光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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遅くなってしまい申し訳ありません!!それはそうと閃乱カグラのnewwaveはデータが消えてしまうので諦めました……(トホホ…

それはそうと、本誌のヒロアカ読むと、次のヒロアカが気になって仕方がありません…どないしましょう…?(←知るかww


36話「第二回戦の幕上げ」

それはことが起きること数分前…

 

「うわぁ…なんだかんだで結構みんな切り抜いてきてるね…!僕も頑張らないと…」

 

それは緑谷が第三関門に入って直ぐのことだ、一番前に見えるのが、轟、爆豪の二人。この三人はゴールゲートの直ぐ近く、当然追い抜けるはずがない。

皆んなは懸命に地雷を踏まないように進んで行っているが、中には不注意、または間違って地雷を踏んでしまい爆発して足止めを食らってる者の姿も見えた。

 

「多分…このまんまだと追い越すのは無理だと思う…どうしよう、どうすれば…」

 

そんなことを思ってる時だった。

 

ドガアアアアン!!

 

「うわぁ!」

 

生徒の一人が地雷を踏んで爆発してしまい吹っ飛んだ姿が見えた。

爆発の威力は高く、少し振り出しに戻ったようにも見える。

 

「……ん?」

 

緑谷はふと思ったことがあった、そう。この地雷の威力…高すぎる と。

しかも足止めを食らってしまうとはいえ、これほど人を飛ばすものはそうそうない…また、もしこれを上手く使えば…一気にゴールへと行けるんじゃないか?と。

爆豪も爆破でスピードを上げて爆豪と轟まで来たのだから…なら。

 

「地雷をいっぱい集めて…上手く応用して使えば…二人の所まで行けるんじゃ…!」

 

緑谷の頭の回転の速さは、とても役立つ時がある。そうと決まれば早速地雷を掘って集めていく。

しかしモロに食らえばやはりタダでは済まないだろう…そうと思っていたが、緑谷は前に拾った巨大ロボの装甲がある。それを盾代わりに使えば、無傷のまま上手く追い越せるのではないか?と。

だから…

 

 

「セイッ!!」

 

 

ドッ!!

 

 

 

 

今。

 

 

 

 

ドガアアアアァァァァーーーーーーン!!!!

 

 

 

『1ーA組!!緑谷出久!猛追ーーーーーー!!!!』

 

これぞ、大爆速ターボ!!

 

緑谷は無傷のまま一気に他の生徒達を飛び越えて行き、轟達のいる場所まで辿り着いた。

 

「っ!緑谷…!!」

 

「んの…クソナードがぁぁ〜…!!」

 

轟は緑谷の予想外の行動で戸惑い、爆豪は緑谷を睨みつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、凄いな…緑谷のヤツ、猛追だと?あの状況の中でか?」

 

モニターを見てる柳生は意外な出来事が起きたためか、スルメイカを食べる手を止めた。

 

「わ〜!!凄いや!でも大丈夫かな〜…?あんなに大きい爆発が出たら不味いんじゃ…」

 

この時に限って意外と気が鋭い雲雀は、疑問を抱きながら緑谷を見つめている。

 

「か〜っ!これは意外だなぁ!一位か二位かって所でまさかの第三者かよ!」

 

葛城も柳生と同じく、予想外の出来事、緑谷の猛追に驚く表情を見せる。

 

「す、凄いですね…まさかもうあんな………そういえば、蛇女子学園に襲撃してきた敵連合と名乗る輩たち、脳無とやらを倒す策を考えたのも彼ですから、流石といった所なのでしょうか…?」

 

斑鳩は緑谷の頭の回転の速さに納得するが、それでも緑谷が猛追してきた事には驚きを隠せない。

 

 

「流石だな……緑谷くんは……何時もの緑谷くんじゃない位だよ……」

 

 

そんななか、飛鳥は流石だなという目線で緑谷をジッと見つめる。まるで彼ならやりそうな事だ。とか、無茶するところが彼らしい行動だ。だのと、目を僅かに細めて、微笑む。すると

 

(ん?アレ…?そういえば…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで私は緑谷くんの事になると、いつも気持ちが和らぐんだろ…?)

