光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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ヒロアカの本誌読んでめっちゃやる気おきました。頑張ります。それにしても皆を見て見るとお気に入り1000超えとかスゲェなって、近々よく思います。
本当どーなってんのよ。尊敬します本当に。
あと余談ですがワンピの展開早いね、ビック・マムの傘下好きだなぁ。キャラも凝ってるし。


66話「ぶちかませ拳」

「日影ぇぇ!!」

 

忌夢は甲高い声を叫び、地面を蹴り、自慢の武器の伸縮自在の如意棒を上手く使い跳躍する。

その姿はプロの棒高跳び選手のようだ。一気に日影との距離詰めると、相手に向けて思いっきり如意棒で突く。

忌夢の如意棒は伸縮自在に伸びるため、予測不可能。そのため防ぐことが極めて困難なのだ。

 

だが予測不可能という立場なら、こちらも同じこと。

 

「ほっ、やっ、とっ」

 

日影は表情一つも変えず、軽い身のこなしで忌夢の攻撃を難なく躱していく。

避けられることに、腹の底から苛立つ忌夢は軽い舌打ちをしてしまう。

 

「逃げるのは一人前だな!だがボクに逃げてばかりじゃ勝つこともできないぞ!」

 

「それもそうやな」

 

日影は忌夢の言葉にこくりと頷くと、何処からともなく殺伐としたナイフを何本か取り出した。

それを忌夢目掛けて投げかかる。鋭利な刃物か忌夢に襲いかかる。

 

「僕を舐めてもらっては困るな!!」

 

だが忌夢は如意棒を自分を中心に回し、目にも留まらぬ速度でナイフを蹴散らす。

ガキィンと弾く金属音が鳴り響く。

 

「でりゃあ!」

 

そして忌夢は真上に高く飛ぶと、想定外の速度で日影の腹部に向かって蹴りを食らわす。

 

「ッ!!」

 

「どうだ!」

 

「秘伝忍法──【ぶっ刺し】!」

 

「んなっ!?」

 

攻撃を喰らい、至近距離がゼロになったところを、日影は秘伝忍法を使った。

毒々しい色をした雰囲氣を纏い、妖しい殺気をナイフに込める。

その一撃が忌夢に炸裂した。

 

「ぐぁっ!?!」

 

思いの外、ダメージを食らった忌夢は、思わず吹き飛ばされてしまう。

 

(たかが一本のナイフでこの吹き飛ばすほどの威力…以前よりも力が増してるな…だからこそ…そうでなくては面白くない!!)

 

「秘伝忍法!【ローリングサンダー】!!」

 

忌夢は電撃を纏った如意棒を横に回し、横回転させ前方の日影目掛けて投げ飛ばす。

日影は難なく避けるが、この如意棒が壁に反射することは知らず、壁に当たって反射し、予想出来ない方向から攻撃が来て、日影はそれをもろに食らってしまう。

 

「!?」

 

当然、訳の分からないと言った表情を顔に浮かべる日影は、攻撃を食らってしまい、電撃を浴びてしまう。

そして如意棒は持ち主の忌夢に還っていく。因みに忌夢のこの厨二チックな名前をした秘伝忍法【ローリングサンダー】はナムコ発売のファミコンゲームソフトの名前の由来だそうだ。

ゲームの名前の由来は、忌夢で初めて?なのかもしれない。

 

因みにこの秘伝忍法を食らった日影は、先ほど強い電撃を浴びてしまったため、体が麻痺して暫く動けない。

 

「アカンな……これ」

 

「まだまだ行くぞ?秘伝忍法!【デッドフォックス】!」

 

如意棒に強い電撃を纏ったその瞬間。

 

フッ──

 

「!?」

 

目の前から忌夢の姿は消えた。一瞬にして消えた目の前の光景に、日影は息を呑む。

突然消えてしまったのだ、一体何処へ…と頭がよぎった瞬間。

背中から激しい電撃と、鈍痛が走る。日影は苦しい表情を浮かばせながらも、当然動くことは叶わず、ただ忌夢の攻撃を食らうことしかできない有様だ。

忌夢のこの瞬間的に素早い超スピード。流石に日影のこれも、対応するのは難しい。

 

