途中過程に入ったからか、執筆のスペースが上がってしまう男です。
焔と雅緋、飛鳥の爆乳祭キャラが強すぎて闘技場は昨日10段に登りました。
因みにユーザー名はハーメルンのネームと同じです。
トラソティスの名前の由来は、アトランティスを掛けてます。海の都おぉ!!
今、目の前にいる敵は――倒せない訳じゃない。
どれだけ窮地に陥っても、どれほど困難な立ち位置になろうが、あの時に比べれば。
幼少期の頃に体験した、妖魔という化け物に襲われた時。
蛇女子学園を襲った憑黄泉との死闘。
両姫を殺め、死を錯覚したイザナギとの出逢い。
あの頃に味わった、反吐が出る恐怖と絶望に比べれば、八斎衆との戦闘はそこまで苦ではない。
(私は――今までずっと生かされて来たとさえ錯覚してしまうほどに、多くの者達に支えられた)
そう思ってしまうのは仕方ない。
トラウマと呼ぶ悲劇――過去の恐怖を見返すと、自分は今味わってる苦難な立場、状況、苦しみを調和することが出来るのだ。
それと同時に、自分が生きてること自体が奇跡でしかないと、錯覚もしてしまう。
もし、父や母が助けに間に合わなかったら?
もし、憑黄泉との戦闘で私一人だったら?
もし、イザナギと両姫が出逢わなければ?
過去の回想が、もしもの可能性を芽生えさせている。
でも幾ら考えてもそんなのは無駄でしかないと――頭の中で理解していながらも、結局はそう考え込んでしまう。
その際に自分が思うことは、私はいつも誰かに支えられて生きてるのだと実感した。
母が庇ってくれたから、
仲間がいたから、
両姫がいたから、
全ての繋がりが、私を生かしてくれる。誰かがいつも側で、支えてくれた――時に焔と言うライバルと出逢えたことで、誤ちに気付き、歯止めの効かない私の暴走だって止めてくれた。
私は今まで、誰かの繋がりに興味や関心など持たず、ただひたすら強さのみを磨き、鍛錬を重ね積んで来た。
だからこそ、今になって思う――どれだけ努力を重ねても、時によって足りない部分や実力が通じない時だってあるのだと、痛感させられた。
伊佐奈に支配されていた頃の私だったら、限りなく忍の道に背き、破滅の道へと歩んでいただろう。
仲間の大切さ、己の未熟さ、忘れられた過去の記憶――一番大切なものを気付かせてくれたのは、いつだって志を共にする者だ。
(私は蛇女子学園を代表するリーダーとして、誰よりも率先し、皆を導いて来た――だが、それは昔自分がそう思って来た事柄で、今となっては違う)
役目や立場、仲間や生徒を導くという考えや使命は変わらない。
だけど何とかしなければと思いながら、いつも自分を支えてくれたのは仲間たちだった。
背中を押して、私に力をくれる。
綺麗事や精神話を下らないと嘲笑ってた自分が心にするのは何だが、本当のことだ。
でなければ血界突破は成功していない。それどころか、最悪な過去の中で、自分が殺されてても可笑しくないのだから。
だからこそ――今度は自分が誰かを支える番だ。
忌夢…お前はずっと意識のなかった虚無の私を、介護してくれた。
そうだ、いつだって何処だって私を支えてくれてたのは、友人や仲間たち仲間たち――有り難う。
次は私が皆んなの支柱として誰かを支え、繋がりを活かす――だから、お前達も後のことは頼んだぞ。
私は、お前達を信じてるから――
「ほぅ…!これはまた奇妙奇天烈な能力だ――腕が生きた蛇に変化するとは、驚かせてくれる!!」
パキビキ――結晶が亀裂を生じる音を感じながら、宝生は不敵な笑みを浮かべる。
腕が大蛇に変貌し、生きた爬虫類が結晶を噛み砕いてる光景は、確かに奇妙奇天烈な光景だ。個性ですらそんな類のモノは見たことがないし、自分の腕力を口で受け止める顎力と頑丈さには殆ど脅かされる。