 

 

飛鳥は心の中に疑問を持ちながら、自分でもどういった気持ちか分からず、モヤモヤするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、現在第三関門(最終関門)では…

 

 

「うわああぁっ!!」

 

 

落っこちて、地面に衝突しそうになる緑谷は慌てている。次に自分はどう行動を取るべきなのかを…自分はただ轟と爆豪を追いつく事だけを考えており、次にどうするべきかまでは考えていなかった。

 

 

 

(速度が下がっている!スピードも大分弱くなってきてる…追い抜けられ……)

 

 

「デク!!!!」

 

 

「!」

 

 

緑谷が思考で物語っていると、爆豪が急に緑谷に叫び出す。

 

「俺の前に…立つんじゃねえ!!!!」

 

緑谷に噛み付くような鋭い眼差しで睨む爆豪は、一気にその場で加速する。

 

(チッ…もう後のことなんざ気にしてる場合じゃねえ!後ろに道作っちまうが、今は!)

 

 

轟は右から氷を出して、地雷を防ぎ走り出す。爆豪と轟は、突如やってきた緑谷から追い抜かれない為に、二人は全力疾走で走りだす。

 

(くそっ!ブレーキが効かない今じゃ、このままだと結局追いつけない!)

 

緑谷は、もうここまでか…そう思った時だった。自分が衝突しそうな地面に目をやると、その地面にも地雷が埋まっていた。

 

 

(……いや、まだだ!!)

 

緑谷は最後まで諦めず、爆豪と轟の間に緑谷は装甲を使って思いっきり地面に叩きつける。

 

その瞬間…

 

 

ドガアアアァァァァァァァァーーーーーーン!!!

 

 

轟く爆発。轟と爆豪は緑谷が起こした爆発に巻き添えを喰らい、一瞬だけ進んでた足が止まる。緑谷は爆速を付け、再び前方に進む。

 

「や、や、やったぁぁ!!…ってて…」

 

緑谷は轟と爆豪を追い抜き歓喜の声を上げるが、地面に衝突したため体を打った。

 

「はぁ………はぁ……あと、少し!」

 

そう言い聞かせ、とうとうゲートを潜り抜ける……

 

 

『サァーーーてと!予選の障害物競走!お前ら優勝者誰を予想してた!?お前ら想像つくか!?誰もつかなかったろうぜ俺予想外だったから!

そう、障害物競走第一位は!こいつの名前をしかと覚えとけ!』

 

 

 

そして、会場に姿を現したその男の名は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『緑谷出久の存在を!!!!』

 

 

障害物競走第一位、緑谷出久。

 

 

 

「緑谷くん!」

 

飛鳥は歓喜な声で思わず、緑谷の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

「出久ぅぅ!!」

 

家にいた緑谷の母、緑谷引子は我が息子である緑谷の活躍に、大量の涙を流す。

 

 

 

 

 

 

バーではなく、ゴミや雑誌、食い物の食べカスなどが部屋中に散らばってる見たことのない部屋には、敵連合の輩『3人』が居た。パソコンに映されてる緑谷を、死柄木と漆月は忌々しい目で睨みつけ、そんな二人の様子をまるで我が子のように見つめてる『黒い工業地帯のようなマスク』を付けた輩は、視線をパソコン画面に変えると、そのマスクに隠されてる口から、ニヤリと口角を吊り上げた。

 

 

「漆月、これからこの先君は忍のみならずヒーローとの戦いも避けられないだろう…だから、常に考えて成長しろ…」

 

 

悪意を培い、邪悪とも思わせる男は、優しい声で、静かにそう言った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は現在に戻り…

 