(まずいのぉ…これは予想外やったわ…と言っても予想なんてわし、感情ないから分からんけど)

 

目に見えないスピードで襲いかかってくる忌夢に対して、日影は心の中で呟くも困惑した様子を見せる。

攻撃が止むと、忌夢は息を切らし、ボロボロになった日影を、上から見下ろす。

 

「どうだ?これが伊佐奈様への忠誠心の力と、ボクが今までお前に対する数々の恨みによる力だ!!」

 

メガネをクイッと上げると、誇らしく口角を吊り上げる。

今まで辛かった…訓練も、雅緋が廃人とかし、面倒を見て、一向に意識を回復しない雅緋の姿、見てるだけで、時を過ごすだけで辛かった。胸が苦しくなった。

 

 

それでも、雅緋のためならと、無理やり心の中で言い聞かせ、心を支えとし過ごして来た。

 

様々な苦しみから耐え抜き、ようやく強くなれたのだ。

 

あの日影をも超えるほどに──

 

 

「安心しろ日影、お前のことなど忘れやしないさ。なにせお前はボクに様々な嫌がらせをして来た。忘れる、ということはぼくの存在そのものを否定しかねないからな」

 

物言わぬ日影に吐き捨てるようにそう言うと、忌夢は背中を向けた。

 

「さて…伊佐奈様に報告を──」

 

「後ろや」

 

「は?」

 

瞬間──

 

 

 

「秘伝忍法【ぶっかけ】」

 

 

紫色のオーラが殺気を露わにし、死が具現化したものが襲いかかる。

 

突然の出来事に、忌夢は目を丸くし、口を開けたままポカンと見つめることしかできなかった。

赤い狂乱の瞳に魅入られた忌夢は、まるで蛇に睨まれた蛙のようだ。

 

 

何が何だか訳の分からないと言った忌夢は、理不尽にも日影の秘伝忍法をもろに食らってしまう。

 

狂乱渦巻く日影の殺気、毒々しい色に染まった紫の禍魂に似たオーラ。

日影は蛇という存在を超越し、毒の牙を磨き、研ぎ澄ました異形な化け物と呼んでも過言ではない。

 

 

「う、うわ────」

 

叫ぶ間も無く

 

 

ザシュッ!

 

──切って、

 

ズバッ!

 

──裂いて

 

ズババババァ!!

 

──乱れ

 

サグ!

 

──突き刺す。

 

 

日影のナイフによる巧妙な戦術、秘伝忍法…いや、覚醒に近きこの技は、死んだ日向の想いから来るもの。

このナイフが、日向の形見がなければ、きっと日影はここまで強くなれなかったろう。

超秘伝忍法の類に近いこの技は、喰らえばいくら上忍だろうとプロヒーローだろうと、無事では済まないだろう。

 

 

日向の想いが、日影を強くした。

 

 

今まで、感情のなかった日影は、日向の悲しみすら忘れかけていた。いや、心の中に閉じ込めていたのかもしれない。

せめて自分だけは、戦場で生きなければならないと…

だがいつしか、自分は本物の殺戮兵器と化していた。

そのことから、死ぬという心の恐怖があの時無くなっていた。

自分は任務のためなら死んでも良いと…任務で死んでも誰も悲しまない。そう思って生きてきた。

 

だが、半蔵と雄英と関わったことに、自分自身、気づかずに心が変わっていた。

 

 

仲間と一緒に生きたい。戦場でも、死にたくない。

昔の自分なら絶対にあり得ないことだし、考えることすらなかった。

だから、こんな自分と一緒に過ごしてくれる仲間がいて嬉しい。生きてても良いという証拠があって嬉しい。

 

抜忍となった自分たちは、安息などなく、険しい道のりを歩くことになる。

それでも、生きるというのがこんなに嬉しいと思うことに、喜びを感じている。

 

感情はないけど、心はある。だからこれからもっと感情という不思議で素敵なものを感じていきたい。

 

