光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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唐突ですが重大な悩みを発表します。
新作、作ろうかな(唐突

えー、作者実はまた新しい作品を作りたいなぁ〜…と思いまして、作るのなら作ってもいいんですが…ただ、その作品が「光と影に咲き誇る英雄譚」のオリジナルストーリーなんですよ。
いやこれは勿論クロス作品なのですが、私が新しいのを作ろうというのは、オリジナル方向…つまり、主人公は緑谷出久と飛鳥ではなく、オリ主になりますね。
問題なのは、そのストーリーを別の章で分けるか、新しい作品として創り上げるか…なんですよね。
新しいのを作っても作品を読んでくれるのか不明だし、今を愛読してくれてる読者達も新作を伝えても読んでくれないんじゃないかなと思ったりと、不安が高まったりしてて…ね?
パラレルワールドの話になって、変わっていて実は変わってない…みたいな現象があったりしますが…
因みにこのクロス作品の原作が〝僕のヒーローアカデミア〟となっておりますが(物語や視点がヒーローものが多い)、オリジナルの原作が〝閃乱カグラ〟となり、妖魔との戦いがメッチャ多めです。
いわば裏ストーリー…的な?
後半は月光閃光がお送りするゾ!!



157話「事務所へ」

 

 

 

 

 

「一年生の校外活動の件ですが、昨日の協議した結果――校長をはじめ、多くの先生がやめとけの意見でした」

 

 朝のホームルーム。

 早朝から相澤の発表に大半の生徒が口を開く。やれブーイングだの疑問の声が上がっていく。

 

「全員ザマぁ!!!」

 

 そんな中、自己中心を言葉で言い表した男、爆豪勝己は蔑む視線で見下ろし、ハッ!と鼻で笑う。

 緑谷と飛鳥よりも一足遅く謹慎から解放され、溜まってたストレスが抜けたのだろうか、気分はいつもより高めの様子だ。

 

「じゃあ昨日の説明なんだったんスか!?」

 

 皆の気持ちを汲みするよう代弁したのは切島鋭児郎。その言葉に大きく賛同するお茶子は、USJの13号を解説する緑谷に見せたような、凄い勢いで首を縦に振る。脳までシェイクされるんじゃないかと、違う疑問を浮かんでしまう。

 しかし全寮制になってしまった上に、雄英が敵と遭遇し変な噂が流れ出れば今度こそ信頼も評価も底へと落ちてしまう。体育祭のような〝折れない姿勢〟と言った形で全体へのイメージを保つのは中々に難しい。インターン中に敵連合に狙われていた、では致命的でもあり話にもならない。

 だからこそと言うべきか、教師の適切な判断として、雄英には出て欲しくない主張が強いのだろう。生徒達の身の安全を考慮してこそ〝反対〟の意見が多いのだ。

 

「が、現代ヒーローの教育保護下方針では、強いヒーローは育たないのではないかという疑惑も上がっており、結果――プロヒーローにも許可を得ることが可能で、且つ重要で優秀な生徒、数多くの実績のある学生をプロヒーローの事務所、インターンに参加することを許可するそうだ。まっ、高い実績なけりゃあほぼ無理だと考えとけ、体育祭での指名貰ってない奴らは残念ながら禁止とされている」

 

「クソッたれが!!!!」

 

 だが、逆に褒められた実績と仮免許可証、そして体育祭でプロヒーローから指名を受けた者たちは別らしく、その中から事務所から許可が下りるそうで、場合によっては学生時代からヒーローインタビューを受けるなんてこともない話ではない。

 自分のいない場所で先へ進んでいくこと、結局全員廃止にならないことに、怒りの鬱憤を貯めてた爆豪は、殺意の衝動を押さえ込みながら、狂犬のように声を曝け出す。

 

「フォースカインドさん受け付けてくれっかな〜?」

「セルキーさんに連絡してみるわ」

「ガンヘッドさんとこ行ってもっと色んなもの学びたいなぁ」

 

 一方、それでも実績のある生徒達は校外活動に興味津々と言った形だ。緑谷自身は昨日、グラントリノと連絡してみたものの、別件で手を焼いてるそうなので、話してたサー・ナイトアイについて相談してみたいと思っている。

 ホームルームも終わり一限目の授業、プレゼントマイクが担当する英語を終えて直ぐ、職員室へと足を運ばせる。

 

 

「サー・ナイトアイにインターンの紹介をしてもらえるか…だって?」

 