『二位、轟!三位、爆豪!他にもまだまだ遅れてご登場だぁぁ!!イレイザー!お前んところのクラス面白えな!俺めっちゃ好きになったわ!』

 

『知るか…煩え………』

 

『ヒュウウウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

 

イレイザーの背中をバシバシ叩いてるマイクに、相澤は不愉快そうな目でマイクを睨みつけると、これ以上やると不味いと判断したマイクは、冷や汗を流しながら背中を叩くのをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんななか…緑谷は…

 

 

 

ニコッ!と、涙を目に溜めて堪えながら、ある人に満面な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

そのある人とは……

 

 

 

 

 

「よくやったぜ……緑谷少年!!」

 

 

 

平和の象徴オールマイト。その姿はガリガリで細くやつれていている。オールマイトも教師だ。教師陣に紛れて体育祭を見ていたそうだ。いや、彼なら絶対に観るだろう…必ず。

 

 

(その泣き虫、治さないとな……緑谷少年は心が優しすぎて他人に遠慮するところがあるから心配していたが……どうやらその必要も無かったらしい!ゴメンな!)

 

 

必死に堪えてた涙を出してしまった緑谷は、腕でなんとか涙を拭う。それを見ているオールマイトは、まるで我が子のように優しく見つめて微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、二位と三位の彼らは…

 

 

「クソ!クソデクに……また……またァ……!!クソがぁぁ!!」

 

爆豪は忌々しく、悔恨の混ざった目で緑谷を思いっきり睨む。その隣にいた轟もまた同じく……

 

この第一種目で緑谷が一位だというのはとても大きなことだ。なにせあらゆる策を練り、個性を使わずに、体力勝負で追いつきながら、一位を取ることが出来たのだから。そう考えるだけで十分凄い。それも、海浜公園で死ぬほど努力したトレーニングの成果として報われたのか…どちらにせよ緑谷が一位であることに変わりはない。

 

 

 

 

 

 

 

飛鳥たち半蔵側では、緑谷が一位になったことにより、彼女たちだけでなく、会場の観客全員が騒めいた。

 

「緑谷くん一位だよ!!やったヤッタぁぁーーーーー!!」

 

「良かったですね」

 

緑谷が一位になったことで大きく喜ぶ飛鳥。その横で微笑みを浮かべる斑鳩。

 

「二位は轟に三位は爆豪か…アイツ毛根までプライド硬そうだからな…二位ならまだしも、三位となると二倍くらい心へし折られたんじゃないか?」

 

「爆豪くんっていつも怒ってばっかだもんね〜」

 

 

一方、柳生と雲雀は爆豪について話している。まあ確かに彼の性格からして間違ってはないだろうが…

 

 

「おっ!他にも色々出てきたぞ!見たことねえやつらや面白そうな奴らばっかりだなぁ!」

 

葛城はA組のみならず、他の科目の生徒たちをみて興味を湧いたのか、ワクワクしながら見つめている。

 

 

 

〜〜30分後〜〜

 

 

集計が整った今、モニターに42人ものの生徒が映し出される。そう、この数こそが予選で合格することが出来た者たちだ。この者たちは当然第二回戦に進出できる。結果はこうだ。

 

 

障害物競走 順位

 

1位 緑谷出久

2位 轟 焦凍

3位 爆豪勝己

4位 塩崎茨

5位 骨抜柔造

6位 飯田天哉

7位 常闇踏影

8位 瀬呂範太

9位 切島鋭児郎

10位 鉄哲徹鐡

11位 尾白猿夫

12位 泡瀬洋雪

13位 蛙吹梅雨

14位 障子目蔵

15位 砂糖力道

16位 麗日お茶子

17位八百万百

18位峰田実

以下略…

 

 

 

 

 

以上が、障害物競走を乗り越えた者たちだ。勿論A組は全員なんなくクリアだ。

……青山はヤバかったが…(注意 青山優雅 42位)

 

 

『さっ!確認は終わったかしら?そうと決まれば早速次の第二回戦に突入よ!』

 

