光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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え〜皆さま、長い間待たせてしまい申し訳ございません!
理由はリアルがクッソ忙しかったのと、今後の展開に少し考え悩み、やる気が出なかったからです!
やる気…とは言っても投稿しなくてはという気力はあったのですが、まだ全然書いてないのに…この先をどう繋げるか…というのが悩みでしてね…
それよりも皆さま閃乱カグラ2期観ました?
私はちょっと、ね。意外というか、閃乱カグラのアニメでここまでシリアスで重い話が来るとは思いませんでした。しかも1話から、更に言えば月光と閃光が葛城、斑鳩、柳生、雲雀を倒し(葛城のリボンが血に染まってた)、飛鳥がフルボッコ…あのね、知ってる?
腹と背中に蹴りを入られて腕と足を刃物で傷つけて、閃光が大道寺ばりの強さで拳ラッシュを放って髪掴んで体ごと投げられてからの鉄骨だの背骨折られるだの…そりゃあ飛鳥も心が折れますわ…
しかも最後のシーンが、冬で肌寒い中、ボロボロのまま地べたで……
作者「アイエエエエェエエエエ!?!!」でした。



150話「妖魔との終戦」

全てを白く包み覆う光は、厳しくも有り、闇に容赦はない。

全てを染め占める闇は、優しさも有り、光に容赦はない。

 

白と黒のワルツ――光と闇が混ざり合った瞬間、何が起きるのだろうか?そんな魅力的であり且つ、摩訶不思議な現象を目にすれば、殆どの人間は息を呑むのではないだろうか。

幻想と魅力的な光と闇は、合わさり混ざることで球体を創り出す。その中には忍文字で記された古文が描かれており、幾ら無限の成長と進化を遂げる妖魔とはいえ、初めて見る物は理解が出来ないらしい。

 

「全ての妖魔に万の責め苦を――」

 

さぁ、もう楽になれ。

口を開かずとも、雅緋の意を汲み理解した妖魔は漆の瞳でただただ、彼女を見つめる。

これから、何が起こるのだろうか?見たことのない忍術に、恐縮と不可思議に思う妖魔は暫く放心状態となり――

 

白と黒の球体の檻に閉じ込められる。

 

 

「オ、ア…アア、アイエェェ…?ミヤ…ビビ…?」

 

 

「じゃあな、悪しき化け物。せめて、お前が犯した罪は地獄に堕ちて償えよ」

 

軽く、見下ろすように言葉を言い切ると、雅緋は木片を潰すよう握りしめ、光と闇の球体は黒と白の色を発光させる。モノクロにして光の強度が高いソレは、蛇女子学園を照らし、空をも染める。

 

 

「さぁ、終焉を――」

 

瞬間、白黒の球体は過激な光を増し、憑黄泉の様子が大きく変化する。雅緋の【白と黒のDead or Alive】は、光と闇を混合させ球体を創り出すことで、対象に向けて檻として閉じ込めることが可能だ。そこかはは簡単、光と闇の光線が檻の中で反射を繰り広げ、万物を滅するのだ。属性の反響、反射と絶対回避不可能の衝撃、絶対に救からないと言う監獄の処刑にすら相応しいソレは、まるで妖魔の公開処刑だ。人間でいう命綱も何もない手ぶらな状態で、檻の中で鮫と水泳をするようなもの。

 

「グぅ゛ゔオ゛オ゛お゛おおオアああ゛あ゛アぁァアあぁぁぁあアァァあァァァアあああア――ッ!?!」

 

生まれて初めて味わう感触。

表現し難い痛覚に喉が枯れる程の大咆哮。

死に抗い逃れようともがき、大発狂。

そこはただ、死を証明付ける為の己の死――待つのは終焉という生涯を終える事実だけ。

妖魔の死という決定打された未来は、変えることが出来ない。ソレを為す術を持つ力は持っていないし、彼女が血界突破を成し遂げた瞬間――既に勝負は決まっているようなものだ。

何百年何千年近くの忍の血を摂取した雅緋と、生後一ヶ月の妖魔とでは、まず勝負にはならない。完全に赤子の手を捻るようなものだ。

 

「オォォオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オア゛ア゛ア゛ア゛ァァーーーーーッッ!!ミアビィいぃぃあぁぁーー!!!」

 

恨みたらしく、憎悪を募らせた大声で、何度も球体の檻を殴りながら、断末魔を上げている。

天から与えられしソレは、救済か――或いは罰か。

光は妖魔を赦さない。

闇は妖魔を赦さない。

白と黒の存在は妖魔を逃がさない、赦さない。

さも雅緋の心情を映したような、神々の光景を垂らしながら、妖魔が滅されていく。

 

 

――オ、オデはハは…マ、マァハダ…

 

己の死を迎える真中、憑黄泉の脳内に様々な記憶が蘇っていく。

光に照らされ、フラッシュバックを起こすその記憶は――

 

 

『はいは〜い、◾️◾️ちゃん。この子が新しいお友達だよ〜』

 

『わぁ〜♪すっごく可愛いですぅ!流石は◾️◾️姉たま!♪またお友達が増えたねぇ♡♪』

 

『気色悪いなコイツ、オイ。本当に俺たちの手駒として使えるのか?ちゃんと言葉は通じるんだろうな?』

 

『酷いこと言うじゃない、だったら試してみる?』

 

『憑黄泉、命令です。蛇女子学園を全滅させなさい。選抜と名乗る方は全員皆殺しにして構いません』

 

 

――闇と呼ぶに等しい牢獄で過ごした、微かな走馬灯か。

 

 

そして、憑黄泉は打開策が無いと判断し、己の消滅を認め、目をそっと閉じた。喉に血が溜まり、呼吸は叶わず、全方向からの光と闇による猛攻の光線、脱出不可能な現状、妖魔は何も抵抗をせず、己の死を受け入れた。

 

それと同時に、【白と黒のDead or Alive】で創生した球体の檻は、亀裂を生じ、ミシリミシリと嫌な音を立てる。軈て全ての球体に亀裂が繋ぐと、妖魔諸共、弾け飛んだ。

ガラスが破壊されたような音を奏でながら、光と闇は妖魔と共に消え、虚無と化した。先程まで猛威を振るい暴虐を尽くした妖魔の姿はどこにも存在しない。

簡潔に言えば、妖魔は完全に消え去った――そう答えた方が妥当だろう。あの醜い化け物は、血も肉も骨も残らず、この世から消滅した。ただ、その事実が皆を安堵の表情へ変えるのに、どの位の時間がかかったことやら。

 

「やった……の?」

「雅緋ちゃんの…勝ちで、良いのよね?」

 

掠れた二人の声に、無言と化した空間は嫌に静寂だ。

風の音や葉が揺れる音、鳥の鳴き声すら聞こえない。先ほどまで飲んで絶え間ない轟音は嘘のように、妖魔の討伐と供に掻き消えていた。

 

 

「――終わったぞ、皆んな」

 

 

雅緋の静かな言葉に、皆はようやく表情を綻ばす。

雅緋自身も、どこか表情が明るい上に清楚感が漂い、よりリーダーらしい気を感じ取れる。

髪の色は漆色から白へと戻り、翼は弾け飛び、羽毛は宙を舞いながら風に添う。頬に侵食された日神ノ紋章はラインをなぞるように消去され、以前の姿に戻っていく。

血走ったような紅い目は、黄金の瞳へと色が豹変する。それは、妖魔を滅する前の、我らが賴きリーダーだ。

 

「雅緋!」

 

朦朧とする意識の中、彼女の名を叫ぶ忌夢は、気絶から目を覚まし、声を上げる。あれだけ蓄積されたダメージと疲労が残る中、雅緋を心配し立ち上がる彼女は正直言って、尊敬すら値する。

 

「バカ忌夢!あんたさっきまで気絶してたのに無理に起き上がっちゃダメだってば!」

「忌夢ちゃん無理しちゃダメだよ?妖魔は雅緋ちゃんが倒したんだし…ね?」

 

