闇に潜む影   作:クリュネル

7 / 13
中々納得のいく文章が書けなかった...
今回遅れたのはただそれだけなんです!
楽しみにしていたかもしれない皆さんすいませんでした....

今回からはハクダンジム戦を書いていこうと思います
多分三話ぐらい続くかなと思います。
それでは、あまり期待せずにどぞ~


熱き焔の原子

キノ side

 

 

昨夜のセツナを見て違和感を感じた。

でもその違和感は煙のように薄れて消えていった

 

出会ってまだ少ししか経っていないが、

信用するに値する人間だと思う。

だからセツナという人間を見るようになったのかもしれない

 

僅か十数年しか生きていないであろうセツナを。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

今朝は日が登り始めた頃に目が覚めた。

 

セツナが今日はジム戦をしに行くと言っていたから

少し体を動かしていた方がいいだろう

そう判断してベットから抜け出す。

 

セツナからは昨夜のこともあってか、

なるべく力を使うな、と言われているから

少し走るくらいに留めておく。

 

部屋を出る前に身だしなみを整える。

 

ポケモンでもメスではあるから気にはなる

姿見の前に立つと鏡に映るのは人の姿の自分

 

「...何でこんな姿になったのかな...」

 

つい、呟きを漏らしてしまう。

自分は普通ではなく異常で忌み嫌われた。

 

でも、そんな自分に

手を差し伸べてくれた恩人の力になりたい。

 

セツナは儚く脆く美しいと思う

だから支えたい、いつまでも、どこででも

 

決意を胸に一歩踏み出す。

 

 

キノ side out

 

 

セツナ side

 

 

朝、目が覚めると朝陽はもう昇っており明るかった。

体をほぐし起き上がろうとして気づく。

 

キノが居ない

 

それに気付いた途端に不安が押し寄せる。

 

(っ!...はぁ、なんかもうキノに頼りきってるのかな...)

 

キノが心の支えの大部分を担っていることを自覚する。

 

一緒にいると少しだけ勇気が出てくる。

安心する

 

でも、それは自分だけなのではないか?

キノはよく思ってないんじゃないか。

 

そんな思考は頭を振って追い出す。

答えがどうであれ、

今日のジム戦に備えて気持ちを作っていかなければならない

 

身支度を整え終わったと同時に部屋のドアが開けられる。

 

「セツナ!」

 

「うわっ!お帰り、キノ

 どこいってたの?」

 

何やら焦っていて息が上がっている。

落ち着かせて話を聞く。

 

「トレーニングをしに森の近くまで走っていったんだ、

 そこに昨日戦ったカグアって人と似た服を着た集団が森に入っていくのを見て

 急いで戻ってきたんだ」

 

「姿は見られたの?」

 

首を横に振る。

それを見て安心する。

 

姿を見られたら今は耳と尻尾は消しているけど

捕まってしまうかもしれない

 

それはともかく、嫌な予感が脳裏をよぎる。

フレア団とか言う組織が昨夜のカグアの行いから察するに

いい組織とは言えないだろう。

警戒しつつ旅をしていく必要がある。

 

そこまで考え、

 

「一先ずはジムに挑戦しに行かないと」

 

「そうだね、取り敢えず目先の事に集中しようか」

 

一旦話を切り上げ宿を出る。

 

一応の為、キノにはボールに戻ってもらいジムに向かう。

 

町の広場に差し掛かり

ジムが見えてきて走り出したその時

森の方から、

 

ドオオォォォォォォォォォォン

 

爆音、爆熱風が押し寄せる。

 

広場にいた人々は

数瞬の内にパニックに陥り逃げ惑う。

 

爆風をやり過ごしどうにか立ち上がる。

人が居ないことを確認しつつ即座に

キノをボールから出し駆け出す。

 

「奴等だ!行くぞ!」

 

「やっぱり何かやる気だったんだ...」

 

キノが示す道を進み最短距離で走り抜ける。

僅か町の中心から十五分程度で着くことが出来た。

 

躊躇いもなく森に二人で踏み込む。

進むにつれて木が燃える臭いが強くなる

 

慎重になりながら少しずつ進み

現場に急ぐ

 

その時、

 

「おい、ブツは手に入った引き上げるぞ」

 

「こいつはどうする?」

 

「捨てておけそんなクズ」

 

そんな会話が聞こえる。

 

咄嗟に近くの木に身を隠し様子を窺う

何やら二人の男の声と数人のざわめきが聞こえる

 

数人の男達で大きな袋を持ち上げ、

それに指示を飛ばし男二人が何かを見下ろす姿が見える。

 

やがてそいつらが居なくなると出ていき

森の燦々たる様子を目に入れる

 

不意にキノが

 

「酷い...こんなの何で...」

 

「..........」

 

無言で顔を背ける。

 

キノは茫然として森だった場所を見つめ続ける。

 

「ャ...ヤ......コ」

 

微かに声が聞こえる。

弾かれたように声の方へ走る。

 

そこには、弱り切った小さなヤヤコマが倒れていた。

 

「キノ!急いで戻る!この子が死にそうだ!」

 

直ぐ様ヤヤコマを手持ちのボールで捕まえ町に駆け戻る。

何回か転びそうになったがキノに助け起こされ

ポケモンセンターに駆け込む。

 

後から聞いた話だがあと少し遅れていたら

助からなかったらしい。

 

最新の医療機器を使い完全に治ったらしい。

 

時計を見ると漸く正午を過ぎたようで

まだ日暮れには時間がある。

 

戻ってきたボールからヤヤコマを出す。

すると、人を警戒しているのか直ぐに飛んで距離をとる。

 

「ヤヤコマ、人が憎いか?」

 

小さく頷く

 

「君だけで復讐できるか?」

 

少しの沈黙の後地面に降り立ち

俯きながら頭を横に振る。

 

「僕は君の力になりたい...かな」

 

「セツナ、何いって....」

 

キノの言葉を手で遮る。

 

ヤヤコマは恐る恐る顔をあげる。

 

「だから、力を僕に預けてくれないかな?」

 

答えない。

 

「今すぐ答えなくて良いよ」

 

ボールを掴みジムへ向かう。

 

セツナ side out

 

 

no side

 

セツナの影を小さな影が少し遅れて追いかけ出す。




どうでしたか?

質問や意見があったら
教えてください!
これからの参考にさせてもらいますよ~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。