「なんでもかんでも雄英って早速なんやな……」

 

 

ミッドナイトの言葉に、お茶子は呆然と見つめている。

 

 

『それでは第二回戦は〜…『騎馬戦』!』

 

 

第二回戦は騎馬戦だそうだ。

ルールは簡単。合格した42人はバラバラになり、騎馬を作る。その組んだチームをPを合計したものを持ち点にして、チームのリーダーは鉢巻を巻いて所持する。

それぞれのチームでPを奪い合いう至ってシンプルだ。

因みに得点は順位ごとに違う。では、早速緑谷出久のPは?

 

 

「えー、以上!ルールの説明は終わりよ!さて…まずは一位から…緑谷出久!得点は…

 

 

1000万Pよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷出久 1000万P

 

 

 

 

 

「え?」

 

その言葉を聞いた途端、緑谷は思考停止状態になり、彼を除いた41人ものの生徒は、獲物を見るかのようにジーっと見つめる。

 

「あ…えと……え?千…万……?」

 

滝のように流れる汗、そう…このとき知った。緑谷出久は狙われた…と。

 

 

 

 

 

「せ、千万!?緑谷くん早速難題に突入だよ!?」

 

飛鳥は緑谷のPをみて驚愕する。モニターには生徒の顔と同時にPを見ることができる。一人一人が一体どのPを持っておるのかを分かりやすくする為だそうだ。

 

「ええ……一位の人は狙われる側…ですか」

 

斑鳩は日本茶を啜りながら、緑谷を見つめている。

 

「アタイは狙う側がいいな!守る側だと逃げまわらなきゃならねえし…アタイの性には合わないしな!」

 

「確かに葛城は超突猛進って感じだもんな…」

 

葛城の相変わらずといった様子に、ため息をつく柳生。

 

「おお〜!やっとまともな競技だよ!」

 

第一回戦はやれ仮想敵のロボだの綱渡りだの地雷だのでエライことになってたが、騎馬戦はPを奪い合うだけなため、まともだと思った雲雀。一見、確かにまともだとは思うが…しかし皆は知らない…この先何が待ち受けてるのかを……

 

 

 

 

 

そんななか、緑谷出久は汗を垂らし、体と拳を震わせながら、周りの目線に耐えている。しかしもう一つは…自分が皆から狙われてるという事実に震わせていたのだ。

 

 

「緑谷少年、気付くのが早いな……そう、もう今ここで既に戦いは始まっている……周りの皆が、君の敵だということを……狙うものと狙われるものでは、やることも、見方も大きく違う!!」

 

 

緑谷の震える姿を見たオールマイトは、緑谷の心を知ったのか、そう呟いた。

 

(ただ単にチームを組めば良いというものじゃない、己と立場に見合った個性を選び抜き、どう立ち向かうかが鍵なんだ……他の皆ならともかく…緑谷少年はとても厳しいだろう……)

 

相手のPを奪うよりも、皆から狙われながら己の立ち位置をキープする方がとても難題だ。だからこそ、今緑谷の置かれてる状況は………誰も緑谷と組もうとしてない。それどころか呼び掛けては避けられ、無視される。とても辛い状況だ。

 

 

 

 

それとこれとは違うところで、B組では…

 

「ねえ皆んな、鉄哲の言葉も踏まえてなんだけどさ、可笑しいと思わない?どうして同じヒーロー科で、A組とB組が分かれてるだけなのに、人気がこうも違うんだ?おかしいよね?しかもA組には応援してくれる人たちもいる……けど実際僕らはどうだ?」

 

B組を集め、悠々と物語っているのは、B組のリーダー的存在、物間寧人だ。

 

「ヒーロー科に在籍してるのに、僕らはオマケ扱いされてる……だから、調子づいてるA組をとことん懲らしめてやろう……」

 

それも、不敵な笑みを浮かべて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、え〜…っと……誰もいない!!どうしよう……」

 