 

 

 

 

だからこそ、忌夢の「死んでも良い」という心だけは許せなかった。

 

 

 

 

 

昔の自分がもし、あの時半蔵も雄英もいなかったら、完全に滅びの道へ進み、仲間と大切なものを失い、悔いを残していただろう。

忌夢の、彼女の詳しいことはよく分からない。

昔からいるのに、出会って間もないような感覚、だけど放ってはおけない。

 

 

何よりも昔の自分と同じ道に進ませないために。

 

 

 

 

日影は狂乱から元に戻ると、忌夢にあらゆる攻撃が襲いかかると同時に、音が出る。

あまりにもの早いスピードのあまり、音が出るのが遅かった。

 

「ッッッ!?!!」

 

忌夢の体は一瞬にして体力を一気に削られ、訳もわからずその攻撃を喰らい吹き飛ばされてしまう。

 

(な、なんだ今の!?!全く見えなかった…分からなかったぞ!これは…いった──)

 

「忌夢さん」

 

「!?!」

 

 

そして、吹き飛ばされた忌夢は方向が違うため、居ないはずの存在、日影が吹き飛ばされてる忌夢の目の前に姿を現して居た。

 

「昔のわしもよー思ってたわ。命なんて惜しくない、死んでも誰も悲しまない、だから戦場で死んだってそれはそれで問題ないって、よおそういう考えしとったわ。感情なければそらぁ死ぬのなんて怖くないしな、

 

けどな、それは違うんや。それだけは違うってことはハッキリ言えるで。同じ人間として、同じ道を歩む者として…

 

 

だから、ワシはこう言うんやで?」

 

すると、手に持ってたナイフが動き出す。忌夢は日影の攻撃が来るとすぐにわかり、警戒する。

だが、忌夢の予想を、日影は裏切った。

 

「──は?」

 

なんと、手に持ってたナイフをあっさりと放り投げるように捨てたのだ。

殺意を込めてたナイフを、簡単に手放す。それも日向から貰った愛用のナイフを…

 

日影の自慢のナイフをあっさりと放り投げる、その行為は、自分の武器を簡単に手放すと一緒だ。

 

あり得ない行動に、忌夢は頭の中が真っ白になり、考える力がなくなっていた。

毒によるダメージ、他の人の秘伝忍法とは違う類の忍法によるかなりの痛撃、ただでさえ無事ではない忌夢は、意識を保つことだけが精一杯だった。

 

それを、目の前で意外な光景を見せれば、それは思考も動かなくなる。

 

 

日影はそんな忌夢のことなど御構い無しに、握りこぶしを強く握る。

 

 

 

 

 

「馬鹿な考えないで真っ直ぐ生きろって」

 

 

 

 

バッキイイィィィーー!!!

 

 

日影の怒りに燃えた拳が、忌夢の顔に炸裂する。

骨の軋む音が響き、忌夢は先ほどの秘伝忍法に吹き飛ばされた力に便乗し、殴ったと同時に吹き飛んだ。

そしてそのまま壁に背中を思いっきり打ち、「ガハッ!」と息が出る。

 

頬には殴られたせいか、アザができている。日影は拳で殴ることはあんまないためか、初めて人を殴ったため、不慣れなので拳に僅かな痛みが走る。

 

「これで終いや」

 

日影はいつもの無感情で、でもって明るいような感じでそう言うと、先ほど放り投げたナイフの元へ歩きより、日向から貰った自慢のナイフを手に持ち、空中に投げてはキャッチする。

ボロボロな身体になりながらも、立ち上がり、無感情で立ち尽くすその光景は、忌夢が今まで見て来た日影とは違い、以前よりも遥かに強さを感じて居た。

 

「ば、馬鹿な…そんな……この僕が……」

 

「忌夢さん、アンタの負けやで。たとえ意識があったとしても、わしには関係あらへん。負けは負け、ワシはアンタ殺す気ないし、ハッキリ言って蛇女を救いに来たんや、殺すわけにはいかんのでな」

 