「絶・秘伝忍法――【ヨルムンガンド】!!」
雅緋の叫びと共に、大蛇は唸りを上げながら宝生の結晶を噛み砕き、結晶に覆われた腕に噛み付き、そのまま体が伸びていく。
この忍術は嘗て――血界突破の暴走の際、イザナギに対し使用した絶・秘伝忍法だ。
「うぉッ――!?!」
体が浮遊し、己の体重(全身結晶を覆い)を持ち上げる蛇の底力に驚嘆の声を漏らす。そのまま部屋全体を暴れ回るかのように、縦横無尽に壁やそこらへとぶつかり、宝生の意識を途絶えさせようと、空間のペースを埋めていく。
「おいおいおいおい――ッ!?!!」
流石の窃野もこの意味不明な大蛇にはお手上げのようで、自分の武器も全く歯が立たない上に通用しないことに驚嘆する。
「お前…一人で完封って…そう言う事かよ!!」
悪態を吐きながら、身体を屈めヨルムンガンドの猛威から身を守っている。
このままじゃ本当に直ぐ自分も戦闘不能になってしまう。
命に代えてもとは言ったものの、余りにも呆気ない終わりは迎えたくない――一秒でも一分でもより長く相手の足止めをするのが先決なのに、それすら叶わず、相手に重傷も負わせず敗北するのは、認めない。
そう言った意味も含めて、雅緋は時間稼ぎ要員と認識してた鉄砲玉の幹部に絶・秘伝忍法を発動したのだろう。
出し惜しみは良くないとはこのことを表している。より早く鉄砲玉を片付けるべく、雅緋が取った行動は正に合理的――正当な判断ともいえよう。
「おい多部!!
気絶し倒れ伏せてる多部に、窃野は喉を振り絞り大喝する。青年の声に反応した多部は、失ってた気を取り戻し、体が反応する。
其れに気付かずヨルムンガンドは、そのまま宝生を壁ごと貫通させる勢いで――
バクンッ!!!
――突進するも、窃野の呼び声に反応した多部が起き上がり、ヨルムンガンドの首を一瞬で食いちぎった。
「なッ――」
雅緋は絶句した。
ヨルムンガンドは謂わば絶・秘伝忍法――そんな強力な忍術を、たったの一口程度の感覚で、多部はヨルムンガンドに重傷を与えたのだ。
「蛇、うまッ!」
最初に口に出した彼の言葉は、味の感想だった。
巨大な蛇を相手にサイズに似合わない口で食いつき、巨大なナニカに食われたような痕が残ってる辺り、どう言う原理なのかは不明だが、多部相手にヨルムンガンドとは相性が最悪なようだった。
マスクで隠してた口は、さっきので布ごと食いつき、飲み込んだ様子で、恐らく凡ゆる物を食い尽くすことが出来るのだろう。
「シャアアアァァァア――――!!!」
千切られたヨルムンガンドは、頭部は残しながらも、最後の踏ん張りとして多部に襲いかかるが――
「フンッ――!!!」
ヨルムンガンドから離れる事に成功した宝生が、両腕で頭蓋骨を砕くように、渾身の一撃をお見舞いする。
ミシリ…と骨が軋む音と、蛇の断末魔を残しながら、残された頭部は息を引き取った。
「ハッ――ハハはははははは!!良いぞ多部!最後の晩餐はご馳走でなくっちゃなぁ!?その蛇を女ごと食い尽くせ!!」
一瞬で立場が覆り、窃野は安堵の息とともに胸をなで下ろす。
多部は窃野の声を聞き取りながら、食い千切られた蛇の断面から食い尽くそうとする。
多部空満――個性『食』
凡ゆる万物を食い尽くす個性は、基本的に何でも食べることができる。有機物だろうと無機物だろうと、食えるものは何でも咀嚼し飲み込んでしまう。消化液も常人より遥かに上回り、食べた後は直ぐに消化されてしまう。
「一瞬で全てを食らう歯と顎!そして直ぐに消化する胃袋!多部は個性が発現してから一度も満腹になったことはないんだぜぇ!?
其れに若に拾われる前まで犯罪を起こさなかったのは、人を食うことでも味を認識しちまうからだ!!
