光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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今回は襲撃してくる蛇女の戦いです


7話「蛇女の襲撃!」

「それじゃあ皆んなさようなら〜!」

 

「じゃーね!飛鳥ちゃん、雲雀ちゃん、柳生ちゃーん!」

 

「また明日ね」

 

飛鳥はクラスの皆んなに言うと、芦戸と蛙吹は手を振った。

 

 

「それにしても、普通の学校ってこんな感じなのかな〜…?楽しいね!」

 

「飛鳥、忘れるな…オレたちは忍びだ……」

 

「でも柳生ちゃんも楽しいでしょ?」

 

「うっ…雲雀にそう言われると…否定できない……」

 

飛鳥たち三人は、話しながら長い道のりを歩いている。

 

「そうだ!久しぶりに半蔵学院に戻ろうよ!!」

 

「といっても、すぐに戻れるわけだし…それにオレたちが戻ったら他の連中にバレる可能性があるだろ?」

 

「気を隠せば大丈夫だよ」

 

飛鳥たちはそんな話のやり取りをしていると…

 

「ん?…ねえ、アレって緑谷くんじゃない?」

 

「本当だな…何やら少し落ち込んでたように見えるが…」

 

「お〜い!緑谷くん〜!!」

 

雲雀が大声で叫ぶと、「わっ!?」と声をあげ反応した緑谷は振り返ると、三人が駆けつけてきてくれた。

 

「ど、どどどどしたの!?///」

 

(やべぇ…可愛い…!!)

 

緑谷は照れながら内心可愛いと思っていると、柳生が質問する。

 

「それで、爆豪はどうだったんだ?」

 

「あっ、いやぁ…それが相変わらずで……ははは…」

 

「そうか」

 

「…ん?」

 

緑谷が苦笑いをしていると、雲雀は半蔵学院の方角に目をやる。

 

「あれ…気が強いのが感じる…」

 

「え?」

 

「そこって、確か半蔵の…!」

 

「は、半蔵…?」

 

緑谷は三人の顔が険しくなっている理由が分からなかったが、それでも何やらただ事ではないような雰囲気を出している。

 

「私たちも行こう!」

 

「えぇっ!?あっ、ちょっと…」

 

飛鳥たちは素早く半蔵学院にへと向かう。緑谷も渋々とついていくことにする。

 

「……」

 

そして、その物影で見ている、轟もまた………

 

 

 

「はぁ…はぁ…着いた!」

 

飛鳥は息切れをしながらも、他の二人もその場に着いた。

 

「確かに…強い気だな…」

 

「これ、霧夜先生や葛姉に斑鳩さんとは…違うよね?」

 

柳生と雲雀もそれを前に冷や汗を流している。

 

「も、もしかして…悪忍…!?」

 

飛鳥がそう叫ぶと、急ぐかのように学校に駆けつける。

本来飛鳥たちが居るのは、本学校とは違う、使い古びた旧校舎を使っている。『関係者以外の立ち入りを禁ず』という立て札がある。そここそが、本来飛鳥たち忍びがいる場所だ。

 

「葛姉に、斑鳩さんは!?」

 

「分からない…今のところ見かけてはないが……いるはずだ…」

 

「ふええぇ〜…雲雀、怖いよ柳生ちゃん!!」

 

「雲雀、オレの後ろに隠れてろ!」

 

柳生は番傘を開き、周囲を見渡す。すると…

 

「飛鳥さん!柳生さんに雲雀さん!!」

 

飛鳥たちの名前を叫んだのは、斑鳩であった。

 

「斑鳩さん!それに葛姉!!」

 

「お前らも無事だったか!」

 

葛姉たること、葛城が斑鳩と同じ、心配そうに駆けつけると飛鳥たちはホッとした。

 

「よかった〜…アレ?霧夜先生は?」

 

「霧夜先生を見なかったのですか!?」

 

「えぇ!!見なかったよ!?」

 

斑鳩の問いかけに、飛鳥たちは驚く。

 

「となると…何処に……」

 

「ね、ねえ…コレッて……何があったの…?」

 

「それは…つい先ほど……」

 

飛鳥が不思議そうに問いかけると、斑鳩は先ほどあった出来事を話し出す。

 

 

 

 

二人が修行を終えて、時間が経った時、警報が鳴った。

 

「なっ!?んだこりゃ!」

 

「これは…侵入者の…!」

 

葛城と斑鳩は直ぐに警戒態勢に入る。霧夜はレーダーみたいなもので、様子を見ると…

 

「ふむ…ただの普通科の学生のようだな……俺が行ってくる」

 