 緑谷の質問に驚愕の色を隠せないオールマイトは、手に持ってた資料を机の上に置く。

 

「はい!!オールマイトの下で働いたという数少ないヒーローの一人に――「質問を質問で返すようで悪いが、どこから彼の名が上がった??私は話した覚えはないのだが…というか、ここ職員室だから静かにするんだ緑谷少年よ、落ち着きなさい」すいません、オールマイト関連になると興奮しちゃうんです」

 

「うん、知ってる。それで?」

 

「あの…校外活動でグラントリノに連絡したんですそれで…」

 

「あー…うん、成る程ね。大方、話は読めた」

 

 グラントリノから話を聞いたと察したオールマイトは、深い溜息を吐く。師匠が塚内と供に敵連合の尻尾を探っているのは、あの大事件を後に病室で聞かされてはいたが、迂闊だった…グラントリノの記憶を無意識に、且つ自動的に封印していたようだ。

 もし、今の言葉をグラントリノが聞けばまたゲロ吐かされるので、口が裂けても言わないのだが。

 

「じゃあッ――「お断りしマス」…えぇ…」

 

 緑谷の次に出す言葉を感知したオールマイトは、言われる前に宣告した。緑谷は声と供に気が沈むような、表情を曇らせるもオールマイトは「いや、意地悪で言ってるわけじゃあないぞ」と、真剣な顔立ちで指を五本立てる。

 

「君のために言ってるんだ、私は〝君の先生〟で、君は〝私の大切な生徒〟だ。

 その内が先ず一つ目、私は昨日の協議で反対派だ――敵活性化の恐れ、頻繁に増える犯罪の数々を考えて、そもそも今やるべきことでは無いと思う。何せ校外活動は生徒個人の〝任意〟であり、強制では無い。勉学も厳しくなる一方、両立させるのは極めて困難だし、緑谷少年なら無茶をするんだろうけど、私としては出来ればやめて欲しいというのが本望だ」

 

 犯罪率上昇は世間に対して危険な意を表している。そもそも敵だけでなく最近は良からぬ事件が相次いでると聞く。

 そんな物騒な今、外に出て危険に晒せる行為は、先生として自分はよろしく無いと考えている。

 

「二つ目、そもそも緑谷少年は焦らずとも、シュートスタイルの強化に専念すべきだと思う。皆より早く追いつこうとする気持ちも、分からんでもないが、焦燥に身を焦がしてはかえって逆効果だよ」

 

 シュートスタイルだけでなくとも、技として押し付けるにはまだ開発の余地があると考えている。第一、体術及び新たなスタイルを身に付けたとしても、自分の持てる全てが通じるとは限らない。

 可能な限り、備えを持ってからでも遅くはないと踏まえているのが現状での気持ちだ。

 

「三つ目、これは余り詳しくは言えないが、最近不可解な事件が相次いでると聞いている」

 

「不可解な事件?」

 

「ん〜…とても言い難いのだが…その、〝妖魔〟の話は覚えてるかい?」

 

 その言葉に、息を呑む緑谷。

 妖魔――以前、飛鳥と供に話を聞いたことがある、異形の姿をした化け物のことか。

 

「私のいない間に、ちょっと個人的に関わる問題がね……」

 

 最近は全国各地に妖魔が出現したと言う報告を小百合から聞いたことがある。

 殺伐とした世の中、忍が公に姿を現したからこそなのか、善悪問わず血を争う行動が増え始めた間中、年間の平均を上回ったと聞く。

 緑谷自身、パッと聞いても余り納得は行かないのだが、目撃したことも見た覚えもない緑谷にとっては、化け物という言葉だけが思い浮かぶため、想像力がよく働かない。

 大体異形の姿をした存在なら、個性だってそうだし…

 

「まあそんな話をされても余計に混乱しちゃうだろうけど…

 そして四つ目、敵連合の目撃が少ない上に、君自身、多少命を狙われてるのだろう?

