馴れない新調パソコンとの格闘の末やっと投稿できました!Wordの起動の仕方が分からないやらデータ破損やら終わりなき設定地獄やらレーザーディスクは何者d....(以下ry
ともあれ第10話をどうぞ!
よろしければ読み終わった後に感想などをいただければ嬉しいです!
現実世界.アメリカ、ワシントン
とある建物の一室に電話のコールが鳴り響く、黒服の男が受話器を手に取り数秒通話すると、隣に座っている男に受話器を手渡した
「海軍司令部からです」
男は受話器を預かると耳に当て『私だ』と言い受話器の向こう側と話始める
『夜分に申し訳ありません』
「気にしないでくれ」
『例の海域に派遣した艦艇からの情報がはいりましたが、残念ながら収穫はなしです』
「例の"霧"かね?」
『えぇ、数回の突入を試みましたが器機に異常が発生し失敗に終わっています。しかし、ひとつだけ気になる情報を入手しました』
「なにかね?」
『日本の駆逐艦"みねかぜ"が発信元不明の電波をミッドウェー近海で受信したとのことです。解析が完了次第こちらに送ると』
「電波?」
『何でも、何重にも暗号化....と、言うよりは損傷しているらしく。修復にかなりの時間がかかると』
「そうか」
『また、例の中国艦隊についてですが、やはり消息を絶っていたことがわかりました。中国国内では情報規制をかけているらしく、それ以上の情報は.........』
「わかった、何かまた情報が得られ次第連絡してくれ」
『了解しました、大統領』
転移七日目、早朝
ミッドウェー基地のヘリポートで、バーフォードと米海軍ミッドウェー海軍基地司令であるマクガイバーがエプロン脇で話をしていた
「護衛を付けてもらって申し訳ない、准将」
「なぁに、ヴァラヒア事件の借りを返しているだけさ。ま、この調子だと少なくともあと数年は借金生活だがな。それに....」
マクガイバーがヘリに乗り込む海兵隊員達を見つめる
「彼らもタマには訓練以外のことをさせねばな。相当ストレスが貯まっているらしい」
「そのようで」
「ところで....あのガランド少将、上に相当顔が利くらしいじゃないか。シャーマン戦車を一、二輌売ってくれんだろうか?、グラントやT-34でもいいのだが」
マクガイバーがどこから取り出したのか、WW2時代戦車の特集雑誌片手にガランドの方を見つめた
「准将、止めてください」
バーフォードは呆れながらマクガイバーを制止した
格納庫前のエプロンには一機の巨大な回転翼機と二機の比較的小型の回転翼機が待機していた
「随分大きなオートジャイロだな」
「MH-53JペイブロウⅢです。ヘリコプターの中ではかなり大型の機体ですよ」
自重を持ち上げるべくゼネラル・エレクトリック製 T64-GE-413 ターボシャフトエンジン2基を備え、原型であるCH-53輸送ヘリコプターの各所に改良を加えた戦闘捜索救難機であるMH-53は堂々とエプロンに鎮座していた。その面構えはまるでブルドックである。米軍では2008年で既に退役しているが、この機体はその退役した数機をMS社が買い取った物の一つだ
「こっちは?」
「Mi-28Nです」
Mi-24に続いて開発されたMi-28の最新モデル、NATOのコードネーム"ハヴォック"の名で知られる。Mi-24のような兵員輸送能力は持たず、ロシアで最初の純粋な攻撃ヘリコプターだ。しかし、その二機のMi-28の内一機は様子が変だった
