おかしい点やアドバイス、またリクエストなどは大歓迎なので感想ページにどんどん書いてください!(むしろその方が捗る....ボソ)
....と、いうわけで第4話をお楽しみください!
501基地、半地下営倉
チチチッ
「ん~?」
アンタレスは何かに頬をつつかれ目を覚ました。そこには一匹のネズミがいて、アンタレスのことをジッと見つめている
チュゥ
「よぉ、ここの住人かい?」
チチ
「何、腹が減ったか?悪いな今は持ち合わせが板チョコ位しか無いんだ。これで良いならやるよ、ほれ」
そう言うとアンタレスは胸ポケットから板チョコを一枚取り出し半分に折って片方をネズミに手渡した、ネズミはアンタレスの手から板チョコをくわえ取るとその場で食べ始めた。すると
ガチャン
「ん?」
格子戸の鍵が開く音がした。アンタレスはその方向を見るとおさげ髪の十代くらいの少女が立っていた。
「出ろ」
「釈放か?それはありがたい」
「黙って出ろ」
少女はアンタレスの手に手錠を懸けた。
アンタレスはチョコを食べるネズミに「じゃあな」と言い営倉を後にした
「何処に行くんだ?」
アンタレスが問いかけるが少女は無視したまま、後ろを振り向くと兵士が二人銃を構えていた。服装はWW2時代のイギリスの軍服に似ている。
アンタレスはふと歩きながら窓の外を見た、すると外には大きなトラックが2、3台走り去っていくのが見えた。大きな荷物を積みながら
「なぁ、あのトラックの積み荷は何だ?」
「お前には関係ない」
少女は素っ気なく答える。
少女の手にはやたらとデカくゴツい銃....と言うより機関砲が握られていた。驚くことにそれを片手で軽々と持っているのだ。それに良く見ると少女の頭と尻の辺りからは耳と尻尾が生えている
「なぁ、そんな物騒なモン必要か?それどう見ても対人用に使うもんじゃないだろ」
「黙ってろ」
「それに何その耳と尻尾w、アレか?ニッポンで言うコスプレってヤツか?!」
「黙ってろと言ったのが聞こえなかったか?!」
少女は段々苛立っている様だった、しかしアンタレスの口は止まらない
「悪いな、あいにく隊では二番目にお喋りでね。あ、因みに一番は俺の隊の三番機ね」
「黙れ!」
ついに少女はアンタレスに向け銃を構えた、しかし
ガチャン
「っ!?」
アンタレスは手錠の鎖を少女の持つ銃の銃身に絡め銃口を自身の右胸に押し付けた。後ろに立っていた兵士も戸惑いながらアンタレスに持っていた銃をむける。
「撃てよ」
少女は表情は変わらないものの明らかに戸惑っている様子だった
「んなモン向けられたって何も怖くねぇよ、こっちは地獄の回廊何度も潜り抜けてんだ。死ぬ覚悟はいつだってはできてるんだぜ」
「くッ!....」
「どうした、怖くて引き金も引けねぇか?」
「この....」
「いいか、一度しか言わないから耳の穴かっぽじってよ~く聞けや、人に銃を向けて良いのはな、撃たれる覚悟のあるヤツだけだ。勿論テメェはあるんだろうな?」
アンタレスの問いかけに少女は答えない
「撃てぇ!臆病者!」
「止めなさい!」
アンタレスが怒鳴った次の瞬間、赤毛でロングヘアの女が止めに入る
「ミーナ!」
「バルクホルン大尉、銃を下ろしなさい。廊下を血で汚したくないわ」
「しかし!」
「鼻っから撃つ気はないでしょう?。貴方も銃から手を離しなさい」
「ふん、ほらよ」
アンタレスは素直に銃身から手錠をほどく
「こっちよ」
女がアンタレスを先導する
「さっさと歩け!」
と、バルクホルンと呼ばれるおさげの少女が言う
「ヘイヘイ、わっかりやしたよ~」
しばらく歩くと女はある部屋の前で止まった
「あなた達はここで見張っててちょうだい」
『ハッ!』
女は付い来ていた二人の兵士を部屋の前に立たせ中に入っていく、中には既に一人の眼帯を着けたアジア系の女が居た
「ここに座って」
そう進められると、アンタレスはズカッとソファに座り足を組む
「改めまして、私は501統合戦闘航空団隊長のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケよ」
赤毛の女が自己紹介をする。どうやらこのミーナと名乗る女性が基地司令らしい