皆はそれぞれチームが出来てきてるなか、緑谷はアワアワした様子で現在ただ一人、未だに一人も仲間に入れることが出来てない状態だ。チーム1組で2〜4人まで…余った人と組んだって意味がない…それでは優勝なんて出来やしない……緑谷が苦悩してるなか…

 

 

「デクくん!一緒にくも…」

 

「麗日さあああぁぁぁぁぁぁんん!!ありがとう!!」

 

「わっ…!デクくん!すごい涙!」

 

麗らかな表情を浮かべる麗日は、緑谷を誘おうと声をかけると、緑谷は滝のように涙を流す。…相当嬉しいんだろう……

 

「け、けどいいの!?それだと……危険だよ?それに、僕狙われるし……」

 

「うん!危険って百も承知だよ。それに危険なことって私たちにだっていっぱいあったじゃん!USJ襲撃の時とか、蛇女子学園とか、またまた敵が攻めてきたりして……何よりさ!仲良い人とやった方が、良い!!」

 

(麗日さん、女神!!!)

 

お茶子の神々しい満面な笑みを直視することが出来ず、緑谷は顔を真っ赤にして背中を見せる。そんなお茶子は「デクくん?どうしたの大丈夫?」と顔を覗き込む。

 

 

そんなやりとりがあり、緑谷にはお茶子が仲間に入り、これで2人になった。お茶子の個性から考えて、緑谷は飯田に駆けつけ仲間に引き入れようとする。まず緑谷はリーダーとなり、ハチマキを守ってはお茶子は個性で重力を軽くし飯田の個性でスピードを出してなんとか皆んなから振り切る。あとはそれに見合った個性の人と手を組む。それが唯一優勝できる道だ。これなら怖くない。

 

しかし、物事はそう上手くいかないものだ。

 

 

「すまない、緑谷くん…誘いは嬉しいが…

 

断る」

 

「えっ…?」

 

 

飯田は緑谷の誘いを、キッパリ、断ち切るように断った。飯田のその声からは、決死の覚悟と勇気が感じとられる。

 

「正直、君の意図は分かる。けど…僕だってヒーロー科に在籍してるんだ。いつまでも、君にばかりやられてはいけないんだ……僕は君とは友達であり、僕にとって君はライバルの存在でもある……だから……」

 

すると飯田はくるりと背中を緑谷に向けて…

 

轟チームに向かう。

 

 

「この戦いで、俺は全力で君に勝つ!」

 

 

そう、言い切った。

 

 

轟チームには、上鳴、八百万もいる。推薦入学者の二人に、アホ面になってしまうのは欠点だが個性としてはバリバリ強い上鳴。そこに飯田が入って行った。

 

「飯田くん……そっか…」

 

緑谷も決心した。

 

 

遊び半分ではいられない、真剣勝負。

 

 

 

 

 

「み、緑谷くん!どうしよ!?あと残り5分だよ!」

 

「えっ!?」

 

お茶子の言葉で我に返った緑谷は、周りをキョロキョロ見渡す。もうほぼチームが決まってきている。他に余ってる人たちも少なくなってきた。

 

マズイ、もう無理か…その時だった。

 

 

「フ…フフ……フフフフふふふふ!ふふふふふ!!貴方が緑谷出久さんですね!?」

 

「わぁっ!?」

 

突如後ろから声が聞こえては、顔を覗かれた緑谷は思わずビクッ!と反応する。そんな反応に構わず、ピンク色の髪をした女子は話し出す。

 

「初めまして!私、サポート科の発目明と申します!貴方の人気っぷりは『使えそう』ですね!」

 

ガチャっとゴーグルを外すと、その子の目は雲雀のような華眼ではなく、照準器のような模様が入っている眼だ。その女性は緑谷とお茶子の様子を御構い無しに話し出す。

 

 