両姉妹の双子の言葉でも、忌夢の震える足は止まらない。

よく見ると忍装束はほぼ淫らに破れ、腹部には憑黄泉の鉤爪で傷が抉れ、出血が酷い。

直ぐに手当をしなければ、どうなることやら…

忌夢も、確かに妖魔の気配が断たれた事は気付いてるし、雅緋が妖魔を倒したという事実は紛れもないことだと認識しても間違いではないだろう。

しかし、血界突破をした後だ。以前と同じくいつ暴走しても可笑しくないし、今度こそ雅緋が自暴自棄に走ってまで肉体が滅んでしまえば、取り返しのつかないことになる。

 

 

「安心しろ忌夢、私は生きてるし、お前のことも忘れてない」

 

 

しかし、空から舞い降りた雅緋の温もりのある言葉に、忌夢の心は鎮まる。

 

「すまないな、沢山お前に迷惑をかけて…

それに、もう大丈夫だ。私は――私を取り戻したんだからな」

 

廃人から復活を遂げ、蛇女の誇りを掲げようとする未来に生きる私と、過去の記憶として造られ生まれたもう一人の深淵の私。

欠けてたパズルのピースが揃ったことで、完全無欠となった今の私に死角はない。過去と、未来を取り戻し、カグラの道に進もうとする彼女は、過去と今を知る雅緋だ。

 

「良かった…本当に……良かったよ……」

 

普段、時に強がりでよく雅緋への愛着を見せる忌夢とは違い、弱々しく泣き崩れる忌夢の姿は、今までにない。

あるとすればそれは、嘗て母が妖魔に殺され、己の浅はかな行動に一生の悔いを残した姿だ。

 

「雅緋…」

 

泣きじゃくる忌夢をあやしながら、雅緋は両備の方へ振り向く。少し戸惑いと疑問…に似た顔を浮かべていた。

 

「アンタ、何があったの…?急にあのトカゲ野郎を赤子の手を捻るように圧倒したり、見たことのない姿に変貌したり……」

 

「それはだな……」

 

両備の問いかけに応じようとする雅緋だったが、直ぐにあることを思い出す。

 

 

「おい待て、それよりもだ…紫はどうした?」

 

 

雅緋の言葉に、この場の三人は凍りつく。

忌夢は溢れる涙を一瞬で止めて、最悪な記憶が頭をよぎり、両備は顔面蒼白と言った感じで青ざめ、両奈はとても辛い表情で目を丸くする。

皆まで言わずとも、三人の嫌な反応に雅緋は薄々と最悪な予想を頭に過ぎらせる。

 

 

まさか…私がいないほんの数分の間に…紫は殺されたのか?

 

 

「憑黄泉に…殺され…たのか?」

 

 

雅緋の問いに、言葉が返らない。

表情と重い沈黙を察して、ほぼ図星と捉えて間違いは無いだろう。

空気が淀み、ウェイトが増す。

不安から一転し好機に入り、そこからまた絶望の淵に追い詰められる。嫌な冷や汗が頬に流れ、胸の鼓動が秒針よりも早く鳴る。

 

本当に…紫が……?

 

 

 

「お姉ちゃん…雅緋…さん!」

 

 

 

絶望が全てを支配していた中、聞き覚えのある声が耳を打つ。

心臓が破裂しそうな衝動を抑えながら、目を見開き声の主の方角へ振り向く。

一瞬、幻聴かと思ってしまうも、反射的に動いてしまう。

 

「えっ、嘘…だろ?」

 

忌夢の瞳は潤い、揺れ始める。

枯れた涙は再び溢れ返り、脳が上書きされたように真っ白になる。

これは…夢か?幻想か?

だって…今自分達の視界に映るのは…紛れもなく

 

 

「だ、大丈夫…ですか?」

 

 

忌夢の妹、紫だ――

 

 

 

 

 

 

 

 

森林の崖の上は見晴らしが良く、蛇女子学園の天守閣がよく目立つ。

ここは蛇女子学園の見張りが監視をしているため、侵入者を確認すれば直ぐ様警報が鳴り直ちにイレギュラーを排除するよう設備されている。

配置的にも曲者や敵襲など一目見れば解るので、監視としては最適な場所だろう。今回、憑黄泉という妖魔の敵襲に於いて警報が鳴らなかったのには深い理由がある。

 

 