日影の能天気に近いその言葉に、思わず歯ぎしりしてしまう。

 

「ふざけるな!!ボクはまだ──

 

ッッ!」

 

「あー、無理に動くと傷口開くで?ここは大人しくしといた方が身のためや」

 

「なん…だと…?」

 

「言ったやろ?ワシはアンタら救いに来たって、それにワシらの目的は伊佐奈やしな。無駄な戦闘は避けたいし、救いに来たのに殺したら意味ないやろ?」

 

日影の正論に、認めざるを得なくなってしまう。

自分たちは殺す気で居ても、日影たちは救いに来たため、こちらを殺す気は無い…

敵からみれば腹立たしいことだが、忌夢はこうも思った。

 

 

あの日影が、初めて相手の心を気にかけた。

 

 

その事実に、忌夢は驚きを隠せなかった。前までの日影なら絶対にあり得ないことだ。例え相手が敵であろうと仲間であろうと、向かって来る者なら迷わず殺す。

 

殺戮兵器だ。

 

 

だが、日影は抜忍になって大きく変わった。自分が見てない間に、日影は急成長したのだ。

力も、心も……

 

 

(あの日影を…そこまでして変わらせたのか?それが……仲間だと言うのか…?)

 

 

仲間の強さに、認めざるを得ない形となった。

 

 

「ふ、ふふふ…日影、あくまで仲間のためにと力を振るうか…昔のお前なら、敵味方問わず、皆殺しにして来た…

そんなお前がボクを生かすとはな……聞いて呆れる…日影も落ちたな!」

 

「何度でも言えばええやん。別にワシは気にしんし、仲間と一緒にいたい。それがワシの本心やから」

 

「ふっ……だがな…日影…

 

 

昔よりも、今の方がよっぽど強い。そう思えた」

 

忌夢は、悔しい心を胸にいたがながらも、日影の成長に思わず笑みをこぼした。

敵に、日影に笑みを浮かべたのは、生まれて初めてだ。

 

「そっか…まあ取り敢えず、殴った甲斐はあったんかもな」

 

日影は髪をくしゃくしゃと掻きながら、忌夢の表情を見つめていた。

 

日影がなぜナイフをあっさりと捨てて、忌夢に素手で挑んだのか…

 

その理由は単純。

 

 

 

アホウを思いっきりぶん殴って、目を覚まさせる。

 

 

それが日影が忌夢を殴った理由であり、他にはそれと言った理由は無かった。

 

 

 

「さて、戦いは終わったし…他の皆んなはどうしてるんやろうな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらも同じく、未来と紫の両者は戦いを終え、お互い傷つき、ボロボロになりながら、息を切らしていた。

そして勝敗が決まり、勝ったのは…未来だった。

 

「ハァ……はぁ……あ、危なかった…あの紫色の波動?禍魂って言うのかしら?教科書で読んだことはあるけど…あの攻撃があと少し食らってれば確実に死んでた…」

 

衣装はビリビリに破れており、かなりの深手を負っていた。

それでも、戦闘スタイルによってなんとか勝つことに成功した。

 

未来は呪いの弾丸を何発か放つことが可能で、紫は遠距離攻撃は可能だが、それもほんの少し…禍魂を利用し上手く念じ、サイコキャノンみたいにボールで飛ばす。

当たれば威力は絶大だが、避けられれば無意味…しかも避けられやすい攻撃のため、これは愚策とも言える。

 

逆に、近距離攻撃なら思う存分力を発揮できるので、向こうからすれば、近距離戦に持って行きたかったのだろう。

 

紫の衣装も同じく、ビリビリに破れており、はちきれんばかりの胸なんかは、食い込んでいる。

 

「うぅ〜……か、勝てなった……そんなぁ……」

 

紫は負けた悔しさよりも、ネットで自分の素性を未来に知らされた羞恥心により、顔を真っ赤にし、目に涙を浮かべる。

更にはネット解約とゲーム全て取り上げられてしまうという…ゲームプレイヤーやネット民にとって、これまでに辛いことなどそうそうない。

 