「ミーナ?」
「私の名前が何か?」
「いや別に....変わった名前だなぁって」
「変わった名前?」
「だってそうだろ?『地雷』って名前の人そうそう居ないぜ、ましてや女。ハハハハハハ!....おいおい落ち着けって、ジョークだよジョーク。Scherz Scherz」
アンタレスが冗談を言った直後、ミーナはアンタレスに向けて銃を構える。アンタレスは両手を挙げて敵意がないことを示した
「世の中には言って良いジョークと悪いジョークが有りますよ?ミーナのスペルはMinna。『мина』でも『mina』でもありませんよ」
「わかった、わかったからその美人に似合わない物騒な物をしまってくれよ」
アンタレスはあえて美人といい相手の機嫌を取る
「.......まぁいいでしょう。こっちに居るのが....」
続けてツインテールの少女が自己紹介をする
「ゲルトルート・バルクホルン、カールスラント空軍大尉」
続いて眼帯女
「坂本美緒、扶桑海軍少佐だ」
「.......」
アンタレスは三人の名前を聞いて不思議そうな顔をしている
「どうかしたか?」
坂本と名乗った女が問いかける、するとアンタレスは
「え〜っと、確認するぞ。地雷に自走砲に眼帯中ニ病女であってるな?」
「だあぁぁぁ!待て待て待て!落ち着けって!話せばわかる話せば!」
アンタレスの言葉を聞いた三人は瞬時に臨戦態勢をとる。ミーナは拳銃、バルクホルンは機関砲、阪本は刀を構えアンタレスに向ける
「誰が自走砲だ、私の事か?恐らく我が国のナースホルン自走砲の事を言ってるんだろう。しかし、私の名前はバルクホルンだ。決してナースホルンなどではない!」
「マッターホルンのつもりだったんだけど?」
その言葉を聞きバルクホルンはアンタレスの首を締め上げる
「悪かった!マジ悪かったって!本気で絞まってるからマジで!ギブギブ!ギブゥゥゥ!」
「眼帯までは良いがその後の『ちゅうにびょう』と言う言葉がどうも癪に触る。どういう意味だ?、言ってみろ」
「冗談だって!場を和ませるつもりのちょっとした冗談だっての!平和的に解決しようぜ!平和的に!!その前にまずコイツに首絞めるの止めさせて!マジで意識が....!」
坂本はバルクホルンに離すよう言い、バルクホルンはアンタレスの首から手を離した。アンタレスが軽くむせてるなかバルクホルンは言う
「次その口から冗談を言ってみろ、非平和的な手段で黙らせるからな」
「今以上に非平和的な事あるかよ?」
アンタレスは涙目になりつつ自分の首を押さえる、バルクホルンは獲物を狙う狼の目付きでアンタレスを睨む
「はぁ....とりあえず、あなたの簡単なプロフィールを教えてくれるかしら?」
ミーナがアンタレスに問いかけると、アンタレスは手錠をされた手を前につき出す
「その前にコレ外してくれよ、手首が痛い」
「バルクホルン大尉、外してくあげて」
バルクホルンはアンタレスの手錠を強引に解錠する、「手首がもげたらどうしてくれる?」と言うアンタレスに「なんならやってやろうか?」とバルクホルンが言った
「改めて聞くわ、あなたの名前は?」
「言わないように上に言われてる、部外者には教えられない」
「責めて名前位は教えてもらわないと困るわ」
「いやぁなこった」
「ジュネーブ第三条約第十七条第一項では尋問を受けた場合に、登録番号や氏名、階級及び生年月日並びに軍の番号、部隊の番号、個人番号については答えなければならないと記されています。言わなければ条約違反になるわ」
「俺正規軍じゃねぇし、傭兵だし傭兵。分かる?」
両者一歩も譲らない
「正規軍じゃないなら、捕虜ではなく犯罪者やテロリストと言う扱いになりますよ」
「勝手にしてくれ」
ミーナのささやかな脅しにもアンタレスは屈しない
「あくまで名前を言わないつもりなのね」
「悪いか?」
結局アンタレスが口を割ることは無かった、そこへ坂本が話しかける
「なら話を変えよう。お前の乗っていた機体だが、未だに実用化されていない噴進機だ。それに速度性能や機動性が優れていた。あの機体は何だ?」
「本気で聞いてんの?」
「?」