「ちょっと待って下さい意味が分かりませんよ?」

 

 

何故なら、見張り役の忍学生は全員、一人の少女にやられたからだ。

全身火傷を覆い、見るに惨たらしいその姿は、火葬でもしたかのようだ。とても冗談には聞こえないだろうが、これがまた本当なのだ。

 

「何で紫が生きてるんです?憑黄泉に殺されてませんでしたっけ?しかも全員死んでないし、何でああも容易く殺されたんです?意味が分かりませんよ…本当」

 

冷徹で熱の籠らないその声色に、少女は悪態を吐きながら、倒れ伏せてる悪忍を蹴り飛ばす。

 

「これじゃあ私は何て報告をすれば良いんですか!私一人じゃとてもではないですが…雅緋達を相手に無事では済まないのは勿論のこと、あんなものを見せられては死ぬ確率だって……はぁ」

 

少女は悩み、頭に手を置く。深い溜息を吐きながら、少女は舌打ちをし踵を返す。

憑黄泉が消滅さえしなければ、回収しようかと思ってみたが、あの四人とまともにやりあっても勝算が無ければ、勝てる道筋が見えない。とても、合理的とは思えない。

 

「……勝算かぁ」

 

勝算。

忍として己の道を突き進む時は、勝算なんて考えないようにと、憧れになろうと思ってたんだけどなぁ…

でも、あの人は違う――私とはなにもかも分かち合えない。

 

『戦う前に勝ち負けの計算をする奴は三流以下だ。やるなら命を燃やしてかかって来い。それが、私たちの生きる忍の世界だ』

 

「生きる忍達の世界…ですか」

 

昔の私は、悪忍としてだけでなく忍として生きてきた。

ただ…忍の使命とは何か?

忍の生きる業とは、忍とは何か?

なぜ、命を燃やしてまで刃を交えるのか?

幼少期の頃から解らなかったからこそ、あの人の圧倒的な強者たるやその誇りに、私は憧れた。

 

「……いいえ、私の住む世界はもう…」

 

ピピピッ!ここで着信音が鳴る。

端末機を手に取ると、相手から着信が届いてる。私は溜息を吐きながら携帯を耳に当てる。

 

「もしもし?」

 

『お前今何処にいる?そろそろ戻って来いって上からのお達しだ、例の件はまだ終えてないのか?』

 

「ああ、たった今終わりましたよMr。蛇女子学園の件についてなら先に謝っておきます。申し訳ありません、憑黄泉がやられました。思ったより計算外の方向に偏っちゃいましたね。期待の類でしたら、余り期待しない方が…」

 

『あ〜、成る程ねぇ。じゃあ直ぐ戻ってきな!龍姫とトゥワイスから伝達があった。俺たちの仲間になるかもしれねぇ期待の新人がウチにやってくるんだとよ』

 

「もうですか?龍姫と連絡した時はそれと言ったものは……それに収集も掛かってますし、了解しました。一応、死柄木にもこのこと伝えて下さい。申し訳ありません」

 

『俺たちは責めないから安心しなよ。何よりも生き延びることが先決だ。一人でも捕まったらアウト、漆月にも一応連絡はしとくが…ってアイツここ1週間連絡に来ねえしなぁ…マジで何やってんだよ』

 

「お気遣いの言葉有難う御座います。漆月は今じゃ抜忍である我々の筆頭です。彼女がそう簡単にやられるとも思えませんし、ここは敢えて伏せて我慢しましょう。

それにしても――黒霧がいないとこうまで…不便なんですね」

 

『アイツだって人間さ。一人で無茶なこと押し付けられねぇよ。黒霧も珍しく護衛なしで一人で山林地帯に行くとか言ってたしなぁ。んじゃま、場所はいつものあそこで。本拠地じゃねえ隠れ倉庫でな――蒼志』

 

ピッ――と着信音を切ると、蒼志は無言のまま天守閣を睨みつける。

嚙み殺すような鋭い眼光を放ち、拳の力を入れる。

 