 飛鳥くんもそうだが…彼女は別件で雄英から離れてるし、インターン目的でもないから心配こそはあるけど…霧夜先生が付いてるからね」

 

 半蔵学院。

 詳細は聞かされてはないものの、学校側の行事で離れなければならなくなったのだ。

 かと言って向こうは担任の先生が付いてるし、万が一のことがあれば助力してくれるだろう。それに当日まで情報は届かなかったし、止めるどうこう以前に無理だったと言う話だ。

 そして敵連合――緑谷と飛鳥曰く、殺害対象として優先順位が高かったとのことと、オール・フォー・ワンとの対面で少年少女の命に危険が伴うリスクが充分に高いと判断したオールマイトは、だからこそなのかその考えは間違いではない。

 

 

「そして最期の五つ目、気不味い」

 

「最後は気マズイんですか!!!」

 

 

 特にどうでも良いような、でもって重要な内容でもないし、私情を持ち込まれた緑谷は盛大なツッコミを入れる。

 大声に職員の教師たちは一斉に振り向くありざまで、空気までも気まずく淀んでしまった。

 

「緑谷くん、ボリューム抑えて……

 と言ってもまあ、緑谷少年のことだ、止めても止まらないのだろう?君は私が何度止めても、言うことを聞かないんだからな」

 

 何処か呆れたような口調に、緑谷は沈黙したまま首を縦に頷く。

 平和の象徴として、次の世代の後継者の役割を担うのなら、次のオールマイトになるのなら、果たす為に努力は惜しまない。

 ミリオの話を聞いた限り、確かに危険な道だと言うのは重々承知、命を堕とす場所へ向かおうとしてるのだから、心配されるのは無理もない。

 

「だけど、私からは紹介できない訳で、ほかの適任者はいるだろう?君自身なら知ってるはずだ――私が昼に呼んでおくから、良ければ…」

 

 

 

 

 

 場所は変わり、善忍本部。

 東京に支部を構える高層ビルは、空を見上げるほどに高く、上層部たちの拠点としては相応しい建物だろう。

 会議室は重力が増した空気はいつになく険しいもので、見渡せば険しい顔立ちをした組織の上層部は、資料に目を通せば悩ましく抱え込む。

 

「善悪の忍か公の下、行動を示してから一ヶ月…これらの進歩らしい結果は見出せず、問題騒動ばかりが増えていく一方だなぁ…」

 

「雪不帰と小尾斗の報告によると、憑黄泉が姿を現したと聞いたぞ?」

 

「それは誠か?奴は死したはず…いや、殺処分の噂は聞いてはいなかったが、誰にも頼れんあの状況で生き延びる術を持つことなど…」

 

「ハハハッ!そうかいそうかい、あの化け物が現世に姿を現したとな!天竜衆ではなくか?」

 

「口を慎め覇黄!今は一刻も猶予を争う事態だぞ?カムイが神野区で姿を現し、半蔵に平和の象徴が折れた今、頼れるのはその穴を補う駒ではないか?」

 

「俺より下の者を駒と呼ぶ雷堂殿の方がおっそろしくアレなんだけど、口を慎めよって言いたくなるんだけど…

 そう目くじら立てず、我々人間、上の者はそう焦らずとも、下の者達にゆとりを持って、信頼を寄せ明るみに接するのも、我々上層部の役目だとは思わんかい?ねえ、明王様」

 

 白髪の長い髪を下ろす老人は、覇黄と呼ばれる青年らしき上層部の人間に怒声を飛ばすも本人は軽く笑いながら一蹴。世に言う不真面目な陽気キャラとはこのことだろう。

 そんな青年は、明王と呼ばれる最高上層部に同意を求める。

 

「………」

 

 微動だにしないその圧倒的な威圧と、ただならぬ雰囲気を曝け出すこの気配は、歴戦を潜り抜けたであろう風格が形として見える。

 

「……憑黄泉だけではない、各地で妖魔が出現してる中、これ以上妖魔の被害に本性を暴くのは此方としても都合が悪い…」

 

「陽花が大半の妖魔衆を倒したのはよしとしても、その後でくたばっちまったのがなぁ…

 信頼こそしてはいたが、また不在となった妖魔衆が増えちまったら身も蓋もないぞ?」

 

「なに、カグラ四天王がいるではないか」

 

「忘れたか、リュウは今不在…と言うよりも抜忍になったならまだしも、消息不明だ。あの化け物が…」

 

 カグラ四天王。

 カグラの称号を持つ中でも尤も順位も高く、多くの忍からはその実力を認められ、陽花亡き穴を補う重要人物にして貴重な人材である。

 個性的で意思や出身はバラバラだが、どれも神威でも迂闊に手が出せないレベルの実力らしい。

 

「それよりも、俺は今でも謎に包まれている妖魔の巣が気になるよ。まだ調査は終わってないのかな?

