後継者達と世界の運命   作:AZΣ

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どーも、お久しぶりです!
テストが始まりましたが、投稿に躊躇はしない、それこそが私です、まぁ、テストは死んでますがね……
本編どうぞー


第弐話-油断

いよいよアリトンが指定した日になった。なんとか間に合わせではあるが、一応魔法が大体を使える様に出来た。しかし、アリトンは後継者候補であるため、周りに多大な被害が出る事が容易に予想出来る。

このような事から俺は、碧愛達には町の宿屋に残って貰う事にした。

「じゃあ、行ってくる」

俺がこう言うと碧愛達は黙っていたが、その目から、

「必ず戻って来い」

と言いたいのが分かる。尤も俺の勘違いかもしれないが。

とりあえず、荷物の確認をもう一度しておこう。いつも通り、鎧は着ている。剣もデュランダルともう一本の剣がしっかりと腰に付いている。このもう一本の剣は決して抜く訳にはいかないのだが、その理由は後々ゆっくりと話す事にしよう。準備、と言うか装備もしっかりと出来ている事を再確認出来たので、俺はそろそろ奴が指定した場所…俺達が最初に着いた森に向かう事にした。

町並みを眺めながら進んでいると、やはりこの町は美しいと思う。今は昼間なのでイルミネーションは目立たないが、それでも町の景観を損なわない様に完璧な計算がされている。ルシファーの指示もあるだろうが、この町のほとんどはアリトンの趣味だろう、それにしても随分と奴に嫌われたものだな……

そんな事を考えている内に、いつの間にか門の前に着いていた。すると門番達が、

「ラ、ラティス様、一体どちらに行かれるのですか…」

と聞いてきた。俺は、

「ああ、この近くの森に、この町の主と戦いにな」

と正直に答えた。すると門番達は俺に怯えながらも、

「ど、どうか!どうかこの町を……巻き込まないで下さい!」

と言ってきた。驚いた、この町の人々は全てアリトンの傀儡(かいらい)になっているものだと思っていたのに……彼らにもしっかりとした自分の意志があったのか……なら、

「分かった。この町には被害を出さないと約束しよう」

すると門番達は一気に気が抜けたのか、その場でしゃがみ込んでしまった。俺はそんな門番達に笑いかけて、門を出ていった。

 

 

 

俺が来ると、アリトンの顔が、貼り付けた様な笑顔から、狂気を孕んだ笑顔に変わった。

「やぁ、遅かったじゃないか!」

俺が黙っているとアリトンは、

「どうしたんだい、いつもの戦意は?」

奴は俺を馬鹿にしているようだ、そうか、お望みとあらば本気を出そう。俺は魔力を限界まで放出した。するとアリトンは、

「はは、どうやら僕の勘違いだったようだねぇ………。さぁ、始めようか……」

アリトンはそう言った瞬間、身体から水の魔法を使って霧を出した。こうして、俺の視界が晴れる頃には奴はその姿を消していた。

「くっ……面倒だな……っと!」

俺は周りに生えていて視界を制限している木々を魔力が届く範囲で全て切り伏せた。これで視界は晴れた……そう思っていると突然、手足に鋭い痛みを感じた。痛みを感じた所を見ると、水で出来た槍に貫かれていた。

「くっ……」

俺が痛みに怯んでいると、何処かからアリトンの嘲る様な笑い声が聞こえた。

「ははははは!何処を狙っているんだい!?僕はここだよ!」

次の瞬間、アリトンが姿を現した。それも沢山に増えて。

「どういう事だ…?……っ!水を媒介にして分裂したのか!」

するとアリトンは笑って、

「正解だよ!やっぱり君は頭が良いねぇ、それに見合う力もある……実に気に食わないよ」

そして、無数に増えたアリトンは俺に向かって、水の槍を投擲(とうてき)してきた。

「そう何度も同じ手を食うものか!」

俺は風の魔法で自分を加速させて、飛んで来る水の槍を全て回避した。そして、回避するのと平行して、自分の側にいたアリトン達を火の魔法で蒸発させた。

「おお~!やるじゃないかぁ~、だけど……これで終わりだね」

アリトン達は一つに纏まり魔力を溜め始めた。どうやら大技を放つようだな……しかし、今なら奴は無防備!

するとアリトンは、

()()()読んでいたよ!」

アリトンは魔力を散弾銃の様に全方位に放った。これでは魔法を放つどころか近付く事も出来ない。

くそっ……!どうにかして距離を取らねば……そう思った俺は自分に再び風の魔法をかけて加速した。そして距離を取る事になんとか成功した。しかし、距離を取ったのは良いが、どうするか……。奴には心を読まれる…心を…そうか!この方法を使えば……!

するとアリトンが魔力を放つのを止めて俺に語りかけてきた。

「ラティス~、何処に行ったんだい?逃げずに出ておいでよ~!」

よし、今だ!

俺は風の魔法を使った。今度は俺を加速するためではなく、アリトンを風の壁で隔離するため、つまり外側から見たら、小規模な竜巻状態になっている。

するとアリトンの笑い声が聞こえた。

「こんな壁をいくら作った所で僕を縛れると思っているのかい!?」

「では、こうすれば……どうかな?」

俺は火の魔法と水の魔法を同時に放った。この時の火の魔法は水の温度を極限まで下げるためのものだ。極限まで温度が下がった水が竜巻に触れた瞬間、水が凍り付いて(つぶて)や氷柱になってアリトンへ向かって行った。

「な、何!?こ、こんな…こんな事が……止めろ、止めてくれぇぇぇぇ!!!」

アリトンは必死に助かろうと叫ぶ。だが俺は一言、

「断る」

と言って魔力を限界まで高めた。すると風の流れが速くなり、礫や氷柱が次々とアリトンの身体を貫いた。

「くそっ!くっそぉぉぉぉぉぉ!!!僕が……この僕がぁ……お前なんかに!お前なんかにぃぃぃ……」

そう言い残してアリトンは凍り付き、正しく『生ける氷の彫像』となった。だが奴も貴族なのでこの程度では死なないだろう。

だが、今回、俺に負けた事により、奴の魔王になる道は完全に途絶えた。

この森も、半分以上は消し飛ばしてしまったが、出来るだけの処置をしておこう。

俺は土の魔法を使い、植物が育ちやすい環境にこの森を作り変えた。そして、風の魔法で雨雲を呼び、雨を降らせた。俺に出来る事はこれぐらいだな……。

そう思いながら、俺は碧愛達を迎えに町へと戻っていった……




はい、こんな感じです。何故か文章を増やす事が出来ません、対応策が何かあれば教えて頂けると嬉しいです!

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