けど今の俺たちはゴミだからな、汚れ役買うのは何ともねえ!だから多部は人を食う事に何の躊躇いもねぇのさ!!」
多部のこの個性は、人間やアスファルトさえも食い尽くし、あろうことか死体や証拠物を食うことで隠滅することも可能なのである。凡ゆる物を瞬時に溶かす消化液と、頑丈な胃袋のお陰で人体に影響はなく、様々なものを口にしても無害ではあるものの、一部弱点がある。
常に腹が満たされない…と言うのは兎も角、味を認識してしまうのが難点だ。
当然人間の血肉は口にしなくとも良い物ではないし、アスファルトや泥だって言わずもがな。だが、多部が治崎に拾われ、八斎會の鉄砲玉に認定されてから、嫌いなものや未知なるものに対する味への概念は消えていた。
だから――治崎が人間を食えといえば食すし、壁や地面を食えと言われれば勿論、ゴミを食えと言われたら喜んで。
狂人であり、ある意味廃人――人を殺すことを躊躇わず、人間としての尊厳さえも当に捨て、自分の全てを治崎に捧げてる光景は、誰もが想像すればゾクッとしてしまうだろう。
「うまッ!うまッ、うまッ、うまッ――!!」
肉の断面からヨルムンガンドの頭部を再生させようと試みるも、多部の常人ならぬ暴食に、再生が追いつかず、距離はどんどん詰めようとしてくる。
(コイツ…!幾ら何でも早すぎるだろう!?そもそも巨大な蛇を瞬く間に…そうか、多部の個性は知っていたが、ここまで脅威になりうるとは…!!)
しかもこれが、違法薬物の個性を急激に活性化させるトリガーを使用してない状態で、このブーストしたような活発性――流石の雅緋も引いてしまう。
(取り敢えず黒炎で炙って――ヤツの動きを止めるしか…もう一度気絶させるまで!!)
雅緋の掌は黒炎を生み出し、拳に纏わせる。
邪悪な黒き業火をそのまんま多部に食らわせ――
「ッ!?」
ることはしず、近づく殺意に異変を感じた雅緋は、横から殴り掛かる宝生に気づく。
「オラぁヨッ――!!」
宝生の重々しい結晶の殴打は、雅緋と拳を打ち合わせる。
結果は――雅緋の拳に悲鳴が入り、皮膚が、骨が、筋肉が、激痛を上げる。
思わず歯を食い縛る雅緋は、火力を上げるも、宝生には通じない。
「結晶で腕を重ねてるからな、熱を遮断してて通じねえんだ!!まあ仮に熱くなるにせよ、火傷しようが腕一本使い物にならなくなろうが――若の為なら喜んで捨ててやるよ!!お前を排除できればな!!」
宝生結――個性『結晶』
露出された肌から無数の結晶を生やす個性。時に熱に対応する防熱用の結晶や、氷に対抗するなどと言った、自己防衛として使える。
因みに結晶は全て本物とは異なるオリジナルなので、宝石ではない。
宝生はそのまま更に結晶を増やし、腕を強化する。
結晶と結晶の隙間から、新しい結晶が生えて行き、その過程を通して肥大化する。伸ばすことも可能なので、そのまま長く強化された結晶腕で雅緋を壁に打たせる。
「ガァッハ――!!」
成す術なく背を壁に打ち込まれた雅緋は、肺から酸素を吐き出され、苦痛の顔を浮かべる。
其れでも腕はまだ動けるし、刀は存在する。黒刀なら炎は通さなくとも、結晶を一刀両断する事は容易い。雅緋の剣戟ならそれが可能――
バッ――!!