 

 〝妖魔を連れた少女〟の話は――」

 

 

 覇黄の発言に、眉をひそめる上層部達。

 妖魔を連れた少女――目撃談があったのは8年前になるだろう、微かな情報だったが、妖魔の巣に襲撃した上忍の集団は全滅。そんな中、奇跡とも呼ぶべきか、一人だけ生還者がいた。

 その後結局は助かることは無かったが、呼吸を荒くして確かに言っていた――

 

 

 小さな少女が、妖魔と手を繋いでいた…と。

 

 

 今となってはその少女が無事かどうかは不明だし、人間の形をした化け物なのではないかと疑いが付けられたが、妖魔の巣から化け物が出てこない辺り、害は無いと見なし、暫し様子見とのことから、一向に詮索はしなかった。

 

「なぜ今その話を?」

 

「今、日本各地で妖魔が発生し、あろうことか生け捕りをしてるそうじゃあないか?

 知能の低い妖魔が、意図的に一般人を始め、ヒーローや敵、善悪の忍を生かしたまま妖魔の巣へ持ち運んでるんだ。ならば、危害が無いと考え見込んでたあの巣窟も、何かしらの変動があるんじゃないかと俺は想うんだよ」

 

 上層部の話を、もし知識のかけらもない上忍が聞いても、到底理解し難い内容なのは間違いないだろう。

 多くの真実は、上層部の人間しか知らされてないのだから。

 

「覇黄の意見も一理ある……しかし、今は忍供を失うわけにはいかん…どうしたものか――」

 

 明王が神妙そうに表情を曇らせる中、「失礼しますッ!」と声と供に扉が開かれる。

 上忍の一人だろうか、黒い忍装束を身に纏い、息を切らしてる様子はまるで緊急事態とも見える。今度は何事かと、耳を傾ける上層部たちに、上忍の一人はこう言った――

 

 

「か、かぐらと護身の民と呼ばれる者、二人の少女が日本に、現れたと情報が――ッ!!!」

 

 

 日の神は、憑黄泉の件と供に目を覚ましたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 電車で一時間。

 そこかしこに聳え立つビル、何気なく通勤をする大人の社会人。犯罪率が加速している世の中、とても平穏とかけ離れた世界とは言い難い。

 

「ここがサーの事務所なんだよね」

 

 先頭で道を案内するのは、昨日で演出活動を行ってた三年のビック3、通形ミリオだ。

 

「おぉ…確か今日聞いた話だと、忍学生が二人来てるんですよね?一人は麗王さんで、もう一人は新しい生徒だとか…」

 

「一言で言うなら白雪姫にも負けない美人さんなんだよね!かき氷にシロップかけて食べたくなっちゃう子なんだよね!」

 

「先輩、それ益々分からないですよ」

 

 これは昼休みに戻るのだが、職員室でオールマイトが言ってた言葉を覚えてるだろうか?

 昼食時間に呼び出された緑谷はミリオと供に休息室へ向かい、オールマイトが話してたサー・ナイトアイの事務所について聞き出していたのだ。自分からは個人的な事情が大きい分、合わせ辛いのだとか…

 私情極まりない話だが、自分たちはあの二人の仲に何が起きたのかは不明だが…

 特に一番気になった言葉のワードが「彼の忠告通りになってしまった」という点が大きいだろう。

 

 

「あっ、そうそう――緑谷くんはサーに会ったら話終わるまで、必ず一回笑わせるんだ」

 

 

 そんな呆けた顔で街を巡回していると、唐突にミリオは無茶難題を突きつけて来た。

 

「わ、笑わす?何ですか!?」

 

 緑谷の反応はごもっとも、当然のリアクションだ。

 まだ面識もない人間に、急に「その人笑わせろ」なんて言われて「サーイエッサー!」なんて言えたものじゃないだろう。まだ相手が赤ん坊の方が百倍マシだ。

 

「サーはメディアとは違うもう一つの顔があるんだ。真面目すぎるし硬い節もあるけれど、根はとっても優しくて良い人だから、問題ないよ!」

 

 あのミリオ先輩がそこまで言うのなら、そう難しい人間でもないのだろう。見た目がサラリーマンな風貌なのと、オールマイトの相棒という事実上の情報しか知らない緑谷にとっては、何というか、不思議な感覚だ。

 緑谷は知っての通り、オールマイト大好きヒーローオタクだ。オールマイトグッズを集めるのは序の口で、他にも超常黎明期から現代にかけてのヒーローを知らない者などほぼ存在しない。