「おい、これは一体何だ?」
アンタレスが一機のMi-28のパイロンに兵装ではなく、なにやらスピーカーのついた再生装置の様な物が無理矢理くくりつけられているのに気づく
「ステレオスピーカーです」
Mi-28のパイロットがそう説明した
「まさかワーグナーとかか?」
「えぇ、整備班長が『これ付けて行けば魔女だろうが何だろうがナメられないぞ』とうるさくて.....」
Mi-28のパイロットが言う
「キルゴア中佐にでも取り付かれてるんじゃねぇだろうなぁ....」
アンタレスは呆れながら言った
「バーフォード中佐、そろそろ」
パイロットがバーフォードに催促する、アンタレス達はカーゴドアからMH-53へと乗り込み、座席に座った
因みに、今回501基地に向かう者は
バーフォード、アンタレス、ガランド、エイラ、サーニャ、通訳兼記録係のグレアム、マイケルだ。その他にも海兵隊の護衛が8名乗り込んでいた
『各員点呼、番号!』
「1!」「2!」「3!」「4!」「5!」「6!」「7!」「8!」
海兵隊は順に番号を言い、全員いることを確認した
「飛行中はこれを付けてください」
バーフォードはそう言うとガランドにヘッドセットを手渡す。ガランドはコード類が一切無いのが気になりながら自らの頭に装着した。
ヘッドセットからはパイロットと管制官とのやり取りが聞こえる
《ドミトリー1.1、1.2及びVIP 0.1、滑走路手前までの移動を許可します。移動後は航空機着陸のため指示あるまで待機せよ》
無線からの指示の直後、滑走路に大型の四発機が侵入し着陸した。機体はタキシングの後アンタレスらの乗るMH-53を避けるようにして格納庫エリアまで進んでいった
「今のは?」
ガランドがバーフォードに訊ねる
「P-3C哨戒機です、定時パトロールから帰ってきたんでしょう」
《ドミトリー1.1、1.2、VIP 0.1、滑走路への侵入を許可する。侵入後は貴機らのタイミングでの離陸を許可します》
MH-53とMi-28二機は滑走路に侵入、各種計器類のチェックを終えた後にゆっくりと滑走し始めた。いくら垂直離着陸機であるヘリコプターでも、緊急を除いて重重量時は機体にかかる負荷を出きる限り減らすため滑走しながら飛び立つのだ。
轟音を響かせながら三機のヘリはゆっくりと地上を離れデルタ編隊を組む。
ある程度の高度に到達したところでガランドは窓から基地を見下ろした。
「この基地は実に機能的に作られているな、食堂の広さや朝食の豪華さには正直驚いた」
大小複数の島で構成されたミッドウェーは面積6.2k㎡の中に出きる限りの軍事機能を詰め込んだ海上基地であり、アメリカ空海軍にとって太平洋防衛の重要拠点だ。
「娯楽の少ない所ですので、飯くらいは良いものを食べさせねば」
軍事的な機能を詰め込んだミッドウェーは海水浴や射撃、図書室を除けば娯楽は少ない、有るとすれば本部棟にあるトレーニングルームとボロボロの卓球台とビリヤード台、ダートが一本しかないダーツボードが置かれた気休め程度の娯楽室があるだけだった。あとは隊員が個人で所有するゲーム類だけだ
「しかし、あの"ジエイタイ"やアメリカ空海軍なども同じ食堂で三食を食べ、航空機の保管場所も共同、オフィスや書類保管場所まで共同とは....。機密保持の観点から問題はないのか?」
