転生したら滝本ひふみの彼氏になった件について   作:飛び方を忘れてるカラス

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リア充万歳と書いておいて悲しい非リア充でございます。


クリスマスだヨ!!リア充万歳!!その2

プレゼント。

それは普段お世話になっている人や、友人に向けて贈る物。

さて、そんなプレゼントなのだが…。

私、立花戒。

恋人へのクリスマスプレゼントについて何も考えておりません。

とりあえず、今日の帰りにでも買うか。しかしひふみは何をあげたら喜ぶんだ…?

あいつの趣味って結構幅広いし…。

 

などと色々とごだごた考えながら仕事が終わる。

そして近場のデパートまで一直線!

…なのだが。

 

「…マジでどうしよう」

 

まだプレゼントの内容について思い付いていなかったのだ。

いよいよこれは本当にヤバいやつだ。

 

「あー…どうしようどうしよう…」

 

ブツブツ呟きながら付近をうろつく。側から見ればただの変質者だ。

 

「あれ、何やってんの」

 

そんな変質者に声をかけたのは馴染みのある声。八神コウだった。

 

「…なんだおまえか」

 

「なんだとは何だ」

 

少し顔を引きつけながら答える八神。

 

「…それで、何してるの」

 

「ああ、それがな…」

 

そして俺が変質者になりかけるまでの経緯を八神に説明した。

そして返ってきた答えは…

 

「…このリア充め」

 

「何故にそんなリアクションが返ってくる!?」

 

これでも結構マジに悩んでるんだぞ。

 

「まあ運が良かったね。ちょうど私もりんへのプレゼントを買おうと思っててさ。なんだったら一緒に探すよ。てゆーか、あんたそういうの詳しくないと思うし」

 

「うっ…」

 

もう返す言葉がない。

事実、俺はこういう女子が好きな物とか殆ど知らない。

ここは素直に八神を頼るしかないか…。

 

「…よろしくお願いします」

 

「うん、素直でよろしい。よしそうなら善は急げ。早く探しに行くよー」

 

そう言って八神は俺の手を掴んで引っ張る。

…なんと言うか、 変な感じだ。

ひふみは推しが強くない性格だから、こういう引っ張ってくれる女性にはあまり慣れない。

 

「…何見てんのさ」

 

俺の視線に気がついたのか、八神が足を止めて聞いてくる。

 

「いや、なんか…お前みたいな美人さんに引っ張られるのって今までなかったからさ、なんか新鮮で…」

 

「はあ、美人?美人…びじん…び…じ、ん…」

 

八神の顔がみるみるうちに赤くなる。

 

「だ、大丈夫か?おまえ熱あるんじゃ…」

 

そうして俺が八神のデコに手を置こうとすると

 

「あー!いやいやいや大丈夫!今、過去最大に絶好調!絶好調だから、これ以上近づかない…で」

 

顔を俯かせる。

…本当に大丈夫か?

 

「…?まあおまえが大丈夫って言うんならいいけど…無茶はすんなよ?」

 

「ああ、ごめんごめん。本当に…大丈夫だから」

 

いつもの調子に戻った八神は俺の後をついてくる。

 

「美人…そう思われてんだ…」

 

なんかブツブツ独り言をつぶやいてニヤニヤしてるのが見えた気がしたが気のせいだろう。

 

 

 

 

そんなこんなで買い物は終わり、俺と八神はデパートの入り口前に出た。

 

「今日は色々とありがとな」

 

「いいよいいよ気にしないで。同僚のよしみとでも受け取っておいて」

 

「はっはっは。そんな良い子にはプレゼントをあげようかな」

 

そう言って俺は紙袋の中から小包を出す。

 

「…は?えっと、立花?これって…」

 

「クリスマスプレゼント。ちょっと早いけど…今日みたいによく世話になってるし、日頃の感謝を込めてってことで」

 

「あ、開けてもいい?」

 

「どーぞ」

 

ウキウキした様子で小包を丁寧に開封する八神。こういうところは案外しっかりしてるんだよな。

 

「…立花、これって…」

 

小包の中に入ってたのは黒色の髪留め。

 

「八神はロングヘアーだから、作業中に邪魔になるだろうと思ってさ」

 

「…ありがとう。すごく、嬉しいよ」

 

八神は髪留めを暫く見つめた後、俺の目を見て満面の笑顔で言った。

その顔があまりにも綺麗で無邪気で、思わず顔を逸らしてしまった。

 

「…お、おう。あんま気にすんな」

 

顔赤くなってないよな…。

彼女持ちなのに照れるなんて…男としてダメだな俺は。

 

「…あ、そうそう」

 

俺は紙袋の中からもう一つ、小包を出す。

 

「これ遠山さんの分。渡しといてくれ」

 

「オッケー。あ、そうそう」

 

八神は呟くと、持っていた紙袋から小包を出して、俺に渡した。

 

「私からも。ちょっとした小物だけど、どうぞ」

 

俺は受け取ると、八神は後ろを向いて走り出した。

 

「じゃ、ちょっと早いけどメリークリスマス!」

 

あいつにしては珍しく声を上げて手を振る。

まったく、照れるならやんなくていいのに…。

 

「メリークリスマス!んじゃまた!」

 

俺もメリークリスマスと返し、手を振る。

俺の声を聞いた八神は走って帰っていた。

 

「…さて、帰るか」

 

渡すのはまだ早い。

本番まであと1日。

冷たい風を浴びながら俺も帰路へと着く。

 




気がつくとコウちゃんしか書いてない。
もう俺ダメかもしれない…。

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