 しかしそれはほぼと言っただけで、全て知っているという訳でもない。ヒーローに関する知識量、歩くヒーロー辞典の彼でも、ナイトアイのことは詳しく知らない。

 メディアや社外秘が多いのだろうか、メディアで顔こそ上がってはいるものの、どういう人物像なのかは知らないのである。グラントリノとは違う点は、メディアやヒーローの職業かで別れているのだから。

 

「で、でも忍学生をすんなり受け入れてくれるんだし、僕でも…」

 

「あー、麗王ちゃんは聞いた話によると昔オールマイトと深い関わりがあったらしいね。小さい頃からヒーロー達を生で見て来たから、サーもそんな彼女の才能を買ったんじゃないかな?」

 

「えっ?」

 

 知らされてない事実に、喉が詰まり、心臓が揺さぶるよう脈を打つ。

 そんな、話は…いや、オールマイト自身も麗王が来てることを知らなかったのか?いや、相澤先生が指名した位だし、職員室でもそれなりに話し合いでもしてたのではないだろうか?

 まだ浅い繋がりなら、解らないでもないが、深い関わり…というのが、妙に引っかかる。

 

「どんな関係…なんですか?」

 

「あー、それはちょっと分かんないや。サーが言ってたのをそのまんま伝えただけだし!」

 

 そうなのか?

 なら、余り考えてても仕方ないものなのか、取り敢えず麗王の件は次にオールマイトに会ったら雑談で聞けば良いだけの話。

 

「んでもう一人は何とか合格したよ、笑わすことは出来なかったけど、サー曰く個人的な関わりもあったそうらしいんだよね。

 因みに俺は指名を受けたの!」

 

「あの、何で僕にそこまで良くしてくれるんですか?」

 

「あー、別に良くはしてないけど…ホラ、ヒーローってのは困ってる人間がいたら助けるのが基本でしょ?」

 

 無意識というヤツなのか、こういうヒーローがもしオールマイトのようにワン・フォー・オールを持っていたのなら、本当に平和の象徴として輝けてたんだと思うと、ちょっぴりミリオの凄さが羨ましく思えてしまう。

 

「でも勘違いしないで欲しいのは、俺が出来るのはオールマイトの言ってた〝紹介〟するってだけで、〝採用〟を促すことは出来ないんだよね。

 本当は俺もキミに協力してあげたいのは山々なんだけど、サーが君を使うかどうかは、サー本人次第なんだよね」

 

 そりゃそうだ。

 コネで通るほど、インターンは甘くないし、職場体験のようなお客としての取り扱いでもない。

 そもそも認めてもらわなければ、ヒーローとして立つことすら出来ないのだから、紹介してくれただけでも充分に感謝しないといけない。そんな気持ちでいっぱいだ。

 

(切島くんや常闇くん達…飛鳥さん達だって今頃厳しいインターンや修行を積んでるんだろうな…)

 

 誰かの努力を想像してしまうと、焦燥が芽生えてしまうのは、過去に自分が努力をせず必死にヒーローの考察を纏めてただけなのだろうか。それも一つの努力と呼べるのだろうが、もし肉体作りをしていれば、より早く最高のヒーローに近付けたかもしれないと、そんなあったかもしれない過去の想像を膨らませながら、事務所の通路をひたすら歩み進める。

 

「おや、廊下の椅子に腰掛けて談笑してるのは麗しきお嬢様方二人じゃあないかッ!おーい美女二人!」

 

 麗王さんともう一人の忍学生か。

 先ほど話してたインターンの参加者のことだろう、一体どんな子なのだろうか?

 

「おや、ミリオさん。もう学校の方は終わったのですね、お疲れ様です」

 

「今、センチピーダーさんが新人さんの面接の準備とバブルガールさんの報告があるからここで待っててくれと…って」

 

 一人は、昨日見たとおり、麗しき美貌に獅子のような金色な長髪を腰にまで垂れ下げており、腰にはレーザーブレードの武器を納めている。

 一人は、肌が雪のような白い美貌、麗王にも負けない豊満な胸に何処かで見覚えのある学生服。水色の髪に、濡れたような青色の瞳。大きな白いリボンで髪を纏めてる彼女に、何処か既視感を覚える。

 

 

「アッ、あああぁぁぁああッッ!?!」

 

 

 懐かしさと、再会に驚嘆な大声を腹の奥底から叫び出す緑谷に、隣のミリオは驚いてしまう。無理もない、会って突然悲鳴をあげて仕舞えば誰だって驚く。

 

「ど、どーしたんだってばよ緑谷くん!急にそんな大声張り上げて…そんな大声出してもサーから見たら変人としか見てもらえないよッ?」

 