「狭い島ですからね、何かと共同運用の方が都合がいいんですよ。それに、この島にそれほど重要な機密等はありませんから」
バーフォードは島を見下ろしながら話す
「そろそろ、娯楽室のビリヤード台や卓球台を直してほしいぜ新しいダートも欲しいしな」
向かい側に座るアンタレスが足を組ながらバーフォードに言う
バーフォードは『その内な』とだけ言うと話を終わらせた、アンタレスは『あぁ、しばらくはビリヤード出来ねぇな』と確信した
「これらを飛ばす訓練に何年かかる?」
ガランドがMH-53の中を見渡しながらバーフォードに訊ねる
「まぁ、普通は2~3年、早くても1年半以上の訓練が必要です。私も昔訓練を受けましたが、やはり固定翼機を飛ばすのとは訳が違いますからね、かなりの熟練じゃなければこのような大型ヘリを飛ばすのは難しいでしょうな」
と、バーフォード
「航空機パイロット育成には、たとえ別の世界でも同じだけの時間がかかる、か」
ガランドはそう呟きながら再び窓の外を見渡した
《ドミトリー1.1、ドミトリー1.2、VIP0.1、高度制限を解除します。グッドラック》
三機のヘリは編隊を組な501基地へと向かった
「暇ぁ~」
「少しは真面目にやったらどうだ?」
二人の前には山積みにされた空マガジンと、カールスラント語とブリタニア語で『火気厳禁』と書かれた箱に入っているおびただしい数の銃弾だった。バルクホルンは、その箱から銃弾を取り出しては毎秒一発という速さで弾をマガジンに詰めている。一応言っておくが装填機は使っていない
「あと何個?」
「お前の分はまだ二つしか終わってないだろ」
バルクホルンの前には既に装填済みのマガジンが十数個置かれているがハルトマンの前には二つと装填途中の物が一つだけだった
「あぁー!もうやだぁ~!つ~か~れ~た~!」
「二つしかやってないくせに何を言っているんだ!」
駄々をこねるハルトマンにバルクホルンが怒鳴る、もはや501名物とも言える光景が格納庫内で繰り広げられていた
「昨日のネウロイは変な飛行機のやつらに取られちゃったし....」
「あの変なパイロットか」
ハルトマンの言葉にバルクホルンはアンタレスらの事を思い出す、その表情は怒りと悔しさに満ち溢れている。
「私の事を『自走砲』と罵ったあのアンタレスとか言うパイロット、考えただけで腹立たしい!」
バルクホルンが怒りのあまり手に取っていた空マガジンをぐしゃりと握りつぶした。しかし、バルクホルンの言葉を聞いてハルトマンは
「ぷっ、あはははは!」
ハルトマンは目に涙を浮かべながらゲラゲラと笑いだした
「何が可笑しい!?」
「だって馬鹿力だし正に『自走砲』って感じじゃん」
「えぇい!そこに直れハルトマン!今日と言う今日はその腐った根性を叩き直してやる!」
バルクホルンは某アニメの巡査部長の様な言葉を言い放つとハルトマンを追いかけ始めた。
「仲が良いですねぇ」
「うん」
猫とネズミの様な追いかけっこをしている二人を宮藤とリーネが苦笑いをしながら見ていた
「でも....サーニャちゃんとエイラさん大丈夫かな?」
「わからない」
サーニャとエイラが拉致されてから速五日、昨日ガランド少将らがあの島に向けて飛び立ったがその後戻ってきたのはマロニー大将のみで、詳しい話も聞けていなかった
「無事だといいけど」
暫しの沈黙が二人を包む、しかし....