そう言うと、直ぐに向かうのであった。

 

「ちぇっ、んだよ…ただの普通科の学生か……」

 

葛城がつまんなさそうに呟くと、少し時間が経った時…奇妙な気が教室を包んだ。

 

「なっ!?これは…!!」

 

「なんだこれ…忍結界!?」

 

二人は周囲を見渡し警戒した。

 

「そうだ…霧夜先生は!?」

 

「霧夜先生は何を…!?」

 

一方に帰ってこない霧夜に、斑鳩と葛城も動揺を隠せない…教室から出て、辺り一面探してみるものの、霧夜の姿は見えなかった。その時、物影が出てきて、その正体が飛鳥たちだったのだ。

 

 

 

「そ、そんなことが…」

 

「恐らく霧夜先生もまた…忍結界に?」

 

確かに考えられる。外にいた飛鳥たちは見なかったのだ…それに斑鳩たちも中を探してもいない…となると、間違いなく忍結界に入れられたと考えられる。

 

「とりあえず…皆様気をつけて下さい……これは間違いなく、悪忍の仕業です!!」

 

斑鳩がそう叫ぶと、五人は警戒態勢に入る。が、次の瞬間…

 

「う、うわっ!?」

 

「皆さん!?」

 

「くっ!んのやろぉ!!」

 

「雲雀!!」

 

「柳生ちゃん!」

 

飛鳥、斑鳩、葛城、雲雀、柳生の順に突如、光が包まれ違うそれぞれの忍結界に吸いこまれた…

 

 

「いたたた…ここ何処?柳生ちゃんは…?」

 

雲雀が周囲を見渡すと、その忍結界の中には、ケーキやお菓子、リボンなどといったものがある忍結界。そこには…

 

「ふふふ…可愛い子兎ちゃんね…」

 

ピンクのリボンを髪に結んだ女性、春花が雲雀を見つめて呟く。

 

「あ、貴方は…!?」

 

「私は秘立蛇女子学園の、春花よ」

 

「へ、蛇女って…あの悪忍の…!?」

 

 

 

 

「雲雀!何処だ!!雲雀!!」

 

雲雀の名前を必死に叫ぶ柳生、柳生の周囲は戦場…戦争の兵器がいっぱいある忍結界。そこには…

 

「アンタが私の相手って訳ね…いいわ、悪忍の力、思い知らせてやるから!私は秘立蛇女子学園、未来よ!」

 

眼帯をつけ、ゴスロリ衣装を見に包んだ悪忍の未来だ。

 

「雲雀ー!何処だ、居たら返事をしてくれ!!」

 

「私を無視するなあぁーーー!!!」

 

 

 

「クソッ!なんだここ…!」

 

葛城の周囲は鬼の面や土偶、龍の顔など様々なものがいっぱいある忍結界。そこには…

 

「アンタが相手か…」

 

「誰だ!?」

 

「わしは秘立蛇女子学園…日影や、命令やから相手したるわ」

 

緑色の短髪の女性、悪忍の日影。葛城は日影をみると、ニッと、不敵な笑みを浮かべる。

 

「へっ、丁度良いね…アンタみたいな強いヤツとは一戦交わりたかったんでね!」

 

「ほう?」

 

 

 

「完全にハメられましたね…」

 

斑鳩の周囲には、緑色の空間にもやし?が沢山ある忍結界。そこには…

 

「あら、流石はお嬢様ですわね…」

 

「誰です!?」

 

声がする方に振り返ると、そこには長い金髪の女性は笑みを浮かべている。

 

「お金持ちは裕福で良いですわね…そう甘やかされて育ってきたのですね。鳳凰財閥のお嬢様…」

 

「な、何故それを…?」

 

斑鳩は、忍びでもあり鳳凰財閥のご令嬢でもあるのだ。しかしその女性に驚いてるのは、何より何故そのことを知ってるのか…だ。

 

「貴方のことは既に分かっていますわ、この薄汚れた善忍…!」

 

「質問に答えなさい!!」

 

その女性は敵意と殺意、なにより憎悪を宿した目で斑鳩を睨む。

 

「その上からの物言い…ますます気に入りませんわね…まあ良いですわ、私は秘立蛇女子学園の詠ですわ!!」

 

「やはり、悪忍がここに…」

 

「さあ、お覚悟!!」

 

 

そして…飛鳥は。

 

「み、皆んなは…それより此処って……」

 

飛鳥の周囲は、まるで戦国にでも居るかのような場所の忍結界。そして…そこには。

 

「やあ、随分と元気そうじゃないか」

 

「え…?貴方は…水上バスにいた……」

 