「あ、あの…緑谷さん…てすよね?」

 

「ん?おやおや、この問題チャレン児一年生を知ってるのかな?」

 

 恐るおそると、声を震わせる一人の美少女に、ミリオは神妙そうな顔立ちで問いかける。

 

 

「ゆ、雪泉さんッ!?」

 

 

 

 黒影の弟子と、オールマイトの弟子が再開する。

 

 

 

 

 

 因みに、現時点での半蔵学院の飛鳥達は――

 

 

「八つ橋美味しいね〜!」

 

「次は映画村に行こうよ!」

 

 

 修学旅行先の京都を満喫していた。

 





月閃中等部のご報告&キャラクター紹介!

月光「さぁ、今日から私たち月閃姉妹がはりきってキャラクター紹介とご報告、しちゃいましょう!」

閃光「一応、言っておくが腹違いだぞ。両備や両奈、忌夢や紫と違う」

月光「そんなこと言わなくても解ってるわよ♪それと、先ずはちゃちゃっとキャラクター紹介、しちゃうわね!」

閃光「今更…かもしれないが、万が一知らないヤツもいると思う。解説は私たちに任せろ」

ヒロアカグラ・マスターズカード

オールマイト

本名:八木俊典
所属:ヒーロー
誕生日:6月10日
血液型:A型
出身地:東京都
好きなもの:屋久杉、映画
戦闘スタイル:近接戦闘

ステータス ランクSS

パワーS
スピードS
テクニックS
知力S
協調性S

個性技:TEXAS・SMASH
敵一体に大ダメージを与える[クールタイム中]

必殺技:DETROIT・SMASH
敵全体に特大ダメージを与える[クールタイム小]

リーダースキル
[ヒーロー][ヒーロー学生]の攻撃力、体力を50%アップ

パッシブスキル
【敵キラー】[敵]への攻撃力が50%アップ
体力が30%以下になると、個性技を二回連続で発動できる。

リンクスキル
トップヒーロー 攻撃力が30%アップ
対象キャラクター オールマイト+エンデヴァー+ホークス+ベストジーニスト+エッジショット

善の師弟関係 攻撃力100%アップ
対象キャラクター オールマイト+緑谷出久

雄英高校ヒーロー科 攻撃力10%アップ
対象キャラクター オールマイト+雄英高校

閃光「誰もが知るであろう、No.1ヒーロー・オールマイト。平和の象徴として謳われ、悪の抑止力として在り続けたヒーローの背中は、とても逞しくも誰もが認める最高のヒーローだった」

月光「その拳で、数々の悪を鎮めたその姿、正しく英雄!折れない柱は、ヘラクレスとしても人気だし、モチーフにしてるのかしらね♪」

閃光「私達はカグラの下で修行してた留学生ではあるものの、彼の活躍は私達でも目を通すほど…片腕一本で天気を変えたヘドロ事件はかなり人気があったな」

月光「雪不帰様と渡り合えるのかしら♪あのお方も、秘伝忍法を使わずとも空模様を変えるなんてお茶の子さいさいなのです♪」

閃光「まあとにかく、オールマイトの引退はだ。正直言って私も困惑している。何せ私達は善忍の中等部だ、当然だろ?」

月光「とまあこんな感じで解説は終わりとして…ここからが本題です」


閃光「新作…か。タダでさえこの作品の投稿頻度が低いのに、作品を増やして大丈夫なのか?」

月光「少なくとも、アニメの東京妖魔篇では登場するらしいわ。作者曰く、今週の閃乱カグラの話では作者が考えてた〝上層部の主張が全て正しいと何故言い切れる?〟という言葉に衝撃を受けたようですし、半分ネタバレを言われてしまったと嘆いてたわ…」

閃光「雪不帰様の言葉には大きく驚いたが…しかし、作者はアニメが放送される前からこんなことを考えてたのか?」

月光「六ヶ月前から既に考え込んでたそうね。焔紅蓮隊編で核心が迫るらしいけれど…」

閃光「なぜ、焔紅蓮隊が?」

月光「まあここまでとして、話の論点を戻しましょう♪
新作は…私は先に読ませて貰ったけど…」

閃光「どんな内容だったんだ…?」

月光「アニメでの雪不帰様の言ってたことが、少しだけ……ほんの少しだけ理解できた…それが、現状言える言葉ね」

閃光「おい!焦らすな!!閃光だけずるいぞ!」

月光「ではでは、次回もお楽しみに!!」


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