なのだが、雅緋が刀の柄に触れようとした途端、腰が少し軽くなる。
いつも納めてた刀の鞘は消えており、嫌な予感を肌で感じ取りながら、心当たりのある人物へと視線を送る。
「三対一を望んだのはお前なんだぜぇ雅緋ィ!!ハハッ、俺たち三人を甘く見過ぎたなぁ――自分の実力を過信評価し過ぎたんじゃねえか!?良いザマだぁ!」
嘲笑いながら捲し立てるのは窃野トウヤ――なんと彼の手には、雅緋が長年使ってきた愛用の黒刀が収まっていた。
そのまま鞘を抜き取り、自分の新たな武器として扱う辺り、非常に厄介さが増した。
「私と……したことが…!一人一人を相手にするあまり…気を…!」
注意や警戒は怠らなかった。
だから今まで刀は奪われなかったのだが…それも此処までの様子で、自分の武器さえも取られてしまった模様。
「スゲェ…良い刀だなぁ!悪いな雅緋――こんな素晴らしい宝刀を俺みてぇなゴミが使っちまってよぉ〜…けどまっ、奪われたら奪い返せば良いから何の問題点にはならんか」
雅緋の黒く輝く宝刀に、窃野は思わず生唾を飲み込みながら、品定めをする。
この実質の良い刀、手に持つだけで伝わる重圧感、歴戦を潜り抜けたのが、身を通して良く伝わる。
窃野は元々拳銃や刀に対しては無頓着であり、詳しく知らないものの、雅緋の黒刀には流石に興味が唆る。
「バクン!!」
そして、再生力が間に合わなかったヨルムンガンドの腕は消え、多部は残さず完食――何とも微笑ましさの欠片もない多部の食事は、「次はお前」と言わんばかりに獲物を定める。
(流れるような連携――油断はしてない、だが…多部が復活した事で有利な立場が形勢逆転となって…!皆に負担を掛けさせたいとしたが…詰めが甘かったか!)
心の中で悪態を吐きながら、雅緋は近づく二人を見下ろす。結晶で体が埋め尽くされてる雅緋は、宝生に拘束されながらただただ見つめる事しか出来ない。
油断も隙も一切見せていない雅緋は、彼女の思う通り、多部の復活によって自分は段々と追い込まれていた。
個性一覧から見ればそこまで強力とも呼び難いが、チームワークとして結束を固める事で、雅緋に一矢報いることが出来たのだ。
川のように自然と流れる連携、相性の良さと個性で足りない部分を補い、自分より上の敵に立ち向かう。
其れは――自分たちが選抜メンバーとして戦っていた姿と、同じものだった。
「お前たち……どの道、私を殺した所で何の意味にもならんぞ……警察が後を追ってくる…お前たちはどの道終わりだ…」
「嗚呼、知ってるよ――だからなんだ、それがどうした?」
「なぜ……お前たちは忍でもないのに…自分の命を…そこまで捨てようとすることが出来る?常人とは思えないがな……」
雅緋の台詞に応答する窃野は、目を細めながら此方に近づき雅緋の武器を自分の武器として構えを取る。
「あのな、一つ教えといてやるよ――俺たちは確かにゴミだが、ゴミなりに固い絆で結ばれてんのさ」
固い絆――其れは、雅緋と忌夢の二人、そこから結ばれていく紫や両備、両奈へと紡いでいく、決して斬れない糸と同等なもの。
昔の雅緋にはなかった、だが今は結ばれてる――窃野、宝生、多部も雅緋達と同じく、誰にも斬れない絆で、固く結ばれているのだ。
「
皆が皆、色々な事情や過去を背負い、八斎會に集っていた。
最初は孤独で一人だった――仲間もいない、ブラックな仕事で社畜として生き永らえながら、気付けば自分が生きてる価値のない人間だと知り、この世に不必要だと知った途端、生きる目的や意思を失った。
路頭に迷い、ゴミとして紛れながら貧民街に足を踏み入れ、現実に打ちのめされていた時――
『お前、行き場がねえのか。
だったらウチに来い――お前は、此処でくたばるような人間じゃない。俺が拾ってやる、お前は決して無価値な人間じゃない』
「だから嬉しかった――全てを失った自分達は、治崎と出逢い、生きる意味も目的も生み出して、金もない家もない、行き場を無くした自分たちを拾ってくれたことが、俺たちの救いだった!!」
何も知らない自分達に手を差し伸べて、自分達の価値を見出してくれた。
若頭――治崎だけだ。
自分たちの価値を生み出してくれたのも、生き甲斐を感じさせてくれたのも、全てがあの人のお陰で手に入った。
当然、そんな治崎に忠義を尽くすのが極道としての生き様で、治崎になら自分達は使われても良いとさえ思った。
ずっとあの時の恩を返したくて、あの人の為に役立ちたくて、少しでも若の為になれるのなら、微かな力でも希望にお応え出来るのなら――自分達は喜んで非道になる。
だから自分達は、マスクを付けるようになった――
「残虐非道?上等!無様?腑抜け?上等!俺たちは最初っから一回死んでるようなものだ――!!