坂本の質問にアンタレスは『コイツ大丈夫か?』とでも言いたげな表情で聞き返す。坂本達の頭の上には?マークが浮かんでいた。
アンタレスが聞き返すのも無理はない、西側、特にロシアや中国等の国の主力戦闘機の頂点に君臨する『スホーイSu-27系』の戦闘機である『Su-35』を軍事関係者が知らない訳がないのだ
「....軍人なのにスホーイも知らないのかよ、ボソ」
「スホーイ?」
阪本が聞き返す
「あ、聞こえちゃった?」
とぼけるアンタレス
「オラーシャのスホーイ設計局の事か?」
とバルクホルン
「ご想像にお任せしま~す」
「あなたオラーシャから来たの?」
ミーナはアンタレスの知らない単語を口にする
「オラーシャ?何それ食べ物?美味しいの?値段幾ら?食べたいな~、買って来やがってよ(棒読み」
アンタレスはフザけ半分でとぼける
「ミーナ、一発殴っていいか?」
「止めなさいバルクホルン大尉」
「『あなたオラーシャから来たの?』とか聞くけどここが何処かも知らないし、そもそもブリタニアだっけ?んな国聞いたこともない」
と、アンタレスは訴える
「なんなら、大まかに説明しましょうか?」
ミーナはバルクホルンに戸棚から地図を取らせる、しかし
「お好きにどうぞ、俺寝てるから。んじゃ、おやすみ~」
そう言うとアンタレスはフライトスーツの胸ポケットからアイマスクを取り出し目にかける。
が、その直後にバルクホルンがアンタレスの胸ぐらを掴みアイマスクを剥ぎ取って拳銃の銃口をアンタレスの額に押さえつける
「Lassen Sie sich nicht mitreißen....(調子に乗るな....」
「本当....冗談通じないよなドイツ人は」
「私はカールスラント人だ」
「とにかく、一応貴方は基地への無許可着陸及びブリタニアへの不法入国者として拘束します」
ミーナが真面目な話に戻しアンタレスに確認する
「....いつになったら帰れる?」
「少なくとも処分か下るまで一、二週間以上かかるでしょう。おまけに上の人達は貴方に聞きたい事が山ほどあるでしょうししばらくは帰れないでしょう。さらにそこから貴方の所属する組織との交渉、強制送還の手続き等々....」
「ふざけるな!」
その解答を聞いてアンタレスはついにぶちギレた。机の上の花瓶を払い飛ばし、机を蹴り壊す。こうなったらもう手がつけられない....いや、まだマシな方なのか....?
「何が無許可の着陸だ、不時着しただけだ!好きでこんなクーラーすら無ぇ古臭い所に来たわけじゃねぇ!大体今にも全滅しそうなところ助けてやったんだ!その仕打ちがこれかよ!」
「おい!落ち着け!」
坂本がアンタレスを落ち着かせようと押さえ込む。が、アンタレスは止まらない
「黙ってろガキが!今すぐ俺を解放しろ!」
まぁ、アンタレスからみれば19の坂本は確かに"ガキ"だ
「貴様何様のつもりだ!」
と、バルクホルン
「少佐様だF××king Germanen!」
しかし、やはりアンタレスは止まらない。それどころか汚い言葉まで吐く始末だ
「なっ!?貴様恥を知れ!大体"ゲルマン"とはどういう意味だ?!」
「知りたきゃ辞書でも買って調べるんだな、テメェなんぞにワザワザ説明する価値すらねぇわ!」
「貴様!」
バルクホルンがアンタレスの胸ぐらを再びつかむ
「おうおうヤるか?かかってこいよ!」
と、同時にアンタレスも彼女の胸ぐらを掴み返す
「止めなさい!バルクホルン大尉」
「しかしミーナ!」
「大尉!」
流石にミーナが止めに入る
「お前も、その手を離せ」
坂本がアンタレスの首元に刀の刃を押し付け告げる
「とにかく!貴方はしばらく拘束されることになります、よろしいですね?」
「ちっ....ん?」
不満そうに舌打ちした直後、ふと窓の方を見たアンタレスは、窓の外に二本のロープが垂れ下がる瞬間を見た
「.....っ!」
直後、事態は大きく動き出す
__次回予告__
殺気立つ尋問、帰還を絶望視するアンタレス、そこに"世界最強"の敵地潜入チームが現れる!
次回『我が名は天駆ける蠍アンタレス』
第5話
_脱出!....囚われたウィッチ!?_
お楽しみに!
※タイトルや内容は予告なしに変更する場合があります