「やれやれ、今回も徒労に終わってしまった訳ですが……さてさて、貴女達はきっと我々を許さないのでしょうね。憑黄泉以前に、蛇女襲撃の時から、因縁が芽生えた――これが漆月の成長を施す単なる踏み台か…それとも潰すべき脅威の存在と成り果てるのか…何れにしても、私が連合に加入したことで貴女達の立場は不利ですよ」

 

元蛇女子学園の選抜補欠メンバーだった彼女だからこそ、この場所も、監視を凌ぐことすらも可能だったのだ。

憑黄泉は単に暴れやすくする為に、蒼志が僅かなフォローをしたまでのこと。

 

 

「問題なのは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、どうなってやがるんだ?」

 

芭蕉から連絡を聞いた小尾斗は直ちにと息を切らして蛇女子学園に戻ってきた。時間的にも距離的にも全力で走っても間に合わなかったので、責められる立場ではないが、それにしてもこの状況はどうなっている?

 

「憑黄泉が現れたのは…ここで間違い無いんでしょうかね?」

 

「ああ、確かに闘いの痕の痕跡もあれば、異臭や気配も間違い無い。憑黄泉が、あの化け物が出現したんだろうな」

 

コートで身を包み隠す不雪帰は、表情を変えず一歩一歩と前に進む。小尾斗は目を細めながら、憑黄泉の気配の痕跡を頼りに歩を進める。何処かに、あるはずなのに、静寂な空気に包まれている。

 

(……もし、憑黄泉が生きてるとなれば……)

 

不雪帰は心に微かな不安を募らせる。

彼女は誰よりも憑黄泉の正体を知り、そして嘗ては陽花と同じく日本を守り、妖魔だけでなく悪の蔓延る社会に群れる悪意の存在――敵とでさえ交戦した。

 

そして…

 

 

『君も師匠に負けず、素晴らしい喜劇を有難う。陽花、君の大切ものを全て奪う、だから…君を殴ろう』

 

 

途端に、忌々しい男の穢れた顔が、汚れた声が、不雪帰に僅かな怒りの導火線に火をつけようとする。

 

(愚かな…あの男はもう…捕まりました。陽花も、今度こそ安心して……魂は鎮まったはずです…)

 

冷気が辺りに漂い、少し距離を離している小尾斗にでさえもその異様な冷気は伝わってくる。まだ夏が終わったばかりなのに、この女性は一切の冷度を変えることなく保っている。

 

「んっ、おい。アレは…」

 

小尾斗が見据えたその先は、仲良く抱き合いながら涙を流す選抜メンバーの面々だ。

 

「何を喜んでるんだアイツら?

は?妖魔がいると聞いたから駆けつけに来たんだぞ?」

 

「いえ、これは……」

 

予想外な光景に混乱さえ生じてしまう小尾斗を制するよう、不雪帰は短い言葉を伝える。

 

「……おい、ちょっと待て。妖魔の反応がここで消えているということは……

倒したのか?アイツらが、あの憑黄泉を?しかも…」

 

よく見れば、蛇女子学園は崩壊さえしていない。

雅緋も、忌夢も、怪我はしているが、紫と両備、両奈は大した怪我を負ってはいない。紫はせいぜい口から血が流れた跡を残してるくらいだろう。

 

「となると、どうやら彼女たちが成し遂げたそうですね…」

 

「………不雪帰」

 

「?何でしょうか小尾斗?」

 

「……コイツらにも、伝えた方が良いのかもしれない。憑黄泉の正体…そして、忍と妖魔が今も生き続けるその理由を…

 

俺たちカグラが真に倒す、本当の巨悪を――」

 

 

 

 




今回文字数少なかったのは、ここで切り上げて次回に移りたいという気持ちがあったからです。なので投稿できるペースと配分は出来ました。
今回は早めに投稿とのことで、特殊ボイスや紹介はございません。次回はかなりやると思います。失礼しました。
ではでは、次回も頑張ります。皆さんも是が非でも、いや…もし宜しければ閃乱カグラ2期をご視聴頂けると、ファンとしても喜ばしいです。
しかもOPで新キャラ出てるし…あれ妖魔かな?衝撃だったのが、あの妖魔らしき人物が、この作品で考えてた漆月の覚醒に似てるんだが…勿論前々から考えてたことですよ?

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