お喋りが過ぎたな、さぁ死ね!!せめて悪忍と呼ばれ、誹謗を受けた者の情け!一回で直ぐに楽にしてやるさ!!」
宝生は最大限に結晶を生成し、一気に肥大化させる。
恐らくこれが最大最高火力――まともに食らえば命に保証がないのが鮮明に伝わってくる。
「其れが…お前たちの誇りか――成る程、理解した」
雅緋は何かを悟ったように頷くと、軽く息を吸い
「私もお前達の誇りに応えよう――同じ悪として、誇りを持つ者同士!!」
血を吸収していく。
自分が流した微かな血…此処には忍の血は無いものの、代償は付くが、背に腹は変えられん。
雅緋の髪色が黒く染まり、頬には血管がくっきりと浮かび上がる。
背には堕天使ルシファーを連想させる。六つの羽を広げ、黒く渦巻く炎を纏わせる。
「まだこんな芸当が…!!だが忘れたか、俺の個性じゃ熱の耐性が…「お前達の誇りは賞賛に値する!!」ッ――!?」
ビキビキパキッ――!!
結晶が砕けていく、何重もの結晶を次々と破壊していく雅緋に、宝生は困惑の顔色を見せる。
「飯!!食う食う食う食う食う食う――!!!」
雅緋が再びヨルムンガンドを発動したのだと判断した多部は、口を大きく上げながらガチガチと噛む不快音を奏でる。
「来いよ雅緋ぃ!お前の抵抗も、俺たちの連携で「お前達の絆とやらはしかと見た!!今の仲間達を連想するよ!立場や経緯は違えど、同じ固く結ばれた絆を持つ者として!!!」あぁ…!?」
雅緋は全力で声を振り絞りながら、宝生の結晶を粉砕するかの如く、拳を何発も入れていく。
触れる度に空間が揺れる衝動に、宝生は耐えきれない。
「ぬぐうぅ…!!若――済まぬ…!!!」
数秒で重圧な結晶の要塞を、文字通り破壊――守るべき宝石が全て無くした宝生は対抗する術もなく術もなく
「絶・秘伝忍法――【妖魔を罰せしParadiseLost】!!!」
迸る地獄の業火を浴びせながら、宝生は吹き飛ばされる、
飛んで行く先は応戦しようとする窃野、多部の二人――避ける時間もなく、気付いた時には黒炎に伝染し、仲間と共に全員壁に打ちのめされた。
一石二鳥ならぬ、一石三鳥――雅緋は直ぐに血界突破を解除して、元通りの姿に変貌する。髪の色は白へと戻り、頬の血管は何事もなく消えてゆく。
「悪は善よりも寛容だ――お前達も同じだったんだろう。
敵としても、誇りとしてもお前達は、蛇女の誇りを舞い掲げるに相応しい〝人間〟だったよ」
窃野、宝生、多部の三人は案外好きです結構気に入ってます。
ジャンプ読んでる時なんか「窃野一番優しいんじゃね?」って思いましたね。
ヤクザになる前、好きだった恋人を信用し裏切られ借金背負わされ、個性を悪用せずにこまめに働いて金稼いでってのが凄い真面目なイケメンだったんだなぁと。本当の極悪人だったらATMで下ろした人の金を個性発動で奪ってる。
宝生や多部とは違って個性としての悩みじゃ無いというのが印象強い。と作者は思ってます。
本当は月光閃光の紹介ページやろうかなぁと思ってたんですが、三人一気にやる以前に次の話では奴らが…
話の量も含めて、気が向いたらやろうかなぁと。