「ん?」
「この音は....」
遠く水平線の先から、バタバタと聞いたことのない音が聞こえてくる。その音に気づいた全ての隊員が音源の方向を見ると、その音に混じって今度は音楽の様な音が聞こえる
「これは....」
「ワルキューレの騎行?」
どこからともなく坂本やミーナ、その他のウィッチ達が格納庫に現れ、音のする方向を見ていた。すると宮藤が何かに気づく
「皆さんあれ!」
宮藤が水平線の彼方を指差す、すると黒い点の様な物が三つ現れる。その形は奇妙で巨大なプロペラが上向きについていた
「何あれ!」「カッケー!」「ウルサイですわ!」「扇風機!?」「何あれ?」「オートジャイロか!?」「人が乗ってる!」
ルッキーニ、シャーリー、ペリーヌ、宮藤、リーネ、バルクホルン、ハルトマンがほぼ同時に言葉を発する、航空機は基地の上空を一周すると格納庫前の広場上空でホバリングし徐々に高度を落とし始めた。
それを見たウィッチ達は急いで格納庫正面の広場に向かった
《ランディング可能ゾーン確認、ギアダウン》
《回転率正常、高度30、風速は極めて微速》
パイロットが機体を操作し着陸姿勢を取る、巨大なMH-53は大きなエンジン音を辺りに響かせながらゆっくりと地上に降りていった
「少し揺れますよ」
バーフォードがそう言った直後、機体はズシンと音を立てて501基地に降り立った
《タッチダウン》
パイロットがエンジンを切ると、ローターが『ヒュンヒュン』と風切り音を立てながら徐々に回転が弱まっていった。
「スゲー!」
「何なんですのこの乗り物は?」
「大きいですね~」
三機のヘリの回りにウィッチや基地の兵士達が集まってきた、兵士らは銃を構え臨戦態勢だ。すると、そのヘリからガランドが降りてきた
「やあミーナ」
「少将!?」
ミーナは予想外の来客に仕方にビックリしたようだった
「てっきり大将とは別に本部の方に戻ったのかと思いましたが」
「まぁ、色々あってな」
ミーナがガランドと話をしているとヘリから次々と人が降りてきた、そして
「よう"地雷"野郎」
「あなたは....!」
アンタレスは挨拶がわりにミーナのことを地雷と言い放った。すると
「た、ただいま戻った....ダナ」
「お、遅くなりました」
エイラとサーニャがヘリから降りてきた。他のウィッチ達は驚いた様子だで二人を見ていた
「サーニャちゃん!エイラさんも無事だったんだ!」
宮藤が走りだし二人に近づいていく、だが
「え?」
宮藤が近づこうとするとアンタレスらの後ろで待機していた海兵隊員らが銃を構え銃口を宮藤に向けた
「それ以上近づくな!」
一人の海兵隊員が宮藤に警告する、宮藤は豆鉄砲を食った鳩のような顔をしていた
「こ、この人たちは」
「なんか、格好も持っている武器もどの国の軍隊とも違う」
「と、とりあえずミーナ、中に入ろう」
ウィッチ達がざわめき始めたので、ガランドは少し焦りながらミーナに催促する。
話し合いの結果、アンタレスとバーフォード、グレアムとアリーナ、他護衛二人が中に通された。一行は執務室に案内され早速会談が開始された
「そ、それで....今日はどのようなご用件で?」
ミーナは恐る恐るバーフォードに訪ねた用件を聞く、怯えるのも無理はない。
いきなり見たことのない乗り物で見たこともない武器を装備した兵士を引き連れてやって来た謎の中年男、さながら未知との遭遇である。
「彼から聞きました、この基地でそれはそれは良いもてなしを受けたと。そのお礼参りに伺った次第です」
バーフォードは軽い冗談を言ったつもりだが、ミーナには背中から"ゴゴゴォ"という効果音すら聞こえてきそうな殺気だった様子に見えてしまっていた
「中佐....怯えてますよ」
グレアムがバーフォードに一言言う
「まぁ、冗談はこの辺で」
バーフォードは先程とは顔色を変えて口を開いた
「私はフレデリック・バーフォード、PMCマーティネズセキュリティ航空支部中佐です」
「み、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐、第501統合戦闘航空団司令です」