「お願いします…未来さん……ネットのことだけは…どうか秘密にして下さい…

 

お願いします…でないと私…恥ずかしすぎて……溶けてしまいます……」

 

そこは死んじゃう。じゃなくて?と、未来は心の中で呟いた。

しかしと未来は雑念を振り払い、真剣な眼差しを向ける。

 

「別に言わないしそこまで恥ずかしがることじゃないわよ…というか、人の話をちゃんと最後まで聞いて?私は貴方に弱みを握って脅すとか、楽しみを奪うとか、そんな下らないことをしに来たんじゃないの」

 

「そ、…そうだった……んですか?だとしたら私はまた……

 

ああ、ゴメンなさい…勘違いしてしまいました……こんなんじゃ、仏麗さんに会っても…嫌われちゃう」

 

紫は「良かった〜」と安堵の息をつく反面、「また勘違いしてしまった」というネガティヴな考えが頭の中に過ってしまう。

 

「別に嫌いにはならないわよ…アンタのこと…ううん、絶対に嫌うわけないじゃない」

 

「?ど、どうしてそんなこと、分かるんですか?」

 

「決まってるでしょ?クラッカーでもないし、私も忍の家のラプンツェルを知っている…アンタのことも…なら、理由は簡単よ。

 

 

 

 

私が『仏麗』なんだもの」

 

 

 

「え?」

 

未来の爆弾発言に、紫は目を丸くし驚愕色に染める。その目はまるで「この子供が面接?本気で言ってんの?」みたいな、少し不快な感情が伝わってくる。

いや、よくよく考えたら無理もないだろう。なにせ、目の前にはいつも作品を愛読してるその作者が、未来であるなどと…ましてやそれが今目の前にいるなんて…誰も想像つかないだろう。未来もそうだったから──

 

「な、何を言ってるんですか!?だ、だって…キャラが…!」

 

「それを言うならアンタもでしょーが。『キャーー!!うぷ乙ー!』とか、『ヴィランとかマジクソうぜぇ、迷惑だしタヒね』とか、めっちゃ言ってたじゃないの」

 

「あわわわ!!!そ、それは…!!」

 

紫は顔面をトマトやリンゴのように更に顔を赤く染め、あわあわと慌てた様子で未来の口を止めようとする。

 

「そ、それじゃあ…やっぱり?」

 

「うん、初めまして…嬉しいわ。私の作品を愛読してくれる、最高のファンがいてくれて」

 

「わ、私も…嬉しいです……初めまして……仏麗さん……」

 

 

こうして二人は微笑み合い、日影と同じく戦いを終えたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠、日影、未来、春花は、各々の戦闘を終え、両者ともに辛い思い、苦しい戦いを潜り抜けた。

 

蛇女の四人は深手を負って、よもや戦える状態ではないが、それでも四人の心は、紅蓮隊の四人のメンバーによって救われた。

 

特に両備と両奈は大きいだろう。二人は元々蛇女の生徒でもなく、今まで苦しみ悩んで生きてきたため、危うく本当に手に負えないイカれ野郎の部類に入っていたのだから。

他にも、自分の命など惜しくないと告げる忌夢、自分の楽しみを見られ、真っ黒な怒りに身を焦がした紫(これは誤解だけど)。二人の心も救われた。

 

 

あと残るは──

 

 

「はぁ………ハァ………」

 

「焔……ハァ……ハァ…」

 

お互い息を切らし、大量の汗が滴り落ち、刀と刀を持つ、雅緋と焔のみ──

 

 

焔紅蓮隊リーダー、焔vs秘立蛇女子学園選抜メンバー筆頭、雅緋。

 

 

悪と悪のリーダーが、命を燃やし、命を懸けて、刀を交えて戦う。

 

 

 

勝者の行方は何方へ────




これであとどのくらいなんだろう…敵パートはやく出したいなぁ…
学炎祭なかったらどのくらい進んでたのかな…って考えるとアレだなぁ、なんかまだまだ先は長いなぁって思うな。
とにかくもっとこれからも頑張っていきます。

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