声がする方に振り返ると、そこには、水上バスで知り合いになった…焔だった。それがまさか、こんな形で再開するとは思わなかったのだ…

 

「ああ、何を今更驚いている?お前だって忍びだろ、なあ?伝説の忍びの、半蔵の孫よ…」

 

すると焔は笑みを浮かべながら睨みつけている。

 

「そんな…貴方が悪忍だったなんて……」

 

飛鳥は未だに信じられない表情でワナワナと震えている。

 

「あの時は邪魔が入ったしな…それに刀を抜く価値すら無かったが、今回は仕事なんでね」

 

あの時、それは前に街中で敵(ヴィラン)が暴れていた時だ。焔はそう言うと、一本の刀を抜く。その刀は、炎を纏わせて……

 

「なっ……」

 

(す、凄い殺気…!)

 

飛鳥がそう思った瞬間、

 

シャッ…!

 

「え?」

 

目の前には焔の刀が…飛鳥に襲い掛かる。

 

「っ!!」

 

飛鳥は間一髪避けた…が、

 

「怖いのか…?」

 

焔は飛鳥の耳元でそう囁くと…

 

ザシュ!!

 

「きゃあっ!!」

 

飛鳥は背中を斬られ、忍装束が破れる。そんな飛鳥をみて、焔は「ハッ」と小馬鹿にするように笑う。

 

「情けないな!!お前、伝説の忍びの孫なんだろ?だったらその価値の片鱗くらいは見せてもらわないとな!!」

 

再び追撃をする。

 

「そうだ…私は……!」

 

飛鳥は刀を抜き、焔の攻撃を防ぐ。

 

「じっちゃんの孫なんだ!!」

 

すると忍装束が一気に敗れ、弾け飛ぶ。

 

「ほう…いきなり命懸けで来るか…その意気は認めてやろう…」

 

命懸け。それは忍装束をなくし、防御が落ちる代わりに、一気に攻撃力を高めるもの。此処ぞという時に使うものだ。

 

「たああぁーー!!!」

 

ガキィン!!

 

焔は刀で飛鳥の二刀の攻撃をたやすく防ぐ。

 

「焔ちゃん…私、わたしはもしかしたら、友達になれるかもって、良い人だって思ったのに…なのに、なのに…焔ちゃん!!!!」

 

「お前…何処まで甘いんだよ!!!!」

 

 

飛鳥の言葉を聞いた焔は大きく怒り、上昇すると、飛鳥を払いのける。

 

「忍びの定めは死の定めだ…忍務が下れば、例え相手が親だろうと子供だろうと切り捨てる…それが、忍びだああァァァァーーーーー!!!!」

 

「そんなことない!!!」

 

お互いの刀が交差する。焔は飛鳥の背中を斬ろうとすると…

 

「タァッ!」

 

飛鳥はしゃがみ、蹴りで焔の持ってる刀を弾け飛ばした。その刀は宙に舞い、少し離れたところで地面に刺さる。

 

「や、ヤッタァ!」

 

飛鳥がやったという歓喜な顔を浮かべると…

 

「ふ、ふふふ…はははは!」

 

焔は不意に笑い出した。そしてニカッと飛鳥に笑みを浮かべると、突如背中に五本の刀が現れては抜き取る。

 

「やっと、本気を出せるな…」

 

「えっ…」

 

飛鳥は驚愕な表情で、焔を見つめる。刀一本がやっとだと言うのに、それが残り五本…その事実に飛鳥は戦慄した。

 

 

「クソっ…斑鳩に葛城は無事か?」

 

忍結界にハメられた霧夜は周りを見渡す。その忍結界とは…

 

「それにこの忍結界…前にも……何処かで」

 

その忍結界は、鈴がいっぱいある空間だ。

 

「たしか…前に、『凛』に忍結界を教えた時に似てるな…」

 

凛とは、前に霧夜が育てた忍び生徒だ。だが、ある忍務の失敗の際に、死んでしまったのだ。霧夜はその事実がどれだけ苦しんだか…そんな時に、女性の声が聞こえた。

 

「その通りよ」

 

「誰だ!?」

 

霧夜が振り返ると、そこには…紫色の髪に、メガネをかけた女性。秘立蛇女子学園の先生、鈴音だった。だが、霧夜はこう言った。

 

「お前は…バカな……『凛』!?」

 

その女性は霧夜が育てた忍び生徒であり、そして忍務に失敗し死んでしまったと思われてた凛であった。そう、鈴音ではなく、凛。それが彼女だ。

 

「お久しぶりね、霧夜先生」




はい、ここで霧夜と凛の再会ですw

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