ミーナはバーフォードの自己紹介を聞くと、調子を立て直すべく自らも自己紹介を始めた、後に坂本とバルクホルンも続く
「坂本美緒、扶桑皇国海軍少佐だ」
「ゲルトルート・バルクホルン。カールスラント空軍大尉だ」
その後、グレアムとアリーナも自己紹介を終えると、ガランドが口を開いた
「さて、本題に入ろう。昨日の話し合いの結果、彼らに軍事協力を依頼することになった。今後は彼らの航空機や艦船がここを訪問する事もあるかもしれないが」
ミーナは「私の知らないところで何か色々話が進んでる…」と思いつつガランドの話を聞き続けた
「そして、アレキサンドラ中尉をしばらくの間マーティネズセキュリティ社に派遣することになった」
「えっ!?」
予想外の発言にミーナは目を点にした。その様子を見てアンタレスが言が口を開く
「アンタらが俺の機体を奪ったお陰でこっちは二人乗りの機体に乗らなきゃいけなくなってね、サーニャは戦闘機のパイロットとして俺と一緒に飛ぶことになった」
「ま、まさか昨日のネウロイを撃墜した航空機って....」
ミーナがまさかと思いつつアンタレスに問いかける。しかしアンタレスはなにも答えなかった。ただ、アンタレスの顔はニタァ~とした顔になり「その"まさか"なんだよなぁ~」と顔で語っていた
「ですが少将、その....大丈夫なんでしょうか?」
「彼の飛行や彼の乗る機体を見たが危険な物ではなかった。まぁ、戦闘機で危険ではないと言うのもおかしな話だが……」
ミーナは想定外の事態に黙り混んでしまった
「今回はその挨拶の為にお尋ねしました」
と、バーフォード
「出来ることなら、今すぐにでもこの基地を空爆して石器時代に戻してやりたいが....運が良かったな」
続けてアンタレスが冗談?を言った。するとミーナは「ハッ!」っと思い出したかのようにバーフォードに訴え始めた
「い、一応言っておきますが、こちらもサーニャさんの部屋の屋根や私の執務室の窓を破壊されました」
「その事は知っています」
無論バーフォードはアンタレス本人や彼を救助したSEAL隊員から報告は受けていた。しかし....
「それに、昨日貴殿方の航空機が高速で基地上空を低空飛行した際には、付近の窓やドアが破壊された上に、警備兵数名が軽傷を負っています」
「低空飛行?」
昨日の低空飛行の件については聞いていなかったらしい、アンタレスは「あ....」と額に汗を垂らしはじめた
「アンタレス、どういうことだ?報告書にはその様な記述は無かったぞ」
「あれぇ~....え~っとぉ....」
アンタレスが目を反らしとぼけたフリをする。するとバーフォードは懐からベレッタを取り出し、グリップ底をアンタレスめがけて大きく振り下ろした
《ゴォッ!》
「頭が!頭が窪んだぁ"ぁ"!」
弾丸合わせて約1082gのM92A1ベレッタ拳銃のグリップ底がアンタレスの頭にヒットする。アンタレスはあまりの衝撃と激痛で執務室の床をのたうち回っている。バーフォードは知らん顔でミーナとの話を続けた
「低空飛行の件は謝罪する、申し訳ない。破損した窓やドアの請求書もこの"バカ"に送ってもらって構わない」
「は、はぁ」
「一つ質問しても良いか?」
すると坂本がバーフォードに質問を始めた
「なんでしょう?」
「貴官らの言うその民間軍事会社と言うのは、具体的にはどの様な任務を担っているんだ?」
「任務内容は守秘義務により、詳細にはいえませんが、主に正規軍の訓練や演習時の仮想敵役、輸送時の護衛、軍事物資輸送、平和維持活動等です。しかし、陸海空各支部のいずれも、国連や各国からの要請により紛争地や戦闘地域での後方支援や積極的な戦闘参加をする場合もあります。その為、兵器も新旧問わず第一線で通用する物を保有、運用しています」
坂本の質問にバーフォードは淡々と回答する
「十分詳細に言ってんじゃん」
と、頭のグリップが直撃した部分をさすりながら呟くアンタレス。坂本は更に質問を続けた
「我々正規軍と民間軍事会社の違いは?」
「やはり一番の違いは国家に属さない部分でしょう、戦争や紛争をビジネスとし、戦うことで収入を得る。そして戦いで死亡しても戦死リストに載らないのも大きな違いですね」
