感想で主人公の考え等を()した方が良いと言うご意見を頂きましたが、このスタイルで始めたので、この作品はこのスタイルを貫きたいと思います、申し訳ありません。
しかし、他の作品を書くときに使わせて頂きたいと考えておりますのでご了承下さい。
長くなりましたがでは第九話スタート!
俺達は碧愛が集めてくれた情報を元に、ある山に向かっている。そして、その
昔、人間達の都で暴れまわったという鬼がいたらしい。その鬼が退魔師または陰陽師なる者に封印された山がここ、という物語だ。
まぁ、精霊や悪魔がいるのだから、鬼が居ても何も不思議はない。
しかし、人間の中にそんな力を持った者達がいたのか……世界が違えば何もかもが違うと改めて思った。そんな事を歩きながら考えていた。
……何故歩いているのかって?それはこんな理由だ。
ティアと碧愛は人に紛れる事が容易に出来るが、俺は見た目をある程度変えられるが、服や装飾品までは変えられないし、エルは服が完全に植物なので、変えるにもどうしようもない。
そんな俺達が人混みに紛れられるか?無理だ、目立ってしょうがない。そういう訳で、他人が使うような交通機関は使えない。
で、現在。その山に向かって歩いている訳だが、その…なんというか…とても遠い。
碧愛がネットで調べた情報によると、交通機関を使えば二時間程度で着くはずなのだが、俺達は歩きなのでそれは当てはまらない。
改めて歩いて行った場合の時間を調べてもらうと、何と五時間程掛かるらしい。一応休憩も挟んでの時間だろうが、それでもかなり遠い方だろう。
まぁ、いざとなったら恥を忍んでエルに植物を成長させてもらって、碧愛達と一緒に先に向かっててもらおう。そうすれば、後は俺が全力で走れば、二時間と30分位で着くだろう……
……結局、エルに碧愛達を運んで先に行ってもらった。俺が着いたのは、それから一時間程経ってからだそうだ。とりあえず山の麓まで来る事が出来たが、皆も疲れているようだし、山を登るのは明日からにしよう…
俺達は朝早くに起きて、山を登り始めた。皆、無理をして早く起きなくても良いと言っているが、何とも頼もしい事だ。
この山はとても自然が豊かで、様々な動物がいるようだ。だが、植物も動物も皆大きく成長している。どれも他の場所では見た事がない物ばかりだったので、この山特有の物だろう。
もし、鬼が仲間になってくれた時には、調べてみたいから少し持って帰ってもいいかどうか、聞いてみるとしよう。
「ラティス」
そんな事を考えていると、エルの声が聞こえた。
「どうした? エル」
「この山は静かすぎないか?」
そう言われたので、耳を澄ませてみた。……確かに。
あれほど鳴いていた虫や動物達の声が全く聞こえない。聞こえるのは俺達の足音と木々のざわめきのみだ。
「なんか不気味だね…」
「はい、それに……何か得体の知れない力みたいなものを感じます……」
碧愛とティアも異変に気付いたようだ。その瞬間、
「ボォォォォォォォ!!!」
と叫び声が
遠いから声が反響して聞こえたにしても、とても多きな声だ。間違いなく獣じゃない。
そして枯れ葉の音のように
そう思った次の瞬間、安心しきっていた俺は、碧愛達とは反対の方向に吹き飛んでいた。
「ぐわぁぁぁぁぁ!?」
俺は端から見ても、見事に吹き飛んだだろう。もっとも、速度が速すぎて気付かない者もいるだろうが。
俺は側にある木々を
「がはっ……! やっと止まったか……」
不意を突かれていた事を考えても、鎧を着ている男を吹き飛ばしたのだから、並大抵の力ではない。
周りを見渡すと、少女が一人いた。見た目はせいぜい十歳位に見えるが、そんな事はないだろう。
服装は、赤い着物を着ている。だが、袖や襟が擦りきれて無くなっている所から、荒っぽい使い方をしているのがよく分かる。
髪と眼は茶色で、腰には瓢箪を付けている。そして、鬼である証の角が頭に二本生えている。
少女は楽しそうに笑いながら、俺に話し掛ける。その声は、見た目通りの幼い女の子の、少し高音が目立つ声だった。
「おお!起きたか! 頑丈な奴だなー。さぁ、早く続き続き!」
本来より落ちているとはいえ、人間を遥かに超える身体能力を持つ俺がいとも簡単に吹き飛ばされたのだ。
今の力では勝ち目はほとんどないし、能力が全部使えても危ないだろう……とはいえ、逃げる訳にはいかないし、やれるだけやってみよう。
……身体が持てば良いが。
「よし、分かった!」
「行っくぞー!!!」
その声とともに少女は、俺の方に一直線に突っ込んで来た。俺は素早く避けたが、その時には少女がそこに先回りしている。
なんてスピードだ……しかも、一撃一撃が重いので、受け続けるのも無理だ。俺も一撃当ててみたが硬い。とうやら頑丈さも備えているようだ。
これが鬼か……この馬鹿力に耐久力、それは人間にはさぞかし
やれやれ、コイツと和解出来るのか……? そう思う俺だった……
如何だったでしょうか?様々な人からの希望により、鬼の少女はロリっ子にしてみました。
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