)
ボタモ(悟飯),マゲッタ(ピッコロ)
ベリー(ディスポ),キャベ(トッポ)
第7宇宙:2名脱落
亀仙人(ジレン),ピッコロ(ジレン)
第9宇宙:7名脱落
ホップ(フリーザ),コンフリー(フリーザ)
ベルガモ(ジレン),ラベンダー(ジレン)
オレガノ(バーダック),チャッピル(ガタバル),バジル(ベジータ)
第10宇宙:7名脱落
ジラセン(ブロリー),リリベウ(ブロリー),ジルコル(ブロリー)
ザマス(ガタバル),ナパパ(ガタバル)
ムリサーム(フリーザ),ジウム(フリーザ)
第11宇宙:8名脱落
カーセラル(カリフラ),ゾイレー(カリフラ),ケットル(カリフラ)
タッパー(ケール),ブーオン(ケール),ココット(ケール)
クンシー(バーダック),ディスポ(ベリー)
現時点:50名脱落
残り30名
撃墜数
7人:ガタバル,ジレン 5人:バーダック 4人:フリーザ
3人:カリフラ,ケール,悟空,ブロリー
2人:ベリー,亀仙人,ピオーネ,ベジータ
1人:キャベ,ヒット,悟飯,ピッコロ,ベルガモ,ディスポ,トッポ
指摘などありましたらお願いします。