「どこの国の軍人でもない、単なる傭兵や武装勢力と位置付けられ名前どころか、死んだことすら公にされない、そんな存在なのさ。要するに戦争請負人って訳だ」
と、アンタレス
「何故その様な会社に所属しているのかしら?」
ミーナがアンタレスに問いかける
「自由だからさ、国の意向なんて関係なく自由に戦場を飛び回れる。俺らはリストに載らないのを恐れるどころか、スリルとして味わってんだ」
「なんて奴等だ....」
アンタレスの回答に坂本とミーナの後ろに立っていたバルクホルンが小声で呟いた
「貴官らの会社には一体何人の職員がいて、主にどの様な入社し、何ヵ国の国から人が集まってるんだ?」
「....まぁ1、2国分の軍隊規模と言っておきましょう」
「............」
「ところで、先程から彼は何をしているのかしら?」
ミーナがPCを操作しているアリーナの方を見る、アリーナは「?」マークを頭に浮かべ、ミーナの方を見た
「我々のやり取りを記録しているだけですが?」
バーフォードがそう答える
その後、PCについてアリーナがミーナ達に質問攻めになるのはまた別のお話し
__30分後
「では明日の午前中にいらっしゃると言うことで宜しいですかな?」
「えぇ」
会談も終了し、エイラの引き渡しや各種書類のサインや交換も終え、全員が変える支度を始める。するとアンタレスがなにか思い出した
「あ、そうだ。その前に、こいつの必要な物をまとめなきゃ」
「そうだったな」
アンタレスはサーニャを連れて彼女の部屋へと向かった
「一先ずこれに入る分だけだ、いいな?」
「はい」
アンタレスは大きめのキャリーバックをサーニャに渡した。それを受け取ったサーニャは荷造りをはじめ、アンタレスはそんなサーニャを見守りつつ天井に空いた大きな穴を見ながら昨日のガランドの言葉を思い出した
『お前....魔法が使えるのか?』『よく思い出してみてくれ、魔法ってのは意図せずとも発動するものだ。例えば高いところから落ちても助かったとか』
「んなこと言われてもなぁ~」
アンタレスは自分の手のひらを見つめた。すると
「サーニャさん、ちょっといいかしら」
「え?」
ミーナが二人だけで話したいと言い、サーニャを部屋から連れ出した
「逃げるなよ」
アンタレスがそう一言言うとバタンと扉が閉まった。アンタレスはポケットに入っていた煙草を一本手に取り火を付ける、数回煙草を吸うと閉まった扉をゆっくりと開けて外の二人の会話を聞く
『これを』
『あ、あの....これは?』
『彼らの行動を一日おきに知らせてちょうだい』
『で、ですが』
『これは命令です』
『....はい』
『バレないように....信じているわよ』
「............」
アンタレスは気づかれないように扉を閉めると大きくため息を吐いて「嫌だねぇ~」と一言吐き捨てた
「準備できました」
サーニャが扉を開けた。既に荷造りは終わっており、キャリーバックには衣服類等が入っていた。アンタレスはそれを軽々と持ち上げるとサーニャの手を取りバーフォード達の元へ向かった。すると....
「ミーナ中佐~!」
廊下の奥からセーラー服を着たアジア系の少女が走ってくる。先程ヘリの所で銃を向けられていた少女だ
「宮藤さん、どうかしたの?」
「昼食の準備ができたので知らせに」
少女がそう言うと、ミーナが時計を確認する。時計の針は12時17分を指していた
「もうこんな時間だったのね」
「良かったら一緒にどうですか?」
少女がアンタレスを昼食に誘った、アンタレスは少女の発言に聞き返した
「俺も?」
「はい、皆さんの分も用意してありますよ」
そんなこんなで、アンタレスらは501のウィッチらと昼食を共にすることになったのであった。
_次回予告__
501メンバーとの昼食に招待されたアンタレス一行、個性豊かなウィッチらとの会話を進めていく中、話題はアンタレスらの居た世界の話に....
そこでウィッチらに告げられるネウロイの居ない残酷な世界の話...
次回『我が名は天駆ける蠍アンタレス』
第11話
_俺達の歴史(世界)_
お楽しみに!
※タイトルや内容は予告なしに変更する場合があります