「貴方のような人気者と手を組むと必然的に注目度がNo. 1になるじゃないですか!?そうすると必然的に私のドッッ可愛いベイビー達が大企業の目に留まるんですよ!それってつまり大企業の目に私のベイビーが入ってるって事なんですよ!!あっ!因みにベイビーと言うのはですね…」

 

「待ってまって!!落ち着いて!ね!?」

 

グイグイ来る発目に対して、緑谷は両手で制して落ち着かせる。

 

「え、えーっと…取り敢えず…君は……サポート科なんだっけ?確か個性をより扱いやすくするあの……」

 

「そうですそうです!サポート科はヒーローの個性に役立つサポートアイテムを開発します!私のベイビーは沢山いますので、もしかしたら貴方の個性に見合うものがあると思うんですよ!」

 

ガシャッ!と大量のアイテムを出す。バスターヒーローのエアジェットや、ワイヤー、吸引マシンに、籠手など、様々なアイテムを発目は持っている。

 

「す、凄い!こんなに…しかもエアジェットやバックドラフトの……っ!想像以上にすごいし感激だし何より使える!」

 

「本当ですか!?それは良かったです!実は他にも……」

 

二人が熱狂してるなか、ただ一人佇んでいる生徒が一人…

 

(……完全にウチのこと忘れてるやろ……しかも即気ぃ合ってるし……)

 

 

お茶子はムゥ…と頬を膨らませ、ふと視線を逸らした。

 

なんやかんやあって、緑谷のところにお茶子に続き、発目も加わった。残るはあと一人だ。

 

(あと一人は……あと残り1分!あと一人…あと一人…!!大分居なくなってきたし、もうダメか!?………いいや…『見つけた』)

 

残り1分のなか、緑谷はその生徒に近づき、そして…

 

がしっ!

 

 

肩を掴む…

 

(チームに足りなくて、必要なもの……それは……)

 

 

 

「君だよ…!……」

 

 

 

 

 

 

 

〜〜そして1分が経ち〜〜

 

 

『さぁーて!1分経ちましたァ!ツーわけでサクッと始めて行くぜぇ!』

 

マイクがそう叫ぶに対して、相澤は口煩いマイクの声に不機嫌な顔をする…と思いきや、そうでもなかった。

むしろ、何か面白いものでも見てるかのような目で見つめている。

 

「ほぉー…なかなか面白いじゃないか……いいチームじゃないか皆んな……」

 

 

 

 

 

 

応援席でも…

 

「これはまた、楽しくなってきそうですね」

 

斑鳩はこの先どうなるのかという展開に興味を持つ。

 

「なるほど…そういう感じか!」

 

「まあ、悪くはないな…」

 

「皆んな面白そうだね〜!」

 

葛城と柳生、雲雀は、皆の騎馬を見て頷く。雲雀なんかはこの先どうなるかワクワクしている。

 

「次は…どうなるのか……楽しみだ!」

 

 

飛鳥は、元気で真っ直ぐな笑顔でそういった。

 

 

 

爆豪チーム

 

 

「デクをぶっ潰すゾォ!!」

 

爆豪勝己

切島鋭児郎

芦戸三奈

瀬呂範太

 

 

轟チーム

 

「取るのは…1000万だ…!」

 

轟焦凍

飯田天哉

八百万百

上鳴電気

 

 

そして…緑谷チームは…

 

 

緑谷出久

 

「麗日さん!」

 

麗日お茶子

 

「うん!」

 

「発目さん!」

 

発目明

 

「フフフ!」

 

 

 

「そして!」

 

 

最後の一人は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「常闇くん!!」

 

常闇踏影

 

「ああ…」

 

 

 

「皆んな!宜しく!!」

 

 

その声とともに…第二回戦の競技、騎馬戦が始まり、血で血を洗う雄英のがっせんが今、狼煙を上げた。




次回は騎馬戦スタートです!それと同時にこれ書いてると、閃乱カグラのOVA、水着だらけの前夜祭を思い出しますね…アレも騎馬戦ですし…ね?(まあほんの少しだけですが…

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